2012年10月27日

流星の絆 東野圭吾


流星の絆 東野圭吾 講談社

 功(小6)、泰輔(小4)、静奈(小1)の3きょうだいが、被害者としてかつ加害者として活躍する推理小説です。舞台は横須賀市から横浜へと移っていきます。出だしの事件発生はショッキングです。毒には毒をもって制するということわざどおりの展開です。
 心理戦のやりとりが続く。作者の人間観察眼があまりにも的確なところが嫌味でもあります。わたしは、戸神政行の妻があやしいと推測しました。
 482ページの長文でありながらこの読みやすさはどうしてだろう。スラすらと読み進んでいく。刑事コロンボで意図的に相手の指紋を絵画につけさせる場面があった。同様の手法をとると判断できた。シー(静奈)のだました相手も動くだろう。推理では作者の自問自答が繰り返される。そうしながら読者を欺(あざむ)く手法と捉(とら)えました。
 403ページ付近の高山久伸と戸神行成のバッティングは奇想天外です。ちょっとありえない。それにしても行成はいい男(ヤツ)です。犯人探しの結末はすごい展開になってしまいました。なんだか作者に振り回されました。


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