2009年12月28日

2009年 今年読んでよかった本

2009年 今年読んでよかった本

 1年の終わりが目前となりました。今年もまた、たくさん読んだ本のなかから読んでよかった本を紹介させていただきます。

ニサッタ、ニサッタ 乃南アサ 講談社
 ニサッタとは、アイヌ語で「明日」という意味です。全体で513ページの長編です。378ページまで読んで、題名がなぜニサッタなのかがわかり始めます。464ページまできて、前半と後半がつながり、怒涛のように涙が湧き出してきます。体の中にたまっている膿(うみ)が、涙になってあふれ出てくるのです。わたしが今年読んだ物語のなかでは、群を抜いて最高の出来の作品でした。

徒然草(つれづれぐさ) 吉田兼好 長尾剛(たけし)訳 汐文社(ちょうぶんしゃ)
 傑作です。日本の古典はすばらしい。日本人は、タイトルを知っていても内容は知らない。51歳のこの年齢(とし)になって初めて読みました。古典に興味をもたせない学校教育とか出版広告が少しうらめしい。
 もっと早く読みたかった。(この秋に吉田兼好氏のペンネームの由来となった京都大学そばの吉田神社へお参りに行ってきました。)

ノーベル賞作家にきくなぜ?なに? べッティーナ・シュティーケル 主婦の友社
 この本もまた良書です。ノーベル賞受賞者のみなさんたちが、こどもたちの素朴な質問に対して、真正面から真面目にわかりやすく答えておられます。それでも、ところどころ理解できない部分はありますが、受賞者のみなさんの誠実な気持は伝わってきます。

町長選挙 奥田英郎(おくだひでお) 文春文庫
 読み始めにこの作品は消耗品であると嫌悪しました。その瞬間だけ通用する読み物です。おもしろおかしく書いて、雑誌が売れればいい。そう受け取りました。語り継がれる名作にはなりえない。しかし、読み終えてみれば、本作品は、後世に残る名作でした。

サクリファイス 近藤史恵 新潮社
 読み終えて背筋に電流が流れるような感動がありました。サクリファイスというのは英語で「生贄(いけにえ)」とか、「(だれかのために)犠牲になる」という意味だった。素材は自転車のグループによる競技です。

赤い指 東野圭吾 講談社
 赤い指の「赤い」は血液だと思っていました。そうではなくて、「口紅(くちべに)」でした。タイトルだけでは本の中身はわかりません。主人公夫婦が、ばか息子のために夫の母親を犠牲にするのです。悲惨な状況の中におばあさんの愛情がにじみでます。

「100%運がよくなる話し方」 嬪島珠光(ひめしましゅこう) PHP
 悩める人たちへのカウンセラー本となっています。この本を読んで心が救われる人たちがたくさんいると思います。

「イン・ザ・プール」 奥田英朗(おくだひでお) 文春文庫
 傑作です。同著者、主人公精神科伊良部ドクターによる「空中ブランコ」よりも水準が高い。

「オリンピックの身代金」 奥田英朗(ひでお) 角川書店
 東京オリンピックですから、昭和39年、もう44年ぐらい前のことになります。東北出身の東大生、貧困暮らしを経験しているわけですが、島崎国男君が東京へ出稼ぎに出ていた兄の死をきっかけとして、爆弾魔と化しテロ行為をしていくわけです。

「ささら さや」 加納朋子 幻冬舎文庫
 若くして、赤ちゃんを抱えて、夫を亡くした女性にぜひ読んでいただきたい1冊です。“ささら さや”は、埼玉県佐々良市に住むさやさんの物語であり、交通事故で亡くなった旦那さんからのメッセージ音でもあります。


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