2022年01月13日

ドラえもん 第16巻から第20巻 藤子・F・不二雄

ドラえもん 第16巻から第20巻 藤子・F・不二雄 小学館 てんとう虫コミックス

 ジャイアンの下手くそで大声の歌が、このマンガの素材の定番です。
 ジャイアンは、ドラえもんが出した機器で作詞作曲の歌を披露します。
 時代設定は昭和40年代、1975年ころでしょう。『シンガーソングライター』という言葉が生まれて、自作自演のスタイルがはやったころでした。
 それから何十年かが経過して、ドラえもんが出してくれたアイデア機器が実際につくられていると思います。藤子不二雄さんの偉大さがあります。
 合わせて、バーチャルリアリティーのマンガがあります。これもまたゴーグル式の映像を観る機器が現代に誕生しています。

 1979年ごろでも自分は勤め先の独身寮で白黒テレビを見ていました。
 マンガでは、のび太がパパにカラーテレビをねだっています。
 わたしは、その後、親戚から買い替えで使わなくなったカラーテレビをもらって見ていました。

 1979年にいるのび太は、25年後、2004年の自分に会いに行きます。
 2004年の世界は、マンガでは、かなり技術が発達しています。現実よりも進んでいます。
 ただ人間は進化できていないようで、のび太は、仕事のうさばらしで酔っぱらっています。
 
 『四次元ポケット』がおもしろい。何でもポケットの中に入れることができます。
 ごみも物も人もペットも入れることができます。
 
 『ドロン葉(ぱ)』タヌキに関連づけて、人をだます葉っぱです。
 別のマンガですが、「ドロンパ」は、たしかオバケのQ太郎に出ていた登場人物でした。アメリカのお化けでした。作者は同じく藤子不二雄さんです。
 ドロン葉のお話のほうは、童話を読んだあとのような、さわやかな読後感がありました。

 夏の暑さがあります。
 家の中で登場人物のだれもが畳の上であおむけになってだら~としてすごしています。
 そういえば、このころはまだエアコンは国内全体には普及していませんでした。

 空から飴(あめ)がふってきました。
 児童文学矢玉四郎作品『はれときどきぶた』を思い出しました。
 マンガでふってきた飴は、飛行機の荷物室が壊れて落ちてきたそうです。

 マンガの素材で出てくる『ターザン』がはやったのも昭和40年代でした。

 まだ読んでいない巻もありますが、ドラえもんコミック45巻は、聖書形式のアイデア集です。じっと読み込んで活用すれば、製品製作とか特許とかにつながるヒントを生む素材になりえます。
 『雑誌作りセット』は、現代における「Amazon Kindleダイレクト・パブリッシング」と類似の方式です。
 漫画家として、手塚治虫さん、鳥山明さん、ちばてつやさんのお名前が出てきます。1979年頃のマンガですから、ドクタースランプアラレちゃんはこの頃だったと思い出しました。
 最近は耳にしなくなったピンクレディーのことも出てきます。
 まだ、ソビエト社会主義連邦共和国が存在しています。(共和国は君主がいない国。人民が主役)1991年12月に崩壊しました。

 思い出しました。
 昔の映画館には、『指定席』というものはありませんでした。席が空いていないと、立ち見というのはありました。
 マンガでは、映画館の席の予約のことが素材になっています。今だと、スマホやパソコンなどで予約ができます。
 もう20年以上前になりますが、パソコンで初めてホテルの予約をしたときに、心配になって、遠方のホテルに電話をかけて予約してあるかを確認したことがあります。
 
 人工衛星の数のことが書いてあります。マンガの当時(1970年代後半)が4千何百個で、2021年では1万2000個ぐらいだそうです。たいそうな数が地球を回っていることを知りました。よくぶつからないものです。それから、人工衛星が、引力に引っ張られて消滅することも多いそうです。
 ドラえもんは、科学の本でもあります。

 ドラえもんがポケットから出す道具で、自然が豊かだったころの地球に戻してほしい。
 人類は地球を、SDGsとか、脱炭素とか、カーボンニュートラルという言葉が飛びかう現在の地球にしてしまいました。
 
 『どこへいったのでしょうね麦わら帽子。ママ ドゥーユーリメンバー』は何かの映画の決まり文句でした。1980年発行のマンガコミックですから、1977邦画『人間の証明』でしょう。映画館で観ましたが筋立ては覚えていません。

 亡くなったおばあさんに会いに行くのび太です。おばあさんはのび太に優しい。七転び八起きの教えで、おばあさんはのび太に、だるまさんは、なんべんころんでも泣かないでおきると教えます。のび太の『ぼく、ひとりでおきるよ。これからも、なんどもなんどもころぶだろうけれど、かならずおきるから、あんしんしててね、おばあちゃん』にほろりときました。

