2024年05月08日
罠の戦争(わなのせんそう) 連続ドラマ Hulu
罠の戦争(わなのせんそう) 連続ドラマ Hulu(フールー) 2023年(令和5年)
『第1話 弱き者の復讐劇が幕を開ける! 愛する家族を守れ』
主演の草彅剛さん(くさなぎつよしさん)は、出川哲朗さんの充電バイクの旅で見たことがあるぐらいです。自分とは世代が違うのであまり存じ上げませんが、たいへん人気がある方だということは知っています。
感想が残っていました。2020年。出川哲朗の充電させてもらえませんか? 新春伊勢志摩めぐり お正月3時間スペシャル番組。香取慎吾さん、草彅剛さん、稲垣吾郎さんの順番で、バイクの乗り手が変わっていきました。
『草彅剛(くさなぎ・つよし)さん』
ご本人は、この番組を一度も見たことがない。『充電ってなに?』には、驚きました。『いつ放送するんですか?』という問いもありました。見ているほうがびっくりしました。おおざっぱな人で、ものごとを気にしないところがステキでした。
エピソードとして、草彅剛さんが、自分がはいているジーンズを指さして)「これ、いくらだと思いますか?」(充電を依頼した先の家のご主人が、『30万とか、50万とか』(くさなぎさん)『300万です』びっくりです。
さてこちらのドラマです。
先日、ブラッシュアップライフというドラマを観終えたので、今度はこちらのドラマを観てみることにしました。
ぽつりぽつりと感想を記してみます。
衆議院議員 犬飼孝介
犬飼孝介の第一秘書 鷲津亨(わしづ・とおる。草彅剛さん)
鷲津亨の妻と長男(高校生ぐらいに見えますが、中学生かも)(中学生でした)
蛯沢眞人 犬飼議員に恨み(うらみ)があるようすだが、犬飼議員の秘書見習いになる若者。鷲津の下で働く。
蛍原理恵 犬飼議員の秘書。年配の秘書のパワハラ、セクハラに悩んでいる。
貝沼永太 第二秘書。おかっぱ頭に見えます。個性的です。
犬飼俊介 犬飼議員のばか息子
虻川勝次(あぶかわ・かつじ) 犬飼議員の政策秘書。パワハラ、セクハラ野郎
総理大臣 竜崎始(りゅうざき・はじめ)
鴨井ゆうこ 厚生労働大臣
鶴巻憲一 党の幹事長。有力者
熊谷由貴 週刊誌記者
国会議事堂を今年の1月に見学したことを思い出しました。衆議院の見学でした。
ドラマでは政治家のどろどろとした世界を描き出すようです。
権利欲の強い人たちが集まっています。主張が強い。
事実を捻じ曲げることを(ねじまげる)ことを良しとする人たちが主導権を握っています。弱い人の気持ちは踏みにじられます。
なんだか現実の政界とも重なる部分部があるようで見ていて冷や冷やするシーンもあります。今年話題になった政治資金パーティではなかろうかとか、政治家の愚かな息子たちとか、犯罪のにぎりつぶしとか、具体的な例が第一回目から次々と出てきます。出てくるたびに、正直者の怒りが積みあがっていきます。
復讐劇です。それも、外部から復讐するのではなく、内部から復讐するのです。
『組織というものは、外部からの力によってではなく、内部からの力によって崩壊する。』そんな言葉を思い出しました。
中身からいえば、『つくり話』です。無理な筋立てもあります。
深刻な状況を意図的につくる脚本の内容です。
草薙剛さんが、出ずっぱりであることに驚きました。常にシーンの中にいます。演技はすごい。
映像のつくりとして、力を抜く遊びの部分がほしい。常に、『fフォルテ(強く)』です。強弱をつけるとか、押したり引いたりすることは、ドラマづくりのコツです。
政治家たちは、キチガイたちです。極端に描いてあります。
本人は、最初は世のため人のためと思って立っても、周りにいる人間たちが私利私欲の固まりで、政治家本人の意識がゆがんでいくということはあると思います。
う~む。大物政治家の圧力で、警察が犯罪を明かす手を緩める(ゆるめる)ということがあるのだろうか。無いような気がしますが、上層部同志がお友だちということはありそうです。権利の濫用です。らんよう:職権をむやみやたらに使う。
復讐劇。仕返しです。ドラマのテーマの基本のひとつが、『復讐(ふくしゅう。忠臣蔵の仇討ち(あだうち)のようなもの)』です。
ドラマ必殺仕置き人シリーズのようなものです。
生卵・ゆで卵のエピソードが良かった。
『君も何かあるんだろ。犬飼大臣に。』犬飼大臣に恨み(うらみ)がある若い男が、犬飼大臣の秘書見習いで、第一秘書の草彅剛さんの弟子になります。まずは、運転手です。
まあ、ドラマです。娯楽です。暗く深刻な設定ですが、コメディのような部分もあります。おもしろい。
『第2話 逆襲の時!パワハラ秘書を排除だ』
政策秘書の虻川(あぶかわ)をつぶします。(されど、ドラマ全体の後半で虻川は、復活します。虻川からの仕返しがあります)
<人を信用してはいけない(とくに従順そうにしている人間を信用してはいけない)>となると、物事は成り立たなくなります。
今年話題になった政治資金パーティのことが話題に出ます。
政治家は、愛想はいいけれど、困っている人の要望はきいてくれない。
あるいは、政治家は、特定個人の利益となる口利き役として利用される。政治家を利用する人間のほうもいいとはいえない。
虻川秘書の注意力のレベルは高い。そう簡単にだまされるような人ではありません。(でもだまします。タイトルは、『罠(わな)』ですから。
おもしろいつくりの脚本です。罠をつくってはめるのです。実は、視聴者に対する罠です。
東京見物で、今年1月に見た首相官邸です。国会議事堂の斜め前に建っていました。きつい警備がしかれていました。このドラマ全体のロケ地を調べたら自分が行ったことがあるところもいくつかありました。ドラマを身近に感じます。
