2009年10月01日

砂の器(うつわ)

砂の器(うつわ) DVD&BOOK 小学館

 DVDと映画製作話の本が一体になって本屋で売っていました。松本清張作品です。小説「砂の器」を読んだことはありませんが、若い頃に映画を見て感涙しました。
 「カメダ」という鍵を握る単語から始まります。場所は秋田県からスタートです。殺人犯人は遠い位置から徐々に追い詰められていきます。ロードムービーという手法が用いられています。
 ここでは、犯人である主人公に殺害された元巡査三木謙一さんについて述べてみます。彼は昭和の時代であれば立派な人物でした。しかし、平成時代の今になってみれば、余計なことをした人物です。彼は犯人と父親を引き裂きました。犯人は父親と一緒にいたかったのです。残酷な物語です。
 この本では映画の製作にあたった人たちの苦労話や創意工夫をしたお話が記述されています。長い年数をかけて後世に残る名作をつくることは尊い仕事です。17ページにある野村芳太郎監督のノートにある記述で、前半は展開、後半は集約には感服します。映画が原作を超えた所以(ゆえん)です。
 DVDを見ているともう亡くなった俳優さんたちがたくさん出演されています。そして、若手刑事役の森田健作さんは現在千葉県の知事になっています。未来ってわからないものです。
 野村監督のノートにあるように音楽がこの作品の完成度を高めています。

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