2024年11月18日
なんでもない 鈴木のりたけ
なんでもない 鈴木のりたけ アリス館
こどもさん向けの絵本です。表紙をめくると、カメ(亀)がひっくりかえっています。
前回読んだ同作者の、『とんでもない アリス館』と同じパターンのようです。
ページをめくって、うむ。やはり、『とんでもない』と同じです。『とんでもない』の初めのページは、海に近い住宅地の風景でした。こちらの、『なんでもない』のはじめのページは、海が見えない内陸部にある住宅地の風景です。
着ている服が破れて、がっかりしている少女が公園のベンチに座っています。
公園にはカラスたちがいます。
カラスはみな黒い。カラスは、黒い服しか持っていない。
カラスにも言い分があります。
ただ、読んでいて、カラスのしゃべりには、なにかしら無理があります。
『のろまなカメ』
どこかで聞いたことがあるセリフです。
昔ドラマであった、『スチュワーデス物語』です。堀ちえみさんと風間杜夫さん(かざまもりおさん)が出演されていました。
堀ちえみさんは、自称、『ドジでのろまなカメ』でした。その後の実生活では、ご病気でご苦労がありました。人生はとても長い。なにがあるかわかりません。
カメはやることがない。
やることがないから、一日中ひなたぼっこをしている。
(なんだか、年金生活者みたい。人生の最後は、死ぬまで生きているだけです)
そんなカメは、土の下で暮らすモグラに同情します。
カメの評価に対して、モグラにはモグラの言い分があります。
ミミズを食べているモグラの絵です。
土に囲まれて暮らすモグラは、そんなこと(地面の下で暮らすこと)なんでもないそうです。
土の下にあるおうちでは、快適な暮らしを送っているそうです。
モグラたちの楽しそうな絵があります。
そんなモグラは、体が大きいゾウに同情します。
ゾウが自分の後ろ足の間から顔を出しています。
おもしろい。
ゾウは、こどもたちと遊びます。楽しそうです。
そんなゾウは、みんなから怖がられる(こわがられる)トラに同情します。
トラはまわりから怖がられる(こわがられる)ことを気にしていません。
『なんでもない』のです。
トラにはトラの理屈があります。
そんなトラは人間に同情します。
そして、人間の女の子が描いてあるページにたどりつきました。
最初の頃に絵本のページに出ていた少女です。
読み終えました。
う~む。ちょっとつまらなかった。
パジャマの下をはいたまま、女の子がランドセルをしょって家を出て行ったところは、おもしろかった。
最後のページにあるクイズは、鹿の数のところがむずかしかった。鹿が17匹いると答えがありますが、わたしが何度数えても16匹しか見つけきれません。(その後1か月ぐらいがたって、絵本を読み返して、ようやく見つけきれなかった鹿1匹を見つけました。建物の2階から首を出していました。小さな鹿の絵です。老眼で見えませんでした。とほほ)。
こどもさん向けの絵本です。表紙をめくると、カメ(亀)がひっくりかえっています。
前回読んだ同作者の、『とんでもない アリス館』と同じパターンのようです。
ページをめくって、うむ。やはり、『とんでもない』と同じです。『とんでもない』の初めのページは、海に近い住宅地の風景でした。こちらの、『なんでもない』のはじめのページは、海が見えない内陸部にある住宅地の風景です。
着ている服が破れて、がっかりしている少女が公園のベンチに座っています。
公園にはカラスたちがいます。
カラスはみな黒い。カラスは、黒い服しか持っていない。
カラスにも言い分があります。
ただ、読んでいて、カラスのしゃべりには、なにかしら無理があります。
『のろまなカメ』
どこかで聞いたことがあるセリフです。
昔ドラマであった、『スチュワーデス物語』です。堀ちえみさんと風間杜夫さん(かざまもりおさん)が出演されていました。
堀ちえみさんは、自称、『ドジでのろまなカメ』でした。その後の実生活では、ご病気でご苦労がありました。人生はとても長い。なにがあるかわかりません。
カメはやることがない。
やることがないから、一日中ひなたぼっこをしている。
(なんだか、年金生活者みたい。人生の最後は、死ぬまで生きているだけです)
そんなカメは、土の下で暮らすモグラに同情します。
カメの評価に対して、モグラにはモグラの言い分があります。
ミミズを食べているモグラの絵です。
土に囲まれて暮らすモグラは、そんなこと(地面の下で暮らすこと)なんでもないそうです。
土の下にあるおうちでは、快適な暮らしを送っているそうです。
モグラたちの楽しそうな絵があります。
そんなモグラは、体が大きいゾウに同情します。
ゾウが自分の後ろ足の間から顔を出しています。
おもしろい。
ゾウは、こどもたちと遊びます。楽しそうです。
そんなゾウは、みんなから怖がられる(こわがられる)トラに同情します。
トラはまわりから怖がられる(こわがられる)ことを気にしていません。
『なんでもない』のです。
トラにはトラの理屈があります。
そんなトラは人間に同情します。
そして、人間の女の子が描いてあるページにたどりつきました。
最初の頃に絵本のページに出ていた少女です。
読み終えました。
う~む。ちょっとつまらなかった。
パジャマの下をはいたまま、女の子がランドセルをしょって家を出て行ったところは、おもしろかった。
最後のページにあるクイズは、鹿の数のところがむずかしかった。鹿が17匹いると答えがありますが、わたしが何度数えても16匹しか見つけきれません。(その後1か月ぐらいがたって、絵本を読み返して、ようやく見つけきれなかった鹿1匹を見つけました。建物の2階から首を出していました。小さな鹿の絵です。老眼で見えませんでした。とほほ)。
2024年11月15日
ハサミ男 殊能将之(しゅのう・まさゆき)
ハサミ男 殊能将之(しゅのう・まさゆき) 講談社文庫
文庫本の帯に、『古典にして、大傑作』とあります。知らなかった。洋画のシザーハンズとは違うでしょう。読んでみたい。読み始めます。
作者のみょうじが読めませんでした。作者は、1964年(昭和39年生まれ)、そして、2013年(平成25年)に亡くなっています。49歳没。
読み始めて数ページで感じたことです。
社会のようすが古いかな。しかたがありません。
スマホの地図アプリは出てきません。交通系ICカードも出てきません。地図は紙です。
小型の東京都分区地図です。文庫版東京23区地図です。うちにも古い物があります。
ほかにもいろいろ過去のものがあります。時代としては、1980年代から90年代、昭和55年代から平成の始めの世の中の風景です。
単行本は、1999年(平成11年)の発行です。
殺人事件の加害者が、ハサミ男です。すでにふたり犠牲者が出ているようですが、逮捕はされていません。三人目の犠牲者を物色して決めて、下調べをしている段階です。
二番目の殺人は、半年以上前だったそうです。
目黒区鷹番:わたしは、『たかばん』と読む地名だと思いましたが、ハサミ男は、『たかつがい』と読みます。蝶番(ちょうつがい)からきているそうです。(でも、たかばんが正解でした)
ハサミ男:アルバイトをしている。バイト先は、『氷室川出版(ひむろかわしゅっぱん)神田小川町にある。5階建てビルの3階営業部と4階編集部を借りている。正社員は十数名。アルバイトは3人』そこで、2年以上働いている。
地下鉄駅に近い鉄筋アパートに住んでいる。駅から徒歩1分のところにある。相当古い建物である。アパートの住人は他人に無関心である。
樽宮由紀子(たるみや・ゆきこ):三番目の殺人被害者候補。16歳高校2年生。私立葉桜高校に通学している。目黒区鷹番に住んでいる。親と同居らしい。マンションの503号室。デゼール碑文谷(ひもんや)503。赤褐色のマンション。
樽宮一弘:由紀子の父親。
わたしも今、東京の一枚地図を見ながら、目黒区あたりに目を落としています。
鉄道線路の話が多い。著者は鉄道好きなのでしょう。そして、地図好きなのでしょう。
目黒区、駒沢通り、東急東横線、学芸大学駅、地下鉄丸の内線、日比谷線、中目黒駅、菊名行き。
小西美奈:第一の犠牲者、高校一年生。平成14年10月21日。埼玉県内送電塔の敷地内で殺された。埼玉県居住者だった。美人ではないが、若々しく愛らしい顔立ちだった。ショートヘア、銀ぶち眼鏡。
松原雅代:第二の犠牲者。江戸川区の湾岸で殺された。
岡島部長:五十代女性。ハサミ男のバイト先である『氷室川出版』の部長。白髪まじりのおかっぱ頭。化粧気がない馬面(うまづら)。地味だが、いいスーツを着ている。有能。
佐々塚:三十代なかばの小男(こおとこ)。氷室川出版の社員
和田:デザイナー
山岸:氷室川出版のアルバイト。ハサミ男の同僚。中途退職後アルバイトをしている。黒ぶち眼鏡の脱サラ中年男性
スピードキング:バイク便の会社
タブロイド紙:新聞の用紙サイズの半分のサイズの新聞など。
写真のポジ:ポジフィルム。フィルムの状態で色などがわかる。
彫心鏤骨(ちょうしんるこつ):非常に苦心してつくりあげたもの。
玉稿(ぎょっこう):他人の原稿を敬って言う言葉
光磁気ディスク:MOディスク。記憶媒体。それらは、代替品が出て、2000年代に消滅した。
ハサミ男は、火曜日に有給休暇をとる。(女子高生を尾行するため)。
ハサミ男は、アルバイト先で、高校生たちの個人情報を見ることができる。(獲物の候補をそうやって探す)。添削式通信教育の仕事をする勤務先が、個人情報を盗む場所になっている。(恐ろしいことです。(おそろしい)。人を雇う時は、能力の前に、人間として信用できるかを判断せねばなりません)
ハサミ男には、自殺願望があるらしい。(薬物による自殺)。
ドラッグストアーで、『クレゾール石鹸液』を購入しました。
(つづく)
犯罪者自身の心理が、一人称による本人の語りで語られ続けます。
不気味で気色悪い。(きしょくわるい。生理的に受け付けがたい)。また、薄気味悪い。
仕事の資料を利用して、女子高生を物色して、自宅を下見して、学校を見張って、殺人の獲物のとして狙います。ハサミ男は、頭のいい女の子にあこがれています。
不思議なのは、本人に自殺企図の意思があることです。クレゾール石鹸(化学物質)を飲みます。でも、未遂です。本気で死ぬ気はないと読み手であるわたしは判断します。
おそろしい人格をもった男です。地球上には、79億人、日本には、1億2300万人ぐらいが住んでいて、いろんな脳みそがあるわけで、凡人では理解できない不可解な脳みそをもった人がいます。殺したいから殺す。具体的な理由はありません。人間個々がもつ、その人間なりの、『欲(よく)』です。
精神科医であろう60歳ぐらいの医師。純白の短髪。まんなか分け。痩身(そうしん。やせている)。丸い眼鏡をかけている。
殺人のターゲットにしている女子高生が住むマンション503号室の住人として、
おそらく父であろう、樽宮一弘
おそらく母であろう、とし恵。(のちに美人とわかる。37歳)。
狙われている(ねらわれている)本人、由紀子。葉桜高校2年生。背中まで髪が伸びている。美人。165cm。細い体。猫のよう。
おそらく弟であろう、健三郎(のちに、葉桜高校1年生とわかる)
<のちにわかることとして、お互いに連れ子を連れた者同士の再婚。健三郎には実兄がいる。兄が、ふたりいる>
