2022年10月28日
闇祓(やみはら) 辻村深月
闇祓(やみはら) 辻村深月(つじむら・みづき) 角川書店
闇ハラスメント:個人的な思いである本人の暗い話を相手に押し付けて、相手に負担をかけることを言うらしい。まあ、そういう人っています。話を聞かされても聞いたほうは苦痛なだけです。他者への依存が目的なので、本人の自立・自活という出口への糸口(いとぐち)が見えてきません。本人がその気になってがんばらないと克服できないのです。
ヤミハラという音感から、悪魔祓い(ばらい)のような職業を思い浮かべています。
映画『エクソシスト』は、中学だったか高校だったかのときに映画館で観ました。
悪魔祓い(あくまばらい)です。
『第一章 転校生』
以下登場人物です。とりあえず24ページまで読みました。
原野澪(はらの・みお):千葉県内にある私立進学校三峯学院(みつみねがくいん)2年3組17歳ぐらいの女子。クラス委員長。優等生だが、本人曰く(いわく)「私は気が弱い」。陸上部員。幅跳び担当。
澤田花果(さわだ・はなか):原田澪の親友。ロングヘア。ときおりポニーテールの髪型にするようです。
今井沙穂(いまい・さほ):原田澪の親友。恋愛体験者。彼氏あり。
白石要(しらいし・かなめ):詰襟姿の(つめえりすがたの)転校生男子。手足が長くひょろっとやせていて背が高い。髪はボサボサ。美形ではないが、鼻筋は通っている。無口。喜怒哀楽の感情が見られない。不気味な男。ゾンビみたいな姿です。
南野:担任男性教師。小柄でずんぐり。
宮井:クラス副委員長。
神原一太(かんばら・いった):原野澪の先輩。高校3年生。3年3組。陸上部員。幅跳び担当。
タガワ:陸上部顧問教師。
矢内(やない):主人公のクラスメート女生徒。髪は三つ編みでメガネをかけている。文芸部員で、まじめタイプです。
涼香(すずか):陸上部員2年生。
3階建ての校舎で、3階に音楽室、美術室、特別教室があるそうです。
白石要の目線が、原野澪の顔を追いかけます。
学校のことが書いてあります。
上位グループと下位グループ(成績だろうか。経済状態だろうか。運動だろうか。勉強能力だろうか)
積極的と控えめ。
派手と地味。
うるさいとおとなしい。
(だれにもこびずマイペースでいいんじゃないだろうか(こびをうる:気に入られるような態度をとる)クラスメートに気を使うのは、疲れるし、そのさきで、心が壊れる)
19ページに問題発言があります。
転校してきた白石要が原野澪にいきなり『今日、家に行ってもいい?』と聞きます。
行っていいわけがありません。
この部分で、読み手の対応がふたつに別れます。
ありえないと思った読み手は、ここで、この本を読むことをやめます。初対面の女子に「家に入れてくれと」いう男子はいません。
ありうると思った読み手は、だまされやすい心もちの人です。作者の洗脳の餌食になります。
わたしは、つくり手の立場で本読みをするので、さてこのさきどうなるかと思いを巡らしながら読み続けます。
白石要と原野澪と原野澪があこがれる先輩の神原一太がいます。
たとえば、読者をあざむくために、白石要を悪魔的存在と見せかけて、実は、黒幕は神原一太で、原野澪は、仲間として組んでいる白石要と神原一太にだまされて、神原一太からひどい目にあわされるというパターンが考えられます。(違ってました)
(つづく)
この本は、女子高生が読む本のようです。
わたしのようなおじいさんが読む本ではありませんでした。おじいさんが読む本としては、物足りなさがあります。
でも、せっかく買ったから読みます。
原野澪が気持ち悪い白石要を、それでもいいと受け入れるとコメディの方向へもっていけます。
男女の立場を逆転させてみる。
人は、割り切れば、どんな環境でも生きていける。
主人公原野澪自身が加害者という設定でもおもしろい。
42ページには『恐怖』があります。『先輩、助けてください』
ケガの功名(こうみょう):失敗したと思ったことが、意外に良い結果につながった。
胡乱(うろん):確かでない。疑わしい。
白石要の『席を変わってくれないか(教室で原野澪の隣に座りたい)』
そんな勝手なことができるわけがないだろとツッコミを入れたくなりました。
教室の席は、生徒で自由に座れるのか。
(ふと、小学生6年生卒業が近かった時期、担任の男先生が、明日から先着順で毎日好きな席に座ってよろしいと指示されたことを思い出しました。1週間ぐらいして、元の定位置の席に戻りました。あれは、何だったのだろう。その先生も数年前に高齢でお亡くなりになりました)
背景にLOVEの関係あり。されど、そこにLOVEはない。
原野澪と神原一太(かんばらいった)は、見た目だけの恋なのか。(イケメンと美女)
彼女は彼氏に依存していきます。
危険です。
女子は安易に男子に頼ると男子の都合のいいように扱われます。
文章を読む限りでは、原野澪があこがれている神原一太は、いい人ではない。
理由はよくわかりませんが、竹やぶが厄除けになるらしい。(やくよけ。悪いことが寄ってこないようにする)
