2021年12月27日

2021年 今年読んで良かった本

2021年 今年読んで良かった本

三十女は分が悪い 壇蜜 中央公論新社
 おもに人生相談に対して壇蜜さんが答えた内容の集約集です。
 返答は、あたりさわりのない平板な解答パターンが続きます。
 第3章までの相談部分は軽い内容です。第4章「私の30代までをプレイバック」の部分は濃密な内容です。

ふしぎなえ 安野光雅(あんのみつまさ) 福音館書店
 表紙をながめています。
 魔法使いののようなかっこうをした男の人たち4人です。
 サンタクロースのようにエントツに向かって、壁や屋根を登って行きます。
 おそろいの赤い帽子とえり巻きです。そうか。煙突そうじの人たちか。

ふしぎなナイフ 中村牧江・林健造・さく 福田隆義・え 福音館書店
 フォークとナイフのナイフです。
 ナイフの絵がリアルで、最初は怖い。
 ページをめくりはじめるとおもしろくなります。
 だんだん内容がふくらんで、どんどんおもしろくなります。そして、楽しい。
 アイデア出しの教示書です。
 きれいなナイフの絵が続きます。

パパ、お月さまとって! エリック=カール・さく もりひさし・やく
 こどもさん向けの絵本です。
 まずは、全体を1ページずつめくってみました。なんというか、すごい絵本です。
 しかけがある絵本です。ダイナミックです。
 1986年が初版です。
 アメリカの田舎町でしょう。夜空も地上も広い。
 なんていう長いハシゴなんだ。

(再読)坊ちゃん 夏目漱石 集英社文庫
 昨年読んだ本の中で、夏目漱石作品は発表された当時はいい評価をされなかったが、何十年間もの時を経て高評価されるに至った。逆に坊ちゃんが発表されたころにちやほやされた小説家は、今はもう消滅して名も残っていないというような文章をみました。優れた作品は年月をくぐりぬけても不死鳥のように生き残るのでしょう。
 本棚の整理をしていたらこの本が出てきたので読んでみることにしました。

少年と犬 馳星周(はせ・せいしゅう) 文藝春秋
 短編6本の連作です。
「男と犬」
 2011年3月11日に発生した東日本大震災から半年が経過していますから同年9月でしょう。コンビニの前に飼い主不明の犬がいます。姿かたちのイメージは、オオカミです。誇り高い。かっこいい。シェパードの雑種らしい。

ムンジャクンジュは毛虫じゃない 岡田淳 偕成社文庫
 三人の小学五年生が相談して付けた名前です。ムンジャクンジュは、虫のようなあるいは、小動物のような生き物で、最初は米粒ほどの大きさだったのですが、58ページの今は、ハトぐらいまで大きく育ちました。そして、ムーンとか、クーンと鳴くところからムンで、毛むくじゃらだからジャクンジュだそうです。

下流志向 学ばない子どもたち働かない若者たち 内田樹(うちだ・たつる) 講談社文庫
 「まえがき」を読んでいて考えたことです。この本は、こどもが勉強しなくなった。若者が働かなくなったという内容が書いてあるようです。本の発行は、2007年ですから、今から13年ぐらい前です。その当時の小中学生、大学生たちはいまごろ、二十代から三十代でしょう。

シルバー川柳10 スクワット しゃがんだままで 立てません ポプラ社
 本屋で、この本のカバーをみて、「スクワット しゃがんだままで 立てません」を読んで、思わず吹き出しました。そのとおりです。笑いました。そして、購入しました。

おじさんのかさ 佐野洋子 講談社
 傘をもっているけれど、雨がふっても使用しないかさのお話です。
 愉快です。見せ傘というのでしょうか。お財布の中の「見せ札、見せ金(みせさつ。みせがね。見せるだけで使わない紙幣)」みたいです。人に見せて自慢するだけの傘だろうかという先入観をもちながら読み始めました。

図書館の神さま 瀬尾まいこ(せお・まいこ) ちくま文庫
 冒頭の「清(きよ)。私の名前だ」を読んだ瞬間に先日読んだ夏目漱石作品「坊ちゃん」が頭に浮かびました。坊ちゃんの家で働いていた女中さんのお名前です。そして次の瞬間、「両親が『坊ちゃん』に傾倒していたわけではない」と文章が続きます。やられたという感じがして、次の読みに入ります。

シュリーマン旅行記 清国・日本 石井和子・訳 講談社学術文庫
 世界史のトロイの遺跡からこの本に来ました。詳しいことは知りません。
 シュリーマン:1822年-1890年 68歳没 ドイツの考古学者 実業家 ギリシャ神話に出てくる都市トロイアの遺跡を発見した。トロイアの考古遺跡:現在のトルコ共和国。1870年発掘開始。日本への訪問は、1865年。当時43歳。明治元年が1868年。