 『箱家山』は、神奈川県の『箱根』のことでしょう。
 
 お金持ちの子息であるスネ夫は自分の自慢話ばかりをします。
 スネ夫が行った『四丈半島(よじょうはんしま)』は、『八丈島』のことでしょう。

 タイトルがいいのが『天井うらの宇宙戦争』
 スターウォーズのオマージュ(尊敬の意味をこめての物まね)があります。
 昔の映画やドラマでは、お人形さんのような小さな立体人物が映像として出てきて、なんらかのメッセージを発するものがありました。最近は見なくなりました。
 
 ときに、素朴過ぎる絵のときがあります。無表情に近い小さな女の子とか、人魚姫とか、王女とかです。不思議でした。

 『カップルテストバッヂ』隣の家の夫婦ゲンカを楽しみにしているふたりです。
 1980年ころ(昭和55年ころ)、この当時のこどもたちには、結婚に対する夢があるし、結婚することが当然という雰囲気があります。
 男目線で描かれている漫画です。しずかちゃんは理想の結婚相手です。のび太を支えてくれます。しずかちゃんなら、のび太よりももっといい男性がいるような気がします。もったいないかも。
 ところが、マンガは、のび太の『結婚するの、こわくなった』で終わりました。
 (このあと、第20巻の後半部で、ドラえもんが「(しずかちゃんのような)あんないい子がなんだってよりによってのび太くんなんかと(未来で結婚したのか)。もう少しましな男がいっぱいいるのに…」という言葉が出てきました。同感です)

 雨が降り出して、家族が駅まで傘を持って仕事帰りのパパを迎えに行きます。こういう光景は、最近は見かけなくなりました。
 自分が小学一年生だったときに、まだ若かった母親と幼かった弟が小学校まで傘を持って来てくれたことを思い出しました。もう遠い日の出来事になりました。嬉しかった。

 Amazonの宅配便のようなシステムが出てきます。
 昭和50年代なかば(1980年ごろ)にクロネコヤマトのサービスは一般的ではなかったと思います。郵便小包か国鉄でチッキとよぶ方法で大きなものを運んでもらっていました。
 ドラえもんのマンガを読みながら「昭和時代」の歴史を勉強しているような気分です。

  郷ひろみさんをモデルにしたタレントさんが出てきます。
 マンガは、1970年代後半のことであり、2021年の紅白歌合戦でも郷ひろみさんが現役歌手で健在であることを考えると、たいしたもんです。郷ひろみさんは人間として超越したものをもっているのでしょう。

 こどものころ『秘密基地遊びごっこ』はよくやりました。楽しかった。
 野原や木が生い茂ったやぶの中につくりました。また、自分がこどもだった当時は、まだ戦時中の防空壕が残っていて、そこに潜んだりしました。(数人でひそんでたむろした)。防空壕は山に開けた横穴で、中はかなり広かった記憶です。

 『実物立体日光写真』昔は写真一枚を撮るのにも時間をかけていました。
 小学生のときに、こども向けの雑誌の付録で、紙製のカメラをつくった覚えがあります。写真屋にフィルムを買いに行ったら、店主から、どうしてこんな特殊なフィルムを買うのだと聞かれて、気が小さかったので、うまく説明できず、黙り込んで、フィルムを買えたかどうかまでは覚えていません。たしか「ブロニー版のSS」とかいうフィルムでした。

 しずかちゃんの入浴シーンが多いのは、男の本能が表に出ているからでしょう。

 銀河鉄道999(スリーナイン)とか、宮澤賢治作品『銀河鉄道の夜』が素材のマンガもあります。
 「オンボロメダ発、ハテノ星雲行き」の蒸気機関車が夜空を走ります。
 ライバルは、新幹線かと思ったら、「どこでもドア」でした。笑いました。

 マンガ雑誌を映像データで保存するカメラが出てきます。
 いまどきの電子書籍です。

 酔っ払いのおじさんの立ちションのおしっこの暖かい温水で、写真映像になっていたのび太が、人間に戻りました。
 愉快でした。
 
 スイスみやげの腕時計が出てきます。
 そういえば、スイス製の高級腕時計がもてはやされた時代がありました。

 テストで、30点もとったとママからほめられるのび太です。
 いつもは、0点ばかりです。

 『細菌』の話が出ます。
 抗生物質、調味料のもと、なかなか本格的な理論展開があります。

 硬貨のお年玉の話がでます。
 電子マネーが浸透してきています。
 未来のお年玉は貨幣ではなくなるのかも。味気ない。(あじけない)

 全体をとおして、基本は、少年少女向けのギャグマンガです。(読者の笑いを誘うマンガ)

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