『秘書の「秘」は、秘密の「秘」。秘書は知っていることを口外してはいけない。こうがい:秘密事項を人に話す。』(現実は、そうともいえない)
中学生の息子がキャンプにこだわることが不思議です。この反抗期に近い中学生ぐらいの男の子は親と一緒にキャンプに行くのは嫌がります。行きたがるのは、小学校の低学年・中学年ぐらいまででしょう。一般的には。
BGM(バックグラウンドミュージック)で、観ている者の感情を引っ張る手法です。スリルとサスペンス(ハラハラドキドキ)を視聴者に暗示します。
テレビドラマというよりも映画みたいです。
復讐劇です。されど、仇討ち(あだうち)は連鎖します。やったりやりかえしたりが続きます。なんだか、最近の中東の戦闘みたいです。パレスチナとかイラクとか。
『第3話 ついに激突!憎き大臣の弱みを暴け(あばけ)』
政治家のばか息子がいます。人を人とも思わないばか息子です。
いっぽう、自分の息子に危害を加えた相手を許す親などこの世にはいません。被害者の父は、第一秘書鷲津亨(わしづ・とおる 草彅剛さん)です。
彼は最終的に、千葉15区に立つ(立候補する)ことになります。(千葉県の衆議院小選挙区は現実には13区までです)
『選挙制度』がなかったら、世の中はメチャクチャになります。独裁者とその集団のやりたい放題になります。
植物博士になれそうでなれなかった(大学院中退のため)議員秘書見習いの蛯沢眞人の役としての役割はなんだろう。(ドラマ全体の最後半部で重要な役割を果たします)
鷲津亨の中学生の息子を歩道橋から突き落とした犯人は、政治家のばか息子ではないけれど、別の政治家のばか息子かもしれない。なんだか、ばか息子ばかりです。
政治家の世界は、貸し借りの世界です。不正見逃しの貸し借りです。
相手の弱みにつけこんで、お金で相手の気持ちを力づくで変えます。
憎しみを倍増させる演出(劇において)になっています。
人間の心の動きをじょうずに表現してある脚本です。
演者の言葉数が多すぎるかなあという傾向はあります。
喫茶店で密談ですが、周囲に人がいるようなところで、秘密事項の話はしないと思う。
偉い人は、人間を将棋の駒(こま)扱いします。偉い人は、人を駒扱いすることで、優越感をもっていることもあります。
人を駒扱いする。親切そうな顔をして自分の言うことをきかせる。劇中の言葉で、『飼いならす』。
組織管理の秘訣(ひけつ、コツ)として、『敵は手の内(うち)におけ』が鉄則です。少しメリット(利益)を与えて、管理する側の言うことをきかせる手法です。
『第4話 新たな敵で深まる謎…永田町の闇に飛び込め』
「善」対「悪」の闘いです。「悪」もなかなかやります。
選挙では、支援してくれる団体が必要です。労働組合や宗教団体がらみ以外では、利益追求団体(企業やなんとか会とか)の力がいります。地元のボス(人脈とか金脈がある。顔がきく)に支持してもらわねばなりません。
いろいろあって、鷲津亨が千葉15区での立候補を目指します。
内容は、勝ったり負けたりが繰り返されます。負けたと思っても、ドラマですから次は勝ちます。
『民主主義』は、『自分たちとあいつら』の世界です。必ずふた手に分かれます。競争主義の制度です。多数派が権力を手に入れます。
そして人は、めぐりあわせで、同じ人間が、被害者にもなるし、加害者にもなります。
『オレたち秘書は、永田町の雑草みたいなものです。いらなくなったらひっこぬかれます。』(なんだか、現実と重なります。不祥事が起きたら、みんな秘書が勝手にやったことにされてしまいます。政治家は責任を逃れることがあります)
恩人には報いる。(むくいる。してもらったことについて、見合っただけのことをお返しする)
恩人への恩は忘れない。(そんなの関係ないという人もいるかもしれません)
関係者に認知症の高齢者がいます。認知症の人の介護はたいへんです。
人格が変わって別の人になってしまいます。
『第5話 総選挙が開幕!下剋上(げこくじょう。下の者が上を倒す)で真相を暴く』
主人公鷲津亨が、衆議院千葉15区に立候補して当選するまでが描かれています。
入院している息子さんが、意識不明みたいになっているのですが、指を少しだけ動かして反応します。
わたしは二十代のときに、深刻な内臓の病気にかかって、しばらく入院したことがあります。毎朝、起き上がるまでに時間がかかりました。
意識はあるのですが、あおむけのまま体を動かすことができず、まぶたを開けることもできませんでした。まわりにいる人たちの声は聞こえるのですが、自分で声を出すことができませんでした。
朝、目がさめて、動けるようになるまでに40分ぐらいの時間の経過が必要でした。だから、ベッドで意識不明みたいな状態で寝ている人のそばでは、変なことは言わないほうがいいですよとアドバイスします。本人には聞こえていることがあります。
いつも黒幕がいる。表面に出ている人間は、黒幕の操り人形だったりもする。
見ていると、議員に頼るような人間にはなりたくないと思います。
最初、女性の扱いが、男性を支えたり助けたりする補助者の立場で、不公平感があったのですが、途中から鷲津亨の奥さんと事務所のスタッフが協力するシーンがあって良かった。
選挙資金がいります。2000万円の用意が必要です。(借金する)
政治活動費の非課税に疑問が生まれます。飲み食いしたお金も政治活動費で非課税になるのだろうか。選挙の時の応援者の人件費はどういう扱いになるのだろうか。(法令に規定があるようです)