やっぱり神原一太に支配欲あり。こういう男子っています。自分の相手(女性)がほかの男に取られるのが心配です。それぞれ好みがあるから、そんなことにはならないのが一般的です。
男が女をしばる。破たんの始まりです。
周囲にあるのは、妬み(ねたみ。比較して相手の優れた部分を憎むこと)といじめの心です。
相手に命令をする上下関係がある状態は、友人でも恋人でもありません。うまくいかなくなります。
人が人の所有物です。
頭がいい人=いい人とは限りません。
いい人のバックになにかがある。
そうか、なるほど。おもしろい。
話の進展で、すがすがしいものがあります。
なんだろう。異星人のような存在が、この地球上にいる。
『吸血鬼』
妖怪か。
最も後半の部分はなくてもよかったような。
なくても十分怖かった。
男女の三角関係は男女の物語ではつきものです。
欺瞞(ぎまん):人をあざむく。だます。この本では、「自己欺瞞」自分をだます。自分に暗示をかける。
93ページ、まだピンとこない部分があります。理解できない部分があります。第二章以下で明らかになるのでしょう。
博愛主義:人は平等です。お互いに協力してやっていきましょうという考え。みんな愛し合いましょう。
このあと、第二章以下はどうなるのだろう。
本の帯を見ると『あいつらが来ると、人が死ぬ』とあります。あいつらとは、悪魔(サタン)だろうか。
『第二章 隣人』
まだ読んでいる途中ですが、こちらの作品は、第一章とは登場人物が異なります。
女子高生が読むような内容ではありません。主婦が読む内容です。
三木島梨津(みきしま・りつ。旧姓森本。フリーアナウンサー):徳島県出身。結婚、妊娠、出産経験あり。テレビのナレーション、ラジオのレギュラーを担当経験あり。テレビ局専属アナウンサーのときのニックネームが「知性のリツ」。本作品では、地域での読み聞かせの学校ボランティアに挑戦します。
三木島雄基(みきしま・ゆうき):三木島梨津の夫。
三木島奏人(みきしま・かなと):三木島夫婦の長男。小学1年生。区立楠道小学校1年生(くすみちしょうがっこう)。水曜日にピアノを習いに行っている。
ハッチ:三木島家のペット犬。豆しば(ちいさな柴犬)
サワタリ団地:リノベーションした古い団地(昭和35年以降ぐらいの建築)大規模改修で、2軒を1軒につなげた3LDKの間取りです。三木島ファミリーが気に入って南棟の515号に転入した。北側にある棟と南側にある棟があります。最初は賃貸かと思って読んでいましたが、買取りの分譲住宅でした。
以下、読み聞かせ委員会のメンバー
かおり:年老いて見える変な人。集団の中で、浮いているらしい。高校生の息子がひきこもり。性別は息子(男)だが、息子は最近女性になったらしい。それから、かおりも三木島梨津と同じくアナウンサーだったらしい。(アナウンサーではありませんでした)口ぐせが『私もなの』。
沢渡博美:サワタリ団地のリノベーションに携わった(たずさわった)若手デザイナー夫婦。同団地の北棟701号室に住んでいる。児童会長6年生沢渡朝陽(あさひ)男児がいる。見た目やしぐさが完璧な女性。スタイルも顔もいい。人当たりもいい。この人が第一章におけるサタンのような存在だろうか。夫が恭平。がっしり体格。あごひげ。背が高い。(自宅である彼ら夫婦の家の中に盗聴器でも隠してあるのではないかと読んでいて推測しました)
和田葉子:リーダー格。6年生女児ミミの母親。夫が悟朗。
ほかの母親として、
城崎(きのさき):4年生の母。おとなしそうな外見。
高橋:4年生の母。同じくおとなしそう。
真巳子(まみこ):沢渡博美の小6の子朝陽と同じクラスの女の子ゆかりのママ。夫が一臣(かずおみ)。
楡井先生(にれいせんせい):6年1組担任。20代半ば。(教師としてハズレの先生)
多田先生:読み聞かせ委員会担当教師。
弓月(ゆづき):5年生の男児未知矢がいる主婦。601号室。沢渡博美宅の階下に住む。
小島先生:教育評論家。
永石:画家。
志月涼太:若いアイドル男子らしい。
物語の最初は、エプロン姿の女性の転落死の瞬間後の現場を三木島雄基がサワタリ団地内で目撃するところから始まりますが、ひと呼吸おいて、地域の読み聞かせ委員会の集まりシーンに転換します。(飛び降り自殺らしき転落死は、このあとどう関わってくるのか)
オートロックマンションのことが書いてある文章を読んでいたときに思い出したことがあります。
自分も昔オートロックがあるマンションに住んでいたことがあります。
ある日、かなり老齢のおばあさんが、マンションの壁をよじ登ってマンション内に入ろうとしている姿を見てびっくりしたことがありました。マンションの最上階に住むおばあさんでした。鍵を忘れたのか、部屋番号を入力しても留守だったのかわかりませんが、赤の他人ではなく、居住者が泥棒のように入らなければ入れない住宅ってなんだろうとか、オートロックって、あまり防犯の意味はないんじゃないのと思いました。
理知的(りちてき):冷静になって、論理的に考えて、判断する。
キーワードとして『死の影』
『(本をこどもさんたちに)読み聞かせ委員会』には、嚙み合わない女性の世界の人間関係があります。
かおり『こんどもってくるね』(何をもってくるのだろう?)
