2017年08月13日

あとは野となれ大和撫子 宮内悠介

あとは野となれ大和撫子 宮内悠介 角川書店

 タイトルの意味はわかりません。
 直木賞をとれなかった作品です。
 速読に入ります。

 空想国家戦争小説だろうか。
 自分はイメージが広がらないにがてな分野です。
 こども向きだろうか。

 途中、章の区切りに横書きの自転車ママチャリ旅行記が入ります。
 どこまで本当で、どこから創作なのかわかりません。

 中近東、ソビエト、イスラム教、紛争、現実と創作が混在し混沌としています。
 兵士は中学生女子ぐらいの年齢に見える。

 「あまねく:もれなくすべて」

 なんだかよくわからない内容のまま、読み終えました。

 以前、この作家さんの本を読んだ記録を見つけました。
 2013年10月6日
  ヨハネスブルグの天使たち 宮内悠介 早川書房
 これまでにあまり体験したことのない内容の物語、文章だったので、趣旨を理解できませんでした。
 バーチャル(視覚に広がる異時代、異空間)の世界です。南アフリカヨハネスブルグに南軍と北軍があって、互いに戦闘状態です。殺りく、盗品武器の売買、軍事、そして神の存在を信じる信仰があります。複数の短編集です。互いに関連があるのかないのかはわかりません。
 2作目短編では舞台がアメリカ合衆国に変わります。「DX9」というのが出てきて、最後の短編まで存在します。最初はサイボーグ(人造人間)を想像しましたが、最後は、人の心をもった器具だろうかという推測で終わりました。西暦2036年という数値が登場します。未来風景を観る小説です。
 カブール、バーミヤン、世界市民(コスモポリタン)、タリバン、イスラムなどの単語が出てきます。体言止めが多い。(名詞、名詞句で止める。詩的な効果がある。)
 3作目の短編でユダヤ人が登場します。平面的な世界認識情景が見えます。時刻は「今」、過去はあるようでない。
 4作目の心象風景には、9・11世界貿易センターツインタワーに航空機2機が突っ込んだ光景があります。時代設定がわかりませんが、登場人物の誠は、日本で、ツインタワーの跡地に建てられたフリーダム・タワーの写真を見ています。この時代、電子版書籍が主流で、紙の本は珍しいらしい。あいまいです。フリーダム・タワーが実際に建てられたかどうかは不明朗です。別のビルがCGで建てられたように見せられているとも受け取れます。人と人との心の距離は遠いようで近い、近いようで遠い。  

Posted by 熊太郎 at 11:36Comments(0)TrackBack(0)読書感想文