2023年03月11日
ウクライナ戦争 小泉悠
ウクライナ戦争 小泉悠(こいずみ・ゆう) ちくま新書
BSや地上波のテレビ報道番組でよく見かけるお方(おかた)です。
軍事評論家としてのわかりやすい解説に好感をもっています。
奥さんがロシア人、複雑なお心もちでしょう。小さなお子さんもおられます。(237ページに、妻エレーナさん、娘さんが、ありささんとあります)
この本は売れています。読んでみます。
本の帯に『第3次世界大戦はあり得るのか?』と書いてあります。
ところが、この本以外のほかからの情報として、先日テレビで『第三次世界大戦はすでに始まっている。2022年2月24日ロシアがウクライナに侵攻した日が開戦日である』と説明があり、自分は納得しました。
たいへんなことになりました。ロシア大統領の言動がうらめしい。本人に誤算があったのでしょう。短期間で占領できると自信があったのでしょう。
現時点では、いつ終わるのかわからない状態ですが、自分が思うに、最後はロシアが衰退化するのでしょう。
いつどこで、決着をつけるのか。ロシア国民と中国が鍵を握っています。
わたしは、実用書を読むときは、最初にすべてのページをゆっくりめくります。
237ページあります。
目次があって、地図があります。
本の内容は、2021年(令和3年)から始まります。コロナ禍もあって、世界は大混乱です。
そんな混乱の中で、ゼレンスキー大統領という偉大な人が生まれました。
命がけで国民を守ってくれる大統領です。
西欧諸国は、ウクライナを犠牲にして無難に話をまとめようとしたような初動(しょどう。初めの動き)が見受けられます。ゼレンスキー大統領に国外退避を勧めています。
ウクライナの土地がロシアに奪われることは、日本の北方領土が奪われる。さらに、北海道がロシアに奪われることの見込みにつながります。
他人ごと(ひとごと)ではないのです。
類似の状況にある他国も同様です。
42ページに『コメディアンVSスパイ』とあります。(なるほど)(その後、コメディアンは、偉大な政治家になり、スパイはコメディアンになったというオチがありました)
第1章から第5章まであります。
第1章:2021年春の軍事的危機 2021年1月~5月
第2章:開戦前夜 2021年9月~2022年2月21日
第3章:「特別軍事作戦」 2022年2月24日~7月
第4章:転機を迎える第二次ロシア・ウクライナ戦争 2022年8月~
第5章:この戦争をどう理解するか
ベラルーシという国について考えさせられます。ロシアと心中(しんじゅう。ともに死す)するつもりはないでしょう。
日本の戦国時代だと、寝返り(ねがえり。裏切り)が頻発(ひんぱつ)しています。
ハラショー:「いいだろう」というロシア語(許可。同意)が出てきました。(去年読んだ伊坂幸太郎作品『ペッパーズ・ゴースト』を思い出しました。“ハラショー”が出てきます。『ハラショー、アメショー、松尾芭蕉』(相手を仲間だと確認する合言葉でした))
そうか。ロシアの外相(外務大臣)は、針の筵(むしろ)に座らされている状態なのか。
腹の中にある自分の意見と自分の口から出す言葉が正反対の状態があるのかも。
昨年テレビの戦争報道番組を観ていて強烈に記憶に残ったシーンがあります。
ウクライナの人たちが(ロシアを)『絶対に許さない』(今回のことを)『絶対に忘れない』と何度も繰り返して強くつぶやいていました。大声をあげるのではなく、小さな低い声で何度も繰り返していました。憎しみ、憎悪の気持ちが強い。
このことは、これから先50年から100年以上、いやそれ以上、半永久的には続く国民感情として、ロシアとの対立になっていくでしょう。(第二次世界大戦を体験した韓国の年配の人たちがもつ日本に対する感情に似ています)
ロシアの大統領は大変なことをしでかしました。
ロシア国民の主体性のなさを感じました。
独裁者に依存する国民性が浮き彫りになりました。
判断や決定を権力者にゆだねる。
失敗があった時は、権力者のせいにする。
自分の頭で自分のことを考えない楽な生き方です。
あわせて、ロシア軍は強くなかった。
世界は、誤解と錯覚で成り立っている。
そんなことを再確認できた出来事でした。
138ページにロシア軍人によるブチャでの残虐な行為が書いてあります。
先日読んだ『これでいいのだ 赤塚不二夫 文春文庫』に、赤塚一家の母子5人が、終戦後、当時いた満州から日本へ逃げてくる最中(さいちゅう。父はシベリア抑留に連れて行かれた)のことが書いてありました。
侵攻してきたソ連軍兵士たちが現地で野蛮な行為をしていました。
時代と場所が違っていても兵士のやることは同じです。
ネオナチ国家:日本人には聞きなれない言葉でピンときません。
ウクライナの人が、ナチスドイツのような人とは思えません。
核兵器の使用:使った国は、そのときは優勢でも、最後には滅びます。
全体のページをめくり終えました。
(2回目の本読み)
第1章:2021年春の軍事的危機 2021年1月~5月
ロシア語とウクライナ語の勉強です。
マラジェーツ!:ロシア語で「えらいぞ!」
キエフ:ウクライナ語では「キーウ」
ウラジミール・ゼレンスキー:ウクライナ語では「ヴォロディミル・ゼレンシキー」
ハリコフ:ウクライナ語では「ハルキウ」
ドネツク:ウクライナ語では「ドネツィク」
ルガンスク:ウクライナ語では「ルハンシク」
オデッサ:ウクライナ語では「オデーサ」
ほかの方たちの感想を知りたいと思って、ネットでこの本の読後感想を複数読みましたが、みなさん書き方がむずかしくて、ちょっとわたしには理解ができませんでした。
2022年2月24日ロシアのウクライナ侵攻が始まる:読み手の自分の思いです。なぜこんなことになったのか。ロシア国民が、独裁者の誕生を許したからです。