ぼくのくれよん 長新太(ちょう・しんた) 講談社
 大きなくれよんが出てきます。ネコぐらいの大きさのくれよんです。おもしろい。
 「だいだいいろ」というくれよんの表示は、昭和時代を思い出させてくれます。
 絵本は1993年の発行ですから、平成5年です。

まんげつのよるに 木村裕一・作 あべ弘士・絵 講談社
 シリーズ「あらしのよるに」の第7話でこれが最終話です。
 第6話で雪崩に飲み込まれたオオカミのガブはどうなったのか心配です。
 ガブは物語の主人公ですから必ず生きているはずです。
 ほら生きていました。よかった。
 えッ?! なんとそれはヤギのメイの夢でした。

おれはねこだぜ 佐野洋子 講談社
 おとなびたちょっと反抗期であるようなねこの絵です。
 心がひねくれたようなねこの好物は、お魚のさばだそうです。
 ねこのぼうしに何かがぶちあたりました。
 えッ?!
 おもしろい! ネタバレになるので、何が飛んできたのかはここには書きません。
 ページをめくって、ますますおもしろくなりました。こどもさんにうけるでしょう。

きょうりゅうのかいかた くさのだいすけ・文 やぶうちまさゆき・絵 岩波書店
 1983年(昭和58年)初版の絵本です。
 読み終えてみて、昭和時代の匂いが伝わってきて、なつかしさにつつまれました。登場人物たちが来ている服を見てそう思いました。

妻が椎茸だったころ 中島京子 講談社
 タイトルが奇抜で引く思いがあったのですが、この方の作品で以前読んだ「長いお別れ」が傑作だったので、この本も読んでみることにしました。一作、一作の内容が、濃密だという印象をもっています。
 短編が五本並べてあります。最初の一本を読み終えて、これは、スリラーだと気づきました。ぞっとする読後感が残ります。

ふうせんねこ せなけいこ 福音館書店
 「おこっているぞー」のねこです。
 かなりおこっています。
 ますますおこっています。
 おこっているけれど、可愛い。
 ねこの動作は、乳幼児の動作と共通しています。

逆ソクラテス 伊坂幸太郎 集英社
 ソクラテス:アテネ出身の古代ギリシャの哲学者。紀元前469年頃-紀元前399年。71歳。服毒自殺による死刑。名言を多数残しています。「無知の知」「生きるために食べよ。食べるために生きるな」「 本をよく読むことで自分を成長させていきなさい。本は著者がとても苦労して身に付けたことを、たやすく手に入れさせてくれる」「一番大切なことは、単に生きることではなく善く生きることである」「悪法もまた法なり」本人の著書は残っていないが、弟子のプラトンがソクラテスの言葉を残している。

自転しながら公転する 山本文緒 新潮社
 58ページあたりを読み終えたところで感想を書き始めてみます。全体で、478ページある作品です。男性の自分が読むのには場違いかなと感じながら読んでいます。恋愛小説のようです。
 冒頭は、ベトナムでベトナムの恋人と結婚式を挙げる直前シーンから始まります。その後、過去の出来事にシーンは移ります。世界的に、地球規模で動くから、自分が自転しながら、太陽のまわりを公転するという意味合いのタイトルに思えます。

学問のすすめ 福沢諭吉 斎藤孝・現代語訳 ちくま新書
 有名な本ですが読むのは初めてです。福沢諭吉:1835年(天保5年)-1901年(明治34年)66歳没 慶応義塾大学の創設者 著述家、啓蒙思想家、教育者
 学問のすすめ:1880年(明治13年)出版。内容は、1872年(明治5年)-1876年(明治9年)に発行された17編を合本したもの。

水を縫う(みずをぬう) 寺地はるな 集英社
 第一章から第六章まであります。第一章を読み終えて、ぼんやりと本のカバーをながめていました。男子高校生が木製椅子のそばに立って横を向いています。(そうか、裁縫好きの男子高校生が水を縫うという設定なのか。男子高校生の足もとには水たまりのようなものが広がっており、下のほうには針と糸の絵があります。糸は赤い糸ですから縁結びの糸でしょう。なお男子高校生はオカマではありません)

宇宙への秘密の鍵 作・ルーシー&スティーヴン・ホーキング 訳・さくまゆみこ 岩崎書店
 クリスマスのプレゼントにコンピューターがほしかったのに、ペットのブタがプレゼントだったというところで、そのブタちゃんがブタ小屋から消えてしまったというところから始まりました。
 ブタの飼い主は、ジョージ少年です。まだ読み始めたところなので、年齢はわかりません。