高校の制服で、本人を特定していく。(もう、制服の制度は防犯上やめたほうがいいのかも)。
(つづく)
目黒署刑事課のメンバーです。
磯部龍彦:27歳。ハサミ男と同じぐらいの年齢。第1章では、彼のひとり語りで物語が進行していく部分があります。髪はまんなか分け。逆三角形の顔。整った顔立ち。背は高い。童顔。頼りなさそう。
下川宗夫:160cm。中2のひとり息子がいる。『長さん』と呼ばれるのがイヤ。(ドリフターズのいかりや長介さんのことでしょう)
上井田嘉暁(かみいだ・よしあき)警部:刑事課長。はげている。立派なあごヒゲがある。温厚で礼儀正しい。
松元順三郎:唯一の喫煙者。偏屈そう(へんくつそう)です。
進藤誠斗(しんどう・まこと):若手。おとなしくて優しい。
村木晴彦:巡査部長。30代後半。天然パーマ。手足がひょろ長い。クラシック音楽マニア。冷笑的。いつも超然としている。ときおり突拍子もない行動に出る。予想不可能な性格。
10月17日金曜日:ハサミ男は、早退した。樽宮由紀子の尾行。
カリカチュア:漫画、風刺画
ブランド品のスーツを着た40歳前後の男:援助交際の相手か。
ハサミ:仕事場から盗んだ。仕事場の備品。(なぜ、凶器がハサミなのだろうか)。
11月1日土曜日:尾行する。
高橋:アルバイト。のっぽ。
キルモア:殺鼠剤(さっそざい)
プラシーボ効果:偽薬で効果がみられる。気持ちのもちよう。
ロマン主義者:情緒的、感情的な人。
ハサミ男の主治医は、ハサミ男が殺人犯人であることを知っている。
主治医は、仮想のドクターなのではないか。
『チョキ、チョキ、チョキ…… 三人目の犠牲者が出る……』
おふらんど:学芸大学駅のすぐそばの喫茶店。
アヤコ:樽宮由紀子の友人。高校生。
自由が丘駅の近くにある映画館。上映中の映画は、『地下鉄のザジ』。
11月4日火曜日:二日ぶりに出勤する。
平成15年(2003年)11月11日火曜日午後9時40分頃:東京都目黒区鷹番四丁目にある西公園の茂みの中で、鷺宮由紀子が殺されていた。首にビニール紐(ひも)、絞殺後、首にハサミが突き立てられていた。
ハサミ男の手口で殺されていたが、第一発見者は、ハサミ男であり、ハサミ男は真犯人ではない。鷺宮由紀子の首に刺さっていたハサミは、ハサミ男がその時、かばんの中にもっていたハサミと同じものであった。ハサミ男は、ごまかすために、そのハサミを公園の茂みに捨てた。
ハサミ男はまた、鷺宮由紀子の足もとに、なにやら、『小さく光るもの』を見つけたが、小説では、そのあと、詳記(しょうき。くわしい説明)はされない。(その後:金属製のガスライター。『K』のイニシャル彫り込みありとわかる)。
マルサイ:警視庁科学捜査研究所内に新設された犯罪心理分析官職。サイコアナリシス:成人分析。サイコメトリックス:心理測定法。
広域連続殺人犯エ十二号:マスコミが付けた通称が、『ハサミ男』。
(つづく)
ハサミ男の自殺願望の理由がわかりません。自分はこの世に存在していてはいけない人間だと自分で定義づけしているのだろうか。自分が存在していると、自分がだれかを殺してしまう。(ターゲットは女子高生というのもなにか理由があるのか)。
ディクスン・カー:アメリカ合衆国の推理小説家。密室殺人を素材にする。
11月14日金曜日:第一回捜査会議開催。
堀之内靖治(ほりのうち・やすはる):40歳手前の年齢。科捜研の犯罪心理分析官(マルサイ)。大学講師のように見える。髪はまんなか分け。丸顔。
警視庁捜査一課長:パンチ・ドランカー(ボクシングで、相手にパンチをもらいすぎ)のブルドッグみたいな顔。特別捜査本部の総責任者。
索状物(さくじょうぶつ):ひものようなもの。
死亡推定時刻は、11月11日午後8時から8時20分の間。
白皙(はくせき)の検事:皮膚の色が白い検事。
快楽殺人者:苦しむ姿が楽しい。本人がもつ固定観念。無意識の衝動。
第三の殺人は、ハサミ男による可能性は75%(100%ではない)
犯人は、知能指数が高い(ただし、真犯人は、ハサミ男ではない)、慎重かつ周到で、学習能力がある。
11月14日:ハサミ男は、アルバイトを休む。ハサミ男は、仕事で得た資料で、樽宮家へ電話をかけて、犠牲者の母親樽宮とし恵と話して、葬儀の日取りを聞いた。11月15日午後2時から。春藤斎場にて(しゅんどうさいじょう)。
(つづく)
岩佐邦馬(いわさ・くにま):私立葉桜学園高校の体育教師。35歳独身。
長谷川:葬儀の世話人。60代前半。
黒梅夏絵(くろうめ・なつえ):週刊アルカナ編集部所属のフリーライター(正社員ではない)
250ページまで読みました。全体の半分ぐらいの位置です。全体で502ページあります。
読んでいて、真犯人のめぼしはまだつきません。まだ、情報が足りません。
だれかが、人を殺したのですが、犯行をハサミ男がしたものとみせかけています。
本物のハサミ男は、自分の名前をかたって人殺しをしたのが、だれなのかを知ろうとしています。
ただ、考えてみると、ハサミ男が偽装犯人を警察に通報しようとすると、自分がハサミ男であることが警察にばれてしまいます。さて、そのへんを物語の中で、どう処理するのだろうか。
読んでいて、なんとなく、うすうす気づいていましたが、被害者の家庭がいろいろわけありであり、被害者自身も問題ありです。
連れ子同士をともなっての再婚には、読んでいるうちに気づきました。また、本人が援助交際を積極的にしていることにも気づきました。だれかが、なにかしらの不都合があって女子高生を殺して、その行為をハサミ男がやったことにしようとしたのです。
女子高生樽宮由紀子は、お金欲しさで、接客相手を脅していた(おどしていた)というパターンがひとつあります。
親族間のもつれがからんでいたというパターンもあります。
話のつくりを推理する小説という位置づけで文章を読んでいます。
なぜ凶器が、『ハサミ』なのかにも興味が湧きます。
ハサミ男の心理として、『わたしの内側は、からっぽだ』。
アヤコ(椿田亜矢子)という同級生が、鍵を握っている。
周囲の人間の現実的な話が書いてあります。
女子高生殺人事件は、関係者にとっては悲劇ですが、騒ぎ立てる、あおりたてるマスコミ関係者と捜査する警察関係者にとっては、仕事です。仕事だからやっている。給料をもらうためにやっている。
シリアル・キラー:複数の連続殺人犯。異常な心理的欲求をかかえている。
こどもを亡くした直後の親の心理として:『……子供といっしょに何かが死んでしまったようなんだ。とても大事なにかが。』
人間のその時の心理を観察するために、その人間の手の動きを見る。
犯罪心理分析は、心理がどうなのかを考える学問ではなく、『統計学』だそうです。たくさんのサンプルを集めて分析して、こういうときは、こうだという傾向を研究して参考にする。プロファイリング=横顔を描く。こういうふうだから、犯人は、こういうふうのパターンが多いと考える。
動機がないのに、殺人を繰り返す人間がいる。
『正社員になる気はありませんか』(ハサミ男にかけられた言葉です)。
<世界は誤解と錯覚で成り立っている(女ひとりで世界を旅した人の言葉です。以前旅行記の本で読みました)>
犯人検挙のためには、物的証拠が大事。
(つづく)
402ページまで読みました。
日高光一:26歳。さて、誰でしょう。髪の毛の生え際(はえぎわ)が後退している。体重が90キロから100キロぐらい。誰なのかはここには書けません。
喫茶『おふらんど(フランス語で、「捧げ物(ささげもの)」という意味』の店主50歳ぐらい。自家製ミートパイがお勧めの商品。
精神分析医:丸い眼鏡をかけている。土に汚れた白衣を着ている。もぐらの顔をしている。
樽宮由紀子は、ロックバンドの音楽が好きだった。
解離性人格障害(かりせいじんかくしょうがい):多重人格。
鍵を握るポイントとして、『金属製ライターにあったイニシャル「K」』、ライターと関連づけて、『喫煙者』、そして、わたしは、『ハサミ』と考えます。
刑事の進藤が使っているカメラが、デジカメではなく、フィルムカメラのようです。時代を感じました。
読んでいて思ったことです。悪意をもった善意というのはあります。
相手ができないことがわかっているのに、親切そうに声をかけて、相手ができなくて困っているようすをみて楽しむのです。やっかいなのは、加害者の立場にある者が、その行為を無意識にやっていることです。
真実を伝えることがジャーナリズムではない。
パターンをつくって、ドラマチックな報道をして、お金もうけをすることがジャーナリズムである。
ジャーナリズム:新聞、雑誌、放送などの報道活動。
ニヒリスト:虚無主義者(きょむしゅぎしゃ)。なにもないとする。すべて、無価値である。
母と娘の関係に、『異常』あり。
容疑者の目撃者探しのあたりの記述に不自然さを感じました。目撃者が、見つかりそうなものなのに、なかなか見つかりません。いくら、人海戦術によるローラー作戦がやれないとはいえ、駅近くにいつもいる目撃者をいつまでたっても見つけられないというのは不自然です。
住宅地図を持って聞き込みをします。今もそうだろうか。違うような気がします。う~む。わからない。
喫煙の話がたびたび出てきます。
たぶん作者も喫煙者なのでしょう。
真犯人がだれなのか、いつまでたってもわからない390ページあたりです。
時間が流れて、雪が降ってきました。
冬が始まったのです。
フランス革命:1789年-1795年。貴族+高級聖職者VS商工業者+金融業者。王制が崩壊した。『シゾー・オム、ア・ラ・ランテルヌ!』フランス語で、『ハサミ男を街灯に吊るせ!(つるせ)』。
どうして人を殺してはいけないのか:人が死ぬところを見ると不愉快になるから。たんなる不快感。
読んでいて、阿部サダヲさんの映画を思い出しました。
『死刑にいたる病(やまい) 邦画 2022年(令和4年) 2時間9分 動画配信サービス』
こちらの映画は、阿部サダヲさんが、連続殺人鬼を演じます。17歳・18歳のまじめでおとなしく学力優秀な高校生である男女23人と、26歳の成人女性1人を殺した罪で、死刑判決を受けて服役中です。
400ページあたり、自問自答をする文章が続きます。読みながら、『引用が多い』と感じていたら、401ページに、『……ぼくには、引用癖がついたようです!……』と文章があり笑いました。
(つづく)
すべて読み終わりました。
う~む。これでいいのだろうか。これでいいのでしょう。わたしは、本格的な推理小説マニアではないので否定する力がありません。これでいいのです。
ハサミ男の正体が判明します。
ここには書きません。
よくわからない内容の文章が続きます。本自体が多重人格です。
ハサミ男は豪快です。
こんがらがって混乱する422ページあたりです。
だれが話をしているのかわからない。
現実と幻(まぼろし)が、同じ空間に存在する。
女子高生は、男たちを相手に実験をしていた。
なんというか、事実がわからない文章です。
現実と幻想が入り混じった内容の文章になっているのではないか。
刑事課職員のチームワークと真実の追求があります。
この終わり方でいいのだろうか。
496ページの位置にいます。あと5ページで終わります。
『不幸』があります。
