2019年12月29日

2019年 今年読んでよかった本

2019年 今年読んでよかった本

ニルスの不思議な旅 セルマ=ラーゲルレーフ 山室静訳 講談社青い鳥文庫
 小学5年生11歳の頃に読みました。さらに、紙芝居のように物語に沿って水彩画を描いた記憶があります。覚えているのは、ニルスが悪い子で、こびとにされて、鳥のガンの背中にのって北ヨーロッパの半島あたりを旅して、さまざまな経験をしながら、心優しい人間に成長していくことと、鳥のリーダーの名前が、アッカさん(メス)だったことです。最後のシーンが、ニルスがこびとから人間に戻って、アッカさんたちと会話ができなくなって終わりを迎えた気がします。何十年も経って再読してみるとどんな感想になるのか、楽しみです。

もしも宇宙でくらしたら 山本省三 WAVE出版
 優れた絵本です。ためになります。おもしろい。
 小学生を含む家族が宇宙ステーションで暮らして、天野光くんがレポ―してくれます。
 読めば読むほど人間の英知はすごいと感心します。

日本国紀 百田尚樹 幻冬舎
 よく売れている日本史の本です。以前読んだ同氏の本に、他の国では、ありもしなかったことをあったとして、日本を攻撃してくると書いてあり、目からうろこが落ちる思いでした。読書がきっかけで、物事の真実の実態が別の方向から見えるようになってすっきりと理解ができました。

なにからできているでしょーか? 大森裕子(おおもり・ひろこ) 白泉社
 子どもさん向けの絵本です。
 読み聞かせをするとどんな反応をみせてくれるか楽しみです。
 食べ物の材料を紹介する絵本です。
 ねずみくんたちの絵がかわいい。
 ねこさんもかわいい。
 分解元は、おにぎり、ハンバーガーときて、ラーメンです。

ふらいぱんじいさん 神沢利子(かんざわ・としこ)作 堀内誠一絵 あかね書房
 おもしろい! 愛情あふれる作品です。今年読んで良かった1冊になりました。
 ぜんぶひらがなでかかれたこどもさんむけのほんです。
 元気をなくしたふらいぱんのおじいさん、ふらいぱんじいさんが、ごきぶりにはげまされるという発想に笑いました。
 じいさんは旅に出ます。

サイド・トラック ダイアナ・ハーモン・アシャー 評論社
主人公の名前が、ジョセフ・フリードマン(ニックネームはジョーイ)で、物語は彼の一人称、ひとり語りで進行していきます。彼がたぶん好きなのが、ヘザーという名前のメイン州チェリーフィールドから転校してきた女子で、身長180cmのスポーツウーマンです。
ふたりは、レイクビュー中学校の7年生なので、日本では中学1年生です。ふたりともこれから陸上チームで活躍するようです。

ノンタン いたいのとんでけ~★ キヨノサチコ 偕成社
 にぎやかな絵がいい。動物たちが遊びを楽しんでいます。くま、うさぎ、ぶた、たぬき、そして、ノンタンというおおきいほうのしろいねこ、タータンというちいさいほうのしろいねこです。
 ノンタンとタータンがトラブルです。あかいじどうしゃの所有権のことでノンタンがタータンをつきとばします。遊び道具の取り合いです。よくあるシーンです。

かんかんかん のむらさや文 川本美制作 塩田正幸写真 福音館書店
 0.1.2歳向けの絵本です。10見開きです。
 「かんかんかん」は、鉄道線路の横にある遮断機がなる音の「かんかんかん」です。かんかんかんの音とともに物語がスタートします。

ヒマラヤに学校をつくる 吉岡大祐(よしおか・だいすけ) 旬報社
 ネパール人が貧しいこと。貧しいから幸福ではないとはいいきれないこと。写真を見ます。こどもたちの悲しそうな顔がならんでいます。日本でいうところの虐待とはまた違う苦しい境遇があるようようです。かれらの目には、だれかをうらんでいるような強い光が宿っています。母子家庭が多いようです。

