2015年10月21日

シンドラーのリスト

シンドラーのリスト 洋画 DVD

 有名な作品ですが、初めて観ました。
 195分間のたいへん長い映画でした。他の作業をしながらの鑑賞で、ときおり早回しをしながら、日本語吹き替えで観ました。本編終了後は、生存者数名の証言が記録された特典映像を見ました。彼らの証言どおりに作品が製作されたことがわかりました。事実に基づくドキュメンタリーに近い映画です。

 証言者の言葉にあるとおり、ドイツ人実業家オスカー・シンドラーは天使ではありません。
 お金とワインと女が好きな男です。ただ、人情深い。おそらく彼は苦労人でしょう。自分の工場で働かせることにして、ユダヤ人労働者にブルーカード(労働証明書)を提供(偽造に近い)して、ドイツ軍の収容から除外させる。贈賄も積極的にやる。お金でユダヤ人たちを救っていきます。彼の工場で働く(実際は働かない、働けない)人々1200人の氏名をリストに載せて、彼ら、そして彼らの子孫の生命を維持させたのです。

 引き裂かれる夫婦がいました。ドイツ軍が、町に来て、連れ去っていくのです。総合的で規模の大きな誘拐です。
 従わない者は射殺する。戦争時の殺害は犯罪ではない。
 シンドラー自身も命が危ないだろうにという状況にあって、パールマン夫婦の救出劇は素晴らしかった。

 映画における収容所所長アーモン・ゲートの扱いは特別です。悪の象徴のように残虐性が集中的に描き出されています。その理由がわかりませんでしたが、特典映像で、所長は実在の人物で、実際、いきなり発砲したそうです。シンドラーは、おおぜいの囚人を一個人の責任で統率するところから出るストレスのせいだと、所長をかばいます。

 白黒映像で、バックグランドミュージックには、讃美歌のような合唱が続きます。軍事力の弱い国(ポーランド)は、攻め込まれたら、あっという間に日常生活を営むことができなくなりました。ナチスドイツ軍のポーランド侵略は衝撃的です。大規模自然災害に襲われた瞬間のようです。

 終戦シーンはあっけなかった。
 シンドラーの言葉で、生き延びたのは、「君たちの力だ」がよかった。もっと金や物を使えば、より多くの人命を救えたという言葉は、財を投げ売って他者のために尽くした彼らしくて、それもよかった。

 ドイツがシリア難民を積極的に受け入れるのは、過去の反省があるからだろうか。

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