2024年05月17日

さよならプラスチック・ストロー ディー・ロミート文

さよならプラスチック・ストロー ディー・ロミート文 ズユェ・チェン絵 千葉茂樹・訳 光村教育図書

 これから読みながら文章をつくりますが、地球環境を守ろうという呼びかけの本でしょう。
 プラスチックが、地球上でゴミとなって、分解されずに(土に戻らない)、生物に対して悪い影響を及ぼしています。生物が死んじゃいます。
 そんな話が始まるのでしょう。

 5000年以上前に地球上にいた古代シュメール人が、いまでいうところのストローがなくて困っていたという話から始まります。
 その部分を読んで思い出した一冊があります。
 『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書 ムンディ先生こと山﨑圭一 SBクリエイティブ』
 メソポタミア文明(『メソポタミア』は、『川の間の土地』という意味らしい)。ティグリス川とユーフラテス川にはさまれた現在のイラクに昔いた民族の文明です。
 アッカド王国と古バビロニア王国があります。シュメールの都市国家として、『ウルク』と『ウル(この絵本では、ウルの女王であった「女王プアビ」のことが書いてあります)』があります。約6000年前にメソポタミア文明が成立したと書いてあります。
 シュメール人の土木に関する技術が非常に高度だった。シュメール人は、高さ20mのジックラド(聖塔)を建てた。
 
 さて今読んでいるこの絵本では、シュメール人がつくったビールを飲むのに、ビールの上に麦の殻(から)や、かけらが浮いていて飲みにくかったとあります。ビールの底には、おり(かす)が沈んでいた。
 シュメール人には、知恵があったようで、いろいろ工夫しています。シュメール人が、世界で最初の文字を考案した。農作業用の鋤(すき)をつくった。帆船や車輪を発明したとあります。
 ストローがわりに、植物の『葦(あし)』を使うことを発案したとあります。
 『人間は考える葦である』という言葉を思い出しました。フランスの思想家・哲学者パスカル(1623年-1662年39歳没)の言葉です。人間は葦のように弱弱しいけれど、考えることができるという意味だそうです。考えることができるということは、偉大な力をもっているということらしい。(言葉の意味は、自分には、ちょっとよくわかりません。いずれにしても、シュメール人は、ストローの役割をするものを考え出しました。そして、葦(あし)のストローは、使わなくなれば、自然界にかえるのです)(その後:人間は考えることで、『無限の可能性をもっている』けれど、『人間の力は有限(限りがある)でもある』という表現だそうです。葦(あし)はちっぽけなのです)

 絵本の表紙では、海鳥やウミガメが、海に捨てられたストローで困っています。かれらにとって、ストローが命を落とす原因になっているからです。
 人間はわがままです。自分たちだけがいい思いをすれば、ほかの生き物はどうなろうと、知ったこっちゃないという気持ちで生活しているのです。

 理科の本みたいです。
 中国でワインを飲むときに使用した、『植物のくき』とか、南アメリカでお茶を飲むときに使用した、『ボンビージャ』という金属のチューブが書いてあります。
 1800年代で、ライ麦のくきが使われています。
 ストロー=稲や麦など穀物のくきだそうです。

 アメリカのマービン・ストーンという人が、紙をくるくると丸めてのりでとめて、自前のストローを考案します。考えたら、簡単なことでした。1888年に特許をとって、事業化しています。さぞやもうかったことでしょう。『人造ストロー』です。
 日本のことは書いてありませんが、日本人の頭脳だって優秀ですから、ストローぐらいのことは、昔の日本において、考案できていたと想像します。

 ストローの歴史紹介です。
 まっすぐなストローは飲みにくい。発明家のジェゼフ・フリードマンと彼の娘のジュディスが、ミルクシェークを飲むことをきっかけにして、曲がるストローをつくりだしています。
 1937年(日本だと、昭和12年)に、『ドリンキング・チューブ』と名づけて特許をとっています。それでもすぐには売れなかった。10年ほどがたって、病院で使用が始まった。さらに10年ぐらいがたって、1960年代にプラスチックのストローが世界中に普及した。なにせ、ストローは便利です。

 やがて、使い捨てのプラスチック製品が地球環境を破壊するものとして問題になります。
 プラスチックには、『生分解性』がない。土にかえらない。自然に腐らない(くさらない)。水にとけない。

 プラスチック製品が捨てられて、海にたどりついて、海で暮らす生き物たちの命を奪っていく。
 利用する人間にも問題があるのでしょうが、そういうものをつくって、お金もうけをする人間に問題があります。

 『ストローをやめて海を守ろう』
 『ストローをなくそう』
 そう考える人間もいます。人間は考える葦(あし)なのです。
 2011年にマイロ・クレスという少年が、『ストローをなくそう』というキャンペーンを始めたそうです。キャンペーン:宣伝活動

 絵本にはいろんなストローの絵があります。竹のストロー、紙のストロー、金属製のストローなどです。
 絵本のタイトルどおり、『さようならプラスチック・ストロー』です。
 地球環境保護のための啓発本です。けいはつ:教えて、理解してもらえるよう導くこと。

 ウミガメの鼻につまったプラスチック製のストローを引き抜くシーンの動画があったそうです。
 もうひとつは、太平洋のミッドウェー島に生息するコアホウドリの胃に、ぎっしりとプラスチックがつまっていたそうです。

 3Rについて書いてあります。
 地球環境を守るための行動指針です。(目標)
 Reduce(リデュース):ゴミを減らす。
 Reuse(リユース):再利用する。
 Recycle(リサイクル):資源として再利用する。
 もうひとつ、Refuse(リフューズ):必要がないものを断るとあります。
 そういったことは、今言われ始めたことではなく、日本ではごみ処理問題が顕在化(けんざいか。表に出た)した2000年過ぎぐらいから、とても細かいごみの分別収集への取り組みがあったことを思い出しました。
 ゴミ捨て場となる埋立地がごみで満杯になりそうで、大慌てになったことがありました。ごみの埋め立てをするための代替え地が見つからないのです。結局、人間はやりたい放題やると、自分たちの居場所までなくしてしまうのです。地球に住めなくなってしまいます。

この記事へのトラックバックURL

http://kumataro.mediacat-blog.jp/t154429
※このエントリーではブログ管理者の設定により、ブログ管理者に承認されるまでコメントは反映されません
上の画像に書かれている文字を入力して下さい