2015年08月22日

カサブランカ 洋画

カサブランカ 洋画 DVD

 1942年のアメリカ映画ですから、今から、73年前の作品です。白黒映画ですが、画面は気になりません。しっかりつくりこまれています。

 第二次世界大戦中、ドイツのヨーロッパ侵攻を避けて、アメリカ合衆国へ逃れるために、アフリカフランス領モロッコのカサブランカから小型飛行機で経由地ポルトガルリスボンに旅立つ人たちは、観ていると勝手な人たちです。自分の都合優先です。ハンフリー・ボガードが冷酷・冷徹になるのもわからないでもありません。それでも彼は弱い者の味方です。シンドラーのリストのようでした。

 第二次世界大戦でドイツは世界に負けた。映画の中のこの時期、ドイツは栄華を誇っています。ドイツ軍人は、フランス領では、独裁をふるうことはできないけれど、フランス警察職員に圧力をかけることはできる。そこに主人公のアメリカ人がからんでくる。そして、アメリカへの逃亡者夫婦の妻は、主人公の元恋人だった。

 ピアノが恋愛話をメロディーでふりかえります。タイム・ゴウズ・バイ。時の過ぎゆくままに。午後4時45分、イングリッド・バーグマンは、パリの駅に来なかった。男との約束を破った。男は今もそのことを怨んでいる。

 ハンフリー・ボガードの気持ちがよく伝わってきます。彼の個性設定がすばらしい。信じている者に裏切られると人間はこうなる。愛憎です。

 何度か観た映画ですが、ピストルを相手に向けるシーンは忘れていました。人間は欲望をかなえるためには殺人も辞さない。人間の怖さ、いかようにも変化できる態度が表現されています。

 観客をだますスティング(詐欺)もあって、楽しい。重厚な作品でした。

 言いたいことをはっきりいう。わからないことを相手に徹底的に問い詰める。男と男による男の映画でした。ただ、そういう手法は、もう、昔のやり方のような気が、最近しています。いいとも悪いともいえません。時代が変わりました。

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