始まりの短いページ数に大量の情報が盛り込まれています。
オブジェ:彫刻や飾り物。展示物。
共同住宅での暮らしは周囲に気を使うのでたいへんです。
ベルガモット:ミカン。香料。
やっかいなことになりそうです。
沢渡博美が三木島梨津にからんできました。
スコーン:パン。スコットランド料理。
クロテッドクリーム:イギリスの乳製品。濃厚なクリーム。
150ページ付近、主婦たちの気持ち悪い世界です。
うわべだけの仲良しです。
上下関係が見えます。
アールグレイのお茶:ベルガモット(柑橘系、みかんの香料)で香りを付けた紅茶。
小学校の先生に対する噂話が出ます。先生を攻撃する内容です。
自分は、女の人たちが集まって話をしている姿を見かけると、ああまただれかの悪口を言っているのだろうなあと思います。
この本では、小学校の担任を変えろ、の署名運動をしようと盛り上がりをみせてきます。
主人公は有名なアナウンサーらしく、彼女に対する静かな攻撃もみられます。
いい文章として『この人たちみんな社会性が低すぎないか……』
社会性:集団生活をうまくやっていく基本的な能力。
人間の嫌なところを浮き彫りにする記述です。
お金があって、時間があって、自分以外を否定する人たちです。
『村社会』があります。村長がいて、村人たちがいて、村人たちは村長にさからうことができないシステムです。今どきのロシアの大統領のようでもあります。
付き合う人を選ぶ夫婦です。自分の言うことをきく、自分にとって都合のいい人と付き合います。
『空気が読めない人』を嫌う人たちです。
だれかひとりを標的にすることで、集団の気持ちをまとめる。
(冒頭の飛び降り自殺の件はどうなったのだろう)
敏い(さとい):賢い。理解が早い。
174ページ、不気味なホラー(恐怖)世界の扉が開きました。
怖い(こわい)。
地域の居住環境がいいというのはどういう環境なのだろう。
高額所得者のみなさんが住んでいる地域だからといって暮らしやすい地域とは言い切れません。
主婦たちは、メンタルをやられそうです。精神を病みそうです。(やみそうです)
葬儀に無理やり顔を出したい人っています。
家族葬だと説明しても押しかけてきます。
ありがたいときと、迷惑なときがあります。
悪趣味:人が嫌がることを平気な顔をしてやること。(注意してあげた方がいい。あなたたちがしようとしていることはおかしいですよ。人として非情な行為ですと)
人の不幸を喜ぶ人たちがいます。
『知性と品性は必ずしも一致しないんだよ……』
品性:人柄、人格。
傲慢(ごうまん):他人を見下す。
『一方的な好意と(性的)欲望』
主人公は逃げることを考える。
(読んでいて、ここで、主人公は死ぬのではないかと考えました。事故死のような殺人が起きるのではないか)
頭がおかしい人がいる。
うわべはきれいに見えるけれど、脳の中に多数の人格が存在している人がいる。
かなり怖い。
ただ、割り切れば、この世界を楽しむこともできる。
かおりの仲間になる。
終わりの部分あたりは『詩』を読むようでした。(怖い)
『第三章 同僚』
うーむ。全般的に、この本に掲載されている物語は内容が暗い。
気が重い読書です。夢も希望もありませぬ。
鈴井俊哉:食品会社ヨシミヤフーズの営業職。営業二課。入社3年目ですから25歳ぐらい。独身でしょう。以前は、企画部で商品開発を担当していた。人事異動に不満あり。
丸山睦美(まるやま・むつみ):女性。43歳。営業二課主任。小学生のこどもあり。
佐藤課長:41歳。男性。パワハラ(上司が部下に苦痛を与える)、モラハラ(言動や態度に対する悪口)行為をしている。頭がおかしい。
ジンさん:神原。50代。中途採用された社員。小学校の校長先生タイプの外見。白髪交じり。黒ぶち眼鏡。まっすぐな立ち姿。ハラスメント(いやがらせ)の被害者。
濱田:鈴井俊哉の同僚。若そう。
リマインドメール:確認メール。
佐藤課長(わたしの予想として:今度は、この人が死ぬのかなあ)
ジンさんが佐藤課長から強烈で過酷なパワハラを受けています。ジンさんからみて、佐藤課長は、年下上司です。
胸にぐっとくる表現として『(ジンさんが課長を)「いい人」だと言ったけれど、ああこの人のほうが何倍も「いい人」だから……』
読みながら、案外ジンさんは、自分自身が昔、パワハラ上司だったのではないか。バチが当たったのではないかと思いましたが、読み進めて、どうも違うようでした。
もうひとつのうまい表現として『自分が下の時には上司に意見できるけれど、自分が上に立つのは絶望的に向いていなかった……(そういう人っています。批判は得意だけれど、本人にやらせるとできない)』
年下、年上、上下逆転のポスト(地位)、微妙なバランスがあります。うまくいっていません。
バレッタ:髪留め。女性の長い髪をまとめるおしゃれな道具。
組織における女性管理職の人数割合の話が出ます。
表向きだけ、女性を管理職につける話です。女性の割合が上がるように男女比を操作します。
女性登用優先のための女性枠という割合が存在していそうです。
逆差別のような感じがしないでもありません。女性を下に観ている。それから、男性に不利。
男性が育児休業をとることについて、組織は、表向きは外部に対して推進していますという姿勢を見せます。しかし、組織の内部では、男性の育休取得は、とんでもないこととして扱います。いかにして外づらを保つか。戦力にならないポストにいる男性に育児休業をとらせるとか、いろいろ作戦はありそうです。