はれときどきぶた 矢玉四郎(やだま・しろう) 岩崎書店
 はれときどきくもりとかあめとか、天気予報ではそうなるのですが、「ぶた」が空からふってくることはないので、なんとなく、ふざけているのかなという悪い印象をもって読み始めました。小学校3年生の畠山則安くん、あだなが「十円やす」というのは、「則安」という名前から着ているのでしょうが意味はわかりません。彼が、日記を書くのです。絵日記です。四コママンガみたいな絵日記ですが、最初の日記はふたコマでした。

14歳、明日の時間割 鈴木るりか 小学館
 奇跡の中学生作家、青春群像小説という謳い(強調、宣伝)文句です。
 科目などにあわせてつくられた短編7本です。
「国語」
 ベース(下地、基礎)は、中学生作家の日常生活においてあります。14歳とは思えないような文章作成能力に驚かされます。語彙力(ごい)が高い。(言葉をたくさん知っている。あわせて、自由自在に言葉の組み合わせを使いこなしている)その能力に怖さを感じました。国語辞典の読破でもしたのだろうか。

泥の家族 東野幸治 幻冬舎よしもと文庫
 「東野・岡村の旅猿」で又吉直樹さんが出演した時に、東野さんが紹介していた自身が描いた小説です。もう20年ぐらい前のものです。読んでみました。
 200ページぐらい。ひとつのお話が5分ぐらいで読めます。文章に文学的な情緒はありませんが、笑えますし、しみじみとした人間的な味わいがあります。

このゴミは収集できません マシンガンズ 滝沢秀一(たきざわ・しゅういち) 白夜書房
 話題になっている本です。お笑い芸人をしながら、それだけでは生活できないので、ごみ収集員もしている。まだ、読み始めですが、どちらかといえば、ごみ収集が本業で、お笑いの仕事があればそちらもやるような比重のようです。

コンビニたそがれ堂 村山早紀 ポプラ文庫ピュアフル
 短編6本です。
「コンビニたそがれ堂」
 ファンタジー神がかり(お稲荷さん神社関係)ショートショート(不思議物語)です。はじめて読みました。ロマンチック(男女の愛をからめて情緒的)です。ミステリーっぽく、読後感は胸がすく(すっとした心持ち)ような感じです。

ふるさとって呼んでもいいですか ナディ 大月書店
 外見は外国人、中身は日本人、日本をふるさとと呼んでもいいですかという問い。①いいですよ②呼ぶのはあなたの自由です。だれかの許可を得るものではありません③だめですよ。①が答えになるのでしょう。
 イラン人1991年に来日した30代イラン人女性ですが、6才から日本育ちです。日本人同様の文章作成能力があります。

白狐魔記(しらこまき) 源平の嵐 斉藤洋 偕成社
 妖怪白狐のお話みたいな感じで、源氏と平家の対立と戦の終末期を描くものだろうという予想で読み始めました。こういう児童文学作品があったことを初めて知りました。おもしろい。秀作です。
 ひとりだちのために、住み家から、母親ぎつねに、きつく追い払われたきつねの話から始まります。物語の3分の2ぐらいを読みましたが、彼にはまだ名前がありません。同じく追い出された弟らしききつねがいますが、その存在には詳しくは触れられていません。きつねの一人称、ひとり語りで物語は続いていきます。

タンポポの金メダル 山本早苗 BL出版
 子どもさん向けの絵本です。発想がいい。今年読んで良かった1冊になりました。
 山奥のバス停です。バスの絵は、思い出のなかにある古い型のバスのようでもあり、現代の過疎化した地域のバスのようでもあります。道をはさんだバス停同士が会話をするのです。そのような発想は初めてです。新鮮でした。バス停1本なら発想できますが、2本はなかなか発想できません。そこのところが重要なポイントです。