『悪魔』あるいは、『悪党』のような人間が生き続けます。
人間と言うよりも、『人格』が生き延びます。
(参考・引用文献の部分を読みました)
鶴見済(つるみ・わたる)『完全自殺マニュアル』(太田出版)は、読んだことがあります。2022年12月22日に長い感想メモがあります。自殺防止が目的の本です。
文庫本の帯に、『古典にして、大傑作』とあります。知らなかった。洋画のシザーハンズとは違うでしょう。読んでみたい。読み始めます。
作者のみょうじが読めませんでした。作者は、1964年(昭和39年生まれ)、そして、2013年(平成25年)に亡くなっています。49歳没。
読み始めて数ページで感じたことです。
社会のようすが古いかな。しかたがありません。
スマホの地図アプリは出てきません。交通系ICカードも出てきません。地図は紙です。
小型の東京都分区地図です。文庫版東京23区地図です。うちにも古い物があります。
ほかにもいろいろ過去のものがあります。時代としては、1980年代から90年代、昭和55年代から平成の始めの世の中の風景です。
単行本は、1999年(平成11年)の発行です。
殺人事件の加害者が、ハサミ男です。すでにふたり犠牲者が出ているようですが、逮捕はされていません。三人目の犠牲者を物色して決めて、下調べをしている段階です。
二番目の殺人は、半年以上前だったそうです。
目黒区鷹番:わたしは、『たかばん』と読む地名だと思いましたが、ハサミ男は、『たかつがい』と読みます。蝶番(ちょうつがい)からきているそうです。(でも、たかばんが正解でした)
ハサミ男:アルバイトをしている。バイト先は、『氷室川出版(ひむろかわしゅっぱん)神田小川町にある。5階建てビルの3階営業部と4階編集部を借りている。正社員は十数名。アルバイトは3人』そこで、2年以上働いている。
地下鉄駅に近い鉄筋アパートに住んでいる。駅から徒歩1分のところにある。相当古い建物である。アパートの住人は他人に無関心である。
樽宮由紀子(たるみや・ゆきこ):三番目の殺人被害者候補。16歳高校2年生。私立葉桜高校に通学している。目黒区鷹番に住んでいる。親と同居らしい。マンションの503号室。デゼール碑文谷(ひもんや)503。赤褐色のマンション。
樽宮一弘:由紀子の父親。
わたしも今、東京の一枚地図を見ながら、目黒区あたりに目を落としています。
鉄道線路の話が多い。著者は鉄道好きなのでしょう。そして、地図好きなのでしょう。
目黒区、駒沢通り、東急東横線、学芸大学駅、地下鉄丸の内線、日比谷線、中目黒駅、菊名行き。
小西美奈:第一の犠牲者、高校一年生。平成14年10月21日。埼玉県内送電塔の敷地内で殺された。埼玉県居住者だった。美人ではないが、若々しく愛らしい顔立ちだった。ショートヘア、銀ぶち眼鏡。
松原雅代:第二の犠牲者。江戸川区の湾岸で殺された。
岡島部長:五十代女性。ハサミ男のバイト先である『氷室川出版』の部長。白髪まじりのおかっぱ頭。化粧気がない馬面(うまづら)。地味だが、いいスーツを着ている。有能。
佐々塚:三十代なかばの小男(こおとこ)。氷室川出版の社員
和田:デザイナー
山岸:氷室川出版のアルバイト。ハサミ男の同僚。中途退職後アルバイトをしている。黒ぶち眼鏡の脱サラ中年男性
スピードキング:バイク便の会社
タブロイド紙:新聞の用紙サイズの半分のサイズの新聞など。
写真のポジ:ポジフィルム。フィルムの状態で色などがわかる。
彫心鏤骨(ちょうしんるこつ):非常に苦心してつくりあげたもの。
玉稿(ぎょっこう):他人の原稿を敬って言う言葉
光磁気ディスク:MOディスク。記憶媒体。それらは、代替品が出て、2000年代に消滅した。
ハサミ男は、火曜日に有給休暇をとる。(女子高生を尾行するため)。
ハサミ男は、アルバイト先で、高校生たちの個人情報を見ることができる。(獲物の候補をそうやって探す)。添削式通信教育の仕事をする勤務先が、個人情報を盗む場所になっている。(恐ろしいことです。(おそろしい)。人を雇う時は、能力の前に、人間として信用できるかを判断せねばなりません)
ハサミ男には、自殺願望があるらしい。(薬物による自殺)。
ドラッグストアーで、『クレゾール石鹸液』を購入しました。
(つづく)
犯罪者自身の心理が、一人称による本人の語りで語られ続けます。
不気味で気色悪い。(きしょくわるい。生理的に受け付けがたい)。また、薄気味悪い。
仕事の資料を利用して、女子高生を物色して、自宅を下見して、学校を見張って、殺人の獲物のとして狙います。ハサミ男は、頭のいい女の子にあこがれています。
不思議なのは、本人に自殺企図の意思があることです。クレゾール石鹸(化学物質)を飲みます。でも、未遂です。本気で死ぬ気はないと読み手であるわたしは判断します。
おそろしい人格をもった男です。地球上には、79億人、日本には、1億2300万人ぐらいが住んでいて、いろんな脳みそがあるわけで、凡人では理解できない不可解な脳みそをもった人がいます。殺したいから殺す。具体的な理由はありません。人間個々がもつ、その人間なりの、『欲(よく)』です。
精神科医であろう60歳ぐらいの医師。純白の短髪。まんなか分け。痩身(そうしん。やせている)。丸い眼鏡をかけている。
殺人のターゲットにしている女子高生が住むマンション503号室の住人として、
おそらく父であろう、樽宮一弘
おそらく母であろう、とし恵。(のちに美人とわかる。37歳)。
狙われている(ねらわれている)本人、由紀子。葉桜高校2年生。背中まで髪が伸びている。美人。165cm。細い体。猫のよう。
おそらく弟であろう、健三郎(のちに、葉桜高校1年生とわかる)
<のちにわかることとして、お互いに連れ子を連れた者同士の再婚。健三郎には実兄がいる。兄が、ふたりいる>
高校の制服で、本人を特定していく。(もう、制服の制度は防犯上やめたほうがいいのかも)。
(つづく)
目黒署刑事課のメンバーです。
磯部龍彦:27歳。ハサミ男と同じぐらいの年齢。第1章では、彼のひとり語りで物語が進行していく部分があります。髪はまんなか分け。逆三角形の顔。整った顔立ち。背は高い。童顔。頼りなさそう。
下川宗夫:160cm。中2のひとり息子がいる。『長さん』と呼ばれるのがイヤ。(ドリフターズのいかりや長介さんのことでしょう)
上井田嘉暁(かみいだ・よしあき)警部:刑事課長。はげている。立派なあごヒゲがある。温厚で礼儀正しい。
松元順三郎:唯一の喫煙者。偏屈そう(へんくつそう)です。
進藤誠斗(しんどう・まこと):若手。おとなしくて優しい。
村木晴彦:巡査部長。30代後半。天然パーマ。手足がひょろ長い。クラシック音楽マニア。冷笑的。いつも超然としている。ときおり突拍子もない行動に出る。予想不可能な性格。
10月17日金曜日:ハサミ男は、早退した。樽宮由紀子の尾行。
カリカチュア:漫画、風刺画
ブランド品のスーツを着た40歳前後の男:援助交際の相手か。
ハサミ:仕事場から盗んだ。仕事場の備品。(なぜ、凶器がハサミなのだろうか)。
11月1日土曜日:尾行する。
高橋:アルバイト。のっぽ。
キルモア:殺鼠剤(さっそざい)
プラシーボ効果:偽薬で効果がみられる。気持ちのもちよう。
ロマン主義者:情緒的、感情的な人。
ハサミ男の主治医は、ハサミ男が殺人犯人であることを知っている。
主治医は、仮想のドクターなのではないか。
『チョキ、チョキ、チョキ…… 三人目の犠牲者が出る……』
おふらんど:学芸大学駅のすぐそばの喫茶店。
アヤコ:樽宮由紀子の友人。高校生。
自由が丘駅の近くにある映画館。上映中の映画は、『地下鉄のザジ』。
11月4日火曜日:二日ぶりに出勤する。
平成15年(2003年)11月11日火曜日午後9時40分頃:東京都目黒区鷹番四丁目にある西公園の茂みの中で、鷺宮由紀子が殺されていた。首にビニール紐(ひも)、絞殺後、首にハサミが突き立てられていた。
ハサミ男の手口で殺されていたが、第一発見者は、ハサミ男であり、ハサミ男は真犯人ではない。鷺宮由紀子の首に刺さっていたハサミは、ハサミ男がその時、かばんの中にもっていたハサミと同じものであった。ハサミ男は、ごまかすために、そのハサミを公園の茂みに捨てた。
ハサミ男はまた、鷺宮由紀子の足もとに、なにやら、『小さく光るもの』を見つけたが、小説では、そのあと、詳記(しょうき。くわしい説明)はされない。(その後:金属製のガスライター。『K』のイニシャル彫り込みありとわかる)。
マルサイ:警視庁科学捜査研究所内に新設された犯罪心理分析官職。サイコアナリシス:成人分析。サイコメトリックス:心理測定法。
広域連続殺人犯エ十二号:マスコミが付けた通称が、『ハサミ男』。
(つづく)
ハサミ男の自殺願望の理由がわかりません。自分はこの世に存在していてはいけない人間だと自分で定義づけしているのだろうか。自分が存在していると、自分がだれかを殺してしまう。(ターゲットは女子高生というのもなにか理由があるのか)。
ディクスン・カー:アメリカ合衆国の推理小説家。密室殺人を素材にする。
11月14日金曜日:第一回捜査会議開催。
堀之内靖治(ほりのうち・やすはる):40歳手前の年齢。科捜研の犯罪心理分析官(マルサイ)。大学講師のように見える。髪はまんなか分け。丸顔。
警視庁捜査一課長:パンチ・ドランカー(ボクシングで、相手にパンチをもらいすぎ)のブルドッグみたいな顔。特別捜査本部の総責任者。
索状物(さくじょうぶつ):ひものようなもの。
死亡推定時刻は、11月11日午後8時から8時20分の間。
白皙(はくせき)の検事:皮膚の色が白い検事。
快楽殺人者:苦しむ姿が楽しい。本人がもつ固定観念。無意識の衝動。
第三の殺人は、ハサミ男による可能性は75%(100%ではない)
犯人は、知能指数が高い(ただし、真犯人は、ハサミ男ではない)、慎重かつ周到で、学習能力がある。
11月14日:ハサミ男は、アルバイトを休む。ハサミ男は、仕事で得た資料で、樽宮家へ電話をかけて、犠牲者の母親樽宮とし恵と話して、葬儀の日取りを聞いた。11月15日午後2時から。春藤斎場にて(しゅんどうさいじょう)。
(つづく)
岩佐邦馬(いわさ・くにま):私立葉桜学園高校の体育教師。35歳独身。
長谷川:葬儀の世話人。60代前半。
黒梅夏絵(くろうめ・なつえ):週刊アルカナ編集部所属のフリーライター(正社員ではない)
250ページまで読みました。全体の半分ぐらいの位置です。全体で502ページあります。
読んでいて、真犯人のめぼしはまだつきません。まだ、情報が足りません。
だれかが、人を殺したのですが、犯行をハサミ男がしたものとみせかけています。
本物のハサミ男は、自分の名前をかたって人殺しをしたのが、だれなのかを知ろうとしています。
ただ、考えてみると、ハサミ男が偽装犯人を警察に通報しようとすると、自分がハサミ男であることが警察にばれてしまいます。さて、そのへんを物語の中で、どう処理するのだろうか。
読んでいて、なんとなく、うすうす気づいていましたが、被害者の家庭がいろいろわけありであり、被害者自身も問題ありです。
連れ子同士をともなっての再婚には、読んでいるうちに気づきました。また、本人が援助交際を積極的にしていることにも気づきました。だれかが、なにかしらの不都合があって女子高生を殺して、その行為をハサミ男がやったことにしようとしたのです。