パワハラの被害者が、がまんしてくれていることに甘えているパワハラ上司がいます。佐藤課長です。
3時間12分14秒:佐藤課長は頭がおかしい。(クレーマーだとこういう人はいそうです)
上司から、仕事の指示ではなく、愚痴を長時間聞かされる。
加害者の攻撃を拒否できないと心が壊れてしまいます。
『共存症』パワハラの加害者と被害者の一体化があります。
結局、傍観者の立場の人間は、知らん顔をしてしまう。
ステレオタイプ:先入観、思い込み、固定観念。
(ああ、作者は、この騒ぎをどう納めるのだろうか)
くちびるから出てくる言葉が全部嘘の人が居ます。なにひとつ信じてはいけません。話の中身を聞く必要はありません。全部ウソです。(佐藤課長もそのうちのひとりです)
佐藤課長のような人は現実にいます。
ジンさんの素性(すじょう)がいまいち、はっきりしません。
佐藤課長は明らかにおかしいけれど、ジンさんもおかしい。パワハラ慣れしています。(被害者として)ジンさんには加害者を『容認する』気持ちがあります。本人の言葉として『関係性』が大事。
部下は常に上司を責める立場です。
別の人だったらいいのになと思いますが、別の人が上司になってもやっぱり、別の人だったらいいのになと思うのです。
『第四章 班長』
第四章を読み終えました。
始まりのページに描いてある絵がちょっと怖い。どなたが書いたのか本の奥のほうを見ましたがわかりませんでした。
この第四章では、これまでに読んだ第二章「隣人」のシーンが重なってきます。あとは、第三章で登場していたジンさん(神原)と同じ名字のこどもが登場しますが、両者の関連はわかりません。ふたりとも人間ではない宇宙人のようなものだったのか。わかりません。
この章では、これまでの章に提示された『伏線(ふくせん。後半で感動を生むための仕掛け)』が回収されていきます。人が死ぬことの経過と理由です。
草太:区立楠道小学校5年2組。母親が、早智子さん。
中尾虎之助:こども。両親が弁護士。母親がPTA役員。虎之助はクラスでは、嫌われ者。
神原二子(かんばら・にこ):男子。5年2組に転校してきた。背が小さくてやせている。メガネをかけている。
優一郎と豪:中尾虎之助の子分。
由紀、梨乃、架奈(母が入院。家族のめんどうをみている)、涼平、朱音(あかね)、敬人(けいと):クラスメート。
凛子ママ(りんこまま)
沢渡:6年生。児童会長。
地域社会の活動に会社のシステムを持ち込もうとする人がいます。嫌われます。会社には上下関係とかマニュアルのシステムがあります。地域活動には上も下もありません。活動をやめるのも自由です。しばれません。
毒親がいます。毒親は単体ではありません。
ときに、毒親と毒親の対決になることもあります。
案外毒親同士で表向きだけの意気投合をしてその場をしのぐこともあります。そんな展開があります。
キチガイどうしの戦いに見えます。
最近、戦国武将の戦話(いくさばなし)を二本読んだのですが、毒親同士の戦いは、戦国時代の武将同士の戦い方とは違います。
お金にならない地域活動なら(PTA活動)、嫌いな人と無理に仲良くならなくてもいい。距離を置く。
偽善者がいます。悪いことをしているのにきれいごとのウソをつく人間です。中尾虎之助のことです。
第二章『隣人』で登場した『読み聞かせ委員会』が再登場します。
連帯責任:学校でよく聞きました。社会に出たら耳にしなくなりました。
中尾虎之助のようなこどもが周囲に干されて学校に来れなくなってひきこもりになるのではないか。
『シール競走』なるものがあります。グループ全員がおぎょうぎよくできたらシールを貼れます。(はれます)中尾虎之助は自分勝手人間なので、グループはシールをもらえません。
シールをもらうことに何の意味があるのかわかりません。将来企業で働く歯車になりなさいという教育に思えます。均一製品で同じく動くのです。
神原二子(かんばら・にこ。小学5年生男児)はある意味『天才』です。心の冷たい異星人のイメージがあります。姿形(すがたかたち)は人間ですが、中味は人間とは異なる生物です。
『君のため』は、だれのためなのか。不気味な言葉です。
自分は嫌だ(いやだ)という意思表示をしっかりしないと自分が追い込まれます。
ちゃんと会話をする。ちゃんと意思確認をすることは大事です。
あちこちに『孤独』があります。
『やりすぎ』→『ノイローゼ(環境に適応できず不安感で心の安定を失う)』
第三章のジンさんとどうつながるのだろう。
ぞっとするセリフとして『竹に守られている』309ページ。
ホラー(恐怖)小説です。
『最終章 家族』
あと32ページで終わるところまで読みました。
この章では、これまでの章の伏線の回収が試みられています。
恐怖小説です。
今年読んで良かった一冊になりました。
複雑なので、これまでメモした紙数枚の内容をふりかえりながら読んでいます。
よくできた仕掛けです。
辿れる:たどれる。
厄病神(やくびょうがみ)という言葉を思い出す内容です。とりつくのです。
今話題のなんとか教会の話のようでもあります。
パワハラの加害者は、自滅の運命をたどる。
『やっぱり』という言葉が頭をよぎります。
マウンティング:相手よりも自分のほうが優位であるという言動をすること。
ローズベースのルームフレグランス:バラの香りがする部屋用の芳香剤。
怖々と:こわごわと。
黴:カビ
