2016年02月13日

江の島西浦写真館 三上延

江の島西浦写真館 三上延(みかみ・えん) 光文社

 茶色ベース、セピア色というのだろう。本のカバーはレトロ(古めかしい)です。美形の女性がひとり、やっぱりほっそりしている。反対側に反対を見ながら背の高い若き男性の絵があります。ふたりともモデルさんか俳優さんのようだ。

 さて、舞台は、鎌倉江の島にある写真館です。昨年11月、お天気の良い日に横浜から車を運転して行ってきました。そんな思い出をもちながら文章を読み始めました。

 たしか、江の島はネコの島でした。プロローグ(冒頭)は、白いメスネコの立場で書き始めてあります。第一話はなんということもなく読み終えました。やはり写真館なので、写真にまつわるミステリーです。一眼レフカメラ、若い頃、もっていたことを思い出しました。

(つづく)

 第二話の始まりあたりは、宗教のお話です。
 永野琉衣(ながの・るい)、美少年の小学生、2年生ぐらい。主人公の桂木繭が10才3年生でしょう。繭が琉衣をモデルに祖母の一眼レフニコンEMで撮影します。それらの写真が原因で、琉衣は失踪したとなっています。

(つづく)

 読み終えました。
 第四話は、おぞましい結末で、後味が悪い。
 それに続く「エピローグ」で救われます。

 28才となった繭の人格設定がけっこう厳しい。本来は根暗、カメラマン気取りの時期だけが攻撃的な異人の部分が表面に出ていた。そして、人の心を傷つけた。

 芸能界がらみで、情報を漏らして楽しんだ犯人探しがあります。今年の年明けの芸能界騒ぎのようです。正直、興味がない。
 カメラは暴力的要素をもっています。スマホも同様でしょう。もたないにこしたことはない。だんだん本の感想からはずれてきました。

 86ページあたりから嫌悪感が生じて、読むのをやめようかという気分になりました。ありえない夢のような話です。美男・美女ばかりの登場人物たち、お金持ち、芸能人、成功者と宗教家、それらをカメラはフィルムに記録していく。

 友情のように見えていた偽りの交友関係があります。
 いまは、修復のとき。
 いちど傷つけられた琉衣が繭を許容するとは思えない。

 フィルムの仕組みが、キーになって、謎が解き明かされていく。
 いまどき、写真館で家族写真を撮る人は少なかろう。
 ヨナという名の白いネコが、写真館を出入りするけれど、きっと亡くなった桂木繭の祖母である西浦富士子の魂がその猫に宿っているのだろう。


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