2011年04月19日

羅生門(らしょうもん) DVD

羅生門(らしょうもん) DVD

 人間の多面性を描いた映画です。ひとりの人間でも複数の性格・人格をもっています。善と悪を兼ね備えています。ラストはハッピーになろうよというメッセージで結ばれています。理屈っぽいテーマを堅苦しくなく推理小説方式で娯楽にしてあります。
 白黒映画です。今から1000年ぐらい前の平安時代です。壊れて傾きかけた羅生門があって、門の下では、三人の男たちがわけがわからないと頭を抱えています。門の周囲には廃墟が広がり、どしゃぶりの雨が降り続きます。光と影、スピード感。反面、画面はゆっくりと動きます。こどもの頃聞いた昔の雨の音です。アスファルトもコンクリートもなかった土地に雨が降る。
 旅のさむらい夫婦の夫が盗賊に殺された。目撃者のひとりが門の下で、わからねぇとつぶやきます。検非違使(けびいし、警察)の取調べを受けるのは、その目撃者男とさむらいの妻、そして盗賊の男です。目撃証言には食い違いがあり、真実がわかりません。さむらいを殺したのが盗賊かどうかもわかりません。取調べを受ける者たちが嘘をつくからです。各自、利害関係を考えている。証言を信じるのか、信じないのか、それとも信じたり信じなかったりするのか。自問自答は苦しい。だれもかれもが自分のことばかりを考える。昔、羅生門には鬼がいた。鬼は人間の恐ろしさに逃げ出した。女を巡る男たちの戦い。女のしたたかさ。女の弱さ。音楽は、アラビア、スマトラ、セイロン(スリランカ)地方にあるイスラムの調べです。音楽に合わせたパントマイムの面もあります。楽器がセリフのように語る。
 人間の「悪」と「光」を浮かび上がらせた物語でした。雨はあがる。最後は、救われたい。良心のある人でいよう。人間だもの。道を間違えることもある。そして、人は、また迷う。


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