『信じる』ということを強調するドラマです。(でも現実では、信じすぎないほうがいい。善意を悪用する人がいます)
そんなことを受けて、『内部にスパイがいる。(選挙活動事務所内にいる。双方の陣営にいる)』
500万円のやりとりがあります。選挙違反になります。でもそうはなりません。
正直者が生き残るように設定してあるドラマです。安心して見ることができるドラマです。
人間的な魅力がある人が議員になったほうがいい。賢い有権者にならなければなりません。
派閥の話が出ます。
『いい奴が、政治家なんかできるか』そんなセリフがあります。
味方だと思っていた人が、実は敵だったということは、大きな組織ではありそうなことです。
『第6話 政治家に転身!敵は幹事長だ』
いろいろしかけ(伏線)があるストーリーづくりをされています。
この回の始めのうち、主人公の鷲津亨のキャラクター設定として、政治家としてどうなのかなあと首をかしげました。
衆議院議員になって、国民のために働くのではなく、自分の家族のことのため(息子を歩道橋から突き落とした犯人捜しのため)に動いています。それでは見ていて受け入れない人もいるでしょう。(この件については、終盤で改善されました)
きれいごとではやっていけないということはあります。
仕事を進めていくうえで、汚れ役は必要です。
政策秘書になった蛍原さん(ほとはらさん)が明るいのがいい。
『腕力じゃ権力に勝てない』ということはあります。
感情的になって、手を出した方が負けです。(暴力)
相手に勝つために、意図的に相手を怒らせて、手を出させて、相手を追い込んでつぶすという手法はあります。それでも、時がたってから仕返しされることを警戒しなければなりません。
政治家を口利きだけのために使うということがなくなれば、世の中は公平になるような気がします。口利きをする(政治家の口添えで、できないことをできるようにする)のは、選挙で、票を得るためなのでしょう。
政治家の基本的な仕事は、国会などで、国民全員ために、法令をつくることだと思うのです。
息子を歩道橋から突き落として意識不明の状態にしたのはだれ?
話はそこに集中していきます。
さすが、記者さんです。与党幹事長がどこに行くのかを追尾します。
鷲津亨は、幹事長のライバルである総理の側に付けばいいのではないかと思いついたら、次の展開でそうなりました。
事件があった夜、幹事長は、だれかと幹事長室に閉じこもっていた。
人には、本当のことを言いたくても言えないときがある。
それは、犯人の親もそうだし、主人公である鷲津亨もそうなのです。
同一人物が、被害者にもなるし、加害者にもなるのです。それが世の中です。
『第七話 真犯人が判明! 政界が隠す事件の真実』
なかなか深刻です。
国会議員である政治家の不祥事です。本人ではないけれど、息子の不祥事です。政治家の息子はどうも普通の育ち方をしていない。刑事事件の犯人が政治家の息子でした。
息子が歩道橋から突き落とされて意識不明で入院している鷲津亨衆議院議員(草彅剛くさなぎつよしさん)の怒りが爆発します。鬼神です。頑固(がんこ)です。
偽善者(表は善人、裏の姿は悪人)の噓を暴きます。(うそをあばきます)
名ばかり議員:憲法も民法も、基本的な法令の内容を知らないのに、法律をつくる立場の議員をしている。
しばらく前に見ていたNHKドラマ、『正直不動産2』との共通点がありました。正直不動産に出てくるライバル会社の悪役社員神木さん(ディーンフジオカさん)も、こちらの鷲津亨さんも、息子と約束したからがんばるのです。
まともな仕事をしている人が仕事を辞めてはいけません。仕事を辞めるのは、ちゃんと仕事をしていない人のほうです。
人間には二面性があります。優しそうに見えて、実は裏では、怖い人がいます。
子育てに失敗した女性大臣が、総理大臣の椅子を狙っている。(いすをねらっている)
人にケガをさせて逃げるとはなんて奴だ。
あたりまえのことをあたりまえにやれない国会議員の家族です。
タイトルは、罠の戦争ですから、いたるところに伏線として罠(わな)が張り巡らされています。
『あなたが守りたいのは、自分の立場だけ』
大きな組織の上層部にいる人に、いい人はいません。
人を人とも思わない人です。
人を将棋やチェスの駒のように思って、自分や自分の仲間の利益のために人を動かす人です。
こちらのドラマでは、幹事長がその役割を担当しています。
権力欲が強い人が上にのぼっていきます。
権力を失ったときに、その人の人生が終わります。
予想通りの出版記事差し止めの圧力があります。大きな組織の上層部の人間同士で、条件闘争をして、貸し借りの取り決めをするのです。
週刊誌の記事が止められても、いまはSNS(ソーシャルネットワークサービス)があるから、動画や音声があると、世界中に流されてしまいます。フェイク(事実ではないこと)でさえ流される時代です。
人間の心の動きなんてどうにでもなる(たとえば大金を積む)という物語の中で、鷲津亨が不利益を覚悟で突進します。
凄み(すごみ。ぞっとするほどの強烈な迫力)があるヒューマンドラマです。(人間味があふれるドラマ)
『第8話 宿敵との攻防戦! 罪には罰を』
意識を失って入院していた鷲津亨夫婦の中学生の息子の意識が戻りました。息子は何がどのように起きたのか、すべて記憶していました。
女性国会議員は、子育てに失敗したのか。
そうでもなかったようです。
仕事を優先する女性は、こどもをもたないほうがいいのか。
いろいろ論議はありそうです。
一般的に、生活費が足りなければ、必然的に夫婦二人ともが働かなければなりません。現実においては、まず、賃貸住宅の家賃が高いという事情があります。