ヒュースケン日本日記 1855-61 青木枝朗(あおき・しろう)・訳 岩波文庫
 ヘンリー・ヒュースケン:1832年-1861年 オランダ人 タウンゼント・ハリス配下のオランダ語通訳兼書記官 英語をオランダ語に訳して、日本人とはオランダ語で意思疎通をはかった。 1856年24歳のときに来日し、1861年1月14日、29歳のときアメリカ合衆国公使館となっていた善福寺への帰路、薩摩藩士に殺害された。

パンどろぼう 柴田ケイコ 角川書店
 食パンのお顔が不気味です。
 でも、読み終わったあとで、今年読んで良かった一冊だと思った次第です。
 こどもさん向けの絵本です。

めっきらもっきら どおんどん 長谷川摂子(はせがわ・せつこ)作 ふりや なな画 福音館書店
 ゆうれいのおはなしだろうか。表紙に不気味な黒い影の絵が描いてあります。オオカミのようにも見えるし、ヘビのようにも見えます。

きょだいなきょだいな 長谷川摂子(はせがわ・せつこ)・作 降矢なな(ふりや・なな)・絵 福音館書店
 ページを開いて、いきなりびっくりしました。巨大なピアノがどーんと出てきました。圧倒されます。
 次のページをめくって、おもしろい展開に愉快になりました。このピアノはかなり巨大です。

ちくわのわーさん 岡田よしたか ブロンズ新社
 2011年発行の楽しい絵本です。ちくわのわーさんは、おもしろいけれど、見た目は、かわいくはない。ちくわのわーさんの動きは、まるで、生きているようです。ちくわのわーさんは、かなり大きなちくわです。

現代語訳 論語と算盤 渋沢栄一 守屋淳・訳 ちくま新書
 大河ドラマは観ています。ただ、いままでのところ徳川慶喜さんのドラマになっているような。
 されど、渋沢栄一さんは偉大です。
 渋沢栄一:1840年(天保11年)-1931年(昭和6年)91歳没 1968年が明治元年 豪農、武士、官僚、実業家、慈善家

いきもの最強バラエティー ウソナンデス Gakken
 ホオジロザメが人間を喰うのが世界に広まったのは、洋画「ジョーズ」の影響だろうか。ホオジロザメにとっては、災難だった。
 読んでいて、世の中は、誤解と錯覚で成り立っていると再確認できました。
 ハイエナは悪者扱いされるけれど、本当は、良質なチームワークをもつ狩人なのです。

大きい1年生と小さな2年生 古田足日(ふるた・たるひ)・作 中山正美・絵 偕成社
 1970年(昭和45年)の作品で、もう50年ぐらい前の作品ですが、よく読まれています。
 ただし、自分が読むのは初めてです。小学生のころって、たしかに、背丈(せたけ)にこだわりがありました。背は成長するにつれて伸びて、最終的には、背の高い、低いは人生においてあまり関係ないことがわかるのですが、そのことに気づくまでは悩んだりもします。

スモールワールズ 一穂ミチ(いちほみち) 講談社
 短編6本です。どういうわけか、タイトル「スモールワールズ」という作品はありません。全体で、「小さい世界(複数)」ということなのか。
「ネオンテトラ」
 ネオンテトラとは? 調べました。「(アマゾン川で発見された)熱帯魚」だそうです。ネオンサインのような模様。青と赤の縦じま。4ページぐらい読んで、ああ、自分には合わないと肌で感じました。流し読みにしようか。若い人向けの作品だとピンときました。

こちらあみ子 今村夏子 ちくま文庫
 別の本で紹介されていたので興味をもち取り寄せて読み始めました。
 「あみ子」変わった名前です。どういう意味なのだろう? 本のカバーには、次のとおりあります。
 あみ子:風変りな女の子。優しい父。一緒に登下校してくれる兄(その後不良になる。こーちゃん。孝太)。母親は妊娠中で、書道教室の先生をしている。(その後やる気がなくなる)。(あみ子さんが所属するのは田中家です)。あみ子のあこがれる男子同級生が、のり君

三日間の幸福 三秋 縋(みあき すがる) メディアワークス文庫
 ショートショートの連作だろうか。短い文章が、15本あります。
「十年後の約束」「終わりの始まり」
 二十歳になった男子クスノキは、寿命(あと30年と3か月あったらしい。50歳で死去だったのか)をブックオフで本を売るように査定を受けて、買取り店で売ってしまいました。30年分を売却したのであと三か月しか生きられないであろうという設定です。作者は顛末(てんまつ。オチ)をどうもっていくのだろうが、目下(もっか)の読書の興味です。

スマホ脳 アンデシュ・ハンセン 久山葉子・訳 新潮新書
 読み始める前の心構えとして、スマホの良くないところについて書いてある本であろう。
 街で、ながらスマホをしながら歩いている人を見ると危険を感じます。
 一度ぶつかりそうになったことがあります。
 以降、ながらスマホをしている人には、近づかないようにしています。

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