彼の判断と決断で、ロシアとウクライナの人たちが、たくさん亡くなったり、傷ついたりしています。
ロシアに対する民族主義的野望:特定の民族が中心となって、政治、経済、文化、言語を統一した組織を立てて、特定の民族が利権を独占する。
今回の戦争の動機とか理由がはっきりしません。ネオナチ思想は、根拠がない。ロシア軍人は自分がなんのために戦っているのかわからない。給料をもらうためにということしか思い浮かべるものがありません。
動機は、ロシア大統領の意向だけです。
ロシアとウクライナは共有関係にあるそうです。
歴史、文化、宗教、言語が重なる。
ウクライナ人の3割から半数がロシア語を母語としている。(母語:ぼご。生まれて始めて話す言葉)
農耕地としての豊饒(ほうじょう。作物が豊か)な土地をもつウクライナです。
ロシア人とウクライナ人の民族紛争は、土地の取り合いと理解しました。
トランプ前大統領もからんでいます。
ロシアにとって、ウクライナに冷たかったトランプ大統領は都合のいい存在だった。
トランプ大統領はロシアに対して甘かった。(「アメリカ・ファースト(他国の紛争に米国は加勢しない)。見方によっては、トランプ大統領は、ロシア政府側の担当者ポストの位置にいたのではではないかと思えてきます)
ナラティブ:物語、語り、話術
バイデン大統領の息子はウクライナの天然ガス企業で重役を務めている。
なんだか、組織の上層部は、敵対しているようで、実はグル(仲間)の様相(ようそう。ようす。ありさま)があります。
アレクセイ・ナヴァリヌィ:ロシアの弁護士、政治活動家。野党活動家。ロシアの刑務所に収監されている。
国民が洗脳されている。(心を権力者にコントロールされている)
ハゲの悪魔:ロシアの大統領のこと。(ウクライナの大統領がそう呼ぶ)
ウクライナの大統領は、2015年(平成27年)テレビドラマ『国民の僕(しもべ)』にウクライナ大統領役で出演して、2019年(令和元年)に本物の大統領に就任した。まるで、ドラマか映画のようです。
シュタンマイヤー方式:シュタンマイヤーは人の名前。ドイツ人外務大臣。①住民投票を行う。②ウクライナは、法律を発効させる。③ウクライナは、法律を恒久化させる。
ドンパス:ウクライナの東南部に位置する地方。ドネツィク州とルハンシク州
メドヴェチューク:ウクライナの政治家。親ロシア組織『ウクライナの選択』の議長。ロシア大統領の協力者。ウクライナに逮捕されたのちロシアに引き渡された。
読んでいて考えたことです。
ウクライナの東南部にはロシア人が住んでいて、ロシア人の自治がある。
ロシアは、親ロシア地域だけをロシアにとりこめば満足するのだろうと思いつくのですが、ロシア大統領は、ウクライナの国土全体をロシアにとりこもうとしています。なぜだろう。(これから読み続けるとわかるような気がします)
(つづく)
第2章 開戦前夜 2021年9月~2022年2月21日
読んでいて、ウクライナもロシアと共倒れになる危険性があると思いつきました。
ウクライナは、経済力を失って、国家が貧しくなるような気がしてきました。
他国からの援助頼みだけでは……
自力で稼がねば、国は成り立っていきません。
(読み手の自分の気持ちとして:ロシアはまえまえから、ウクライナを自国に併合しようという気持ちがあったに違いない。ゆえに、遅かれ早かれこうなっていたに違いない)
[2021年7月12日に発表されたロシア大統領の論文『ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性について』]
どうにでも読み取れる内容です。
ロシア、ウクライナ、ベラルーシは、民族・言語で共通性をもっている。(だから、ウクライナはロシアに含まれると解釈している。
この付近を読んでいて思い出した二冊があります。
『同志少女よ敵を撃て 逢坂冬馬(あいさか・とうま) 早川書房』
(78ページ)『ウクライナがソヴィエト・ロシアにどんな扱いをされてきたか、知ってる? …… ソ連にとってのウクライナってなに? 略奪(りゃくだつ)すべき農地よ(戦争をして、(ウクライナという財産を力づくで奪う)』
もう一冊あります。絵本です。
『こすずめのぼうけん ルース・エインズワース・作 石井桃子・訳 堀内誠一・画 福音館書店』
鳥の鳴き声で鳥の種類を分類します。民族を分けるようにみえます。
こすずめは、ほかの鳥たちから拒否されてばかりです。
『血統主義(子は親と同じ国籍を取得する)』を感じる外国絵本です。
民族主義。
同一民族で国家を築く。
他の民族を排除し、同じ民族での結束を重視する。
ロシア大統領いわく『ウクライナなどという民族はない』
ソ連:民族別共和国制度を導入した。ロシア大統領は、その政策は誤っていたとする。
ロシア大統領は、ウクライナの独立は、政治的手違いとする。
なにもかもウクライナと西側(諸国)が悪いとする。
ウクライナの主権は、ロシアにあるとする。
自分は悪くない。相手が悪い。
判断は相手がすべきだ。
(まるで)他人事(ひとごと)です。
自分の未熟さが原因なのに、相手のせいにする。
自立しているようで、自立していない考え方です。
デタント:フランス語。戦争の危機にある二か国が、緊張緩和すること。平和的共存を目指す。
開戦してしばらくは『ウクライナの中立化』という言葉を聞きましたが、最近は聞かれなくなりました。
第二次ミンスク合意:ベラルーシにあるミンスクで2015年にウクライナ東部ドンパス戦争の停戦を意図したウクライナとロシアの合意。
①治安項目:戦闘停止、重火器撤去、ロシア軍の撤退
②政治項目:ウクライナが、ドンパスに特別の地位を認める。現地で住民投票を行う。
①と②の順序で折り合いがつかない。ウクライナは①が優先。ロシアは②が優先。
