2014年08月22日

事故がなくならない理由 芳賀繁

事故がなくならない理由(わけ) 芳賀繁 PHP新書

 リスクマネジメントの本と理解して購入しました。
 ケアレスミスが重大事故の起因となる。防がなければなりません。
 読み終えてみると、一個人の意見なのかと感じました。読者は、読んだことを自分にあてはめて考える必要があります。著者は、安全装置の効果に疑問をいだき、安全装置に頼らない注意力の喚起を求めています。
 車の運転に関する事例が多い。端的にいえば、運転が下手なドライバーのリスクが高いわけではなく、上手なあるいは上手だと誤解・過信しているドライバーのほうが事故を起こすことが多い。
 高速道路を運転していると、最新式の充電式自動車、いわゆるエコカーの乱暴な走行が多いと感じています。追い越し車線を猛烈なスピードで飛ばしていきます。燃費がいいから飛ばす。メーターはデジタル式でアナログほどの速度の分量を実感できない。音が静かなのでスピード感がない。
 リスクとベネフィット(利益)は隣り合わせにある。リスクの大きさとベネフィットの大きさは比例する。人類の性質として、リスクがあっても大きなベネフィットを求める人が多い。著者は、リスクとの共存を提案しています。油断をしない。リスクを予知する。
 ホメオスタシス理論が登場します。恒常性です。活動を一定に保つという意味です。平常心を保つということなのでしょう。運転であれば、安全を目的とした自分の型をつくることだと理解しました。
 原子力発電所に関する記述が登場します。過去において、原子力発電にも必ずリスクがあるのに、事故は起きないという神話がありました。事故が起きないから対策は作成しない。
 正常性バイアスの記事があります。かたよった正常化の見かたです。異常事態が発生しているのに、異常な状態を心が肯定しないのです。例として、火災報知機が作動しているのに、誤作動だと先読みして避難しないことがあげられています。
 本を読みながら、安全はお金で買うものという意識が芽生えました。
 BSE狂牛病のお話が登場しました。マスコミの影響が大きい。民衆はマスコミの偏った報道に誘導されていきます。
 ヒヤリハット事例について、ハインリッヒの法則が紹介されています。1対29対300の理論です。
 マイペースを守りながら気をつけて暮らしていく。緊迫した時間帯をつくらない。語らいで情報交換に努める。そんなことを自分なりに発想しました。なんだか変だなと感じたら見過ごすことのないようにしたい。

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