こどもに大金を与えるだけでは、こどもはまともに育たないということはあります。
派閥をなくすために政治家になったという人がいます。
今の政府与党のようすと重なります。
派閥をなくしても、仲良しグループは残るということはあります。複数いればグループができるのが人間の自然なありようです。職場なら、ボスがいて手下がいます。
母親と息子の哀しい(かなしい)話があります。
歳をとっていても、エッチな男ばかりです。
若い女性は、お金目当てに、金持ち中高年男子に近づいてくっつきます。
疑心暗鬼があります。(ぎしんあんき。疑う気持ちが強くなって、心が不安定になる)
だれが味方で、だれが敵なのかわからなくなります。
ジェットコースターです。のぼったりおりたり、スリル満点で、ヒヤヒヤします。
みんな汚れ仕事をしながら、前へ進んでいるわけね。
表舞台には出ない普通の生活を送るということでいいのではないか。
女性関係や、お金がらみで辞めていった議員を思い出しました。
『第9話 政界に激震! 復讐果たす大逆転劇』
なんというか、いくらきれいごとを言われても、相手を信用できません。だれも信用できません。忖度(そんたく。言われなくても相手の都合のいいように動く)もありそうです。
相手をだますためには、いくらでも理屈をつくることができる人たちです。
大きい組織の上層部にいる人間は、自分と組織を守るためになんでもやるのでしょう。そういったことを学ぶために大学の法学部で法令の研究をするのでしょう。
鷲津徹の親友だという鷹野議員も信用してはいけません。
やられたらやりかえす。
『あなたのひとり負けだ』
プライドを呼び起こす。
追い詰められたら、『秘書がやったことです』で逃げる。
わたしには、なにも話をせずに、秘書が自分の判断でやりましたと弁解する。
<まあ、ドラマなんだなあ>
<伏線として、タブレットのパスワードが書いてあった紙が、なにげなく、映像の中に置いてありました>
鷲津亨が、ミイラ取りがミイラになる状態です。悪人をやっつけたつもりの人間が、悪人になりかわります。
人間は権力を握ると人が変わります。人事権とか、お金を動かす権力があります。
つぶしたと思った人間が、生き返ってきます。ゾンビ(死体のままよみがえった人間)で復活です。
<このドラマは、製作陣が、視聴者をだますことが主題(テーマ)です>
『第10話 復讐される側へ…正体現す裏切り者』
なんでもかんでも辞めればいいというものでもなかろうにと思うのです。
結局、演技上手の詐欺師的な人間が、組織の上層部にあがれるし、お金持ちになれるという現実を見せつけられるようです。
この人たち(議員)は、国民のために働かずに、権力争いの足の引っ張り合いばかりをしているのです。
持ちつ持たれつが、この世の習いということはあります。ならい:ありよう。習わし。世の常(つね)。現実。
次から次へと、いきなりすぎます。展開が速い。BGM(バックグランドミュージック)が、見ている者の心をかき乱します。
辞めても、裏で操る(あやつる)。『今後も裏で、政治をおもちゃにするわけですか』。引退してこどもに席を譲る。次の選挙でこどもを立候補させ、当選させ、裏で、こどもを操る(あやつる)。二世議員のことです。
善人だった鷲津亨が、権力を手に入れて、悪人に変化(へんげ)していきます。権力という魔物にとりつかれます。
国民から文句が出たら、総理を変えれば、これで良かったと満足する人間が多い。
権力を手に入れると気持ちがいい。(相手が言うことをきく)。気持ちがいいから権力を手に入れる。
人を疑って、もし違っていたら、どう責任をとるのだろう。(鷲津亨は、犯人を間違えました)
映像を観ていて、なんでもスマホのシーンなのね。電話するにしても、盗撮するにしても、録音するにしても、スマホというものは、人間を徹底的に内向きにさせる道具です。孤独の友です。
『竹の花はめったに咲かない。花が咲いたあと、竹は死ぬ。竹林ごとなくなる』(竹林は地下茎でつながっていて、竹林全体で1本の竹のようなものらしいです。開花のあと種子ができて、竹林全体が枯死(こし)するそうです。
竹とは、鷲津亨をさします。
しばらく前に巻いた伏線が息を吹き返して、設定はこのドラマの最初に戻ります。
敵は、身内にいるのです。
『第11話 最終回 権力の闇に射す光は…衝撃の結末へ』
草薙剛さんは、じょうずな演技でした。
家族三人(夫婦と中学生の息子)は、家族には見えませんでした。あまりにも美しすぎる家族設定でした。
まあ、ドラマですから、つくり話です。
いろいろむずかしいことがあります。
不合理、不条理、理不尽なことに、どうにか折り合いをつけて生活していくのが大人です。
たいていの人間は、理想などもちあわせていません。自分の利益・不利益だけを考えています。
ドラマでは、まとまっていたみんなの心がバラバラに離れていきます。
鷲津亨は、権力という化け物に、洗脳(せんのう。暗示をかけられて、コントロールされた状態)されました。
ドラマをふりかえって、前半はおもしろかった。爽快(そうかい。気持ちがスッとする)だった。
後半は見たくなかった。そんな気持ちで、ラストシーンまでつなぎます。
『罠(わな)』か。タイトルどおりです。
そういうことか。最終地点まできて、なかなかいいドラマでした。
みなさん熱演でした。ありがとう。
最初から最後まで、『植物』で筋(すじ)をとおしてありました。
鷲津亨(わしづ・とおる)の元妻は、まあ、なにかしら仕事はしなければならないわけですから、これでいいでしょう。
話は最初に戻る。シンプルでいい。