そうかと納得する361ページです。
躊躇う:ためらう。
事件の犯人は、どっちの人物だろう。
そういうことか。
『エピローグ(終わりに。反対語がプロローグ。はじめに)』
この部分はこの作品を創作するきっかけとなった動機なのでしょうが、読後感としては、この部分は、ないほうがよかった。最終章までで恐怖感は充実していました。
作者の意思をくむために、しいて言えば『あの日あの時あの場所であの人と出会わなければ、自分はこんな不幸なことにはなっていなかった』ということは実際にあります。
人が人と出会うことでいいことにつながるときもあるけれど、そうでないときもある。そうでなかったときの恐怖が語られていると受け止めました。
闇ハラスメント:個人的な思いである本人の暗い話を相手に押し付けて、相手に負担をかけることを言うらしい。まあ、そういう人っています。話を聞かされても聞いたほうは苦痛なだけです。他者への依存が目的なので、本人の自立・自活という出口への糸口(いとぐち)が見えてきません。本人がその気になってがんばらないと克服できないのです。
ヤミハラという音感から、悪魔祓い(ばらい)のような職業を思い浮かべています。
映画『エクソシスト』は、中学だったか高校だったかのときに映画館で観ました。
悪魔祓い(あくまばらい)です。
『第一章 転校生』
以下登場人物です。とりあえず24ページまで読みました。
原野澪(はらの・みお):千葉県内にある私立進学校三峯学院(みつみねがくいん)2年3組17歳ぐらいの女子。クラス委員長。優等生だが、本人曰く(いわく)「私は気が弱い」。陸上部員。幅跳び担当。
澤田花果(さわだ・はなか):原田澪の親友。ロングヘア。ときおりポニーテールの髪型にするようです。
今井沙穂(いまい・さほ):原田澪の親友。恋愛体験者。彼氏あり。
白石要(しらいし・かなめ):詰襟姿の(つめえりすがたの)転校生男子。手足が長くひょろっとやせていて背が高い。髪はボサボサ。美形ではないが、鼻筋は通っている。無口。喜怒哀楽の感情が見られない。不気味な男。ゾンビみたいな姿です。
南野:担任男性教師。小柄でずんぐり。
宮井:クラス副委員長。
神原一太(かんばら・いった):原野澪の先輩。高校3年生。3年3組。陸上部員。幅跳び担当。
タガワ:陸上部顧問教師。
矢内(やない):主人公のクラスメート女生徒。髪は三つ編みでメガネをかけている。文芸部員で、まじめタイプです。
涼香(すずか):陸上部員2年生。
3階建ての校舎で、3階に音楽室、美術室、特別教室があるそうです。
白石要の目線が、原野澪の顔を追いかけます。
学校のことが書いてあります。
上位グループと下位グループ(成績だろうか。経済状態だろうか。運動だろうか。勉強能力だろうか)
積極的と控えめ。
派手と地味。
うるさいとおとなしい。
(だれにもこびずマイペースでいいんじゃないだろうか(こびをうる:気に入られるような態度をとる)クラスメートに気を使うのは、疲れるし、そのさきで、心が壊れる)
19ページに問題発言があります。
転校してきた白石要が原野澪にいきなり『今日、家に行ってもいい?』と聞きます。
行っていいわけがありません。
この部分で、読み手の対応がふたつに別れます。
ありえないと思った読み手は、ここで、この本を読むことをやめます。初対面の女子に「家に入れてくれと」いう男子はいません。
ありうると思った読み手は、だまされやすい心もちの人です。作者の洗脳の餌食になります。
わたしは、つくり手の立場で本読みをするので、さてこのさきどうなるかと思いを巡らしながら読み続けます。
白石要と原野澪と原野澪があこがれる先輩の神原一太がいます。
たとえば、読者をあざむくために、白石要を悪魔的存在と見せかけて、実は、黒幕は神原一太で、原野澪は、仲間として組んでいる白石要と神原一太にだまされて、神原一太からひどい目にあわされるというパターンが考えられます。(違ってました)
(つづく)
この本は、女子高生が読む本のようです。
わたしのようなおじいさんが読む本ではありませんでした。おじいさんが読む本としては、物足りなさがあります。
でも、せっかく買ったから読みます。
原野澪が気持ち悪い白石要を、それでもいいと受け入れるとコメディの方向へもっていけます。
男女の立場を逆転させてみる。
人は、割り切れば、どんな環境でも生きていける。
主人公原野澪自身が加害者という設定でもおもしろい。
42ページには『恐怖』があります。『先輩、助けてください』
ケガの功名(こうみょう):失敗したと思ったことが、意外に良い結果につながった。
胡乱(うろん):確かでない。疑わしい。
白石要の『席を変わってくれないか(教室で原野澪の隣に座りたい)』
そんな勝手なことができるわけがないだろとツッコミを入れたくなりました。
教室の席は、生徒で自由に座れるのか。
(ふと、小学生6年生卒業が近かった時期、担任の男先生が、明日から先着順で毎日好きな席に座ってよろしいと指示されたことを思い出しました。1週間ぐらいして、元の定位置の席に戻りました。あれは、何だったのだろう。その先生も数年前に高齢でお亡くなりになりました)
背景にLOVEの関係あり。されど、そこにLOVEはない。
原野澪と神原一太(かんばらいった)は、見た目だけの恋なのか。(イケメンと美女)
彼女は彼氏に依存していきます。
危険です。
女子は安易に男子に頼ると男子の都合のいいように扱われます。