ドイツ外務大臣が提唱したシュタインマイヤー方式は、まず②を行う。そのことをウクライナ大統領が受け入れようとしたことに対して、ウクライナ国民の世論が反発した。
CSIS:戦略・国際研究センター。アメリカ合衆国ワシントンに本部を置く研究機関
読んでいて思うのは、ベラルーシが戦争の協力者であること。
されど、ウクライナの首都で核爆弾が爆発すれば、ベラルーシにも放射能を帯びた空気が届くでしょう。(ベラルーシはそのことをわかっているはずです。ベラルーシもこの戦争の犠牲者なのかもしれません)
著者のもつ性質として『軍事屋(ロシア侵攻は確実と踏んだこと)』そしてもうひとつが『ロシア屋(ロシアに愛情をもつ者として迷いがあった)』があるそうです。
結果として、ロシア大統領が、今回、何をしたのかがわからない。
ウクライナの大統領は、ウクライナ語を話せなかった。ロシア語が母語だったということは、なかなか衝撃的なことがらです。
ロシア国とかロシア人とかは、嘘をつく民族。お互いに信頼関係を築ける相手ではないと思ってしまいます。
相手が弱っているときに、相手の領土へ攻め込んでくるという卑怯(ひきょう)なことができる民族と感じてしまいます。
ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国がある。ロシア大統領が両国を正式に国家として承認した。
第二次ミンスク合意は、破棄(はき。捨てられた)された。
97ページから98ページは、まるでドラマです。
永遠の命をもつ人間はこの世にはいません。
『神』という存在が、本当はいるのではないかという錯覚をもってしまいます。
第3章 「特別軍事作戦」 2022年2月24日~7月
ウクライナの首都キーウから30kmの地点にあるアントノウ空港をロシア軍が占拠して、多数のロシア軍人を置く。
ロシアが、キーウにある議会と官庁を占拠する。
臨時議会を招集して、傀儡政権(かいらいせいけん。ロシアの意向に従う政権)を樹立する。
斬首作戦と呼ぶそうです。(ざんしゅさくせん。行政組織のトップの首をとる)
ロシアの幹部からウクライナの幹部に降伏をうながす電話が入る。
ベラルーシの幹部からウクライナの幹部に降伏を勧めるメッセージの電話が入る。
ウクライナの国内にスパイやスパイ的組織がすでにできあがっていた。(ただし、本当に戦争になるとは内通者であるスパイ自身が思っておらず、スパイは、お金だけもらって、逃げ出して仕事を放棄したという状態だったようです)
味方の顔をした敵(スパイ)がたくさんいます。
ウクライナ国内は、スパイだらけです。
特別軍事作戦:軍事力をあまり使わず、短時間で、敵の主権を奪うつもりの作戦だった。
チェールノービリ(チェルノブイリ)原子力発電所の責任者は、ロシアの協力者だった。(だからロシア軍に原発を乗っ取られたのか)
デルカチ:ウクライナの議員。ロシアの長年のスパイ。
スペツナズ:ロシアの特殊任務部隊
ロシア大統領は、ウクライナ大統領に死んでもらいたかった。(政治的にという意味がある)
現実に侵攻しているドラマを見ているようです。
ロシアには互いの『信頼関係』がないようです。
若いころ、仕事場で習った言葉を思い出しました。『組織というものは、外部からの力で壊れるのではなく、内部からの力によって壊れる』
『予想』というものは、はずれることもある。いやいや、けっこうはずれる。100%予想を信用してはいけない。
『予想』がはずれる理由のひとつが『慢心(まんしん。いい気になる。おごりたかぶる)』です。
ウクライナ軍は組織的な戦闘力を保有し、維持していく力があった。
対戦車ミサイル『ジャベリン』が効果を発揮した。
ミーム化:真似することによって、人から人に伝わり、増殖していく状態。
ウクライナ人は、ウクライナのために戦うことを決心した。ウクライナ人は、ウクライナの領土に関して、ロシアに譲歩しない。(譲らない。ゆずらない。ロシアの意見や要求には従わない)
ロシア空軍は機能しなかった。
潰走劇(かいそうげき):戦いに惨敗して敗走すること。
ロシアの生物・化学兵器の使用に関する報道が一時期ありましたが、最近は聞かなくなりました。
西側諸国は、ロシアが、自分たちと直接衝突にならないことを願っている。
停戦交渉がストップしたのは、ロシア軍人たちによるブチャでの大虐殺が原因である。
もう元には戻れない。
ロシアは国際社会から追放されるような状態にあるが、ロシアの味方をする国々がいる。
ロシア軍人のブチャにおける行為は『悪』である。
これが『戦争』である。
ニーチェの言葉を思い出しました。
ニーチェ:1844年-1900年。55歳没。ドイツ・プロイセン王国の思想家。
『ツァラトゥストラはこう言った 上・下 ニーチェ著 氷上英廣訳 岩波文庫』
ニーチェという人は、ドイツの哲学者です。記述はキリスト教の預言書のようです。ツァラトゥストラ氏は孤独です。精神世界のことが綴られていきます。
教わらなければ人間は獣(けだもの)と同じ。
教育の重要性を説く部分だろうと意味をとれた箇所がありました。人間のなかには、「おのれ」と「わたし」が同居している。「おのれ」は本能で、「わたし」が理性です。
そして両者は常に争っている。人間の心を形成しているものが「知識」と「知恵」そして「理性」です。人間は最終的に人間の手によって滅びると預言しているようです。
『戦争』は「おのれ」の世界なのでしょう。人間の強欲(ごうよく)がむきだしになります。
この本は中身が濃い。
今年読んで良かった一冊になりました。
ブラフ:ハッタリ。こけおどし。虚勢(きょせい)、脅し(おどし)
第4章 転機を迎える第二次ロシア・ウクライナ戦争 2022年8月~
ドヴォルニコフ:2015年シリアへの軍事介入での有能な貢献者。統括司令官(2022年5月半ば以降姿を見せなくなった)解任されたという話あり。ロシア大統領が軍のやりかた、ありかたに、口出しを始めたのではないか。