『おかえりなさい』
『第1話 弱き者の復讐劇が幕を開ける! 愛する家族を守れ』
主演の草彅剛さん(くさなぎつよしさん)は、出川哲朗さんの充電バイクの旅で見たことがあるぐらいです。自分とは世代が違うのであまり存じ上げませんが、たいへん人気がある方だということは知っています。
感想が残っていました。2020年。出川哲朗の充電させてもらえませんか? 新春伊勢志摩めぐり お正月3時間スペシャル番組。香取慎吾さん、草彅剛さん、稲垣吾郎さんの順番で、バイクの乗り手が変わっていきました。
『草彅剛(くさなぎ・つよし)さん』
ご本人は、この番組を一度も見たことがない。『充電ってなに?』には、驚きました。『いつ放送するんですか?』という問いもありました。見ているほうがびっくりしました。おおざっぱな人で、ものごとを気にしないところがステキでした。
エピソードとして、草彅剛さんが、自分がはいているジーンズを指さして)「これ、いくらだと思いますか?」(充電を依頼した先の家のご主人が、『30万とか、50万とか』(くさなぎさん)『300万です』びっくりです。
さてこちらのドラマです。
先日、ブラッシュアップライフというドラマを観終えたので、今度はこちらのドラマを観てみることにしました。
ぽつりぽつりと感想を記してみます。
衆議院議員 犬飼孝介
犬飼孝介の第一秘書 鷲津亨(わしづ・とおる。草彅剛さん)
鷲津亨の妻と長男(高校生ぐらいに見えますが、中学生かも)(中学生でした)
蛯沢眞人 犬飼議員に恨み(うらみ)があるようすだが、犬飼議員の秘書見習いになる若者。鷲津の下で働く。
蛍原理恵 犬飼議員の秘書。年配の秘書のパワハラ、セクハラに悩んでいる。
貝沼永太 第二秘書。おかっぱ頭に見えます。個性的です。
犬飼俊介 犬飼議員のばか息子
虻川勝次(あぶかわ・かつじ) 犬飼議員の政策秘書。パワハラ、セクハラ野郎
総理大臣 竜崎始(りゅうざき・はじめ)
鴨井ゆうこ 厚生労働大臣
鶴巻憲一 党の幹事長。有力者
熊谷由貴 週刊誌記者
国会議事堂を今年の1月に見学したことを思い出しました。衆議院の見学でした。
ドラマでは政治家のどろどろとした世界を描き出すようです。
権利欲の強い人たちが集まっています。主張が強い。
事実を捻じ曲げることを(ねじまげる)ことを良しとする人たちが主導権を握っています。弱い人の気持ちは踏みにじられます。
なんだか現実の政界とも重なる部分部があるようで見ていて冷や冷やするシーンもあります。今年話題になった政治資金パーティではなかろうかとか、政治家の愚かな息子たちとか、犯罪のにぎりつぶしとか、具体的な例が第一回目から次々と出てきます。出てくるたびに、正直者の怒りが積みあがっていきます。
復讐劇です。それも、外部から復讐するのではなく、内部から復讐するのです。
『組織というものは、外部からの力によってではなく、内部からの力によって崩壊する。』そんな言葉を思い出しました。
中身からいえば、『つくり話』です。無理な筋立てもあります。
深刻な状況を意図的につくる脚本の内容です。
草薙剛さんが、出ずっぱりであることに驚きました。常にシーンの中にいます。演技はすごい。
映像のつくりとして、力を抜く遊びの部分がほしい。常に、『fフォルテ(強く)』です。強弱をつけるとか、押したり引いたりすることは、ドラマづくりのコツです。
政治家たちは、キチガイたちです。極端に描いてあります。
本人は、最初は世のため人のためと思って立っても、周りにいる人間たちが私利私欲の固まりで、政治家本人の意識がゆがんでいくということはあると思います。
う~む。大物政治家の圧力で、警察が犯罪を明かす手を緩める(ゆるめる)ということがあるのだろうか。無いような気がしますが、上層部同志がお友だちということはありそうです。権利の濫用です。らんよう:職権をむやみやたらに使う。
復讐劇。仕返しです。ドラマのテーマの基本のひとつが、『復讐(ふくしゅう。忠臣蔵の仇討ち(あだうち)のようなもの)』です。
ドラマ必殺仕置き人シリーズのようなものです。
生卵・ゆで卵のエピソードが良かった。
『君も何かあるんだろ。犬飼大臣に。』犬飼大臣に恨み(うらみ)がある若い男が、犬飼大臣の秘書見習いで、第一秘書の草彅剛さんの弟子になります。まずは、運転手です。
まあ、ドラマです。娯楽です。暗く深刻な設定ですが、コメディのような部分もあります。おもしろい。
『第2話 逆襲の時!パワハラ秘書を排除だ』
政策秘書の虻川(あぶかわ)をつぶします。(されど、ドラマ全体の後半で虻川は、復活します。虻川からの仕返しがあります)
<人を信用してはいけない(とくに従順そうにしている人間を信用してはいけない)>となると、物事は成り立たなくなります。
今年話題になった政治資金パーティのことが話題に出ます。
政治家は、愛想はいいけれど、困っている人の要望はきいてくれない。
あるいは、政治家は、特定個人の利益となる口利き役として利用される。政治家を利用する人間のほうもいいとはいえない。
虻川秘書の注意力のレベルは高い。そう簡単にだまされるような人ではありません。(でもだまします。タイトルは、『罠(わな)』ですから。
おもしろいつくりの脚本です。罠をつくってはめるのです。実は、視聴者に対する罠です。
東京見物で、今年1月に見た首相官邸です。国会議事堂の斜め前に建っていました。きつい警備がしかれていました。このドラマ全体のロケ地を調べたら自分が行ったことがあるところもいくつかありました。ドラマを身近に感じます。
