2022年05月12日

チョコレートタッチ パトリック・スキーン・キャトリング

チョコレートタッチ パトリック・スキーン・キャトリング作 佐藤淑子(さとう・よしこ)・訳 伊津野果地(いづの・かじ)・絵 文研出版

 チョコレートが大好きなジョン・ミダスという男の子のお話です。小学校1年生か、2年生ぐらいに見えます。
 ジョン・ミダスはお菓子が大好きです。おこづかいは、お菓子を買うために消えていきます。
 これから、ジョン・スミスが、チョコレートを食べたあと、なにもかもがチョコレート味になるという不思議なお話が始まります。

 登場する人たちはつぎのとおりです。
 ジョン・ミダスのおもしろいお話をしてくれるパパと、優しくてしっかり者のママ
 ジョン・ミダスのいもうとメアリー
 ジョン・ミダスの同級生女子として、スーザン・バターカップ:金髪。ピンクのほっぺ。青い瞳。おはじきコレクションがあります。ほかの女子児童として、ベティ、エレンがいます。たぶん男子児童として、ティモシー、ロビンがいます。
 男女合計20人のクラスメンバーです。
 ジョン・ミダスの上級生として、スパイダー・ウィルソン、小学3年生か4年生ぐらいに見えます。
 ジョン・ミダスの学校の先生が、担任が、プリムソール先生。女性の先生です。音楽担当が、クウェイバー先生。
 お医者さんとして、クレイニアム先生。

 鼻の頭に赤いぽつぽつができたジョン・ミダスです。
 お菓子の食べ過ぎです。
 ごはんを食べなきゃ。
 バランスのとれた食事をしないと病気になってしまいますよ。

 ジョン・ミダスは、道で25セント硬貨を拾いました。日本円だと31円ぐらいの価値です。
 でもその硬貨は本物のお金ではなさそうです。
 片面に太った男の子の絵、もう片面に「J.M」とかいてあるそうです。(J.Mは、ジョン・ミダスの氏名の頭文字(かしらもじ)なのでしょう)

 ジョン・ミダスが偶然知らないお菓子屋さんに立ち寄ります。
 なんだか、浦島太郎が竜宮城をたずねた雰囲気に似ています。
 これは夢だろうか。
 店のご主人が、ジョン・ミダスにおいしいてチョコレートを提供してくれました。
 
 帰宅したジョン・ミダスが、お店のご主人からもらった、たったひとつぶのチョコレートを食べます。

 ひと晩あけて、朝です。
 チューブに入っている歯磨き粉の味が、チョコレート味になっています。
 オレンジジュースもチョコレート味がします。
 ベーコンエッグとトーストとバターとマーマレードがチョコレート味です。
 皮のてぶくろまでチョコレート味です。
 どうしちゃったの?
 ジョン・ミダスが食べた時だけ、チョコレート味がするようです。

 スーザン・バターカップがもっていた1ドル硬貨もチョコレート味がします。
 なんと、ジョン・ミダスは、その1ドルコインをかじって、一部分を食べてしまいました。1ドルコインは、三日月の形に変わってしまいました。

 ジョン・ミダスが学校で飲む水までチョコレート味に変わってしまいました。
 どうしたことでしょう。
 鉛筆の芯(しん)までチョコレート味です。
 そして、鉛筆の木の部分までチョコレートになってしまいました。
 夢でもみているのだろうか。
 「魔法」だそうです。
 外国では「魔法」という言葉がよく使われます。日本では使われません。

 学校でのお昼ご飯は、学校の食堂で食べます。
 食事は学校が用意してくれます。
 野菜サラダとかくだものとか、牛乳、チキン、ハム、ポテトチップス、レタスなどです。サクランボもあります。赤いトマトもあります。なんでもいろいろ食べましょう。お菓子だけではだめですよという教えがあるのでしょう。ロールパンもついています。
 でもジョン・ミダスが食べようとすると、なにもかもがチョコレート味に変化してしまいます。

 国語の時間では、ジョン・ミダスに「強欲」「消化率」「消化不良」「胃酸過多」「不健康」「節制」などの言葉が投げかけられます。
 健康志向でいきましょうというメッセージがあるのでしょう。

 学校の楽団で、スーザン・バターカップは、バイオリンを弾き、ジョン・ミダスはトランペットを吹きます。
 こんどは、トランペットがチョコレートになってしまいます。困りました。
 ジョン・ミダスは、だんだんチョコレートが嫌いになってきました。

 リンゴを浮かべたバケツの水がチョコレートになります。なってこった。
 
 ジョン・ミダスは、病院でクレイニアム先生に診てもらって、お薬をもらいました。
 なんと、お薬までチョコレートに変わってしまいました。
 クレイニアム先生が『チョコレート病(その後、クレイニアム病という病名で決定)』と病名を付けました。徹底的な検査が必要だそうです。

 かわいそうなことは次々と起こります。
 ジョン・ミダスはがママのほっぺたにキスをしたら、ママがチョコレートの像になってしまいました。
 魔法という言葉がさきほど出てきました。
 魔法の力(ちから)『チョコレートタッチ』という言葉が出てきました。ジョン・ミダスの唇(くちびる)がふれたものは、チョコレートになってしまうのです。タッチはふれるということです。
 そして、ジョン・ミダスが25セント硬貨でチョコレートの箱を買ったお店が再び姿を現したのです。
 
 「よくばり」とか「わがまま」を戒めて(いましめて。人として、してはいけないことだと教える)「思いやりのある人」になりなさというメッセージをもった物語でした  

Posted by 熊太郎 at 07:17Comments(0)TrackBack(0)読書感想文