2016年08月09日

夜廻り猫 今夜もどこかで涙の匂い 深谷かほる

夜廻り猫(よまわりねこ) 今夜もどこかで涙の匂い 深谷かほる KADOKAWA

 どこの本屋にもネココーナーがあります。ブームだそうです。たしか、35年ぐらい前になめネコ(なめんなよと突っ張り不良の服装をしたネコ)ブームがありました。
 この本は、四コマ漫画です。売れていると聞きましたが、本屋の棚にはなかったのでネットで購入しました。

 派手な色彩です。また、妖怪のように不気味で怖そうなネコです。夜回り先生というのは聞いたことがありますが、ネコは初めてです。サブタイトルのフレーズに「涙の匂い」とありますので人情話を予想しました。

 本のカバーの裏にマンガがびっしり描かれています。どうも主人公の大きなどらねこの名前は「遠藤平蔵」らしい。それは、人間の名前です。
 夜空の絵から察すると、東北出身の詩人・童話作家である宮澤賢治氏を意識している。

 けっこう読むのに時間を要しました。1週間ぐらいかかりました。文章量が多い。描画はどれも夜の風景、光景で暗い。ストーリーは人情ものでした。ちょっと偏りすぎもあって、わたしには合わない作品でした。笑えない。暗い。好みが分かれます。かなりわびしい部分もあります。

 「泣く子は、いねがー」のフレーズが必ず最初にくることが、連続で読んでいるとくどい。ワンパターンでもある。

 鉄拳のパラパラマンガの路線です。ほろりとくる。

 おもしろかったのは、54ページ「家族」、できそこないの息子が捨てられます。それから、74ページ「赤の他人」、血縁関係がなくても家族です。108ページ「凍えた時」、だれかのつらさを聞くと背中の傷が増える。172ページ、あかちゃんねこの眠る絵

 198ページの青年には言いたいことがある。他人に期待するな。他人に頼ろうとするな。家族を大事にしろ。

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