読んでいると、ロシア大統領自身が、ロシア軍の中で、爆弾のような存在に思えてきます。
ショイグ:国防大臣。軍人としての経験はない。ロシア大統領のイエスマン。
HIMARS:高機動ロケット砲システム。ハイマース。
武器の供与について、アメリカ大統領は、第三次世界大戦を避けたいがために、言葉を操ろうとしている。(あやつろうとしている)
M270多連装ロケットシステム:MLRS
ウクライナの戦法として、ロシアの軍部隊を攻撃するのではなく、部隊を支える部分を狙う(弾薬集積場)、燃料集積場、橋など)。兵たん(前線への補給路)と火力を妨害する。
ウクライナは、南部へ兵力を集めると見せて、東部のロシア軍を南部へ移動へと導いて、手薄になった東部へ進出した。(日本の戦国時代の戦法をみるようです)
ロシアの体力をゆっくりと消耗させていく。
戦争が始まったころ、経済制裁でロシアは大きなダメージを受けるという話がありましたが、そのようには見受けられません。とかく、予想ははずれます。お金が動くときは、別のルートで動かせたりもします。
ロシアが本格的な戦争にもちこめない(総動員)理由が書かれています。
虚構の箱の中にあるような国です。
戦争をやるなら一般国民を巻き込まずに職業軍人だけでやってくれです。
一般人に実害が出たら、政府を支持しないです。
国民不在の戦争です。
奇妙です。
大都市部のお金がある国民の動員は避けて、少数民族や貧困層に戦争への動員をかける。
核使用(原子爆弾)について書いてあります。
パターンが3つあるそうです。
読んでいて自分なりの受けとめとして、
①大規模爆発(現実にはありえないだろうとの予想)
②限定的爆発(広島、長崎のような中小規模の都市に落とすということか)
③被害のないところで爆発(威嚇いかくのため)
エスカレーション:戦争の規模が段階的に拡大する。
ロシアが核兵器を使用したら、アメリカ合衆国は、同程度の核使用でロシアに応える(こたえる)。潜水艦から、核弾頭を搭載したミサイルを目的地に発射する。
ロシアがヨーロッパにある米軍基地を核攻撃したら、ロシアの友好国ベラルーシに同様に核攻撃をするという発想もある。(なにやら、地球の終わりが近づいて来るようです。ロシアも理解している。ゆえに核戦争にはならないだろう)
思うに、ウクライナ国民のロシアに対する憎悪は強い。核攻撃をされても気持ちはひるまない。なおさら憎悪は強まる。『絶対に許さない』『絶対に忘れない』というウクライナの人たちの言葉が思い出されます。
昔、映画館で観た邦画『宇宙戦艦ヤマト』をなぜかしら思い出しました。
第5章 この戦争をどう理解するか
戦争の『性質』と『特徴』についての記述があります。善か悪か。
性質:なんのために戦争が行われているのか。戦争と社会との関係。
特徴:戦争の様態(ようたい:形、ようす、ありさま)。武器。戦術。
特徴は、『無人航空機(UAV)』が大掛かりに使用されている。ドローン。それから、宇宙が利用されている。衛星通信、衛星航法システム。されど、80年前のドイツ・ロシアの戦争と同じ部分がある。場所の取り合い、攻撃のしかた、一般市民への暴力など。
ハイブリッド戦争:『情報(政治、経済、文化、宗教、心理、思想など)』を戦争の材料にする。敵国を不安で不安定にする。軍事力を抑制する。政権を機能不全にする。
軍事オタク(愛好者)の文章が続きます。
研究者の文章です。
ヒズボラ:1982年に結成された政治武装組織。レバノンシーア派イスラム主義の政治組織。
ウクライナ大統領は、米国や英国へと自由自在に移動します。
ロシア大統領は、中国へは移動しません。ウクライナ大統領のほうが、役者が一枚上なのか。
ロシアは、国民の言論統制や、思考において心理を誘導します。反対勢力者を捕まえて自由な発言を封じ込めます。圧力はいつまで続けることができるのか。
迷走しています。
だれがこの戦争を止めるのか。
ロシア国民が止めるしかありません。
給料が払われなくなったら、兵隊の動きは止まるでしょう。
武器を使い果たしたら、もう攻撃はできないでしょう。
いつかその時が訪れる。
『徴兵制』について考えました。
他国にはある徴兵制です。日本はだいじょうぶだろうか。
あっという間に他国に支配されてしまわないか。のんきでいいのか。
思い出した本があります。
『カエルの楽園 百田尚樹 新潮社』人をカエルにたとえた擬人法です。
「カエルの楽園」であるツチガエルのナパージュ王国が日本でしょう。国民は、三戒(①カエルを信じろ ②カエルと争うな ③争うための力をもつな)で、争いを放棄しているから争いには巻き込まれないとかたくなに信じています。(カエル=さまざまな国の国民です。ツチガエルが日本人、ウシガエルが中国人、エンエンが韓国。巨大な鷲がアメリカ合衆国です。最終的に、ナパージュ王国(日本)は滅びるのです)
ウクライナは、ネオナチ国家ではない。一部にそのような組織があったが(アゾフ連隊ほか)、国民全体のことではない。
読みながら思うに、ロシア大統領は単純にウクライナの土地が欲しかった。
ロシア大統領に失策(エラー)があった。見込み違いがあった。
軽はずみなことで、事態の収拾ができない状態になっている。
『核兵器』を脅し(おどし)に使うと効果がある。
戦争当事者国になる可能性として、日本は直接的には大丈夫だろうが(間接的にはある)、台湾は危うい(あやうい)。
いろいろあります。
ロシア大統領をとめるのは、ロシア国民と思いたい。
それでも、今回の件は、半永久的に続く案件です。ひきずります。ウクライナ人は、ロシアがやった行為を『絶対に許さない』し『絶対に忘れない』のです。
本には、世界はもはや安全ではないと書いてあります。(欧州、大西洋の空間、そして、日本を含むインド太平洋の空間に危険な要素がある)
