2012年10月31日

てるてる坊主の照子さん なかにし礼

てるてる坊主の照子さん 上・下 なかにし礼 新潮社

 昭和時代の大家族のドラマです。シャトーという名の製パン屋・喫茶店が舞台で、それは大阪池田駅前の栄町商店街にあります。店主は岩田春男さん35歳、その妻照子さん33歳、娘が4人で2歳ずつ飛びながら春子さん、夏子さん、秋子さん、冬子さんとなります。上のふたりは小学校高学年でスケートを習います。ちなみ次女は歌手・女優のいしだあゆみさんだそうです。冬子さんは幼稚園を卒業して小学校に入学したぐらいです。照子さんは、生まれたときも、入学式も、卒業式も遠足も運動会すら雨だったそうです。てるてる坊主をつくることが習慣だったという記述がわたしは好きです。著者は作詞家であり、文章にリズムがあるのがいい。戦後日本の歴史書となっています。
 「あかんたれ」ってどういう意味だっただろう。いくじなしという意味らしい。
 いつも一番を目指している照子さんは昔の日本人タイプです。夫春男さんの浮気話は、プライバシーのないものであり、これもまた昔の日本人のありようです。
 64歳でおばあさんが亡くなります。今の64歳は若い。物語全体をとおして、のんびりした父親岩田春男さんの存在がいい。その妻の照子さんとは対照的です。昭和時代を生きてきて今高齢にあるお年寄りの夢だと感じました。


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