文章を読む限りでは、原野澪があこがれている神原一太は、いい人ではない。
理由はよくわかりませんが、竹やぶが厄除けになるらしい。(やくよけ。悪いことが寄ってこないようにする)
やっぱり神原一太に支配欲あり。こういう男子っています。自分の相手(女性)がほかの男に取られるのが心配です。それぞれ好みがあるから、そんなことにはならないのが一般的です。
男が女をしばる。破たんの始まりです。
周囲にあるのは、妬み(ねたみ。比較して相手の優れた部分を憎むこと)といじめの心です。
相手に命令をする上下関係がある状態は、友人でも恋人でもありません。うまくいかなくなります。
人が人の所有物です。
頭がいい人=いい人とは限りません。
いい人のバックになにかがある。
そうか、なるほど。おもしろい。
話の進展で、すがすがしいものがあります。
なんだろう。異星人のような存在が、この地球上にいる。
『吸血鬼』
妖怪か。
最も後半の部分はなくてもよかったような。
なくても十分怖かった。
男女の三角関係は男女の物語ではつきものです。
欺瞞(ぎまん):人をあざむく。だます。この本では、「自己欺瞞」自分をだます。自分に暗示をかける。
93ページ、まだピンとこない部分があります。理解できない部分があります。第二章以下で明らかになるのでしょう。
博愛主義:人は平等です。お互いに協力してやっていきましょうという考え。みんな愛し合いましょう。
このあと、第二章以下はどうなるのだろう。
本の帯を見ると『あいつらが来ると、人が死ぬ』とあります。あいつらとは、悪魔(サタン)だろうか。
『第二章 隣人』
まだ読んでいる途中ですが、こちらの作品は、第一章とは登場人物が異なります。
女子高生が読むような内容ではありません。主婦が読む内容です。
三木島梨津(みきしま・りつ。旧姓森本。フリーアナウンサー):徳島県出身。結婚、妊娠、出産経験あり。テレビのナレーション、ラジオのレギュラーを担当経験あり。テレビ局専属アナウンサーのときのニックネームが「知性のリツ」。本作品では、地域での読み聞かせの学校ボランティアに挑戦します。
三木島雄基(みきしま・ゆうき):三木島梨津の夫。
三木島奏人(みきしま・かなと):三木島夫婦の長男。小学1年生。区立楠道小学校1年生(くすみちしょうがっこう)。水曜日にピアノを習いに行っている。
ハッチ:三木島家のペット犬。豆しば(ちいさな柴犬)
サワタリ団地:リノベーションした古い団地(昭和35年以降ぐらいの建築)大規模改修で、2軒を1軒につなげた3LDKの間取りです。三木島ファミリーが気に入って南棟の515号に転入した。北側にある棟と南側にある棟があります。最初は賃貸かと思って読んでいましたが、買取りの分譲住宅でした。
以下、読み聞かせ委員会のメンバー
かおり:年老いて見える変な人。集団の中で、浮いているらしい。高校生の息子がひきこもり。性別は息子(男)だが、息子は最近女性になったらしい。それから、かおりも三木島梨津と同じくアナウンサーだったらしい。(アナウンサーではありませんでした)口ぐせが『私もなの』。
沢渡博美:サワタリ団地のリノベーションに携わった(たずさわった)若手デザイナー夫婦。同団地の北棟701号室に住んでいる。児童会長6年生沢渡朝陽(あさひ)男児がいる。見た目やしぐさが完璧な女性。スタイルも顔もいい。人当たりもいい。この人が第一章におけるサタンのような存在だろうか。夫が恭平。がっしり体格。あごひげ。背が高い。(自宅である彼ら夫婦の家の中に盗聴器でも隠してあるのではないかと読んでいて推測しました)
和田葉子:リーダー格。6年生女児ミミの母親。夫が悟朗。
ほかの母親として、
城崎(きのさき):4年生の母。おとなしそうな外見。
高橋:4年生の母。同じくおとなしそう。
真巳子(まみこ):沢渡博美の小6の子朝陽と同じクラスの女の子ゆかりのママ。夫が一臣(かずおみ)。
楡井先生(にれいせんせい):6年1組担任。20代半ば。(教師としてハズレの先生)
多田先生:読み聞かせ委員会担当教師。
弓月(ゆづき):5年生の男児未知矢がいる主婦。601号室。沢渡博美宅の階下に住む。
小島先生:教育評論家。
永石:画家。
志月涼太:若いアイドル男子らしい。
物語の最初は、エプロン姿の女性の転落死の瞬間後の現場を三木島雄基がサワタリ団地内で目撃するところから始まりますが、ひと呼吸おいて、地域の読み聞かせ委員会の集まりシーンに転換します。(飛び降り自殺らしき転落死は、このあとどう関わってくるのか)
オートロックマンションのことが書いてある文章を読んでいたときに思い出したことがあります。
自分も昔オートロックがあるマンションに住んでいたことがあります。
ある日、かなり老齢のおばあさんが、マンションの壁をよじ登ってマンション内に入ろうとしている姿を見てびっくりしたことがありました。マンションの最上階に住むおばあさんでした。鍵を忘れたのか、部屋番号を入力しても留守だったのかわかりませんが、赤の他人ではなく、居住者が泥棒のように入らなければ入れない住宅ってなんだろうとか、オートロックって、あまり防犯の意味はないんじゃないのと思いました。
理知的(りちてき):冷静になって、論理的に考えて、判断する。
キーワードとして『死の影』
『(本をこどもさんたちに)読み聞かせ委員会』には、嚙み合わない女性の世界の人間関係があります。
かおり『こんどもってくるね』(何をもってくるのだろう?)
