2010年12月30日

◎シャレード DVD

シャレード DVD

 1963年、オードリー・ヘップバーンの映画です。古典はいい。初めて見ました。今年見てよかった映画になりました。
 サスペンスとかスリラーとかのおそろしげなものを想像していました。されど、この映画はコメディでした。オードリー・ヘップバーンの魅力を浮き立たせる娯楽作品です。彼女の周りにいる4人の男たちは殺人を苦にしない凶暴な奴らなのですが、みな正直者です。普通なら表に出さない情報をすらすらぺらぺらと口にして、本音でぶつかりあうのです。そこが楽しい。また、心理戦のだましあいです。
 観客は、最初は敵味方に分かれている彼らは敵味方ではなく、全部グルの味方と気づけます。でも最後はどんでんがえしがあるのです。初めて見る人には予測できないでしょう。
 タイムトラベルを味わえる映画でもあります。ヘンリー・マンシーニの音楽、レコード、ダイヤル式公衆電話、たばこ、クラッシクカー。電話のビーと鳴る音とパジャマを着た状態で殺害されるということが物語を引っ張ります。
 25万ドルというお金を探すという内容です。持ち主はどうも列車から突き落とされて殺害されたらしい。彼がもっていた25万ドルが見つからない。彼の妻がオードリー・ヘップバーンですが、彼女はお金のことは何も知らない。彼女の息子6歳ぐらいが、母親とあまり親子の情愛が通じていないのがいい。
 言葉数が多い映画です。コンピューターグラフィックスを使っていなくても、派手なドンパチがなくても心に残る映像をつくることは可能です。どうして、最近はこういうシンプルな名作ができなくなったのだろう。パリ観光、年上男性とのロマンス、ファッション、丁寧な筋立てと時間をかけた撮影。後半の緊迫感はさすがでした。

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