女子高生樽宮由紀子は、お金欲しさで、接客相手を脅していた(おどしていた)というパターンがひとつあります。
親族間のもつれがからんでいたというパターンもあります。
話のつくりを推理する小説という位置づけで文章を読んでいます。
なぜ凶器が、『ハサミ』なのかにも興味が湧きます。
ハサミ男の心理として、『わたしの内側は、からっぽだ』。
アヤコ(椿田亜矢子)という同級生が、鍵を握っている。
周囲の人間の現実的な話が書いてあります。
女子高生殺人事件は、関係者にとっては悲劇ですが、騒ぎ立てる、あおりたてるマスコミ関係者と捜査する警察関係者にとっては、仕事です。仕事だからやっている。給料をもらうためにやっている。
シリアル・キラー:複数の連続殺人犯。異常な心理的欲求をかかえている。
こどもを亡くした直後の親の心理として:『……子供といっしょに何かが死んでしまったようなんだ。とても大事なにかが。』
人間のその時の心理を観察するために、その人間の手の動きを見る。
犯罪心理分析は、心理がどうなのかを考える学問ではなく、『統計学』だそうです。たくさんのサンプルを集めて分析して、こういうときは、こうだという傾向を研究して参考にする。プロファイリング=横顔を描く。こういうふうだから、犯人は、こういうふうのパターンが多いと考える。
動機がないのに、殺人を繰り返す人間がいる。
『正社員になる気はありませんか』(ハサミ男にかけられた言葉です)。
<世界は誤解と錯覚で成り立っている(女ひとりで世界を旅した人の言葉です。以前旅行記の本で読みました)>
犯人検挙のためには、物的証拠が大事。
(つづく)
402ページまで読みました。
日高光一:26歳。さて、誰でしょう。髪の毛の生え際(はえぎわ)が後退している。体重が90キロから100キロぐらい。誰なのかはここには書けません。
喫茶『おふらんど(フランス語で、「捧げ物(ささげもの)」という意味』の店主50歳ぐらい。自家製ミートパイがお勧めの商品。
精神分析医:丸い眼鏡をかけている。土に汚れた白衣を着ている。もぐらの顔をしている。
樽宮由紀子は、ロックバンドの音楽が好きだった。
解離性人格障害(かりせいじんかくしょうがい):多重人格。
鍵を握るポイントとして、『金属製ライターにあったイニシャル「K」』、ライターと関連づけて、『喫煙者』、そして、わたしは、『ハサミ』と考えます。
刑事の進藤が使っているカメラが、デジカメではなく、フィルムカメラのようです。時代を感じました。
読んでいて思ったことです。悪意をもった善意というのはあります。
相手ができないことがわかっているのに、親切そうに声をかけて、相手ができなくて困っているようすをみて楽しむのです。やっかいなのは、加害者の立場にある者が、その行為を無意識にやっていることです。
真実を伝えることがジャーナリズムではない。
パターンをつくって、ドラマチックな報道をして、お金もうけをすることがジャーナリズムである。
ジャーナリズム:新聞、雑誌、放送などの報道活動。
ニヒリスト:虚無主義者(きょむしゅぎしゃ)。なにもないとする。すべて、無価値である。
母と娘の関係に、『異常』あり。
容疑者の目撃者探しのあたりの記述に不自然さを感じました。目撃者が、見つかりそうなものなのに、なかなか見つかりません。いくら、人海戦術によるローラー作戦がやれないとはいえ、駅近くにいつもいる目撃者をいつまでたっても見つけられないというのは不自然です。
住宅地図を持って聞き込みをします。今もそうだろうか。違うような気がします。う~む。わからない。
喫煙の話がたびたび出てきます。
たぶん作者も喫煙者なのでしょう。
真犯人がだれなのか、いつまでたってもわからない390ページあたりです。
時間が流れて、雪が降ってきました。
冬が始まったのです。
フランス革命:1789年-1795年。貴族+高級聖職者VS商工業者+金融業者。王制が崩壊した。『シゾー・オム、ア・ラ・ランテルヌ!』フランス語で、『ハサミ男を街灯に吊るせ!(つるせ)』。
どうして人を殺してはいけないのか:人が死ぬところを見ると不愉快になるから。たんなる不快感。
読んでいて、阿部サダヲさんの映画を思い出しました。
『死刑にいたる病(やまい) 邦画 2022年(令和4年) 2時間9分 動画配信サービス』
こちらの映画は、阿部サダヲさんが、連続殺人鬼を演じます。17歳・18歳のまじめでおとなしく学力優秀な高校生である男女23人と、26歳の成人女性1人を殺した罪で、死刑判決を受けて服役中です。
400ページあたり、自問自答をする文章が続きます。読みながら、『引用が多い』と感じていたら、401ページに、『……ぼくには、引用癖がついたようです!……』と文章があり笑いました。
(つづく)
すべて読み終わりました。
う~む。これでいいのだろうか。これでいいのでしょう。わたしは、本格的な推理小説マニアではないので否定する力がありません。これでいいのです。
ハサミ男の正体が判明します。
ここには書きません。
よくわからない内容の文章が続きます。本自体が多重人格です。
ハサミ男は豪快です。
こんがらがって混乱する422ページあたりです。
だれが話をしているのかわからない。
現実と幻(まぼろし)が、同じ空間に存在する。
女子高生は、男たちを相手に実験をしていた。
なんというか、事実がわからない文章です。
現実と幻想が入り混じった内容の文章になっているのではないか。
刑事課職員のチームワークと真実の追求があります。
この終わり方でいいのだろうか。
496ページの位置にいます。あと5ページで終わります。
『不幸』があります。
『悪魔』あるいは、『悪党』のような人間が生き続けます。
人間と言うよりも、『人格』が生き延びます。
(参考・引用文献の部分を読みました)
鶴見済(つるみ・わたる)『完全自殺マニュアル』(太田出版)は、読んだことがあります。2022年12月22日に長い感想メモがあります。自殺防止が目的の本です。
2024年11月10日
とんでもない 鈴木のりたけ
とんでもない 鈴木のりたけ アリス館
油絵のようなタッチ(筆致)の絵本です。
『サイ』の後ろ姿から始まります。
自転車にのった『サイ』が、ペダルをこぐ後ろ姿がかわいい。
のっている『サイ』は、ママさんだろうか? パパさんだろうか? わかりません。
ページをめくって意外です。
海辺の町の風景画が出てきました。
日本各地の海岸線に似たような風景があります。
少年である『ぼく』が、一戸建ての二階にある自分の部屋で、窓辺で頬づえをつきながら、なにやらぶつぶつ不満をつぶやいています。
自分は平凡だ。なにかしらずばぬけた能力があるわけでもない。
『サイ』はいいなあ。よろいのような体がかっこいいなあ。
そんなことをつぶやいています。
読み終えてわかるのですが、連鎖の回転が始まります。
少年の自宅のお隣に、『サイ』が住む家がある?
なんか、変な絵があります。
おもしろい!
『サイ』が部屋の中でイスにこしかけて話します。
『とんでもない』
わたしにも苦労があるんだよ。(おもしろい)
『サイ』は、『うさぎ』がうらやましい。
ほう。
『うさぎ』になりたいようなことを言った『サイ』の次は、『うさぎ』です。
読んですぐにぱっと理解できるものでもないのですが、『うさぎ』が語ります。
『うさぎ』にも苦労があるのです。
『うさぎ』は、『くじら』がうらやましい。
『くじら』の絵の構図がすごい。
見開き2ページのすべてが『くじら』の顔に見えます。
ブルーの色がきれいです。
海の中で暮らすのにも苦労があるのです。
『くじら』は、『きりん』がうらやましいそうです。
おもしろい!
『きりん』の顔が、煙突(えんとつ)から出ています。
帰宅しても首が長すぎて困るらしい。
絵がリアルです。
『きりん』が生きているみたいです。
『きりん』は、『とり』みたいに空へ舞い上がりたい。
『とんでもない』
『とり』は、地面の上で暮らしたいそうです。
地面の上には、エサがたくさんあるからだそうです。
でも、『とり』を襲う敵も多いから、敵につかまらないように空を飛んでいるそうです。
『とり』は、強い『ライオン』になりたい。
ページをめくったら、『ライオン』が出てくると思ったのに違っていました。
たくさんの『ねこ』が、公園広場の草地の上にいます。にゃー にゃー。
ついに、『らいおん』が出てきました。
『らいおん』にもお悩みがあるのかと思ったら、なさそうです。『うん まあ そうかもね(強いから襲われることがない)』
ストーリーが進む中で、リズムの変化がありました。おもしろい。
そんなことを言っていた『男らいおん』の頭に、『パコンッ』と、『らいおんの奥さん』からのお玉(台所の)叩き(たたき)が飛んできました。
『男らいおん』は、狩りをしません。『女らいおん』が、狩りをします。奥さんは、獲物を追いかけるのもたいへんだと主張します。
『奥さんらいおん』は、『人間のこども』がうらやましい。人間のこどもは、家でひっくりかえって本でも読んでいればいい気楽な身分だみたいなことを言います。
ここまで読んで、この絵本を親戚の男の子にプレゼントすることにしました。
3歳半ぐらいですが、楽しんでもらえそうです。
いい絵本でした。
港に近い山の上にある住宅地の夜景がきれいです。
いいなあ。
夜の『サイ』の姿、『サイ』は自転車にまたがってペダルをこいでいます。
読み終えて、おまけのクイズもありました。
ちょっとむずかしい問題もありました。
第1問の答である、『うさぎが描いてあるポスター』が、わたしには見えません。老眼のせいだろうか。
油絵のようなタッチ(筆致)の絵本です。
『サイ』の後ろ姿から始まります。
自転車にのった『サイ』が、ペダルをこぐ後ろ姿がかわいい。
のっている『サイ』は、ママさんだろうか? パパさんだろうか? わかりません。
ページをめくって意外です。
海辺の町の風景画が出てきました。
日本各地の海岸線に似たような風景があります。
少年である『ぼく』が、一戸建ての二階にある自分の部屋で、窓辺で頬づえをつきながら、なにやらぶつぶつ不満をつぶやいています。
自分は平凡だ。なにかしらずばぬけた能力があるわけでもない。
『サイ』はいいなあ。よろいのような体がかっこいいなあ。
そんなことをつぶやいています。
読み終えてわかるのですが、連鎖の回転が始まります。
少年の自宅のお隣に、『サイ』が住む家がある?
なんか、変な絵があります。
おもしろい!
『サイ』が部屋の中でイスにこしかけて話します。
『とんでもない』
わたしにも苦労があるんだよ。(おもしろい)
『サイ』は、『うさぎ』がうらやましい。
ほう。
『うさぎ』になりたいようなことを言った『サイ』の次は、『うさぎ』です。
読んですぐにぱっと理解できるものでもないのですが、『うさぎ』が語ります。
『うさぎ』にも苦労があるのです。
『うさぎ』は、『くじら』がうらやましい。
『くじら』の絵の構図がすごい。
見開き2ページのすべてが『くじら』の顔に見えます。
ブルーの色がきれいです。
海の中で暮らすのにも苦労があるのです。
『くじら』は、『きりん』がうらやましいそうです。
おもしろい!