始まりの短いページ数に大量の情報が盛り込まれています。
オブジェ:彫刻や飾り物。展示物。
共同住宅での暮らしは周囲に気を使うのでたいへんです。
ベルガモット:ミカン。香料。
やっかいなことになりそうです。
沢渡博美が三木島梨津にからんできました。
スコーン:パン。スコットランド料理。
クロテッドクリーム:イギリスの乳製品。濃厚なクリーム。
150ページ付近、主婦たちの気持ち悪い世界です。
うわべだけの仲良しです。
上下関係が見えます。
アールグレイのお茶:ベルガモット(柑橘系、みかんの香料)で香りを付けた紅茶。
小学校の先生に対する噂話が出ます。先生を攻撃する内容です。
自分は、女の人たちが集まって話をしている姿を見かけると、ああまただれかの悪口を言っているのだろうなあと思います。
この本では、小学校の担任を変えろ、の署名運動をしようと盛り上がりをみせてきます。
主人公は有名なアナウンサーらしく、彼女に対する静かな攻撃もみられます。
いい文章として『この人たちみんな社会性が低すぎないか……』
社会性:集団生活をうまくやっていく基本的な能力。
人間の嫌なところを浮き彫りにする記述です。
お金があって、時間があって、自分以外を否定する人たちです。
『村社会』があります。村長がいて、村人たちがいて、村人たちは村長にさからうことができないシステムです。今どきのロシアの大統領のようでもあります。
付き合う人を選ぶ夫婦です。自分の言うことをきく、自分にとって都合のいい人と付き合います。
『空気が読めない人』を嫌う人たちです。
だれかひとりを標的にすることで、集団の気持ちをまとめる。
(冒頭の飛び降り自殺の件はどうなったのだろう)
敏い(さとい):賢い。理解が早い。
174ページ、不気味なホラー(恐怖)世界の扉が開きました。
怖い(こわい)。
地域の居住環境がいいというのはどういう環境なのだろう。
高額所得者のみなさんが住んでいる地域だからといって暮らしやすい地域とは言い切れません。
主婦たちは、メンタルをやられそうです。精神を病みそうです。(やみそうです)
葬儀に無理やり顔を出したい人っています。
家族葬だと説明しても押しかけてきます。
ありがたいときと、迷惑なときがあります。
悪趣味:人が嫌がることを平気な顔をしてやること。(注意してあげた方がいい。あなたたちがしようとしていることはおかしいですよ。人として非情な行為ですと)
人の不幸を喜ぶ人たちがいます。
『知性と品性は必ずしも一致しないんだよ……』
品性:人柄、人格。
傲慢(ごうまん):他人を見下す。
『一方的な好意と(性的)欲望』
主人公は逃げることを考える。
(読んでいて、ここで、主人公は死ぬのではないかと考えました。事故死のような殺人が起きるのではないか)
頭がおかしい人がいる。
うわべはきれいに見えるけれど、脳の中に多数の人格が存在している人がいる。
かなり怖い。
ただ、割り切れば、この世界を楽しむこともできる。
かおりの仲間になる。
終わりの部分あたりは『詩』を読むようでした。(怖い)
『第三章 同僚』
うーむ。全般的に、この本に掲載されている物語は内容が暗い。
気が重い読書です。夢も希望もありませぬ。
鈴井俊哉:食品会社ヨシミヤフーズの営業職。営業二課。入社3年目ですから25歳ぐらい。独身でしょう。以前は、企画部で商品開発を担当していた。人事異動に不満あり。
丸山睦美(まるやま・むつみ):女性。43歳。営業二課主任。小学生のこどもあり。
佐藤課長:41歳。男性。パワハラ(上司が部下に苦痛を与える)、モラハラ(言動や態度に対する悪口)行為をしている。頭がおかしい。
ジンさん:神原。50代。中途採用された社員。小学校の校長先生タイプの外見。白髪交じり。黒ぶち眼鏡。まっすぐな立ち姿。ハラスメント(いやがらせ)の被害者。
濱田:鈴井俊哉の同僚。若そう。
リマインドメール:確認メール。
佐藤課長(わたしの予想として:今度は、この人が死ぬのかなあ)
ジンさんが佐藤課長から強烈で過酷なパワハラを受けています。ジンさんからみて、佐藤課長は、年下上司です。
胸にぐっとくる表現として『(ジンさんが課長を)「いい人」だと言ったけれど、ああこの人のほうが何倍も「いい人」だから……』
読みながら、案外ジンさんは、自分自身が昔、パワハラ上司だったのではないか。バチが当たったのではないかと思いましたが、読み進めて、どうも違うようでした。
もうひとつのうまい表現として『自分が下の時には上司に意見できるけれど、自分が上に立つのは絶望的に向いていなかった……(そういう人っています。批判は得意だけれど、本人にやらせるとできない)』
年下、年上、上下逆転のポスト(地位)、微妙なバランスがあります。うまくいっていません。
バレッタ:髪留め。女性の長い髪をまとめるおしゃれな道具。
組織における女性管理職の人数割合の話が出ます。
表向きだけ、女性を管理職につける話です。女性の割合が上がるように男女比を操作します。
女性登用優先のための女性枠という割合が存在していそうです。
逆差別のような感じがしないでもありません。女性を下に観ている。それから、男性に不利。
男性が育児休業をとることについて、組織は、表向きは外部に対して推進していますという姿勢を見せます。しかし、組織の内部では、男性の育休取得は、とんでもないこととして扱います。いかにして外づらを保つか。戦力にならないポストにいる男性に育児休業をとらせるとか、いろいろ作戦はありそうです。
パワハラの被害者が、がまんしてくれていることに甘えているパワハラ上司がいます。佐藤課長です。
3時間12分14秒:佐藤課長は頭がおかしい。(クレーマーだとこういう人はいそうです)
上司から、仕事の指示ではなく、愚痴を長時間聞かされる。
加害者の攻撃を拒否できないと心が壊れてしまいます。