まじょのナニーさん まほうでおせわいたします 藤真利子 ポプラ社
 子どもさん向け、小学3年生ぐらい向けの本です。初めて読みました。おもしろかった。今年読んで良かった1冊です。家政婦さんが魔法使いです。魔法使いではないけれど、サウンドオブミュージックのマリアさんを思い出します。あとは、サリーちゃんとか、アッコちゃんとか、アニメのキャラクターを思い浮かべました。

図解でわかる14歳からの天皇と皇室入門 太田出版
 天皇の系図というのは、西暦400年ぐらいから始まったと勘違いしていたことにこの本を立ち読みして気づきました。紀元前660年神武天皇から始まっています。2019年の今年、中華人民共和国は建国して、まだわずか70年です。大韓民国と北朝鮮が71年、アメリカ合衆国が243年です。日本は、2679年です。驚きました。世界一です。すごい。

生きる どんなにひどい世界でも 茂木健一郎 長谷川博一 主婦と生活社
 いい本に出会えたようです。まだ、55ページまでしか読んでいませんが、今年読んで良かった1冊です。おふたりの水準の高い会話が続きます。

レオ・レオニの絵本2冊
 レオ・レオニ:オランダアムステルダム生まれ。ユダヤ人。アメリカ合衆国に亡命後、イタリアで過ごす。1910年生まれ。1999年89歳没。1959年、孫のためにつくった「あおくんときいろちゃん」で絵本作家としてデビュー。
「フレデリック」 谷川俊太郎訳
 のねずみの名前が、フレデリックです。彼をふくめて、5匹ののねずみのお話です。
 1969年初版、79刷されているロングセラーです。はじめて読みました。こういう絵本があるのかと驚きました。
「あおくんときいろちゃん」 藤田圭雄(ふじた・たまお) 訳 志光社 国際版絵本
 色がついた玉の絵しかありません。しかし、心豊かに人間を表現してあります。

明日への一歩 津村節子 河出書房新社
 津村節子さん:小説家。1928年(昭和3年)生まれ。1965年(昭和40年)「玩具」で芥川賞受賞。
 吉村昭さん:小説家。1927年(昭和2年)生まれ。2006年(平成18年)79歳没。「星への旅」、「戦艦ムサシ」、「三陸海岸大津波」

このつぎ なあに 山中恒(やまなか・ひさし) 栗田八重子・絵 あかね書房
 楽しみました。こどもさん向けの児童文学です。たぬきがおじいさんを化かすのですが、化けかたがへたくそなので、おじいさんに気づかれてしまいます。男の孫とおじいさんの風景のような読後感でした。ベースは、「愛情」で、心ぬくもるお話でした。

おふろだいすき 松岡亨子(まつおか・きょうこ)・作 林明子・絵 福音館書店
 今年読んで良かった1冊です。こどもさん向けの絵本です。いわゆる「ほら話」です。落語のようでもあります。ふつうは、「うそをついてはいけません」と教えますが、物語の世界のなかでは、うそをついてもかまわないのです。むしろ、おおうそつきにならねばならないのです。その気楽さがいい。

言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか ナイツ 塙宣之(はなわ・のぶゆき) 聞き手 中村計 集英社新書
 50ページぐらいまで読んだところです。今年読んで良かった1冊になりそうです。
 うまいだけでは、M1でチャンピョンにはなれない。コンテストでのその瞬間に、「芸人としての強さ」がいると書いてあります。

ケーキの切れない非行少年たち 宮口幸治(みやぐち・こうじ) 新潮新書
 売れている本です。児童精神科医、医療少年院勤務歴ありの著者です。
 非行の原因に迫る内容のようです。意外な理由があるというメッセージだと思って読み始めました。
 「認知機能:記憶、思考、理解、計算、学習、言語、判断」に問題があるそうです。病院では、根本的には治せない。そうなのかと、疑問が解ける内容でした。  

