2023年12月01日

すずめの戸締まり 邦画アニメ 2022年公開

すずめの戸締まり 邦画アニメ 2022年公開 2時間01分 動画配信サービス

 有名な映画ですが観たのは初めてです。
 う~む。わかりにくい。
 防災の映画だろうか。
 人類に地震の発生を止める力はないわけで、そのような状況があって、この映画は何を訴えたいのかがわかりません。

 お互いにどんな人格と魅力に惹かれるのかが(ひかれるのかが)わかりませんが、岩戸鈴芽(いわと・すずめ)と宗像草太(むなかた・そうた)という若い男女の愛情のお話なのか。
 それとも、岩戸鈴芽と叔母である岩戸環(いわと・たまき)の疑似親子関係の難しさを表現してあるのだろうか。
 鈴芽の過去の記憶が蘇ります(よみがえります)。津波で亡くなったらしき実母との記憶です。
 あるいは、神さまの話なのか。宗教映画のようでもありました。

 製作者のメッセージがわかりにくい映画でした。
 話の要点があちこちに飛ぶのでした。

 絵はきれいでしたし、懐メロ(ナツメロ曲。なつかしい昔の歌・曲)は自分たち前期高齢者の世代にはなつかしく、若いころの思い出にはひたれました。

 九州の宮崎あたりから、東北の岩手あたりまで移動するロードムービーです。(移動しながら心が成長していく発展映画)
 
 大地震が発生する理由が、『ミミズ』というものが現れるからということです。
 『ミミズ』を押さえるためにふたつの扉に鍵をかけるそうです。(別世界にミミズを閉じ込めておく)
 災いが出てこないように、鈴芽が開けてしまった扉を鈴芽が閉める。
 
 『扉』は、ドラえもんの『どこでもドア』のようでした。

 白い猫と黒い猫が出てきてしゃべります。
 『ミミズ』を別世界に閉じ込めるのに『要石(かなめいし)』がいるそうです。
 白猫の名前が、『ダイジン』で、黒猫の名前が、『サダイジン(左大臣のつもりなのでしょう)』です。

 ずいぶん極端な話のつくりの出だしです。
 感情移入ができる人は、よっぽどこの映画の製作者の信奉者です。
 『ミミズ』は、赤い柱のようでもあるしドラゴン(竜)のようでもある。煙のようにモクモクと空へのびていきます。
 ネバーエンディングストーリーのような雰囲気もありました。
 ミミズは、ヒミズ(モグラ)のようでもある。(昔、『ヒミズ』という邦画がありました。とても良かった)
 BGM(バックグラウンドミュージック)では、オペラのような荘厳な歌唱が響き渡ります。観ている者の意識が誘導されます。

 『かしこみ、かしこみ…… 謹んで(つつしんで)……』のセリフは、宗教のようです。
 信仰とか霊魂の世界です。洗脳(マインドコントロール。観客の意識操作)があります。暗示の世界です。
 ネコはしゃべります。
 人がこども用のイスになります。(NHKのEテレビの番組を思い出します)。イスもしゃべります。
 ネコは魔法使いみたいです。魔法が使えるのでしょう。

 常世(とこよ):死者が赴く(おもむく。行く)場所

 東京『お茶の水駅』あたりの絵が出ます。つい先日自分が電車を乗り換えた駅なのでちょっとびっくりしました。

 おろかだなあと思ったシーンが、喫煙シーンです。日本映画は、アニメでもタバコを吸うシーンをいれるのかとあきれました。
 たばこ税を徴収するために、映画の助成金を受けるときは、映像には、極力喫煙シーンを入れることという契約上のきまりでもあるのだろうか。しかも車を運転しながらの喫煙シーンです。登場人物は3回もタバコを吸っていました。国民の生命を守るためには、とにもかくにも、本人とまわりの人たちの健康が第一です。もう映像において、喫煙シーンで感情を表現する時代は終わっています。

 クライマックスだけど、なんだかわからない。自爆テロを想像、推奨するようなシーンです。いくら目的を達成するためであっても自死はだめです。

 最後は、なにげない日常生活を送ることが幸せというような締めでした。
 『いってきます』という言葉が大事なのです。必ず『おかえりなさい』につながらなければならない一日なのです。(このあと観た邦画『線は、僕を描く』も同様の主題でした)
 
 海外も含めて、おおぜいの人たちに好評だった映画だそうですが、わたしには合いませんでした。