読み応え(ごたえ)のある本でした。
BSや地上波のテレビ報道番組でよく見かけるお方(おかた)です。
軍事評論家としてのわかりやすい解説に好感をもっています。
奥さんがロシア人、複雑なお心もちでしょう。小さなお子さんもおられます。(237ページに、妻エレーナさん、娘さんが、ありささんとあります)
この本は売れています。読んでみます。
本の帯に『第3次世界大戦はあり得るのか?』と書いてあります。
ところが、この本以外のほかからの情報として、先日テレビで『第三次世界大戦はすでに始まっている。2022年2月24日ロシアがウクライナに侵攻した日が開戦日である』と説明があり、自分は納得しました。
たいへんなことになりました。ロシア大統領の言動がうらめしい。本人に誤算があったのでしょう。短期間で占領できると自信があったのでしょう。
現時点では、いつ終わるのかわからない状態ですが、自分が思うに、最後はロシアが衰退化するのでしょう。
いつどこで、決着をつけるのか。ロシア国民と中国が鍵を握っています。
わたしは、実用書を読むときは、最初にすべてのページをゆっくりめくります。
237ページあります。
目次があって、地図があります。
本の内容は、2021年(令和3年)から始まります。コロナ禍もあって、世界は大混乱です。
そんな混乱の中で、ゼレンスキー大統領という偉大な人が生まれました。
命がけで国民を守ってくれる大統領です。
西欧諸国は、ウクライナを犠牲にして無難に話をまとめようとしたような初動(しょどう。初めの動き)が見受けられます。ゼレンスキー大統領に国外退避を勧めています。
ウクライナの土地がロシアに奪われることは、日本の北方領土が奪われる。さらに、北海道がロシアに奪われることの見込みにつながります。
他人ごと(ひとごと)ではないのです。
類似の状況にある他国も同様です。
42ページに『コメディアンVSスパイ』とあります。(なるほど)(その後、コメディアンは、偉大な政治家になり、スパイはコメディアンになったというオチがありました)
第1章から第5章まであります。
第1章:2021年春の軍事的危機 2021年1月~5月
第2章:開戦前夜 2021年9月~2022年2月21日
第3章:「特別軍事作戦」 2022年2月24日~7月
第4章:転機を迎える第二次ロシア・ウクライナ戦争 2022年8月~
第5章:この戦争をどう理解するか
ベラルーシという国について考えさせられます。ロシアと心中(しんじゅう。ともに死す)するつもりはないでしょう。
日本の戦国時代だと、寝返り(ねがえり。裏切り)が頻発(ひんぱつ)しています。
ハラショー:「いいだろう」というロシア語(許可。同意)が出てきました。(去年読んだ伊坂幸太郎作品『ペッパーズ・ゴースト』を思い出しました。“ハラショー”が出てきます。『ハラショー、アメショー、松尾芭蕉』(相手を仲間だと確認する合言葉でした))
そうか。ロシアの外相(外務大臣)は、針の筵(むしろ)に座らされている状態なのか。
腹の中にある自分の意見と自分の口から出す言葉が正反対の状態があるのかも。
昨年テレビの戦争報道番組を観ていて強烈に記憶に残ったシーンがあります。
ウクライナの人たちが(ロシアを)『絶対に許さない』(今回のことを)『絶対に忘れない』と何度も繰り返して強くつぶやいていました。大声をあげるのではなく、小さな低い声で何度も繰り返していました。憎しみ、憎悪の気持ちが強い。
このことは、これから先50年から100年以上、いやそれ以上、半永久的には続く国民感情として、ロシアとの対立になっていくでしょう。(第二次世界大戦を体験した韓国の年配の人たちがもつ日本に対する感情に似ています)
ロシアの大統領は大変なことをしでかしました。
ロシア国民の主体性のなさを感じました。
独裁者に依存する国民性が浮き彫りになりました。
判断や決定を権力者にゆだねる。
失敗があった時は、権力者のせいにする。
自分の頭で自分のことを考えない楽な生き方です。
あわせて、ロシア軍は強くなかった。
世界は、誤解と錯覚で成り立っている。
そんなことを再確認できた出来事でした。
138ページにロシア軍人によるブチャでの残虐な行為が書いてあります。
先日読んだ『これでいいのだ 赤塚不二夫 文春文庫』に、赤塚一家の母子5人が、終戦後、当時いた満州から日本へ逃げてくる最中(さいちゅう。父はシベリア抑留に連れて行かれた)のことが書いてありました。
侵攻してきたソ連軍兵士たちが現地で野蛮な行為をしていました。
時代と場所が違っていても兵士のやることは同じです。
ネオナチ国家:日本人には聞きなれない言葉でピンときません。
ウクライナの人が、ナチスドイツのような人とは思えません。
核兵器の使用:使った国は、そのときは優勢でも、最後には滅びます。
全体のページをめくり終えました。
(2回目の本読み)
第1章:2021年春の軍事的危機 2021年1月~5月
ロシア語とウクライナ語の勉強です。
マラジェーツ!:ロシア語で「えらいぞ!」
キエフ:ウクライナ語では「キーウ」
ウラジミール・ゼレンスキー:ウクライナ語では「ヴォロディミル・ゼレンシキー」
ハリコフ:ウクライナ語では「ハルキウ」
ドネツク:ウクライナ語では「ドネツィク」
ルガンスク:ウクライナ語では「ルハンシク」
オデッサ:ウクライナ語では「オデーサ」
ほかの方たちの感想を知りたいと思って、ネットでこの本の読後感想を複数読みましたが、みなさん書き方がむずかしくて、ちょっとわたしには理解ができませんでした。
2022年2月24日ロシアのウクライナ侵攻が始まる:読み手の自分の思いです。なぜこんなことになったのか。ロシア国民が、独裁者の誕生を許したからです。
彼の判断と決断で、ロシアとウクライナの人たちが、たくさん亡くなったり、傷ついたりしています。
