2022年03月16日

ゴムあたまポンたろう 長新太(ちょう・しんた)

ゴムあたまポンたろう 長新太(ちょう・しんた) 童心社

(1回目の本読み)
 タイトルがおもしろい。
 楽しいお話が始まりそうな予感がただよいます。
 絵は、ステキというほどの絵でもない。
 ちびっこが、ぼくにも、あたしにも、描けそう(かけそう)と言いそうです。
 ポンたろうは、無表情です。ちょっと怖い(こわい)。不気味なところもあります。シュール(超現実主義(現実離れしている))と表現できそうな絵です。
 空中に男女のカップルが浮いているシャガールの絵にも似ています。
 
 頭に黄色いバットのような角(つの)が生えたおっさんが出てきました。全身がピンク色です。なんじゃこりゃです。角(つの)があるからといって、鬼には見えません。
 絵の色合いがすごい。ピンクにイエローです。
 さっきのおっさんは、野球でもするようなようすです。
 
 ポンたろうは、バットで打たれたわけではありませんが、どこいくのー
 どこか遠くへと飛んでいきます。
 タイムトラベル(過去への時間移動旅行)みたいです。
 絵からさっすると、日本の戦国時代へ飛んでいったみたいです。西暦1500年代です。
 
 あれまー
 バラの花園へつっこみます。ゴムあたまポンたろうは、バラの花びらに当たってもはねかえることができないでしょう。
 はなびらじゃなくて、バラのトゲが待っています。
 ゴムあたまポンたろうは、バラのトゲがささっても、ふうせんみたいに、パンと割れるわけではありません。
 (このページの話はうやむやになってしまいました。ページをめくると突然シーンは変わり、夜の街で、幽霊のお父さんと、お母さんと、ぼくちゃんと、いもうとが、うらめしやーと両手をたらしています)
 メガネをかけているお父さんおばけだから、怖くありません。
 ポン太郎を見たおばけたちのほうが、ポン太郎をこわがっています。

 ページをめくるたびに思うのは、なんだか変な絵だなあ。
 なかなかない発想です。
 『ぶっとばしました』の言葉が乱暴ですが、ちびっこには受け入れられそうです。

 今度は、アフリカの大平原です。
 キリン、ゾウ、シマウマ、たぶんカバ、たぶん水牛、ゴリラ、ワニ、シカみたいなの、タヌキみたいなの、ネコみたいなの(申し訳ないけれど、絵がへたで、なんの動物なのかわかりかねます)

 ポン太郎は、ハリネズミたちの群れに突っ込みそうです。
 ハリが当たったら、イテーよー
 でも、ハリネズミたちは、やさしかった。笑いました。

 ゴムの木かー このあとどうなるのだろう。ポン太郎は、自分をつくっている原料になるゴムの木まで、たどりつきました。
 ポン太郎は、ゴムの木の上で眠ってしまいました。おやすみなさいゴムあたまポンたろうさん。

 1998年初版 2016年27刷の絵本でした。

(2回目の本読み)
 文章を見なくても、絵をながめつつ、ページをめくりながら、読み手と聞き手で話し合って、独自のお話をつくれそうです。
 リラックスできる気楽な絵です。

 びよーん。ゴムあたまポンたろうっていうけど、別のお名前を付けちゃおうかな。
 『とんぽりぴんぴんやろう』にしよーっと。意味はないけど、見た目がそんな感じだからね。
 『ぼくは、とんぽりぴんぴんやろーだよん』
 ぴょん ぴょん ぴょーん
 
 自分が、小学生のころに住んでいた山奥を思い出す絵です。
 大きな山に沈む夕陽がきれいなところでした。

 ぴょーん ぴょーんと飛んでいたら、雲の上まで抜けてきて、ここは、天国だよーん
 あらー バットの神さまが、雲の上で寝ころんでいます。
 こんにちはー バットの神さまー
 でも、ぼくはいそいでいるから、もういくねー バットの神さま さようならー
 ぴょーん ぴょーん
 次はどこにいこうかなー ぴょーん ぴょーん
 お花畑につっこむぞい。
 ゲゲゲゲゲー お花についているトゲトゲに、こっちに来るな! って言われちゃった。
 しかたがない。さよならー

 あれー こんどは、夜の世界に来ちゃったぞい。
 びよん びよん
 おばけのみなさん お元気ですか?
 ぼくのなまえは、とんぽりぴんぴんやろうです。こんばんわー
 今夜は、暗くていいお天気ですねー みなさんのまわりには、人魂(ひとだま。火の玉)が力いっぱい燃えていて、きれいですよー あたりを照らしてくださって、ありがとー
 
 おばけの世界を抜けたら、葉っぱの世界が見えてきました。
 はっぱっぱー はっぱっぱー はっぱきざくら はっぱっぱー むかしそんな、お酒のコマーシャルがあったような気がします。(調べたら、はっぱではなくて、カッパでした)
 まっ いいか。はっぱっぱー はっぱっぱー はっぱ はっぱ びょーんびよーん

 はっぱの向こうは、ジャングルだーー
 みんな 逃げろーー
 火山が爆発するぞーー

 びよーん びよーん
 ハリネズミみたいな形をしたカメさんがいっぱいいる世界じゃーー
 背中にトゲトゲがあるカメなので、さわるとチクチクいたそうだぞい。
 なんじゃら なんじゃら なんじゃらほい
 カメがお馬さんになってしまったぞい。

 びよーん
 また空の上を行く、とんぽりぴんぴんやろうです。
 びょーん びよーん
 青空を真横に飛んでいると、気持ちがいいぞい。
 だけど、ひとりだから、孤独だなあ。
 
 ちょっと ひと休み
 働き続けるのは心身によくありませぬ。
 お金もうけもほどほどにしましょう。
 うーっ とんぽりぴんぴんやろうは、疲れてしまって、目がさめないくらいに眠ってしまいました。
 グー グー グー  

Posted by 熊太郎 at 07:01Comments(0)TrackBack(0)読書感想文