2023年04月24日

さかなくん しおたにまみこ

さかなくん しおたにまみこ 偕成社

 絵本に描いてある絵を見ると『シュールレアリスム』という言葉を発想します。
 奇抜、独特、幻想的です。現実離れした絵です。魚が歩いて小学校へ行きます。登校班に、人間もいるし、ねこかきつねみたいな動物もいます。
 最初は不可解な思いをいだきながら読み始めましたが、内容は傑作でした。いい絵本です。親戚のちびっこにプレゼントしたい候補の一冊になりました。

 『さかなくんです。しょうがくせいです。きょうも さかなくんは がっこうへ いきます』から始まります。
 さかなくんは、水の中じゃないと生きていけないから準備をするのです。自分の体を水がたまった容器の中に入れるのです。
 容器には手足が付いていて動かせるのです。
 見た目は、宇宙飛行士の月面作業みたいなかっこうです。

 擬人法(ぎじんほう。人間を動物にたとえる)だと思うのですが、そのままのさかなの姿でも話としてはとおるのです。
 意味がわからないかもしれませんが、感覚的に、こんなお子さんいるだろうなあという空想ができます。
 小学校でのさかなくんは、体育がにがてです。
 さかなくんは、負けずぎらいだそうです。
 負けず嫌いなこどもっています。
 わたしの孫にも負けず嫌いなぼくちゃんがひとりいます。
 ひきょうなことをしてでも、絶対に負けたくない輩(やから。やつ。言動が良くない人)です。
 同じタイプの人間がぶつかるとケンカになってケガをします。
 自分の身を守るために、相手を立てて、じょうずに負けることも覚えないといけないよと教えますが、いまのところきいてくれません。
 そのうち痛い目にあうでしょう。

 ほら、絵本の中のさかなくんもリレーの途中でころんでしまいました。
 展開が、おもしろい!
 発想がいい!

 さかなくんのお名前はさかなくんですが、タレントのさかなクンとはちがいます。

 こどもが学校に行きたくないと言うと親は困ります。
 さかなくんは、体育がイヤだから学校へ行きたくないそうです。
 (さかなくんはこのまま不登校児になるのだろうか)

 クラスメートがたずねてきました。
 今まで、なんの動物かわからない顔をしたこどもさんがいましたが、なんとトカゲでした。
 トカゲと人間のクラスメートが心配してさかなくんを見に来てくれました。
 ほー 最初とは逆です。
 トカゲと人間のこどもが、水中にあるさかなくんの家に入っていきます。
 水中では呼吸ができませんからそれなりの準備をして水の中に入ります。
 読み始めの最初にあった違和感がなくなりました。

 トカゲの子も人間の子も心が優しい。

 ひとりぼっちになると『犯罪』が近くなります。
 最近だと大家族の家に放火して自分も焼け死んだ高齢者の事件がありました。
 首相にパイプ爆弾を投げつけて爆発させた若い人がいました。
 以前、電車の中で暴れた人も孤独でした。

 さかなくんは、学校に行けば、話し相手がいるから学校へ行きます。
 クラスメートがくれたローラースケートをはいて、苦手な歩行を克服します。
 そうか、克服するためには、何か道具を手に入れればいいんだ。
 それは、ものじゃなくてもいい。なにかをする『能力』を身につければいいんだ。
 哲学的な部分もある絵本です。(人はいかにして生きるか)
 
 さかなくん。良かったね。
 傑作です。(非常に優れた出来栄えです)

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