ロシアに対する民族主義的野望:特定の民族が中心となって、政治、経済、文化、言語を統一した組織を立てて、特定の民族が利権を独占する。
今回の戦争の動機とか理由がはっきりしません。ネオナチ思想は、根拠がない。ロシア軍人は自分がなんのために戦っているのかわからない。給料をもらうためにということしか思い浮かべるものがありません。
動機は、ロシア大統領の意向だけです。
ロシアとウクライナは共有関係にあるそうです。
歴史、文化、宗教、言語が重なる。
ウクライナ人の3割から半数がロシア語を母語としている。(母語:ぼご。生まれて始めて話す言葉)
農耕地としての豊饒(ほうじょう。作物が豊か)な土地をもつウクライナです。
ロシア人とウクライナ人の民族紛争は、土地の取り合いと理解しました。
トランプ前大統領もからんでいます。
ロシアにとって、ウクライナに冷たかったトランプ大統領は都合のいい存在だった。
トランプ大統領はロシアに対して甘かった。(「アメリカ・ファースト(他国の紛争に米国は加勢しない)。見方によっては、トランプ大統領は、ロシア政府側の担当者ポストの位置にいたのではではないかと思えてきます)
ナラティブ:物語、語り、話術
バイデン大統領の息子はウクライナの天然ガス企業で重役を務めている。
なんだか、組織の上層部は、敵対しているようで、実はグル(仲間)の様相(ようそう。ようす。ありさま)があります。
アレクセイ・ナヴァリヌィ:ロシアの弁護士、政治活動家。野党活動家。ロシアの刑務所に収監されている。
国民が洗脳されている。(心を権力者にコントロールされている)
ハゲの悪魔:ロシアの大統領のこと。(ウクライナの大統領がそう呼ぶ)
ウクライナの大統領は、2015年(平成27年)テレビドラマ『国民の僕(しもべ)』にウクライナ大統領役で出演して、2019年(令和元年)に本物の大統領に就任した。まるで、ドラマか映画のようです。
シュタンマイヤー方式:シュタンマイヤーは人の名前。ドイツ人外務大臣。①住民投票を行う。②ウクライナは、法律を発効させる。③ウクライナは、法律を恒久化させる。
ドンパス:ウクライナの東南部に位置する地方。ドネツィク州とルハンシク州
メドヴェチューク:ウクライナの政治家。親ロシア組織『ウクライナの選択』の議長。ロシア大統領の協力者。ウクライナに逮捕されたのちロシアに引き渡された。
読んでいて考えたことです。
ウクライナの東南部にはロシア人が住んでいて、ロシア人の自治がある。
ロシアは、親ロシア地域だけをロシアにとりこめば満足するのだろうと思いつくのですが、ロシア大統領は、ウクライナの国土全体をロシアにとりこもうとしています。なぜだろう。(これから読み続けるとわかるような気がします)
(つづく)
第2章 開戦前夜 2021年9月~2022年2月21日
読んでいて、ウクライナもロシアと共倒れになる危険性があると思いつきました。
ウクライナは、経済力を失って、国家が貧しくなるような気がしてきました。
他国からの援助頼みだけでは……
自力で稼がねば、国は成り立っていきません。
(読み手の自分の気持ちとして:ロシアはまえまえから、ウクライナを自国に併合しようという気持ちがあったに違いない。ゆえに、遅かれ早かれこうなっていたに違いない)
[2021年7月12日に発表されたロシア大統領の論文『ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性について』]
どうにでも読み取れる内容です。
ロシア、ウクライナ、ベラルーシは、民族・言語で共通性をもっている。(だから、ウクライナはロシアに含まれると解釈している。
この付近を読んでいて思い出した二冊があります。
『同志少女よ敵を撃て 逢坂冬馬(あいさか・とうま) 早川書房』
(78ページ)『ウクライナがソヴィエト・ロシアにどんな扱いをされてきたか、知ってる? …… ソ連にとってのウクライナってなに? 略奪(りゃくだつ)すべき農地よ(戦争をして、(ウクライナという財産を力づくで奪う)』
もう一冊あります。絵本です。
『こすずめのぼうけん ルース・エインズワース・作 石井桃子・訳 堀内誠一・画 福音館書店』
鳥の鳴き声で鳥の種類を分類します。民族を分けるようにみえます。
こすずめは、ほかの鳥たちから拒否されてばかりです。
『血統主義(子は親と同じ国籍を取得する)』を感じる外国絵本です。
民族主義。
同一民族で国家を築く。
他の民族を排除し、同じ民族での結束を重視する。
ロシア大統領いわく『ウクライナなどという民族はない』
ソ連:民族別共和国制度を導入した。ロシア大統領は、その政策は誤っていたとする。
ロシア大統領は、ウクライナの独立は、政治的手違いとする。
なにもかもウクライナと西側(諸国)が悪いとする。
ウクライナの主権は、ロシアにあるとする。
自分は悪くない。相手が悪い。
判断は相手がすべきだ。
(まるで)他人事(ひとごと)です。
自分の未熟さが原因なのに、相手のせいにする。
自立しているようで、自立していない考え方です。
デタント:フランス語。戦争の危機にある二か国が、緊張緩和すること。平和的共存を目指す。
開戦してしばらくは『ウクライナの中立化』という言葉を聞きましたが、最近は聞かれなくなりました。
第二次ミンスク合意:ベラルーシにあるミンスクで2015年にウクライナ東部ドンパス戦争の停戦を意図したウクライナとロシアの合意。
①治安項目:戦闘停止、重火器撤去、ロシア軍の撤退
②政治項目:ウクライナが、ドンパスに特別の地位を認める。現地で住民投票を行う。
①と②の順序で折り合いがつかない。ウクライナは①が優先。ロシアは②が優先。
ドイツ外務大臣が提唱したシュタインマイヤー方式は、まず②を行う。そのことをウクライナ大統領が受け入れようとしたことに対して、ウクライナ国民の世論が反発した。