『きりん』の顔が、煙突(えんとつ)から出ています。
帰宅しても首が長すぎて困るらしい。
絵がリアルです。
『きりん』が生きているみたいです。
『きりん』は、『とり』みたいに空へ舞い上がりたい。
『とんでもない』
『とり』は、地面の上で暮らしたいそうです。
地面の上には、エサがたくさんあるからだそうです。
でも、『とり』を襲う敵も多いから、敵につかまらないように空を飛んでいるそうです。
『とり』は、強い『ライオン』になりたい。
ページをめくったら、『ライオン』が出てくると思ったのに違っていました。
たくさんの『ねこ』が、公園広場の草地の上にいます。にゃー にゃー。
ついに、『らいおん』が出てきました。
『らいおん』にもお悩みがあるのかと思ったら、なさそうです。『うん まあ そうかもね(強いから襲われることがない)』
ストーリーが進む中で、リズムの変化がありました。おもしろい。
そんなことを言っていた『男らいおん』の頭に、『パコンッ』と、『らいおんの奥さん』からのお玉(台所の)叩き(たたき)が飛んできました。
『男らいおん』は、狩りをしません。『女らいおん』が、狩りをします。奥さんは、獲物を追いかけるのもたいへんだと主張します。
『奥さんらいおん』は、『人間のこども』がうらやましい。人間のこどもは、家でひっくりかえって本でも読んでいればいい気楽な身分だみたいなことを言います。
ここまで読んで、この絵本を親戚の男の子にプレゼントすることにしました。
3歳半ぐらいですが、楽しんでもらえそうです。
いい絵本でした。
港に近い山の上にある住宅地の夜景がきれいです。
いいなあ。
夜の『サイ』の姿、『サイ』は自転車にまたがってペダルをこいでいます。
読み終えて、おまけのクイズもありました。
ちょっとむずかしい問題もありました。
第1問の答である、『うさぎが描いてあるポスター』が、わたしには見えません。老眼のせいだろうか。
2024年11月01日
わたしの、本のある日々 小林聡美
わたしの、本のある日々 小林聡美(こばやし・さとみ) 毎日文庫
著者は読書家だと思って読み始めましたが、書いてあることは反対です。
本はあまり読まない。本屋にもあまり行かない。僭越(せんえつ)きわまりないとあります。せんえつ:出過ぎたこと。
この本の成り立ちです。
2016年(平成28年)から、週刊誌、『サンデー毎日』に、月に一度連載してきたものをまとめた。月に2冊読んで、それについてなにかしらを書いた。
連載は、約6年間続いた。
2021年(令和3年)に単行本が出た。
2024年(令和6年)に文庫本が出た。
5つのくくりがあって、たくさんの項目があります。
『Ⅰ 出会いと気づきの日々』、『Ⅱ 言葉のふしぎ』、『Ⅲ 先輩たちの本』、『Ⅳ 愉しいひとり暮らし(たのしいひとりぐらし)』、『Ⅴ それからの日々』とあります。
『Ⅰ 出会いと気づきの日々』
たくさんの短い文章が並んでいます。文のかたまりひとつずつに2冊、本の紹介があります。
全体で、318ページあります。読んで、わたしが関心をもった部分について、書いてみます。
猫の7歳は人間でいうと44歳だそうです。著者の飼い猫ですが、体重が7kgもあるそうです。
そういえば、NHKBSドラマ、『団地のふたり』で著者と共演している小泉今日子さんも愛猫家でした。お互いに話が合うのでしょう。
そのドラマがきっかけで、先日は小泉今日子さんのエッセイ本を読みました。『黄色いマンション 黒い猫 小泉今日子 新潮文庫』でした。赤裸々(せきらら。ありのまま)に実生活について書いてあったのでびっくりしました。
秋田の乳頭温泉(にゅうとうおんせん):秋田県と岩手県の県境、秋田県の田沢湖の東にある。標高600m~800mに位置する。
シンプルな文章です。ゆえに、脳みそに残らないということはあります。
う~む。内容がどうかなあ。エッセイとしての出来栄えが浅いような。
横尾忠則さん(グラフィックデザイナー。1936年(昭和11年)生まれ。88歳)が、70歳になったときに、『したいことしかしない』と決めたそうです。したくないことをしていたことに違和感があられたようです。わたしも、そうありたい。
『テレビのニュースは大抵(たいてい)うんざりするものばかりで……』(同感です。あおりすぎです。あおる:おおげさに騒ぐ。大騒ぎする。なんというか、かれらは、テレビとか投資で、未来はこうなるとか予測を強い調子で言いますが、わたしはそういったことを信じません。かれらは、予想がはずれても知らん顔をしています。そして、かれらの予想はたいていはずれます。
本では、この部分のエッセイに、『急がない人生』とタイトルが付けられています。
紹介されている本で、自分も読んでみようと思った本です。(以降あとから読んだ文章の分も追加していきます)
『ぼくの鳥あげる 佐野洋子・作 広瀬弦・絵 幻戯書房(げんきしょぼう)』(絵本作家の佐野洋子さんも亡くなってしまいました。2010年(平成22年)。72歳没。代表作として、『百万回生きたねこ』)。
『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか 堀内都喜子 ポプラ新書』
『ねこはい』と、『ねこはいに』、南伸坊 青林工藝社(せいりんこうげいしゃ)
『倍賞千恵子の現場 倍賞千恵子 PHP新書』
『私は私のままで生きることにした キム・スヒョン ワニブックス』
『いやよいやよも旅のうち 北大路公子 集英社文庫』
『ぼくは犬や ペク・ヒナ ブロンズ新社』と、『あめだま ペク・ヒナ ブロンズ新社』
『神さまの貨物 ジャン=クロード・クランベール 河野万里子・訳 ポプラ社』
著者は、2019年に、フィンランドと日本の外交関係樹立百周年記念の親善大使のひとりに任命されたそうです。
フィンランド人は自分の時間を大切にする。家族と過ごす。趣味を楽しむ…… 上下関係をつくらない、性別関係なく平等の機会がある…… とあります。
いろんな本をたくさん紹介してくれる本です。
本を、『観察』してあります。
『Ⅱ 言葉のふしぎ』
ハイブロウ:教養や学識のある人。
俳句はけして、年寄りのものではない。
『ふたつの夏 谷川俊太郎・佐野洋子 小学館』という本が紹介されています。
以前、佐野洋子さんの文章を読んだことがあります。谷川俊太郎さんが、自分を追いかけてくるので怖い。逃げなきゃ、みたいな趣旨で書いてありました。おふたりは夫婦だったのですが、離婚されています。人生いろいろあります。(婚姻期間1990年(平成2年)-1996年(平成8年))
スピリチュアルについて宇宙をからめた本のことが書いてあります。わたしはスピリチュアルを信用しません。
なにもないところに、なにかがあるようなことにして、なにもないのに悩む。
時間のムダです。なにもないのに悩むことはありません。ないのに、あるとするから、混乱するのです。ないものは、ないのです。
猫の話が多い。
メラミンスポンジ:メラミンフォームという素材でつくられているスポンジのこと。水あかを落とすのに効果がある。
『Ⅳ 愉しいひとり暮らし(たのしいひとりぐらし)』
燻し銀(いぶしぎん):加工して灰色にした銀細工。華やかさはないが、実力や魅力がある。
著者は、ひとり者のせいか、『ひとりで暮らす本』の紹介が多い。(三谷幸喜さんと結婚されていたことは初めて知りました。離婚されています)
それから、猫好きで、猫の本が多い。
あと、フィンランドに関する本が多い。
フィンランドには、『シス』というものがあるそうです。シス:決してあきらめず、安易な道に逃げない強い心、困難に立ち向かう勇敢さ、忍耐、不可能を可能にする、氷のように冷たい決意=折れない心だそうです。
そして、俳句の話題が多い。
『Ⅴ それからの日々』
テレビ画面の字幕機能について書いてあります。
著者は、自分でテレビ画面に字幕を出すように設定するのですが、そのこととは別にして、わたしは、テレビ画面の文字表示がうっとうおしいと感じている人です。
小さな親切大きなお世話です。画面に文字やデータ(とくに野球中継のときがうっとおしい)がいっぱいすぎて、見たい映像がだいなしです。だから、テレビ画面を見るときは、文字を見ないようにしています。
甘いものが好き。両親は糖尿病だそうです。
長生きの話が出ます。
『巻末対談 酒井順子×小林聡美 わたしたちの、本のある日々』
内容は、あちこち話が飛んで、あまり中身がありませんでした。
全国各地で暮らしたことがないおふたりです。
おふたりとも、東京以外には住んだことがないそうです。
地理的なこととして、人生における世界は狭くなります。
おふたりとも、狭く深い世界で暮らされていると感じたのです。
著者は読書家だと思って読み始めましたが、書いてあることは反対です。
本はあまり読まない。本屋にもあまり行かない。僭越(せんえつ)きわまりないとあります。せんえつ:出過ぎたこと。
この本の成り立ちです。
2016年(平成28年)から、週刊誌、『サンデー毎日』に、月に一度連載してきたものをまとめた。月に2冊読んで、それについてなにかしらを書いた。
連載は、約6年間続いた。
2021年(令和3年)に単行本が出た。
2024年(令和6年)に文庫本が出た。
5つのくくりがあって、たくさんの項目があります。
『Ⅰ 出会いと気づきの日々』、『Ⅱ 言葉のふしぎ』、『Ⅲ 先輩たちの本』、『Ⅳ 愉しいひとり暮らし(たのしいひとりぐらし)』、『Ⅴ それからの日々』とあります。
『Ⅰ 出会いと気づきの日々』
たくさんの短い文章が並んでいます。文のかたまりひとつずつに2冊、本の紹介があります。
全体で、318ページあります。読んで、わたしが関心をもった部分について、書いてみます。
猫の7歳は人間でいうと44歳だそうです。著者の飼い猫ですが、体重が7kgもあるそうです。
そういえば、NHKBSドラマ、『団地のふたり』で著者と共演している小泉今日子さんも愛猫家でした。お互いに話が合うのでしょう。
そのドラマがきっかけで、先日は小泉今日子さんのエッセイ本を読みました。『黄色いマンション 黒い猫 小泉今日子 新潮文庫』でした。赤裸々(せきらら。ありのまま)に実生活について書いてあったのでびっくりしました。
秋田の乳頭温泉(にゅうとうおんせん):秋田県と岩手県の県境、秋田県の田沢湖の東にある。標高600m~800mに位置する。
シンプルな文章です。ゆえに、脳みそに残らないということはあります。
う~む。内容がどうかなあ。エッセイとしての出来栄えが浅いような。
横尾忠則さん(グラフィックデザイナー。1936年(昭和11年)生まれ。88歳)が、70歳になったときに、『したいことしかしない』と決めたそうです。したくないことをしていたことに違和感があられたようです。わたしも、そうありたい。
『テレビのニュースは大抵(たいてい)うんざりするものばかりで……』(同感です。あおりすぎです。あおる:おおげさに騒ぐ。大騒ぎする。なんというか、かれらは、テレビとか投資で、未来はこうなるとか予測を強い調子で言いますが、わたしはそういったことを信じません。かれらは、予想がはずれても知らん顔をしています。そして、かれらの予想はたいていはずれます。
本では、この部分のエッセイに、『急がない人生』とタイトルが付けられています。
紹介されている本で、自分も読んでみようと思った本です。(以降あとから読んだ文章の分も追加していきます)
『ぼくの鳥あげる 佐野洋子・作 広瀬弦・絵 幻戯書房(げんきしょぼう)』(絵本作家の佐野洋子さんも亡くなってしまいました。2010年(平成22年)。72歳没。代表作として、『百万回生きたねこ』)。
『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか 堀内都喜子 ポプラ新書』
『ねこはい』と、『ねこはいに』、南伸坊 青林工藝社(せいりんこうげいしゃ)
『倍賞千恵子の現場 倍賞千恵子 PHP新書』
『私は私のままで生きることにした キム・スヒョン ワニブックス』
『いやよいやよも旅のうち 北大路公子 集英社文庫』
『ぼくは犬や ペク・ヒナ ブロンズ新社』と、『あめだま ペク・ヒナ ブロンズ新社』
『神さまの貨物 ジャン=クロード・クランベール 河野万里子・訳 ポプラ社』
著者は、2019年に、フィンランドと日本の外交関係樹立百周年記念の親善大使のひとりに任命されたそうです。
フィンランド人は自分の時間を大切にする。家族と過ごす。趣味を楽しむ…… 上下関係をつくらない、性別関係なく平等の機会がある…… とあります。
いろんな本をたくさん紹介してくれる本です。
本を、『観察』してあります。
『Ⅱ 言葉のふしぎ』
ハイブロウ:教養や学識のある人。
俳句はけして、年寄りのものではない。
『ふたつの夏 谷川俊太郎・佐野洋子 小学館』という本が紹介されています。
以前、佐野洋子さんの文章を読んだことがあります。谷川俊太郎さんが、自分を追いかけてくるので怖い。逃げなきゃ、みたいな趣旨で書いてありました。おふたりは夫婦だったのですが、離婚されています。人生いろいろあります。(婚姻期間1990年(平成2年)-1996年(平成8年))
スピリチュアルについて宇宙をからめた本のことが書いてあります。わたしはスピリチュアルを信用しません。
なにもないところに、なにかがあるようなことにして、なにもないのに悩む。
時間のムダです。なにもないのに悩むことはありません。ないのに、あるとするから、混乱するのです。ないものは、ないのです。
猫の話が多い。
メラミンスポンジ:メラミンフォームという素材でつくられているスポンジのこと。水あかを落とすのに効果がある。
『Ⅳ 愉しいひとり暮らし(たのしいひとりぐらし)』
燻し銀(いぶしぎん):加工して灰色にした銀細工。華やかさはないが、実力や魅力がある。
著者は、ひとり者のせいか、『ひとりで暮らす本』の紹介が多い。(三谷幸喜さんと結婚されていたことは初めて知りました。離婚されています)
それから、猫好きで、猫の本が多い。
あと、フィンランドに関する本が多い。
フィンランドには、『シス』というものがあるそうです。シス:決してあきらめず、安易な道に逃げない強い心、困難に立ち向かう勇敢さ、忍耐、不可能を可能にする、氷のように冷たい決意=折れない心だそうです。
そして、俳句の話題が多い。
『Ⅴ それからの日々』
テレビ画面の字幕機能について書いてあります。
著者は、自分でテレビ画面に字幕を出すように設定するのですが、そのこととは別にして、わたしは、テレビ画面の文字表示がうっとうおしいと感じている人です。
小さな親切大きなお世話です。画面に文字やデータ(とくに野球中継のときがうっとおしい)がいっぱいすぎて、見たい映像がだいなしです。だから、テレビ画面を見るときは、文字を見ないようにしています。
甘いものが好き。両親は糖尿病だそうです。
長生きの話が出ます。
『巻末対談 酒井順子×小林聡美 わたしたちの、本のある日々』
内容は、あちこち話が飛んで、あまり中身がありませんでした。
全国各地で暮らしたことがないおふたりです。
おふたりとも、東京以外には住んだことがないそうです。
地理的なこととして、人生における世界は狭くなります。
おふたりとも、狭く深い世界で暮らされていると感じたのです。
2024年10月30日
こどもかいぎ 北村裕花
こどもかいぎ 北村裕花(きたむら・ゆうか ) フレーベル館
こどもさんが読む絵本です。
会議の議長であるけんたの、『おっほん……』から始まりました。
「おっほん」という言葉を久しぶりに聞きました。古い表現です。
メンバーは6人です。けんた、あゆみ、まさと、みか、りく(男子)、らん(女子)です。
議題(話し合うテーマ)です。
『おこられたときは、どうしたらいいか?』
けんたが、『きょうの おだいは……』と話し始めました。
「おだい」という言葉も古い。今どき聞きません。落語のお題(おだい)のようです。
作者は年配の人だろうかと思ったら、そうでもない方だったので不思議です。1983年(昭和58年)栃木生まれの女性です。
おこられたときには……
あやまる。(謝る)。
コラー!って、おこられるそうです。
「コラー!」もまた古い表現だと思いました。
おこられたときは……
泣く。
笑ってごまかす。
(いろいろあります。歳をとると怒られる(おこられる)こともなくなります。年寄りにおこってくる相手は、自分のこどもぐらいです。
年金生活者は、とりあえず、死ぬまで生きるだけです。だんだん感情が薄くなっていきます。おこられてもなにも感じません。なんだったぁ?です。
とあるこどもさんから訴えがあります。
手洗いをしないと親におこられるそうです。
(そうかな。今どきは、おふろに入らない女の人が増えたと聞きました。シャワーだけです)
ピーマンを残すと、おとうさんに叱られるそうです。(しかられる)
(設定が古いような。ピーマンで怒る(おこる)父親はいないような気がします)
(ピーマンを食べなくても人間は死なない)
なんだか、会議じゃありません。
それぞれが、自分の親が一番怖いと(こわい)主張します。
ストーップ!
