2013年11月04日

真夜中のパン屋さん 大沼紀子

真夜中のパン屋さん 大沼紀子 ポプラ文庫

 7つのパートに分かれた構成です。ページの進行に合わせて感想を書きます。
 東京都内某駅前にあるパン屋「ブランジェリー・クレバヤシ」の営業時間帯は変わっています。23時から29時(午後11時から午前5時)です。客層は深夜族です。登場人物は、パン屋を営む暮林陽介、黒柳弘基、篠崎希実(のぞみ)ほかです。暮林の亡妻が暮林美和子です。
 読み始めて、映画化された作品を観たくなってきました。(このときは知らなかったのですが、映画作品はないようです。テレビドラマは近々再放送されるそうです。)
 第1話。希実が通う2年A組でのいじめがテーマです。舞台は東京ですが、登場人物たちの言葉はなんとなく関西系です。
 第2話を読み始めました。カウンセラー小説です(相談事に対する助言をこめた小説。わたしが発想した言葉です。)ここでは新たに小学校3年生水野こだま男子児童が加わります。
 第4話。斑目裕也(まだらめゆうや)というある意味変質者が加わります。
 第5話。ソフィアなる男女(おとこおんな)が出てきました。前記した水野こだまはネグレクト(育児放棄)された少年で、彼の母親水野織絵の名が登場します。なお、篠崎希実(のぞみ)も自分の母親を指して、鳥であるカッコウにたとえ「抱卵野郎(たくらん。他の種類の鳥に卵をかえさせる。他人に子育てをさせる。)」と決めつけています。
 第6話。父親の過大な期待に応えられなかった娘がいます。
 第7話。パンというよりも鍋料理のような小説でした。後半になるにつれて煮詰まってきます。亡くなった人の力で、今の人たちが生かされている。亡くなった美和子は、残された陽介の体の中で生き続けています。
 以下、印象的だった部分です。
 おいしいものを食べると人は笑う。
 おなかが減ったら機嫌が悪くなる。
 こだまは寄り道ばかりしていけばいい。(水野こだま少年に対して、新幹線のたとえ話)
 職を失うということは尊厳(そんげん。人間としての誇り)を失うことにつながる。
 「あの子はいらない」(愛する自分の父親のために子をつくり、父親が死んだから子がいらなくなった。)
 母の呪い
 (日本社会を指して)弱音を吐けば叩かれ、不平を言えば叩かれ、だれも得していないのに、いったいどんなシステムなんだというような表現。
 最後に、パンを扱うということは、パンという商品の売買行為だけでなく、「あたたかい気持ち」を伝えるという贈呈行為もあることにほろりときました。


この記事へのトラックバックURL

この記事へのコメント
ハレにつながる良い話!

大沼紀子さんの最新作『真夜中のパン屋さん 午前3時の眠り姫』を読みました。
予想を裏切るハードな内容なものの、パンの香りが温かい、最後にはいいお話になりますね。

birthday-energy.co.jp/
ってサイトは大沼さんの本質にまで踏み込んでましたよ。宿命の特徴が、王道を行く人、なんだそうな。今後のハレにつながるヒントも載ってましたよ。コラムをぜひ読んでね♪
「ハレる運命2014」も先行予約中!!
Posted by 燕尾服 at 2013年11月20日 23:26
※このエントリーではブログ管理者の設定により、ブログ管理者に承認されるまでコメントは反映されません
上の画像に書かれている文字を入力して下さい