2022年03月05日

あーんあんの絵本 せな けいこ

あーんあんの絵本 せな けいこ 福音館書店

「あーんあん」 1972年(昭和47年)初版 2021年116刷
 タイトルから推測して、泣いちゃうのかな?
 朝、保育園に着いて、ママとお別れです。
 そういえば、朝の散歩をしているときに、そんな光景を見ることがあります。
 ママとお嬢ちゃんが、保育園の玄関へ向かって、ゆっくり歩いていきます。
 別の親子だと、パパがこぐ、自転車の後部座席のジュニアシートに幼児の男の子が乗っていたりもします。
 ちびっこがんばれ!
 自分も親として通ってきた道です。あのころはとにかく、お金がなかった。お金がない夫婦は、共働きで子育てをしなければなりません。
 そんな暮らしをなつかしく思い出して、夫婦で茶飲み話をすることがあります。
 もう、こどもたちも、今は三十代になってしまいました。
 遠い昔のことです。

 ママと別れるのはつらいけれど、人間は、人にもまれて気持ちが強くならないと、さきざき自活できないのよ。
 打たれ強くないと、社会で生きていけないのだ。
 なにくそ、くっそたれーって思うようになれ! 負けないぞーって思うんだ!
 
 あーっ だめか。
 「あーんあん」の絵本のなかの男の子は泣き出してしまいました。
 だいじょうぶだ。
 まだ、これからだ! ここからだ!

 ページをめくると、なんだ、ほかにも泣き虫がいるのか。
 (コラージュ、貼り絵の絵がきれいです)

 さらにページをめくると、なんだ、なんだ、泣き虫だらけじゃないか。
 どうしようもないなあ。
 救いようがない。
 どうしたらいいんだ。
 この絵本の結末は、どうもっていくんだ。

 えッ?! びっくりの展開です。
 
 ラストです。
 おもしろーい。
 すごい。
 びっくりしました。
 おかーさんが、へんてこりんな方法で助けに来てくれました。

「ふうせんねこ」 1972年初版 2021年90刷
 以前読んで感想を書いたことがありますが、もう一度読んで、感想を書いてみます。
 ちびっこがよろこびそうな、ふんぞりかえったねこの絵から始まります。
 『おこって ぷー』
 『ふくれて ぷー』
 
 ちびっこたちの日常のようすを絵本にしてあるシリーズです。
 読み手と聞き手で会話が生まれます。
 がまんすることを教える絵本でもあります。
 主張ばかりし続けるとばつ(罰)が待っているのです。

 あーあ。
 さようならー
 おかあさんねこが、夜空にある月をながめています。
 こねこちゃん、どこへいっちゃったのー

(2021年5月に読んだ時の感想メモです)
ふうせんねこ せなけいこ 福音館書店
 「おこっているぞー」のねこです。
 かなりおこっています。
 ますますおこっています。
 おこっているけれど、可愛い。
 ねこの動作は、乳幼児の動作と共通しています。
 「なんとかかんとかぷー」がねこの口癖です。
 「あれ かってくれなきゃ いやだ ぷー」とあります。
 どこかで見たことのあるこどもさんのわがままポーズです。
 ねこさんは、おこって、ふくれて、ふうせんになって、お空の上へ消えていきました。
 おもしろかった。今年読んで良かった一冊です。
 1972年(昭和47年)初版の絵本でした。

「ルルちゃんのくつした」 1972年初版 2021年81刷
 くつしたをどうするのだろうか。
 そういうことか。
 かたっぽうのくつしたが、どこかへ、いってしまいました。
 
 発想の転換です。
 ルルちゃんは、なくしたかたほうのくつしたをさがさずに、もうかたほうもぬぐことにしました。
 両足ともはだしです。
 それでもいいか。

 さらに発想がおもしろい。
 うさぎの耳にくつしたがかぶさっています。
 なるほど。
 そのあとも、同じパターンが続いたので、ちょっとマンネリ気味です。(同じことの繰り返しで退屈になってきました)
 
 えーっ。これで終わっちゃうの?
 (くつしたは、見つからずじまいでした)

「きれいなはこ」 1972年初版 2021年89刷
 この絵本を見たことがあるような。読んだことがあるような。だけど思い出せません。(結局、読んだことはありませんでした)

 きれいな和風のピンク色をした四角い箱の絵があります。
 
 ねこといぬが、両手で、箱の両側を引っぱって、ありがちな対立が始まりました。
 ケンカです。
 兄弟げんか、姉妹げんかのようでもあります。
 
 あッ! ねこがいぬの顔をひっかきました。ロシアみたい。
 これはたいへんだ。
 こんどは、いぬがねこにかみつきました。
 うーっ。箱の中からオバケの頭が見えます。
 オバケの存在は、ウクライナ侵攻におけるEUかUSAか、はたまたチャイナか。
 (ここ最近の時勢のせいで、絵本を見ながら、なんだかへんな空想になっています。世界のなりゆきが気になります)

 やっぱり、おばけの登場です。
 おばけは、「神さま」でした。
 バツを与えるのです。
 あらら。
 ケンカ両成敗です。
 戦争は、だれも得しません。  

Posted by 熊太郎 at 06:47Comments(0)TrackBack(0)読書感想文