議長役のけんたが、発言を止めました。
けんたが、軌道修正をしました。
『おこられたときには、どうしたらいいのか』についての話し合いです。
らんさんの答えです。
『ぎゅっとする(親にだきつく。だきしめる)』
スキンシップです。
ぎゅとしたあとで、ごめんなさいという。
会議が終わりに近づきました。
絵本の絵で、会議をしている場所が、幼稚園(わかばえん)の教室であることがわかりました。
設定は、小学生低学年だと思って読んでいました。幼稚園の年長さんですな。(6歳)
ページをめくると、園庭のようすです。この絵が、最初にあったほうがわかりやすい。
おこられたら、ママにだきついて、ごめんなさいという。ママに甘える。
けっこうむずかしい解決法です。
こどもを攻撃してくるママもいます。
あしたの会議では、結果報告ですな。
こどももたいへんです。
こどもさんが読む絵本です。
会議の議長であるけんたの、『おっほん……』から始まりました。
「おっほん」という言葉を久しぶりに聞きました。古い表現です。
メンバーは6人です。けんた、あゆみ、まさと、みか、りく(男子)、らん(女子)です。
議題(話し合うテーマ)です。
『おこられたときは、どうしたらいいか?』
けんたが、『きょうの おだいは……』と話し始めました。
「おだい」という言葉も古い。今どき聞きません。落語のお題(おだい)のようです。
作者は年配の人だろうかと思ったら、そうでもない方だったので不思議です。1983年(昭和58年)栃木生まれの女性です。
おこられたときには……
あやまる。(謝る)。
コラー!って、おこられるそうです。
「コラー!」もまた古い表現だと思いました。
おこられたときは……
泣く。
笑ってごまかす。
(いろいろあります。歳をとると怒られる(おこられる)こともなくなります。年寄りにおこってくる相手は、自分のこどもぐらいです。
年金生活者は、とりあえず、死ぬまで生きるだけです。だんだん感情が薄くなっていきます。おこられてもなにも感じません。なんだったぁ?です。
とあるこどもさんから訴えがあります。
手洗いをしないと親におこられるそうです。
(そうかな。今どきは、おふろに入らない女の人が増えたと聞きました。シャワーだけです)
ピーマンを残すと、おとうさんに叱られるそうです。(しかられる)
(設定が古いような。ピーマンで怒る(おこる)父親はいないような気がします)
(ピーマンを食べなくても人間は死なない)
なんだか、会議じゃありません。
それぞれが、自分の親が一番怖いと(こわい)主張します。
ストーップ!
議長役のけんたが、発言を止めました。
けんたが、軌道修正をしました。
『おこられたときには、どうしたらいいのか』についての話し合いです。
らんさんの答えです。
『ぎゅっとする(親にだきつく。だきしめる)』
スキンシップです。
ぎゅとしたあとで、ごめんなさいという。
会議が終わりに近づきました。
絵本の絵で、会議をしている場所が、幼稚園(わかばえん)の教室であることがわかりました。
設定は、小学生低学年だと思って読んでいました。幼稚園の年長さんですな。(6歳)
ページをめくると、園庭のようすです。この絵が、最初にあったほうがわかりやすい。
おこられたら、ママにだきついて、ごめんなさいという。ママに甘える。
けっこうむずかしい解決法です。
こどもを攻撃してくるママもいます。
あしたの会議では、結果報告ですな。
こどももたいへんです。
2024年10月28日
黄色いマンション 黒い猫 小泉今日子
黄色いマンション 黒い猫 小泉今日子 新潮文庫
今、毎週日曜日夜10時からあるNHKBSドラマ、『団地のふたり』を楽しみに観ています。
主人公役を務める小泉今日子さんと小林聡美さんが、それぞれエッセイ本を出されていることを知りました。まず、小泉今日子さんの本を先に読んでみます。
令和3年(2021年)12月1日に発行された文庫本です。単行本は、平成28年(2016年)4月にスイッチ・パブリッシングから刊行されています。
197ページに、この本のもとになるエッセイの連載は、2007年(平成19年)から2016年(平成28年)だったと書いてあります。雑誌、『SWITCH』の『原宿百景』。
『はじめに』があって、35本のエッセイがあって、『あとがきのようなもの』があります。エッセイ:随筆。散文(さんぶん。気楽な文章)。
著者は、1966年(昭和41年)生まれ、デビューは、16歳のとき、1982年(昭和57年)です。
『はじめに』
東京原宿について書いてあります。原宿に愛情、愛着をもたれています。
新宿と渋谷の間にあって、明治神宮の東にある地域です。
18歳から21歳までの4年間、原宿でひとり暮らしをされていたそうです。(73ページの記事)
『黄色いマンション 黒い猫』
読み終えて、絶句します。ぜっく:言葉が出てこない。
なんと感想を書いていいのかわかりません。
アイドルという仕事はたいへんです。
深夜放送の仕事が終わって、放送局から原宿あたりにある自宅マンションに帰る。
帰宅する車をファンに追跡される。
ある日、ドアを開けると、ダンボールの中に両目をつぶされた黒い子猫が入れられていた。
子猫を抱いていたら、子猫が逃げて、階段の7階から落下していった。
あわてて階下へ行ったが、子猫の姿はなかった。見つからなかった。
そんなことが書いてあります。
わたしが思うに、猫をダンボールに入れた人間は、ようすをずっと見ていたと思うのです。その者が、死んだ子猫を回収したと思うのです。ひどいことをする人間がいます。
ここまで読んで、著者は、外国も含めて、全国各地をあちこち飛び回るのでしょうが、とても狭い世界の中で生きて来た人に思えてきます。芸能界という世界です。
『スクーターズとチープ・トリック』
チンコおじさん:小田急線本厚木駅北口にある彫像(ほんあつぎえき)。(グーグルマップの映像で確認できました。円盤投げみたいなかっこうをされています)
ノリコ:男兄弟の中で育っている。
著者:三人姉妹の末っ子。長姉がヨーコさん(8歳年上)。
ヒロコさん:著者の2歳上の姉。著者の天敵。いばる。ばかにする。からだがでかい。口が達者。小さい時から著者とケンカばかりしている。著者は、一度も勝ったことがない。
チープ・トリック:アメリカ合衆国のロックバンド。
サーキュラースカート:円型に生地(きじ)を縫い合わせる。裾(すそ)に向かって広がるスカート。ボリューム感がある。
読んでも、おじいさんのわたしには、わからない内容でした。原宿のことが書いてありました。
『リッチくんのバレンタイン』
けっこう深刻なことが書いてあります。近所に住んでいた幼なじみのリッチくん(ヨーロッパのハーフ)が、青年期に車の中で二酸化炭素ガスを吸って、自殺してしまうのです。
あたしんち→タナカさんち→スガワラさんち→リッチくんち。リッチくんとは、オムツをしているころからの知り合い。同い年。幼稚園、小中学校、高校も同じだった。リッチくんはモテた。
みんなは、強くてかっこいいリッチくんが好きだった。著者は、弱くて悲しいリッチくんを知っていて怖かった。リッチ君は、そのことを知っている著者が怖かったに違いない。
バレンタインデーの話が出ます。モテモテのリッチくんです。
お金があっても、見た目がハンサムでかっこよくても、悲しいことはあります。
『嵐の日も 彼とならば』
ボイストレーナーのコウノ先生のお宅で出るごはんの話です。ふつうのごはんです。ふつうだから心にしみるのです。
歌手発掘番組、萩本欽一さん(きんちゃん)司会の、『スター誕生!』の話が出ます。自分も似たような世代なので、中学・高校のときに、リアルタイムで観ていました。日曜日お昼前の放送だった記憶です。
中学三年生の数学の授業中にクラスメートから、メモのような手紙が回ってきた。スター誕生に応募しようという内容だった。
クラスメートと応募して、オーディションを受けた。
『どこにでもいるような普通の子が、人の目に触れてどんどん垢抜け(あかぬけ)ていくのをまるで身内のような親し気な気分で見守ったりするのも楽しいものだ』と書いてあります。
著者は、予想外に、オーディションに受かってしまった。人生が大きく動き出してしまった。
読んでいて、アイドルは、『商品』だと思う。アイドルを中心において、たくさんの人たちが、収入を分かち合って生活をしていきます。
著者は、日記を書いているのではなかろうか。かなり昔の話です。毎日ではなくても、ぽつりぽつりと、そのときどきの心境を書き残しているものと想像します。
『真剣に親権問題』
驚くほど、家庭内の事情とか人生の流れについて書いてあります。
お父さん自営の会社が倒産して、最終的には、ご両親が別居をして離婚されています。著者中学二年生から別居が始まって、その後、ご家族は、親子がバラバラになるように双方の親と暮らしたり離れたりされていますが、一度別居後は、もうご家族全員でひとつの家で暮らすことはされていません。
ご両親の離婚時、著者は19歳で、離婚届提出時にあたって、著者の親権者を決めて離婚届の用紙に記入しなければなりません。著者の親権者は著者の希望で父親になりました。
今は18歳が成人ですから、19歳なら親権者はいらないのでしょう。
そういえば、高校時代のわたしのクラスにも、親の経営する会社が倒産して、どこかへいってしまった女子がいました。この部分を読んで、忘れていた記憶がよみがえりました。
生(なま)の生活について書いてあります。人間の暮らしが書いてあります。
『ユミさんのお母ちゃん』
実母のことを、『ユミさん』という著者です。著者と実父の距離は近いけれど、実母との距離は少し離れています。実母は、父親以外と恋をする人です。(若い頃は芸者をしていたそうです)。じっさいそういう女性っています。こどもより、男性に寄っていくのです。
母方祖父は、恋をして出奔(しゅっぽん。逃げ出して行方不明)。母方祖母は自殺されたそうです。なんだか、すごいことが書いてあります。現実の生活では、ユミさんにとっての母親が、ユミさんの娘である著者なのです。
『夕暮れの保健室』
著者はよく中学校をサボっていた。途中で帰宅したり、そのあと再び登校したりしていた。(びっくりです)。
ひとりでいるのが好きだった。
タイマン:一対一のケンカ。
『彼女はどうだったんだろう?』
あのころビルから飛び降り自殺をした女性アイドルとのことが書いてあります。40年近く前のことです。
う~む。わたしはそのアイドルのサインを持っていたことがあります。自分は二十代でした。
ただ、もうそのサインは見つかりません。何度か引っ越しをするなかで、なくした覚えはないのですが、どこにあるのかわからなくってしまいました。
ちょっと、ドキッとする文章でした。
『原宿キッス』
たのきんトリオのとしちゃんのことが書いてあります。
なんだかすごいこどものころの体験記です。
中学二年生のときに一家での夜逃げを体験されています。
あとは、勉強は好きではなかった。中学は行ったり行かなかったり、高校はアイドル活動に専念ということで、退学したとか…… けっこう荒れた思春期の生活を体験されています。
お風呂も、電話も、テレビもない生活があります。
テレビで、『三年B組金八先生』を見たかった。(女子中学生が妊娠、出産する内容でした)。
著者は、中学生の時に、妊娠したかもしれないという同級生の友だちと産婦人科に行っておられます。(妊娠はしていなかった。妊娠はしていなかったのに、友だちは残念そうな顔をしていた)。
なんというか、昭和の時代のおおらかさとか、力強さを思い出しました。
たくましく生きている人間たちがいました。