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2018年12月31日

2018年 今年読んでよかった本

2018年 今年読んでよかった本

銀河鉄道の父 門井慶喜 講談社
 宮澤賢治の父と賢治のうまくいかなかった親子関係を描いた作品との読む前情報です。
 久しぶりに小説らしい小説を読んでいる気分です。奇抜な記述はありません。読みやすい。こうであってほしい。
 宮澤賢治に対する狭く一方的な父のやりとりかと予想しましたが、案外そうではありません。こどもたちが5人いて、父親宮澤政次郎さんの子育て小説のような流れです。
 愛情あるお父さんです。自分は受けたくても受けられなかった教育をこどもたちにほどこしてあげたい。本当に心優しいお父さんです。

お金をかけない「老後の楽しみ方」 保坂隆 PHP文庫
 著者の定年前退職アルバイト体験は意外でした。自由な「時間」が欲しかった。同感です。読んで良かった1冊です。親族や親しき友と過ごす時間が大事です。何か目的をもって過ごすのではなく、ただ、一緒にいて、歩いたり、ながめたり、飲んだり、食べたりするだけでいい。思い出づくりです。

(再読))ふなふな船橋 吉本ばなな 朝日新聞出版
 つらい出だしです。父母離婚、父失踪、母再婚、自分は、母親の妹(叔母)とふたり暮らしをこれからする。主人公女子花さん15歳、選択肢のない年齢です。
 ふなっしーのぬいぐるみを母と思って抱いてくれの言葉は、なんと、ひどい母親です(母の分身として)。そんな母も病死します。なんにせよ、母との別れは淋しい。

AX(アックス) 伊坂幸太郎 角川書店
 表の顔は文房店の営業社員、裏の顔は、「殺し屋」。殺し屋名は、「兜(かぶと)」、本名三宅さん、恐妻家、高校3年生の息子が克己。殺し依頼の仲介人がとある病院の医師。

父・横山やすし伝説 木村一八 宝島社
 暴れん坊の親子という印象です。
 こどもの頃の息子さんが、相方の息子さんと漫才をしていたのをテレビで見たことが思い出されます。とてもおもしろかった。かわいらしかった。そのときは、あんな終わり方をするとは予想もできませんでした。暴力事件を起こして、もう、消えた人と思っていましたが、本が出ました。今、48歳です。親子の顔はそっくりです。ただし、身長はずいぶん違います。お父さんは160cmぐらいで、体重は50kgはなく、やせていました。息子さんは180cmぐらいあります。

おとなになるってどんなこと? 吉本ばなな ちくまプリマ―新書
 思春期のこどもさんに向けた小説家である著者の熱いメッセージです。
 自殺防止、うつ脱出、負けるなという気持ちがこもっています。孤独を乗り越える。
 1時間程度で読み終えることができる文章量です。
 魅力ある文章を書かれる人です。

しょせん幸せなんて、自己申告 綾小路きみまろ 朝日新聞出版
 まじめな本でした。今年読んで良かった1冊です。
 語り口調の文章です。笑いが漏れます。
 めげないで! という励ましがあります。
 「縁と運と努力」
 作者と類似体験があるので共感できます。
 縁で考えると著者の場合は、鹿児島出身という地縁が大きい。

定年オヤジ改造計画 垣谷美雨(かきや・みう) 祥伝社
 第1章部分を読み終えて寂しい気持ちになりました。
 やはり、定年退職後のおじさんをいじめる内容でした。妻子から突き放されて、迷惑な存在、嫌悪施設みたいな扱いです。
 そうでしょう。そういうものなのでしょう。

この春、とうに死んでるあなたを探して 榎田ユウリ(えだ・ゆうり) 筑摩書房
 書きだしの文章が気に入って購入しました。転校回数の多さから言葉が始まっています。私自身も転校回数が多いことが共通しました。
「二度同じことを言ったら、それは反対の意味になる暗号」
 気に入った表現として、「(両親)ふたりとも外面良く、円満な家庭を演じていた。」
 終盤のここまで読んで、今年読んで良かった1冊です。(最後まで読んで、そういう世界の話かと驚きましたが、それでも、読んで良かった1冊です。)