『共存症』パワハラの加害者と被害者の一体化があります。
結局、傍観者の立場の人間は、知らん顔をしてしまう。
ステレオタイプ:先入観、思い込み、固定観念。
(ああ、作者は、この騒ぎをどう納めるのだろうか)
くちびるから出てくる言葉が全部嘘の人が居ます。なにひとつ信じてはいけません。話の中身を聞く必要はありません。全部ウソです。(佐藤課長もそのうちのひとりです)
佐藤課長のような人は現実にいます。
ジンさんの素性(すじょう)がいまいち、はっきりしません。
佐藤課長は明らかにおかしいけれど、ジンさんもおかしい。パワハラ慣れしています。(被害者として)ジンさんには加害者を『容認する』気持ちがあります。本人の言葉として『関係性』が大事。
部下は常に上司を責める立場です。
別の人だったらいいのになと思いますが、別の人が上司になってもやっぱり、別の人だったらいいのになと思うのです。
『第四章 班長』
第四章を読み終えました。
始まりのページに描いてある絵がちょっと怖い。どなたが書いたのか本の奥のほうを見ましたがわかりませんでした。
この第四章では、これまでに読んだ第二章「隣人」のシーンが重なってきます。あとは、第三章で登場していたジンさん(神原)と同じ名字のこどもが登場しますが、両者の関連はわかりません。ふたりとも人間ではない宇宙人のようなものだったのか。わかりません。
この章では、これまでの章に提示された『伏線(ふくせん。後半で感動を生むための仕掛け)』が回収されていきます。人が死ぬことの経過と理由です。
草太:区立楠道小学校5年2組。母親が、早智子さん。
中尾虎之助:こども。両親が弁護士。母親がPTA役員。虎之助はクラスでは、嫌われ者。
神原二子(かんばら・にこ):男子。5年2組に転校してきた。背が小さくてやせている。メガネをかけている。
優一郎と豪:中尾虎之助の子分。
由紀、梨乃、架奈(母が入院。家族のめんどうをみている)、涼平、朱音(あかね)、敬人(けいと):クラスメート。
凛子ママ(りんこまま)
沢渡:6年生。児童会長。
地域社会の活動に会社のシステムを持ち込もうとする人がいます。嫌われます。会社には上下関係とかマニュアルのシステムがあります。地域活動には上も下もありません。活動をやめるのも自由です。しばれません。
毒親がいます。毒親は単体ではありません。
ときに、毒親と毒親の対決になることもあります。
案外毒親同士で表向きだけの意気投合をしてその場をしのぐこともあります。そんな展開があります。
キチガイどうしの戦いに見えます。
最近、戦国武将の戦話(いくさばなし)を二本読んだのですが、毒親同士の戦いは、戦国時代の武将同士の戦い方とは違います。
お金にならない地域活動なら(PTA活動)、嫌いな人と無理に仲良くならなくてもいい。距離を置く。
偽善者がいます。悪いことをしているのにきれいごとのウソをつく人間です。中尾虎之助のことです。
第二章『隣人』で登場した『読み聞かせ委員会』が再登場します。
連帯責任:学校でよく聞きました。社会に出たら耳にしなくなりました。
中尾虎之助のようなこどもが周囲に干されて学校に来れなくなってひきこもりになるのではないか。
『シール競走』なるものがあります。グループ全員がおぎょうぎよくできたらシールを貼れます。(はれます)中尾虎之助は自分勝手人間なので、グループはシールをもらえません。
シールをもらうことに何の意味があるのかわかりません。将来企業で働く歯車になりなさいという教育に思えます。均一製品で同じく動くのです。
神原二子(かんばら・にこ。小学5年生男児)はある意味『天才』です。心の冷たい異星人のイメージがあります。姿形(すがたかたち)は人間ですが、中味は人間とは異なる生物です。
『君のため』は、だれのためなのか。不気味な言葉です。
自分は嫌だ(いやだ)という意思表示をしっかりしないと自分が追い込まれます。
ちゃんと会話をする。ちゃんと意思確認をすることは大事です。
あちこちに『孤独』があります。
『やりすぎ』→『ノイローゼ(環境に適応できず不安感で心の安定を失う)』
第三章のジンさんとどうつながるのだろう。
ぞっとするセリフとして『竹に守られている』309ページ。
ホラー(恐怖)小説です。
『最終章 家族』
あと32ページで終わるところまで読みました。
この章では、これまでの章の伏線の回収が試みられています。
恐怖小説です。
今年読んで良かった一冊になりました。
複雑なので、これまでメモした紙数枚の内容をふりかえりながら読んでいます。
よくできた仕掛けです。
辿れる:たどれる。
厄病神(やくびょうがみ)という言葉を思い出す内容です。とりつくのです。
今話題のなんとか教会の話のようでもあります。
パワハラの加害者は、自滅の運命をたどる。
『やっぱり』という言葉が頭をよぎります。
マウンティング:相手よりも自分のほうが優位であるという言動をすること。
ローズベースのルームフレグランス:バラの香りがする部屋用の芳香剤。
怖々と:こわごわと。
黴:カビ
そうかと納得する361ページです。
躊躇う:ためらう。
事件の犯人は、どっちの人物だろう。
そういうことか。
『エピローグ(終わりに。反対語がプロローグ。はじめに)』
この部分はこの作品を創作するきっかけとなった動機なのでしょうが、読後感としては、この部分は、ないほうがよかった。最終章までで恐怖感は充実していました。
作者の意思をくむために、しいて言えば『あの日あの時あの場所であの人と出会わなければ、自分はこんな不幸なことにはなっていなかった』ということは実際にあります。
人が人と出会うことでいいことにつながるときもあるけれど、そうでないときもある。そうでなかったときの恐怖が語られていると受け止めました。
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