この文庫本は、今年読んで良かった一冊になりそうです。
『天使に会ったのだ』
まあ、思春期の著者にはボーイフレンドがいます。
著者は、優等生ではありません。
ボーイフレンドとは、親しくなって、しばらくたって、なんとなく会わなくなった。
父親が亡くなった。
末期のガンだった。糖尿病で、肺炎になりかけていた。
そしてもうひとりその後亡くなった人がいます。
ボーイフレンドだった人のおかあさんが亡くなっています。
『チャリン、チャリン、チャリン』
今ではふつうに家庭にあるものでも、60年ぐらい前は家にはありませんでした。
電話機(固定電話。黒いダイヤル式電話)、洗濯機、冷蔵庫、テレビ、電子レンジ、テープレコーダー、水洗トイレ、クーラー、エアコン、ビデオデッキ、ビデオカメラ、そして、道は土の状態で、まだアスファルト舗装はされていませんでした。
そんなことが書いてあります。
電話でアイドルの歌を聴けた。著者宅の電話機の横に缶があって、アイドルの歌を聴く時は、通話料として、30円を入れていたそうです。
そういえば、わたしも公衆電話をかけて、アグネス・チャンの歌を何度か聞いたことがあります。
著者は、いつしか、電話機でアイドル歌手の歌を聴く立場から、聴かせる立場に変わるのです。
『海辺の町にて』
いなかの夜道は暗くて怖い。買い物はどうしてもバスを利用するしかないぐらい不便。
東京の街は夜でも明るい。怖くはない。(こわくはない)。
いなかの夜は、月や星が美しい。
18歳から21歳までの4年間、著者は、原宿に自宅があった。ひとり暮らしをしていた。
『ラブレター フロム』
ロンドンから、東京の自分あてにハガキを出した。
ほかに恩師からの手紙、ボーフレンドからの手紙。
ご自身は、年賀状も書かないそうです。
『愛だの 恋だの』
自分の母親のことを、『ユミさん』と呼ぶ著者です。ユミさんは、母親というよりも、『女』です。そして、ユミさんの母親のような存在が、著者なのです。ちょっと変わった親子関係があります。
丸子のおばあちゃん:母方祖父の恋人。妻ではない。いろいろ複雑です。
『ただの思い出』
著者の実家は、神奈川県厚木にある。
著者は若い時から車好き。ホンダのステップバンが好き。
だけど、運転はどうか。仮免の試験に3回落ちています。
音楽を聴きながらドライブすることが好き。
車内でカセットテープをガチャンと押し込んで音楽を聴いていたという行為がなつかしい。今の若い人にはわからないことでしょう。
11月15日、亡き父上の17回忌だったそうです。
『飛行機の音 ラジカセの音』
神奈川県厚木市米軍基地:厚木市に基地なんかないと書いてあります。調べたら、神奈川県綾瀬市と大和市にまたがって米軍の軍用飛行場があるそうです。名称が、『厚木基地』だそうです。米軍と自衛隊の共同使用だそうです。
著者は戦後20年の昭和41年にこの世に生まれた。実家である厚木市には、まだ戦争の名残があった。厚木市内でアメリカ兵をよく見かけた。
そのあと、原宿の話が出ます。
青春時代の遊びは、原宿だった。
代々木公園で遊んだ。
『母と娘の喫茶店』
母親の『ユミさん』はコーヒーが好きだった。
しかし著者は、今もコーヒーがにがてだそうです。コーヒーは飲めないそうです。でも、アルコールは得意だそうです。あとは、喫煙者でヘビースモーカーのようです。
『あの男』
マネージャーだった5歳年上の男性について書いてあります。変わり者の男性だったようです。
まあ、変な男です。
『懐古と感謝(かいことかんしゃ)』
80年代(昭和55年代)の原宿のことが書いてあります。
著者は、82年(昭和57年)に16歳で歌手デビューしています。
18歳から21歳までの4年間、原宿でひとり暮らしをしています。
ふつうにひとりで原宿の街を出歩かれています。
著者がアイドルであることをまわりの人も気づいていますが、ふつうの対応をされています。
仕事が芸能人ということはあります。そして、だれだって仕事をしています。
自分に合う仕事が芸能人だった。自分は芸能人の仕事しかできないタイプだということはあります。まあ、たいていの人は、自分はこれしかできないからこの仕事をしているということはあります。
原宿に住む、あるいは働く人が、著者に優しい。いやむしろ、みんなに優しいのでしょう。
著者の言葉で、『原宿の街には善意が溢れていた(あふれていた)…… 勤労少女だった私の心が健やか(すこやか)だったのは……』
『彼女からの電話』
すごいことが書いてあります。
十代のころの話です。
仲が良かった女友だちから、『好きになっちゃいけない人』を好きになって、付き合いが始まったというような相談事、告白を聞かされます。
結婚している人なの?と問うと、違うという返事です。
著者は、女友だちに自分のカレシを盗られて(とられて)しまいました。
初めての失恋だったそうです。
『ミカちゃん、ピテカン、そして……』
ミカちゃんというのはお姉さんのような女ともだちです。ピテカン(ピテントロプス・エレクトス)は、日本で初めてのクラブの名称です。クラブ:娯楽・社交のための会員制のお店。
ミカちゃんとミカちゃんの友だちのミユキちゃんは、著者のことを、『タマゴ』と呼ぶ。
ミカちゃんは彼氏とパリで暮らすそうです。ちょっと淋しさが(さみしさが)ただよう文章でした。
『あたしのロリポップ』
セントラルアパートの下に、原宿プラザがあった。十代のころの著者にとってワクワクする場所だった。
ロリポップ:ペロペロキャンディー
川勝正幸さんという方について、讃える(たたえる)文章が書いてあります。
川勝正幸:ライター、編集者。2012年(平成24年)55歳没。自宅が火災にあって亡くなった。
文章を読んでいて思うのは、著者は、永遠の18歳です。文章の中では、46歳ですが、気持ちは若い。
(124ページまで読んできて思うことです)
自分は未来において、どうなっていてもいいとする。
自分らしく、今を生きる。
生き抜く自信がある。
自分の未来を、やっていけると信じている。
なんとかなるという力強さが著者にあります。
ときおり、胸にじんとくる文章があります。
アイドルであっても、芸能人であっても、タレントであっても、同じ人間だと思うのです。
『雨の日の246』
246:国道246号。東京千代田区から静岡県沼津市。
アイドルをしていて、何かをあきらめてしまったような気持ちがあった。
いつも自信がなかった。
カレシとの思い出話です。
『あの子の話』
ご本人が、離婚したところから始まります。(婚姻期間1995年(平成7年)29歳-2004年(平成16年)38歳。
離婚して再び始まるひとり暮らしです。青葉台というところ。駅は、中目黒駅。
新居が、自然が豊かな話、猫の話。ひとりの暮らしにウキウキしていた話。
『お化け怖い!(おばけこわい!)』
50歳近いけれど、おばけがこわい。
されど、二十代の頃は、ホラー映画にハマっていた。
歳をとって、怖さに対抗できる免疫(めんえき。体を守る仕組み)がなくなってしまったとのことでした。
『アキと春子と私の青春』
朝ドラです。じぇじぇじぇの『あまちゃん』ですな。アキは、のんさんですな。
アキの母親である春子を演じたのが、小泉今日子さんです。
ご本人の16歳からのアイドル時代は、つらかったそうです。つらかったけれど、楽しいこともあった。原宿や表参道あたりをぶらぶら歩くことが楽しみだった。
『渋滞~そして人生考』
表参道のクリスマスイルミネーションです。
自分でミニクーパーを運転しながら渋滞している道を進みます。車の中で、脳裏に思い出がよみがえってくるそうです。
右に代々木公園、左にNHKです。(今年9月にわたしたち夫婦も散歩したルートです。雰囲気がわかって読んでいて楽しい)
山手通りに出て、ご自宅マンションがある中目黒青葉台へ帰って行かれたようです。
『ジョーゼットのワンピース』
ジョーゼット:薄く、軽く、緩やか(ゆるやか)に編まれた織物。
母親は、日暮里(にっぽり)の染物屋の娘だった。
こどものころの自分の写真は、長姉の写真の数の半分ぐらいしかなかった。それに気づいた母親が、ときおり写真を撮ってくれた。
アイドルになってから、数えきれないぐらいの仕事用の写真が撮られた。街のあちこちに自分の顔写真が飾られた。自分のようで自分ではない顔の写真だった。
これからも仕事で自分の顔やスタイルの写真がたくさん撮られていく。
『花や 庭や』
休日の夕方は、商店街をぷらぷら歩いている。
ひとりの時間、ひとりの生活もずいぶん長くなったとあります。
こどもの頃からお花が好きだった話が書いてありました。
『団地のヌノタくん』
15歳のとき、団地に19歳か20歳のヌノタくんが住んでいた。
パンチパーマのヤンキーファッションだった。
友人たちとヌノタくんが運転するトヨタマークⅡ(マークツー)で、熱海までドライブに行って、札幌ラーメンを食べて帰って来た思い出話が書いてあります。
『ナンパの季節』
中学生三年のときに女友だちと横浜に買い物に行って、『彼女たちぃ……』と、ナンパされた話です。
スウィングトップ:ゴルフ用のジャンパー。
最近、若い女性と間違われてナンパされたそうです。でも、男は中年女性だとわかって、逃げるように去って行ったそうです。
『四月某日の手記』
ユミ(母)78歳の誕生日祝いを新宿の某デパートで、ヒロコ(次姉。2歳年上。もうすぐ52歳)と三人で買いに行きました。
親族の話がいろいろ出ます。甥の(おいの)5歳男児とか、長姉のヨーコさん(著者より8歳年上)が、がんで亡くなったとか。
『続、生い立ちの記』
自分が生まれたときの難産の状態だったことなどが書かれています。
『逃避行、そして半世紀』
神奈川県の葉山です。43歳から46歳までの3年間を葉山で海を見ながら猫と暮らしたそうです。
沢村貞子:1908年(明治41年)-1996年(平成8年)87歳没。女優、随筆家。
沢村さんに影響を受けて、海の見える部屋にしたそうです。
著者は読書家のようです。
この部分を読んでの感想です。
ひとつは、こどもさんの頃はそうではないかもしれませんが、デビューされた以降、お金で苦労されたことはない人なのだなということ。
もうひとつは、年齢を重ねておられますが、気持ちは若いということ。結婚はされましたが、出産子育ての体験をされていないことが、今もなお気持ちが若いということだと推測しました。
あとは、健康に気をつけてくださいということ。とくにタバコはやめたほうがいい。お父上もお姉さんも癌で亡くなっておられます。癌になりやすい体質の遺伝はあろうかと思います。
『和田さんの今日子ちゃん』
和田誠さんのお話です。
和田誠:イラストレーター。グラフィックデザイナー、エッセイスト、映画監督。1936年(昭和11年)-2019年(令和元年)83歳没。料理愛好家の平野レミさんが奥さん。
『あとがきのようなもの』
最初のお話に出た、7階から転落した黒猫の話です。追悔(ついかい。あとになって悔やむこと(くやむこと)。後悔)シーンがよみがえるそうです。
コロナ禍の際中で、実家へ一年以上帰っていないとあります。
過ぎてみれば、コロナってなんだったのだろうと思い出す今日この頃です。
たくさんの人たちが亡くなりましたが、コロナ以外の病気で亡くなった方もいます。
うちの親族も亡くなりました。
お見舞いの面会もきちんとできませんでした。お互いに無念だった出来事と思います。
今度は、NHKBSドラマ、『団地のふたり』で著者と共演されている小林聡美さんのエッセイ本を読んでみます。『わたしの、本のある日々 小林聡美(こばやし・さとみ) 毎日文庫』です。
今、毎週日曜日夜10時からあるNHKBSドラマ、『団地のふたり』を楽しみに観ています。