CSIS:戦略・国際研究センター。アメリカ合衆国ワシントンに本部を置く研究機関
読んでいて思うのは、ベラルーシが戦争の協力者であること。
されど、ウクライナの首都で核爆弾が爆発すれば、ベラルーシにも放射能を帯びた空気が届くでしょう。(ベラルーシはそのことをわかっているはずです。ベラルーシもこの戦争の犠牲者なのかもしれません)
著者のもつ性質として『軍事屋(ロシア侵攻は確実と踏んだこと)』そしてもうひとつが『ロシア屋(ロシアに愛情をもつ者として迷いがあった)』があるそうです。
結果として、ロシア大統領が、今回、何をしたのかがわからない。
ウクライナの大統領は、ウクライナ語を話せなかった。ロシア語が母語だったということは、なかなか衝撃的なことがらです。
ロシア国とかロシア人とかは、嘘をつく民族。お互いに信頼関係を築ける相手ではないと思ってしまいます。
相手が弱っているときに、相手の領土へ攻め込んでくるという卑怯(ひきょう)なことができる民族と感じてしまいます。
ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国がある。ロシア大統領が両国を正式に国家として承認した。
第二次ミンスク合意は、破棄(はき。捨てられた)された。
97ページから98ページは、まるでドラマです。
永遠の命をもつ人間はこの世にはいません。
『神』という存在が、本当はいるのではないかという錯覚をもってしまいます。
第3章 「特別軍事作戦」 2022年2月24日~7月
ウクライナの首都キーウから30kmの地点にあるアントノウ空港をロシア軍が占拠して、多数のロシア軍人を置く。
ロシアが、キーウにある議会と官庁を占拠する。
臨時議会を招集して、傀儡政権(かいらいせいけん。ロシアの意向に従う政権)を樹立する。
斬首作戦と呼ぶそうです。(ざんしゅさくせん。行政組織のトップの首をとる)
ロシアの幹部からウクライナの幹部に降伏をうながす電話が入る。
ベラルーシの幹部からウクライナの幹部に降伏を勧めるメッセージの電話が入る。
ウクライナの国内にスパイやスパイ的組織がすでにできあがっていた。(ただし、本当に戦争になるとは内通者であるスパイ自身が思っておらず、スパイは、お金だけもらって、逃げ出して仕事を放棄したという状態だったようです)
味方の顔をした敵(スパイ)がたくさんいます。
ウクライナ国内は、スパイだらけです。
特別軍事作戦:軍事力をあまり使わず、短時間で、敵の主権を奪うつもりの作戦だった。
チェールノービリ(チェルノブイリ)原子力発電所の責任者は、ロシアの協力者だった。(だからロシア軍に原発を乗っ取られたのか)
デルカチ:ウクライナの議員。ロシアの長年のスパイ。
スペツナズ:ロシアの特殊任務部隊
ロシア大統領は、ウクライナ大統領に死んでもらいたかった。(政治的にという意味がある)
現実に侵攻しているドラマを見ているようです。
ロシアには互いの『信頼関係』がないようです。
若いころ、仕事場で習った言葉を思い出しました。『組織というものは、外部からの力で壊れるのではなく、内部からの力によって壊れる』
『予想』というものは、はずれることもある。いやいや、けっこうはずれる。100%予想を信用してはいけない。
『予想』がはずれる理由のひとつが『慢心(まんしん。いい気になる。おごりたかぶる)』です。
ウクライナ軍は組織的な戦闘力を保有し、維持していく力があった。
対戦車ミサイル『ジャベリン』が効果を発揮した。
ミーム化:真似することによって、人から人に伝わり、増殖していく状態。
ウクライナ人は、ウクライナのために戦うことを決心した。ウクライナ人は、ウクライナの領土に関して、ロシアに譲歩しない。(譲らない。ゆずらない。ロシアの意見や要求には従わない)
ロシア空軍は機能しなかった。
潰走劇(かいそうげき):戦いに惨敗して敗走すること。
ロシアの生物・化学兵器の使用に関する報道が一時期ありましたが、最近は聞かなくなりました。
西側諸国は、ロシアが、自分たちと直接衝突にならないことを願っている。
停戦交渉がストップしたのは、ロシア軍人たちによるブチャでの大虐殺が原因である。
もう元には戻れない。
ロシアは国際社会から追放されるような状態にあるが、ロシアの味方をする国々がいる。
ロシア軍人のブチャにおける行為は『悪』である。
これが『戦争』である。
ニーチェの言葉を思い出しました。
ニーチェ:1844年-1900年。55歳没。ドイツ・プロイセン王国の思想家。
『ツァラトゥストラはこう言った 上・下 ニーチェ著 氷上英廣訳 岩波文庫』
ニーチェという人は、ドイツの哲学者です。記述はキリスト教の預言書のようです。ツァラトゥストラ氏は孤独です。精神世界のことが綴られていきます。
教わらなければ人間は獣(けだもの)と同じ。
教育の重要性を説く部分だろうと意味をとれた箇所がありました。人間のなかには、「おのれ」と「わたし」が同居している。「おのれ」は本能で、「わたし」が理性です。
そして両者は常に争っている。人間の心を形成しているものが「知識」と「知恵」そして「理性」です。人間は最終的に人間の手によって滅びると預言しているようです。
『戦争』は「おのれ」の世界なのでしょう。人間の強欲(ごうよく)がむきだしになります。
この本は中身が濃い。
今年読んで良かった一冊になりました。
ブラフ:ハッタリ。こけおどし。虚勢(きょせい)、脅し(おどし)
第4章 転機を迎える第二次ロシア・ウクライナ戦争 2022年8月~
ドヴォルニコフ:2015年シリアへの軍事介入での有能な貢献者。統括司令官(2022年5月半ば以降姿を見せなくなった)解任されたという話あり。ロシア大統領が軍のやりかた、ありかたに、口出しを始めたのではないか。