『秘書の「秘」は、秘密の「秘」。秘書は知っていることを口外してはいけない。こうがい:秘密事項を人に話す。』(現実は、そうともいえない)
中学生の息子がキャンプにこだわることが不思議です。この反抗期に近い中学生ぐらいの男の子は親と一緒にキャンプに行くのは嫌がります。行きたがるのは、小学校の低学年・中学年ぐらいまででしょう。一般的には。
BGM(バックグラウンドミュージック)で、観ている者の感情を引っ張る手法です。スリルとサスペンス(ハラハラドキドキ)を視聴者に暗示します。
テレビドラマというよりも映画みたいです。
復讐劇です。されど、仇討ち(あだうち)は連鎖します。やったりやりかえしたりが続きます。なんだか、最近の中東の戦闘みたいです。パレスチナとかイラクとか。
『第3話 ついに激突!憎き大臣の弱みを暴け(あばけ)』
政治家のばか息子がいます。人を人とも思わないばか息子です。
いっぽう、自分の息子に危害を加えた相手を許す親などこの世にはいません。被害者の父は、第一秘書鷲津亨(わしづ・とおる 草彅剛さん)です。
彼は最終的に、千葉15区に立つ(立候補する)ことになります。(千葉県の衆議院小選挙区は現実には13区までです)
『選挙制度』がなかったら、世の中はメチャクチャになります。独裁者とその集団のやりたい放題になります。
植物博士になれそうでなれなかった(大学院中退のため)議員秘書見習いの蛯沢眞人の役としての役割はなんだろう。(ドラマ全体の最後半部で重要な役割を果たします)
鷲津亨の中学生の息子を歩道橋から突き落とした犯人は、政治家のばか息子ではないけれど、別の政治家のばか息子かもしれない。なんだか、ばか息子ばかりです。
政治家の世界は、貸し借りの世界です。不正見逃しの貸し借りです。
相手の弱みにつけこんで、お金で相手の気持ちを力づくで変えます。
憎しみを倍増させる演出(劇において)になっています。
人間の心の動きをじょうずに表現してある脚本です。
演者の言葉数が多すぎるかなあという傾向はあります。
喫茶店で密談ですが、周囲に人がいるようなところで、秘密事項の話はしないと思う。
偉い人は、人間を将棋の駒(こま)扱いします。偉い人は、人を駒扱いすることで、優越感をもっていることもあります。
人を駒扱いする。親切そうな顔をして自分の言うことをきかせる。劇中の言葉で、『飼いならす』。
組織管理の秘訣(ひけつ、コツ)として、『敵は手の内(うち)におけ』が鉄則です。少しメリット(利益)を与えて、管理する側の言うことをきかせる手法です。
『第4話 新たな敵で深まる謎…永田町の闇に飛び込め』
「善」対「悪」の闘いです。「悪」もなかなかやります。
選挙では、支援してくれる団体が必要です。労働組合や宗教団体がらみ以外では、利益追求団体(企業やなんとか会とか)の力がいります。地元のボス(人脈とか金脈がある。顔がきく)に支持してもらわねばなりません。
いろいろあって、鷲津亨が千葉15区での立候補を目指します。
内容は、勝ったり負けたりが繰り返されます。負けたと思っても、ドラマですから次は勝ちます。
『民主主義』は、『自分たちとあいつら』の世界です。必ずふた手に分かれます。競争主義の制度です。多数派が権力を手に入れます。
そして人は、めぐりあわせで、同じ人間が、被害者にもなるし、加害者にもなります。
『オレたち秘書は、永田町の雑草みたいなものです。いらなくなったらひっこぬかれます。』(なんだか、現実と重なります。不祥事が起きたら、みんな秘書が勝手にやったことにされてしまいます。政治家は責任を逃れることがあります)
恩人には報いる。(むくいる。してもらったことについて、見合っただけのことをお返しする)
恩人への恩は忘れない。(そんなの関係ないという人もいるかもしれません)
関係者に認知症の高齢者がいます。認知症の人の介護はたいへんです。
人格が変わって別の人になってしまいます。
『第5話 総選挙が開幕!下剋上(げこくじょう。下の者が上を倒す)で真相を暴く』
主人公鷲津亨が、衆議院千葉15区に立候補して当選するまでが描かれています。
入院している息子さんが、意識不明みたいになっているのですが、指を少しだけ動かして反応します。
わたしは二十代のときに、深刻な内臓の病気にかかって、しばらく入院したことがあります。毎朝、起き上がるまでに時間がかかりました。
意識はあるのですが、あおむけのまま体を動かすことができず、まぶたを開けることもできませんでした。まわりにいる人たちの声は聞こえるのですが、自分で声を出すことができませんでした。
朝、目がさめて、動けるようになるまでに40分ぐらいの時間の経過が必要でした。だから、ベッドで意識不明みたいな状態で寝ている人のそばでは、変なことは言わないほうがいいですよとアドバイスします。本人には聞こえていることがあります。
いつも黒幕がいる。表面に出ている人間は、黒幕の操り人形だったりもする。
見ていると、議員に頼るような人間にはなりたくないと思います。
最初、女性の扱いが、男性を支えたり助けたりする補助者の立場で、不公平感があったのですが、途中から鷲津亨の奥さんと事務所のスタッフが協力するシーンがあって良かった。
選挙資金がいります。2000万円の用意が必要です。(借金する)
政治活動費の非課税に疑問が生まれます。飲み食いしたお金も政治活動費で非課税になるのだろうか。選挙の時の応援者の人件費はどういう扱いになるのだろうか。(法令に規定があるようです)
『信じる』ということを強調するドラマです。(でも現実では、信じすぎないほうがいい。善意を悪用する人がいます)
そんなことを受けて、『内部にスパイがいる。(選挙活動事務所内にいる。双方の陣営にいる)』