ビンボー魂 風間トオル 中央公論社
 貧乏話です。素材はおもしろい。5歳の時に、母親が男をつくって家をでていって、しばらくして、今度は父親が女をつくって出ていって、少ない年金収入しかない祖父母に育てられる。貧困生活を味わう。似たような世代なので、著者だけではなく、あの頃は、みんなが貧しかった時代だったので、貧乏な暮らしの面では、著者と同様の体験があります。ほかの同世代の方もそうだと思います。

さざなみのよる 木皿泉 河出書房新社
 読む前の情報として、小国ナスミという女性43歳が亡くなったところから物語が始まるらしい。どうやって、死んだ後の世界を描いて感動を呼び起こすのか。そこに注目しながら読み始めました。
 全体で14話の短編がくっついて成立している物語です。

いちばんじゃなくて、いいんだね 松野明美 アスコム
 1回目の本読み。まず、1ページずつめくって、最後のページまでいくのが、ときおりのわたしの読書です。
 有名なマラソン選手の方です。明るい人、よくしゃべる人。、熊本県の人、小柄(148cm)、がんばる人、そんなイメージがあります。それから、お子さんが障害児。本を読むまでは、お子さんはお一人だと思っていました。男の子ふたりで、下の子がダウン症です。

ディス・イズ・ザ・デイ 津村記久子 朝日新聞出版
 サッカーJリーグ二部リーグの仮想チーム名が土台で、サッカーの応援が話の素材集という印象をもちます。まだ、第1話34ページまでを読んだところです。全部で11話、それにエピローグがたしてあります。  

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2018年12月30日

2018年 今年観て良かった映画

2018年 今年観て良かった映画

きみの膵臓を食べたい DVD 2017年公開
 ひとりで観たい映画です。多少くどい部分もあるので、そばにいる人に気を使って疲れたくない。
 本はずいぶん昔に読みました。
 女性が終始男性をリードしていく映画です。
 おとなになる前に死んでしまう命があります。
 人に食べてもらうとその人の中で魂が生き続ける。
 大切な人の中でわたしは生き続けたいという強くせつない女子の思いがあります。
 偶然でも運命でもない。お互いのこれまでの選択の結果(当然に、必然に)自分の意思で君と出会った。
 お互いに支え合って生きている。
 愛情に満ちたいい作品でした。今年観て良かった1本です。

チアダン DVD 2017公開
 久しぶりに映画を観たなーという気分に浸れました。映画だから、役者さんの演技です。そういう下地を前提に観ています。暗い雰囲気の部分もありますが、チアダンスグループのキャッチフレーズにあるとおりの「明るく、素直に、美しい」映画でした。

8年越しの花嫁 DVD 2017年公開
 本は読んだことがあったので、どうやって、8年間の空白を映像で埋めるのだろうかと想像がつきませんでした。ずっと昏睡状態であったのではなくて、最初は、左手がけいれんするように動き、右手が動き、まぶたが開き、若干記憶喪失状態で、車いす、歩行のリハビリと続いていきます。まいさんを演じた女優さんは熱演です。周囲の役者さんたちも立派な演技で感動しました。まじめな映画を観たい。

ポテチ DVD 2012年公開
 68分の短時間ですが十分感動します。
 冒頭の「引力」の話が、最後のシーンにつながります。
 生年月日が同一の男子ふたりの話です。ひとりは主人公タダシ、もうひとりは試合に出してもらえないプロ野球選手オザキです。ドラマがあります。
 タダシひとりだけの夢が、観ているうちに映画観覧観客全員の夢に格上げされていきます。
 ポテトチップスの塩味とコンソメ味の違いは、タダシとオザキの違いなのです。
 ハートフルなコメディでした。

