2017年08月01日

影裏(えいり) 沼田真佑

影裏(えいり) 沼田真佑(ぬまた・しんすけ) 文藝春秋

 影:物事の表と裏を表現するのだろうか。

 まだ、12ページ付近です。これまでのところ、人物は、氏名不明の主人公と彼の友人日浅しか出てきていません。
 ふたりで、東北、盛岡にあるらしき生出川(おいでがわ)で魚釣りをするのです。

 漢検みたいに、読めない漢字が続きます。
 詠めないので、意味をとれません。
 意味をとれないので、調べます。
「釣りに倦きる:あきる(やりすぎて疲れてあきるらしい)」、「奸知:かんち。悪知恵」、「山楝蛇:やまかがし。毒蛇。日本のどこにでもいる」、「川の右岸:上流から下流に向かって右側」、「水楢:みずなら。落葉広葉樹。たかさ35mもあり」、「燦めく:きらめく。キラキラと光り輝く」、「享けない:うけない。」、「白い迸り:とばしり。飛び散る水」、「夏油:岩手県北上市の地名。温泉」、「毀す:こわす」、「連翹:れんぎょう。落葉低木」、「お誂え向き:おあつらえむき」、「鮠:うぐい。川魚」、「貪婪:どんらん。欲深い」、「鉤:かぎ、はり」、「シュラカップ:登山やキャンプで使用するときの手で持つところが付いた金属製の器」、「タストヴァン:ワイン。利き酒用の銀製の皿。ただ、この作品の中では、お店の名称のようです」、「キルシュ:蒸留酒。ブランデー」、「長閑:のどか」、「袂:たもと。そば、きわ」、「嘯いて:うそぶいて」、「撓り:おおり。たくさんついてしなる」、「鉤素:ハリス。針に結ぶ糸」、「金束子:かねたわし」、「廉い:やすい」、「堪らない:たまらない」、「ずんだ:枝豆を用いる餅菓子」、「チーザ:チーズ菓子」、「踝:くるぶし」、「逸る:はやる。あせる」、「黴:カビ」、「罅割れ:ひび割れ」、「鳶色:とびいろ。赤黒い茶褐色」、「躑躅:ツツジ」、「烏滸がましい:おこがましい。身の程をわきまえない」、「目を瞠る:めをみはる」、「鰓蓋:えらぶた」

印象的だった表現として、「共感ではなく感銘する神経をもった人間」、「何かひとつの限界が自分に訪れた」、「棘のない言葉を心がける」

(つづく)

 読み終えました。
 不気味な作品でした。

 いつまで、地震や津波を素材にした作品が続くのだろう。
 もういいのではないか。
 いつまでも、時間の流れが過去で止まっている。

 男女の性逆転話もよく扱われる素材であるが、日常生活を送っていて、よくある話とは思えない。

 知人間の借金、返済してくれない話は、過去から続く人間界でのよくある話だ。

 詐欺で成立している社会。それを抑制するものが、秩序とか、道徳とか、教育と呼ばれる。
 戦争になれば、悪ははびこる。自然災害発生時もそうなのか。  

Posted by 熊太郎 at 18:46Comments(0)TrackBack(0)読書感想文