500万円のやりとりがあります。選挙違反になります。でもそうはなりません。
正直者が生き残るように設定してあるドラマです。安心して見ることができるドラマです。
人間的な魅力がある人が議員になったほうがいい。賢い有権者にならなければなりません。
派閥の話が出ます。
『いい奴が、政治家なんかできるか』そんなセリフがあります。
味方だと思っていた人が、実は敵だったということは、大きな組織ではありそうなことです。
『第6話 政治家に転身!敵は幹事長だ』
いろいろしかけ(伏線)があるストーリーづくりをされています。
この回の始めのうち、主人公の鷲津亨のキャラクター設定として、政治家としてどうなのかなあと首をかしげました。
衆議院議員になって、国民のために働くのではなく、自分の家族のことのため(息子を歩道橋から突き落とした犯人捜しのため)に動いています。それでは見ていて受け入れない人もいるでしょう。(この件については、終盤で改善されました)
きれいごとではやっていけないということはあります。
仕事を進めていくうえで、汚れ役は必要です。
政策秘書になった蛍原さん(ほとはらさん)が明るいのがいい。
『腕力じゃ権力に勝てない』ということはあります。
感情的になって、手を出した方が負けです。(暴力)
相手に勝つために、意図的に相手を怒らせて、手を出させて、相手を追い込んでつぶすという手法はあります。それでも、時がたってから仕返しされることを警戒しなければなりません。
政治家を口利きだけのために使うということがなくなれば、世の中は公平になるような気がします。口利きをする(政治家の口添えで、できないことをできるようにする)のは、選挙で、票を得るためなのでしょう。
政治家の基本的な仕事は、国会などで、国民全員ために、法令をつくることだと思うのです。
息子を歩道橋から突き落として意識不明の状態にしたのはだれ?
話はそこに集中していきます。
さすが、記者さんです。与党幹事長がどこに行くのかを追尾します。
鷲津亨は、幹事長のライバルである総理の側に付けばいいのではないかと思いついたら、次の展開でそうなりました。
事件があった夜、幹事長は、だれかと幹事長室に閉じこもっていた。
人には、本当のことを言いたくても言えないときがある。
それは、犯人の親もそうだし、主人公である鷲津亨もそうなのです。
同一人物が、被害者にもなるし、加害者にもなるのです。それが世の中です。
『第七話 真犯人が判明! 政界が隠す事件の真実』
なかなか深刻です。
国会議員である政治家の不祥事です。本人ではないけれど、息子の不祥事です。政治家の息子はどうも普通の育ち方をしていない。刑事事件の犯人が政治家の息子でした。
息子が歩道橋から突き落とされて意識不明で入院している鷲津亨衆議院議員(草彅剛くさなぎつよしさん)の怒りが爆発します。鬼神です。頑固(がんこ)です。
偽善者(表は善人、裏の姿は悪人)の噓を暴きます。(うそをあばきます)
名ばかり議員:憲法も民法も、基本的な法令の内容を知らないのに、法律をつくる立場の議員をしている。
しばらく前に見ていたNHKドラマ、『正直不動産2』との共通点がありました。正直不動産に出てくるライバル会社の悪役社員神木さん(ディーンフジオカさん)も、こちらの鷲津亨さんも、息子と約束したからがんばるのです。
まともな仕事をしている人が仕事を辞めてはいけません。仕事を辞めるのは、ちゃんと仕事をしていない人のほうです。
人間には二面性があります。優しそうに見えて、実は裏では、怖い人がいます。
子育てに失敗した女性大臣が、総理大臣の椅子を狙っている。(いすをねらっている)
人にケガをさせて逃げるとはなんて奴だ。
あたりまえのことをあたりまえにやれない国会議員の家族です。
タイトルは、罠の戦争ですから、いたるところに伏線として罠(わな)が張り巡らされています。
『あなたが守りたいのは、自分の立場だけ』
大きな組織の上層部にいる人に、いい人はいません。
人を人とも思わない人です。
人を将棋やチェスの駒のように思って、自分や自分の仲間の利益のために人を動かす人です。
こちらのドラマでは、幹事長がその役割を担当しています。
権力欲が強い人が上にのぼっていきます。
権力を失ったときに、その人の人生が終わります。
予想通りの出版記事差し止めの圧力があります。大きな組織の上層部の人間同士で、条件闘争をして、貸し借りの取り決めをするのです。
週刊誌の記事が止められても、いまはSNS(ソーシャルネットワークサービス)があるから、動画や音声があると、世界中に流されてしまいます。フェイク(事実ではないこと)でさえ流される時代です。
人間の心の動きなんてどうにでもなる(たとえば大金を積む)という物語の中で、鷲津亨が不利益を覚悟で突進します。
凄み(すごみ。ぞっとするほどの強烈な迫力)があるヒューマンドラマです。(人間味があふれるドラマ)
『第8話 宿敵との攻防戦! 罪には罰を』
意識を失って入院していた鷲津亨夫婦の中学生の息子の意識が戻りました。息子は何がどのように起きたのか、すべて記憶していました。
女性国会議員は、子育てに失敗したのか。
そうでもなかったようです。
仕事を優先する女性は、こどもをもたないほうがいいのか。
いろいろ論議はありそうです。
一般的に、生活費が足りなければ、必然的に夫婦二人ともが働かなければなりません。現実においては、まず、賃貸住宅の家賃が高いという事情があります。
こどもに大金を与えるだけでは、こどもはまともに育たないということはあります。
派閥をなくすために政治家になったという人がいます。
