2018年01月19日

風の又三郎 宮澤賢治童話集

風の又三郎 宮澤賢治童話集 偕成社文庫

 直木賞作品「銀河鉄道の父」を読んだときに、読もうと思った童話です。読むのは初めてです。小学生の頃にマンガで見たことがありますが、筋立ては覚えていません。
 宮澤作品は、彼の好きだった鉱石と一緒で、キラキラ輝く色彩調の文章です。わたしは、それが苦手です。ごんぎつねを書いた新美南吉さんのほうが読みやすい。

 9月1日から始まり、中旬で終わる小学生の歳時記(季節の記録)です。日記みたい。
 又三郎は、転校生で、北海道から岩手に転校してきた小学校3年生高田三郎です。風貌が変わっています。赤い髪、鼠色の上着、白い半ズボン、赤い革靴、りんごみたいな顔で、目玉真っ黒まんまるです。

 学校は分校らしく、1年生から6年生まで合計27人ぐらい。
 
 子どもさん向けの童話ですので、結局2回読みました。早朝、目が覚めて1回、朝ご飯を食べ終えて、また1回です。

 どっどど どどうど で 始まる。リズム感です。

 「銀河鉄道の父」のなかで、賢治が、(物語)に道徳とか倫理みたいな主題はいらないと言っていたと思います。楽しければいい。おもしろければいいです。そのへんが、どうも、わたしと合わない。

 むかしむかしのこどもの縦型社会です。1年生から6年生まで。疑似兄弟のようなものです。

 内容は、兄が妹に物語を聞かせているようです。(「銀河鉄道の父」から)

 馬のシーンは生き生きしています。

 冒頭の詩のようなものは、「かけ声」です。

 210日、そして、台風が来ました。
 風の又三郎です。
 台風と一緒に移動して北海道へ転校していってしまいました。


 調べた言葉として、「二百十日:立春から数えて210日目。9月1日頃。稲、台風に注意」、「鉱石モリブデン:銀白色の金属」

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