読んでいると、ロシア大統領自身が、ロシア軍の中で、爆弾のような存在に思えてきます。
ショイグ:国防大臣。軍人としての経験はない。ロシア大統領のイエスマン。
HIMARS:高機動ロケット砲システム。ハイマース。
武器の供与について、アメリカ大統領は、第三次世界大戦を避けたいがために、言葉を操ろうとしている。(あやつろうとしている)
M270多連装ロケットシステム:MLRS
ウクライナの戦法として、ロシアの軍部隊を攻撃するのではなく、部隊を支える部分を狙う(弾薬集積場)、燃料集積場、橋など)。兵たん(前線への補給路)と火力を妨害する。
ウクライナは、南部へ兵力を集めると見せて、東部のロシア軍を南部へ移動へと導いて、手薄になった東部へ進出した。(日本の戦国時代の戦法をみるようです)
ロシアの体力をゆっくりと消耗させていく。
戦争が始まったころ、経済制裁でロシアは大きなダメージを受けるという話がありましたが、そのようには見受けられません。とかく、予想ははずれます。お金が動くときは、別のルートで動かせたりもします。
ロシアが本格的な戦争にもちこめない(総動員)理由が書かれています。
虚構の箱の中にあるような国です。
戦争をやるなら一般国民を巻き込まずに職業軍人だけでやってくれです。
一般人に実害が出たら、政府を支持しないです。
国民不在の戦争です。
奇妙です。
大都市部のお金がある国民の動員は避けて、少数民族や貧困層に戦争への動員をかける。
核使用(原子爆弾)について書いてあります。
パターンが3つあるそうです。
読んでいて自分なりの受けとめとして、
①大規模爆発(現実にはありえないだろうとの予想)
②限定的爆発(広島、長崎のような中小規模の都市に落とすということか)
③被害のないところで爆発(威嚇いかくのため)
エスカレーション:戦争の規模が段階的に拡大する。
ロシアが核兵器を使用したら、アメリカ合衆国は、同程度の核使用でロシアに応える(こたえる)。潜水艦から、核弾頭を搭載したミサイルを目的地に発射する。
ロシアがヨーロッパにある米軍基地を核攻撃したら、ロシアの友好国ベラルーシに同様に核攻撃をするという発想もある。(なにやら、地球の終わりが近づいて来るようです。ロシアも理解している。ゆえに核戦争にはならないだろう)
思うに、ウクライナ国民のロシアに対する憎悪は強い。核攻撃をされても気持ちはひるまない。なおさら憎悪は強まる。『絶対に許さない』『絶対に忘れない』というウクライナの人たちの言葉が思い出されます。
昔、映画館で観た邦画『宇宙戦艦ヤマト』をなぜかしら思い出しました。
第5章 この戦争をどう理解するか
戦争の『性質』と『特徴』についての記述があります。善か悪か。
性質:なんのために戦争が行われているのか。戦争と社会との関係。
特徴:戦争の様態(ようたい:形、ようす、ありさま)。武器。戦術。
特徴は、『無人航空機(UAV)』が大掛かりに使用されている。ドローン。それから、宇宙が利用されている。衛星通信、衛星航法システム。されど、80年前のドイツ・ロシアの戦争と同じ部分がある。場所の取り合い、攻撃のしかた、一般市民への暴力など。
ハイブリッド戦争:『情報(政治、経済、文化、宗教、心理、思想など)』を戦争の材料にする。敵国を不安で不安定にする。軍事力を抑制する。政権を機能不全にする。
軍事オタク(愛好者)の文章が続きます。
研究者の文章です。
ヒズボラ:1982年に結成された政治武装組織。レバノンシーア派イスラム主義の政治組織。
ウクライナ大統領は、米国や英国へと自由自在に移動します。
ロシア大統領は、中国へは移動しません。ウクライナ大統領のほうが、役者が一枚上なのか。
ロシアは、国民の言論統制や、思考において心理を誘導します。反対勢力者を捕まえて自由な発言を封じ込めます。圧力はいつまで続けることができるのか。
迷走しています。
だれがこの戦争を止めるのか。
ロシア国民が止めるしかありません。
給料が払われなくなったら、兵隊の動きは止まるでしょう。
武器を使い果たしたら、もう攻撃はできないでしょう。
いつかその時が訪れる。
『徴兵制』について考えました。
他国にはある徴兵制です。日本はだいじょうぶだろうか。
あっという間に他国に支配されてしまわないか。のんきでいいのか。
思い出した本があります。
『カエルの楽園 百田尚樹 新潮社』人をカエルにたとえた擬人法です。
「カエルの楽園」であるツチガエルのナパージュ王国が日本でしょう。国民は、三戒(①カエルを信じろ ②カエルと争うな ③争うための力をもつな)で、争いを放棄しているから争いには巻き込まれないとかたくなに信じています。(カエル=さまざまな国の国民です。ツチガエルが日本人、ウシガエルが中国人、エンエンが韓国。巨大な鷲がアメリカ合衆国です。最終的に、ナパージュ王国(日本)は滅びるのです)
ウクライナは、ネオナチ国家ではない。一部にそのような組織があったが(アゾフ連隊ほか)、国民全体のことではない。
読みながら思うに、ロシア大統領は単純にウクライナの土地が欲しかった。
ロシア大統領に失策(エラー)があった。見込み違いがあった。
軽はずみなことで、事態の収拾ができない状態になっている。
『核兵器』を脅し(おどし)に使うと効果がある。
戦争当事者国になる可能性として、日本は直接的には大丈夫だろうが(間接的にはある)、台湾は危うい(あやうい)。
いろいろあります。
ロシア大統領をとめるのは、ロシア国民と思いたい。
それでも、今回の件は、半永久的に続く案件です。ひきずります。ウクライナ人は、ロシアがやった行為を『絶対に許さない』し『絶対に忘れない』のです。
本には、世界はもはや安全ではないと書いてあります。(欧州、大西洋の空間、そして、日本を含むインド太平洋の空間に危険な要素がある)
読み応え(ごたえ)のある本でした。