今の政府与党のようすと重なります。
派閥をなくしても、仲良しグループは残るということはあります。複数いればグループができるのが人間の自然なありようです。職場なら、ボスがいて手下がいます。
母親と息子の哀しい(かなしい)話があります。
歳をとっていても、エッチな男ばかりです。
若い女性は、お金目当てに、金持ち中高年男子に近づいてくっつきます。
疑心暗鬼があります。(ぎしんあんき。疑う気持ちが強くなって、心が不安定になる)
だれが味方で、だれが敵なのかわからなくなります。
ジェットコースターです。のぼったりおりたり、スリル満点で、ヒヤヒヤします。
みんな汚れ仕事をしながら、前へ進んでいるわけね。
表舞台には出ない普通の生活を送るということでいいのではないか。
女性関係や、お金がらみで辞めていった議員を思い出しました。
『第9話 政界に激震! 復讐果たす大逆転劇』
なんというか、いくらきれいごとを言われても、相手を信用できません。だれも信用できません。忖度(そんたく。言われなくても相手の都合のいいように動く)もありそうです。
相手をだますためには、いくらでも理屈をつくることができる人たちです。
大きい組織の上層部にいる人間は、自分と組織を守るためになんでもやるのでしょう。そういったことを学ぶために大学の法学部で法令の研究をするのでしょう。
鷲津徹の親友だという鷹野議員も信用してはいけません。
やられたらやりかえす。
『あなたのひとり負けだ』
プライドを呼び起こす。
追い詰められたら、『秘書がやったことです』で逃げる。
わたしには、なにも話をせずに、秘書が自分の判断でやりましたと弁解する。
<まあ、ドラマなんだなあ>
<伏線として、タブレットのパスワードが書いてあった紙が、なにげなく、映像の中に置いてありました>
鷲津亨が、ミイラ取りがミイラになる状態です。悪人をやっつけたつもりの人間が、悪人になりかわります。
人間は権力を握ると人が変わります。人事権とか、お金を動かす権力があります。
つぶしたと思った人間が、生き返ってきます。ゾンビ(死体のままよみがえった人間)で復活です。
<このドラマは、製作陣が、視聴者をだますことが主題(テーマ)です>
『第10話 復讐される側へ…正体現す裏切り者』
なんでもかんでも辞めればいいというものでもなかろうにと思うのです。
結局、演技上手の詐欺師的な人間が、組織の上層部にあがれるし、お金持ちになれるという現実を見せつけられるようです。
この人たち(議員)は、国民のために働かずに、権力争いの足の引っ張り合いばかりをしているのです。
持ちつ持たれつが、この世の習いということはあります。ならい:ありよう。習わし。世の常(つね)。現実。
次から次へと、いきなりすぎます。展開が速い。BGM(バックグランドミュージック)が、見ている者の心をかき乱します。
辞めても、裏で操る(あやつる)。『今後も裏で、政治をおもちゃにするわけですか』。引退してこどもに席を譲る。次の選挙でこどもを立候補させ、当選させ、裏で、こどもを操る(あやつる)。二世議員のことです。
善人だった鷲津亨が、権力を手に入れて、悪人に変化(へんげ)していきます。権力という魔物にとりつかれます。
国民から文句が出たら、総理を変えれば、これで良かったと満足する人間が多い。
権力を手に入れると気持ちがいい。(相手が言うことをきく)。気持ちがいいから権力を手に入れる。
人を疑って、もし違っていたら、どう責任をとるのだろう。(鷲津亨は、犯人を間違えました)
映像を観ていて、なんでもスマホのシーンなのね。電話するにしても、盗撮するにしても、録音するにしても、スマホというものは、人間を徹底的に内向きにさせる道具です。孤独の友です。
『竹の花はめったに咲かない。花が咲いたあと、竹は死ぬ。竹林ごとなくなる』(竹林は地下茎でつながっていて、竹林全体で1本の竹のようなものらしいです。開花のあと種子ができて、竹林全体が枯死(こし)するそうです。
竹とは、鷲津亨をさします。
しばらく前に巻いた伏線が息を吹き返して、設定はこのドラマの最初に戻ります。
敵は、身内にいるのです。
『第11話 最終回 権力の闇に射す光は…衝撃の結末へ』
草薙剛さんは、じょうずな演技でした。
家族三人(夫婦と中学生の息子)は、家族には見えませんでした。あまりにも美しすぎる家族設定でした。
まあ、ドラマですから、つくり話です。
いろいろむずかしいことがあります。
不合理、不条理、理不尽なことに、どうにか折り合いをつけて生活していくのが大人です。
たいていの人間は、理想などもちあわせていません。自分の利益・不利益だけを考えています。
ドラマでは、まとまっていたみんなの心がバラバラに離れていきます。
鷲津亨は、権力という化け物に、洗脳(せんのう。暗示をかけられて、コントロールされた状態)されました。
ドラマをふりかえって、前半はおもしろかった。爽快(そうかい。気持ちがスッとする)だった。
後半は見たくなかった。そんな気持ちで、ラストシーンまでつなぎます。
『罠(わな)』か。タイトルどおりです。
そういうことか。最終地点まできて、なかなかいいドラマでした。
みなさん熱演でした。ありがとう。
最初から最後まで、『植物』で筋(すじ)をとおしてありました。
鷲津亨(わしづ・とおる)の元妻は、まあ、なにかしら仕事はしなければならないわけですから、これでいいでしょう。
話は最初に戻る。シンプルでいい。
『おかえりなさい』
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