ハドソン川の奇跡 DVD 2016年月公開
 いい映画でした。感動しました。実際の事故をニュースで知ったのは、2009年1月でした。旅客機が川に着陸するなんて、しかも、全員が無事なんて、なんという機長の機転と腕だろうと驚いたことを覚えています。映画はその快挙を讃える内容だろうと観始めましたが、様子がおかしい。川への着陸は無謀で、離陸したばかりの空港に戻るか、近くの別の空港に着陸できた。つまり、機長の判断は間違っていたのではないかと機長、副操縦士は指摘を受けるのです。

ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男 DVD 2018年公開
 これまでチャーチルという人は偉大な人だと思っていましたが、冒頭付近から、嫌われ者、実績がない者として描かれています。意外でした。

男はつらいよ DVD
第26話 寅次郎かもめ歌 1980年 昭和55年12月
 自分としては、これまで観たシリーズ作品のなかで、いまのところ、この作品が一番好きです。
 国勢調査から始まって、さくらさん一家が戸建住宅を購入、その2階には、寅さんの部屋を用意する。お祝いの金額が2万円で、その当時の2万円は高額でした。(たしか、高卒の初任給が7万円ぐらいでした)

第29話 寅次郎あじさいの恋 1982年 昭和57年8月
 シリーズ中の傑作でしょう。
 今までとは雰囲気が違うドラマ仕立てです。
 いしだあゆみさんが、寅さんに迫りますが、寅さんが引きます。
 映像のなかの光景を見ながら、ああいう暮らしがあったと過去へタイムトラベルしたようです。  

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2018年04月02日

ヤギ

ヤギ



うーっ ひなたぼっこ
うーっ うごきたくない

だれかかわりに
仕事に行ってくれ

うーっ
よく考えたら
3月末で定年退職を迎えた
4月から毎日24時間、全部、自分の時間だ

うーっ
うれしい

いまはまだ、もう少し、このままのかっこうでいさせてくれ


(撮影地 千葉県房総半島内のとある牧場にて)  

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2017年12月31日

2017年 今年読んでよかった本

2017年 今年読んでよかった本

嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え 岸見一郎 古賀史健 ダイヤモンド社
 さて、哲学の問答集です。アドラーという人は知りません。読みながら、整理して、理解していく作業になります。ソクラテスは書物を残さなかった。弟子のプラトンが残した。対話篇という書物ということを先日読んだ本で知りました。イメージとして、その対話篇の模倣がこの本だと一人合点しています。
ためになることがいっぱい書いてありました。
 全面的に賛成というわけにはまいりませんが、賛同する項目が多々ありました。今年読んで良かった本です。

僕らのごはんは明日で待ってる 瀬尾まいこ(せお・まいこ) 幻冬舎文庫
 タイトルの意味はわからない。読み始めました。高校3年生の学校生活、体育祭から始まりました。
「米袋が明日を開く」
 読後感がなかなかいい。3年前に高2の兄貴を病気で亡くした今高校3年生の葉山と彼に恋心を寄せる上村という女子高性のやりとりの雰囲気が自然でいい。とくに上村の態度に無理がなくていい。生きるための力を得るために読むBookです。

いつか伝えられるなら 鉄拳 SB Creative
 今年読んで良かった1冊になりました。
 泣けます。
 亡くなった方への遺族からの手紙をマンガにしてあります。
 最後は、複数の人たちの同類の手紙です。思い出をきれいごとにしてある意識的なものもありますが、いくつかは非常にせつない。

すべりだい 鈴木のりたけ PHP
 書店の本棚で見つけて、ちょっと迷って、さっさと買いました。
 こどもは、すべりだいが好きです。
 帯にある「いくよ、もう、とめられないーい!」に実感がこもっています。
 ぶらんこよりも、すべりだいが好きなこどものほうが多いと思う。

