2016年12月30日

2016年 今年読んでよかった本

2016年 今年読んでよかった本

戦場のコックたち 深緑野分(ふかみどり・のわき) 東京創元社
 作者の名前は最初、これは名前かと仰天しました。でも名前でした。よくわからないが、女性らしい。
 最初のほうのページをめくりました。第二次世界大戦、フランスノルマンディーでのコックアメリカ隊員たちの話らしい。

王とサーカス 米澤穂信(よねざわ・ほのぶ 男性) 東京創元社
 時代は2001年6月1日、場所は、標高1300mネパールの首都カトマンズ、主人公は、トーキョーロッジ202号室に旅行ルポ取材のため滞在する28歳太刀洗万智(たちあらい・まち 女性らしい。東洋新聞元記者、現在フリーライター)で始まります。

朝が来る 辻村深月(つじむら・みずき) 文藝春秋
 「朝が来る」というのは、こどもができない夫婦が、長いトンネルを通過するような体験を経て、最後に、特別養子縁組制度で、あかちゃんを家族に迎えた瞬間を指します。暗いトンネルを抜けて、朝が来たのです。40代栗原佐都子(さとこ)・清和さん夫婦は、養子としたあかちゃんに「朝斗(あさと)」と名付けました
 怖い話です。朝斗くんが幼稚園5歳になって、彼を産んだという女性が、栗原夫婦に迫ってきました。子どもを返してほしい。それがだめなら、お金が欲しい。

ホセ・ムヒカの言葉 佐藤美由紀 双葉社
 強烈なショックを受けました。
 日本が正しいとして目指してきたものへの否定があります。そして、それは正しい。説得力があります。先進諸国は、自分たちだけの富のために、地球上の原料を使い果たす気かという抗議と攻撃があります。その考え方は、少なくとも、日本国の方針に逆行する内容です。

海の見える理髪店 荻原浩(おぎわら・ひろし) 集英社
短編6本です。
「成人式」
 泣けました。ぜひ、読んでほしい。
 思春期、父親と対立していた中学3年生の娘さんが、高校入学前の3月に交通事故死します。両親の苦悩は深い。そして、重い。「生きていてこそ」、思ったことです。作品の出来はすばらしい。

向田理髪店 奥田英朗(おくだ・ひでお) 光文社
 最後は感涙でした。
 理想なのでしょう。現実には実現がむずかしい世界です。

書店主フィクリーのものがたり ガブリエル・セヴィン 早川書房
 2016年本屋大賞翻訳小説部門第1位作品です。
 62ページからがぜん面白くなりました。ここまでは、何が書いてあるのかよくわからず、何度も戻りながら頭を傾けていました。あと、200ページぐらい。いっき読みとおしたい。

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