2011年02月24日

乱 DVD

乱 DVD

 殿様の死期が近づいたため、殿は、3人の息子にその役割に応じて、相続を申し出た。長男を跡継ぎとして、兄弟協力して、この国を治めることを息子たちに諭(さと)した。しかし、殿様の死後、兄弟入り乱れての物欲合戦となった。そう予想して見始めましたが違っていました。シェークスピアの「リア王」が下地になっているそうですが、リア王を読んだことがありません。物語のジャンルは「悲劇」です。
 長男の嫁、彼女は、殿様が滅ぼした一族の娘です。名を楓(かえで)といいます。物語は、楓が一文字一族を滅亡に導く、つまり復讐目的の言動で殿様一族をどん底に陥れる経過をたどります。殿様は、なかなか死にません。
 映画というよりも舞台を見ているようです。劇中では、交響曲をBGMとして、長い合戦シーンが映り続けます。無声映画を見ているようでもあります。
 冒頭付近、財産等を相続した兄弟は、父親である殿様をそれぞれの城から追い出します。生きているうちに財産をこどもに渡してはいけないという皮肉な教訓があります。
 兄弟仲良くという言葉は、現実をとらえていません。兄弟は、こどもの頃から比較の対象にされます。弟は兄を妬(ねた)みます。兄は弟を押さえつけようとします。兄弟はライバルなのです。姉妹のことは男なので、よくわかりませんが、似たようなものでしょう。
 楓という女性は魅力的です。ズバとした物言い。目的の明確さ。武術の強さ。親を思う熱い心。復讐とは、やったらやりかえされる永遠に続く世の常です。敵は手の内に置けが、組織を維持していくための鉄則です。そして、部下の助言を聞かないリーダーは組織を滅ぼす。
 山や雲や空の映像が多用されています。鉄砲はまるで機関銃のように発砲されます。騎馬軍は砂煙を舞い上がらせながら駆け抜けていきます。お金がかかっている映画です。迫力があります。長男の名前が太郎でシンボルカラーが赤、次男が次郎で黄色、三男が三郎で青、父親である殿様の衣装は純白です。わかりやすい。
 ただまっしぐらに戦うことは愚かです。押されたら引く、引きながら相手の兵隊や鉄砲や馬や矢の数を減らさせていく。囮(おとり)も使う。はさみうちにする。他者と結託する。戦に公正も卑怯もありません。人間の愚かさを描き出した映画です。


この記事へのトラックバックURL

http://kumataro.mediacat-blog.jp/t63755
※このエントリーではブログ管理者の設定により、ブログ管理者に承認されるまでコメントは反映されません
上の画像に書かれている文字を入力して下さい