長いお別れ 中島京子(なかしま・きょうこ) 文藝春秋
 老衰、認知症、お別れの話かと思って手にした本です。
 短編8本がおさめられています。
 おもしろすぎる。今年読んでよかった1冊です。
 おもしろ、おかしい。
 妻72歳、夫はぼけている。

孤独のすすめ 五木寛之 中公新書ラクレ
「嫌老感」あたりからの記述は、言いにくいことをはっきり書いてあります。
 現役世代の収入が、高齢者層の医療費や年金に吸い取られる。
 現役層は、車も買えない、子もつくれない、結婚すらできない。
 高齢者への風当たりは強い。「嫌老社会」という新語のような単語が置かれています。

ざんねんないきもの事典 今泉忠明監修 高橋書店
 話題になっている本です。
 最初はなんとなく嫌悪感があって読むことを避けていましたが(具体的理由は不明。大した内容ではないだろうという思い込み)、読んでみたら、かなりおもしろい。

大人の語彙力ノート 斎藤孝 SBCreaitive
こたつの上にこの本を置いといて、3か月間ぐらい、暇なときにページをめくって、知識を身に付けるつもりです。
お勧めします。
学校教育で教えてほしかった。  

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2016年12月30日

2016年 今年読んでよかった本

2016年 今年読んでよかった本

戦場のコックたち 深緑野分(ふかみどり・のわき) 東京創元社
 作者の名前は最初、これは名前かと仰天しました。でも名前でした。よくわからないが、女性らしい。
 最初のほうのページをめくりました。第二次世界大戦、フランスノルマンディーでのコックアメリカ隊員たちの話らしい。

王とサーカス 米澤穂信(よねざわ・ほのぶ 男性) 東京創元社
 時代は2001年6月1日、場所は、標高1300mネパールの首都カトマンズ、主人公は、トーキョーロッジ202号室に旅行ルポ取材のため滞在する28歳太刀洗万智(たちあらい・まち 女性らしい。東洋新聞元記者、現在フリーライター)で始まります。

朝が来る 辻村深月(つじむら・みずき) 文藝春秋
 「朝が来る」というのは、こどもができない夫婦が、長いトンネルを通過するような体験を経て、最後に、特別養子縁組制度で、あかちゃんを家族に迎えた瞬間を指します。暗いトンネルを抜けて、朝が来たのです。40代栗原佐都子(さとこ)・清和さん夫婦は、養子としたあかちゃんに「朝斗(あさと)」と名付けました
 怖い話です。朝斗くんが幼稚園5歳になって、彼を産んだという女性が、栗原夫婦に迫ってきました。子どもを返してほしい。それがだめなら、お金が欲しい。

ホセ・ムヒカの言葉 佐藤美由紀 双葉社
 強烈なショックを受けました。
 日本が正しいとして目指してきたものへの否定があります。そして、それは正しい。説得力があります。先進諸国は、自分たちだけの富のために、地球上の原料を使い果たす気かという抗議と攻撃があります。その考え方は、少なくとも、日本国の方針に逆行する内容です。

海の見える理髪店 荻原浩(おぎわら・ひろし) 集英社
短編6本です。
「成人式」
 泣けました。ぜひ、読んでほしい。
 思春期、父親と対立していた中学3年生の娘さんが、高校入学前の3月に交通事故死します。両親の苦悩は深い。そして、重い。「生きていてこそ」、思ったことです。作品の出来はすばらしい。

向田理髪店 奥田英朗(おくだ・ひでお) 光文社
 最後は感涙でした。
 理想なのでしょう。現実には実現がむずかしい世界です。

書店主フィクリーのものがたり ガブリエル・セヴィン 早川書房
 2016年本屋大賞翻訳小説部門第1位作品です。
 62ページからがぜん面白くなりました。ここまでは、何が書いてあるのかよくわからず、何度も戻りながら頭を傾けていました。あと、200ページぐらい。いっき読みとおしたい。  

Posted by 熊太郎 at 06:49Comments(0)TrackBack(0)熊太郎の語り