主人公役を務める小泉今日子さんと小林聡美さんが、それぞれエッセイ本を出されていることを知りました。まず、小泉今日子さんの本を先に読んでみます。
令和3年(2021年)12月1日に発行された文庫本です。単行本は、平成28年(2016年)4月にスイッチ・パブリッシングから刊行されています。
197ページに、この本のもとになるエッセイの連載は、2007年(平成19年)から2016年(平成28年)だったと書いてあります。雑誌、『SWITCH』の『原宿百景』。
『はじめに』があって、35本のエッセイがあって、『あとがきのようなもの』があります。エッセイ:随筆。散文(さんぶん。気楽な文章)。
著者は、1966年(昭和41年)生まれ、デビューは、16歳のとき、1982年(昭和57年)です。
『はじめに』
東京原宿について書いてあります。原宿に愛情、愛着をもたれています。
新宿と渋谷の間にあって、明治神宮の東にある地域です。
18歳から21歳までの4年間、原宿でひとり暮らしをされていたそうです。(73ページの記事)
『黄色いマンション 黒い猫』
読み終えて、絶句します。ぜっく:言葉が出てこない。
なんと感想を書いていいのかわかりません。
アイドルという仕事はたいへんです。
深夜放送の仕事が終わって、放送局から原宿あたりにある自宅マンションに帰る。
帰宅する車をファンに追跡される。
ある日、ドアを開けると、ダンボールの中に両目をつぶされた黒い子猫が入れられていた。
子猫を抱いていたら、子猫が逃げて、階段の7階から落下していった。
あわてて階下へ行ったが、子猫の姿はなかった。見つからなかった。
そんなことが書いてあります。
わたしが思うに、猫をダンボールに入れた人間は、ようすをずっと見ていたと思うのです。その者が、死んだ子猫を回収したと思うのです。ひどいことをする人間がいます。
ここまで読んで、著者は、外国も含めて、全国各地をあちこち飛び回るのでしょうが、とても狭い世界の中で生きて来た人に思えてきます。芸能界という世界です。
『スクーターズとチープ・トリック』
チンコおじさん:小田急線本厚木駅北口にある彫像(ほんあつぎえき)。(グーグルマップの映像で確認できました。円盤投げみたいなかっこうをされています)
ノリコ:男兄弟の中で育っている。
著者:三人姉妹の末っ子。長姉がヨーコさん(8歳年上)。
ヒロコさん:著者の2歳上の姉。著者の天敵。いばる。ばかにする。からだがでかい。口が達者。小さい時から著者とケンカばかりしている。著者は、一度も勝ったことがない。
チープ・トリック:アメリカ合衆国のロックバンド。
サーキュラースカート:円型に生地(きじ)を縫い合わせる。裾(すそ)に向かって広がるスカート。ボリューム感がある。
読んでも、おじいさんのわたしには、わからない内容でした。原宿のことが書いてありました。
『リッチくんのバレンタイン』
けっこう深刻なことが書いてあります。近所に住んでいた幼なじみのリッチくん(ヨーロッパのハーフ)が、青年期に車の中で二酸化炭素ガスを吸って、自殺してしまうのです。
あたしんち→タナカさんち→スガワラさんち→リッチくんち。リッチくんとは、オムツをしているころからの知り合い。同い年。幼稚園、小中学校、高校も同じだった。リッチくんはモテた。
みんなは、強くてかっこいいリッチくんが好きだった。著者は、弱くて悲しいリッチくんを知っていて怖かった。リッチ君は、そのことを知っている著者が怖かったに違いない。
バレンタインデーの話が出ます。モテモテのリッチくんです。
お金があっても、見た目がハンサムでかっこよくても、悲しいことはあります。
『嵐の日も 彼とならば』
ボイストレーナーのコウノ先生のお宅で出るごはんの話です。ふつうのごはんです。ふつうだから心にしみるのです。
歌手発掘番組、萩本欽一さん(きんちゃん)司会の、『スター誕生!』の話が出ます。自分も似たような世代なので、中学・高校のときに、リアルタイムで観ていました。日曜日お昼前の放送だった記憶です。
中学三年生の数学の授業中にクラスメートから、メモのような手紙が回ってきた。スター誕生に応募しようという内容だった。
クラスメートと応募して、オーディションを受けた。
『どこにでもいるような普通の子が、人の目に触れてどんどん垢抜け(あかぬけ)ていくのをまるで身内のような親し気な気分で見守ったりするのも楽しいものだ』と書いてあります。
著者は、予想外に、オーディションに受かってしまった。人生が大きく動き出してしまった。
読んでいて、アイドルは、『商品』だと思う。アイドルを中心において、たくさんの人たちが、収入を分かち合って生活をしていきます。
著者は、日記を書いているのではなかろうか。かなり昔の話です。毎日ではなくても、ぽつりぽつりと、そのときどきの心境を書き残しているものと想像します。
『真剣に親権問題』
驚くほど、家庭内の事情とか人生の流れについて書いてあります。
お父さん自営の会社が倒産して、最終的には、ご両親が別居をして離婚されています。著者中学二年生から別居が始まって、その後、ご家族は、親子がバラバラになるように双方の親と暮らしたり離れたりされていますが、一度別居後は、もうご家族全員でひとつの家で暮らすことはされていません。
ご両親の離婚時、著者は19歳で、離婚届提出時にあたって、著者の親権者を決めて離婚届の用紙に記入しなければなりません。著者の親権者は著者の希望で父親になりました。
今は18歳が成人ですから、19歳なら親権者はいらないのでしょう。
そういえば、高校時代のわたしのクラスにも、親の経営する会社が倒産して、どこかへいってしまった女子がいました。この部分を読んで、忘れていた記憶がよみがえりました。
生(なま)の生活について書いてあります。人間の暮らしが書いてあります。
『ユミさんのお母ちゃん』
実母のことを、『ユミさん』という著者です。著者と実父の距離は近いけれど、実母との距離は少し離れています。実母は、父親以外と恋をする人です。(若い頃は芸者をしていたそうです)。じっさいそういう女性っています。こどもより、男性に寄っていくのです。
母方祖父は、恋をして出奔(しゅっぽん。逃げ出して行方不明)。母方祖母は自殺されたそうです。なんだか、すごいことが書いてあります。現実の生活では、ユミさんにとっての母親が、ユミさんの娘である著者なのです。
『夕暮れの保健室』
著者はよく中学校をサボっていた。途中で帰宅したり、そのあと再び登校したりしていた。(びっくりです)。
ひとりでいるのが好きだった。
タイマン:一対一のケンカ。
『彼女はどうだったんだろう?』
あのころビルから飛び降り自殺をした女性アイドルとのことが書いてあります。40年近く前のことです。
う~む。わたしはそのアイドルのサインを持っていたことがあります。自分は二十代でした。
ただ、もうそのサインは見つかりません。何度か引っ越しをするなかで、なくした覚えはないのですが、どこにあるのかわからなくってしまいました。
ちょっと、ドキッとする文章でした。
『原宿キッス』
たのきんトリオのとしちゃんのことが書いてあります。
なんだかすごいこどものころの体験記です。
中学二年生のときに一家での夜逃げを体験されています。
あとは、勉強は好きではなかった。中学は行ったり行かなかったり、高校はアイドル活動に専念ということで、退学したとか…… けっこう荒れた思春期の生活を体験されています。
お風呂も、電話も、テレビもない生活があります。
テレビで、『三年B組金八先生』を見たかった。(女子中学生が妊娠、出産する内容でした)。
著者は、中学生の時に、妊娠したかもしれないという同級生の友だちと産婦人科に行っておられます。(妊娠はしていなかった。妊娠はしていなかったのに、友だちは残念そうな顔をしていた)。
なんというか、昭和の時代のおおらかさとか、力強さを思い出しました。
たくましく生きている人間たちがいました。
この文庫本は、今年読んで良かった一冊になりそうです。
『天使に会ったのだ』
まあ、思春期の著者にはボーイフレンドがいます。
著者は、優等生ではありません。
ボーイフレンドとは、親しくなって、しばらくたって、なんとなく会わなくなった。
父親が亡くなった。
末期のガンだった。糖尿病で、肺炎になりかけていた。
そしてもうひとりその後亡くなった人がいます。
ボーイフレンドだった人のおかあさんが亡くなっています。
『チャリン、チャリン、チャリン』
今ではふつうに家庭にあるものでも、60年ぐらい前は家にはありませんでした。
電話機(固定電話。黒いダイヤル式電話)、洗濯機、冷蔵庫、テレビ、電子レンジ、テープレコーダー、水洗トイレ、クーラー、エアコン、ビデオデッキ、ビデオカメラ、そして、道は土の状態で、まだアスファルト舗装はされていませんでした。
そんなことが書いてあります。
電話でアイドルの歌を聴けた。著者宅の電話機の横に缶があって、アイドルの歌を聴く時は、通話料として、30円を入れていたそうです。
そういえば、わたしも公衆電話をかけて、アグネス・チャンの歌を何度か聞いたことがあります。
著者は、いつしか、電話機でアイドル歌手の歌を聴く立場から、聴かせる立場に変わるのです。
『海辺の町にて』
いなかの夜道は暗くて怖い。買い物はどうしてもバスを利用するしかないぐらい不便。
東京の街は夜でも明るい。怖くはない。(こわくはない)。
いなかの夜は、月や星が美しい。
18歳から21歳までの4年間、著者は、原宿に自宅があった。ひとり暮らしをしていた。
『ラブレター フロム』
ロンドンから、東京の自分あてにハガキを出した。
ほかに恩師からの手紙、ボーフレンドからの手紙。
ご自身は、年賀状も書かないそうです。
『愛だの 恋だの』
自分の母親のことを、『ユミさん』と呼ぶ著者です。ユミさんは、母親というよりも、『女』です。そして、ユミさんの母親のような存在が、著者なのです。ちょっと変わった親子関係があります。
丸子のおばあちゃん:母方祖父の恋人。妻ではない。いろいろ複雑です。
『ただの思い出』
著者の実家は、神奈川県厚木にある。
著者は若い時から車好き。ホンダのステップバンが好き。
だけど、運転はどうか。仮免の試験に3回落ちています。
音楽を聴きながらドライブすることが好き。
車内でカセットテープをガチャンと押し込んで音楽を聴いていたという行為がなつかしい。今の若い人にはわからないことでしょう。
11月15日、亡き父上の17回忌だったそうです。
『飛行機の音 ラジカセの音』
神奈川県厚木市米軍基地:厚木市に基地なんかないと書いてあります。調べたら、神奈川県綾瀬市と大和市にまたがって米軍の軍用飛行場があるそうです。名称が、『厚木基地』だそうです。米軍と自衛隊の共同使用だそうです。
著者は戦後20年の昭和41年にこの世に生まれた。実家である厚木市には、まだ戦争の名残があった。厚木市内でアメリカ兵をよく見かけた。
そのあと、原宿の話が出ます。
青春時代の遊びは、原宿だった。
代々木公園で遊んだ。
『母と娘の喫茶店』
母親の『ユミさん』はコーヒーが好きだった。
しかし著者は、今もコーヒーがにがてだそうです。コーヒーは飲めないそうです。でも、アルコールは得意だそうです。あとは、喫煙者でヘビースモーカーのようです。
『あの男』
マネージャーだった5歳年上の男性について書いてあります。変わり者の男性だったようです。
まあ、変な男です。
『懐古と感謝(かいことかんしゃ)』
80年代(昭和55年代)の原宿のことが書いてあります。
著者は、82年(昭和57年)に16歳で歌手デビューしています。
18歳から21歳までの4年間、原宿でひとり暮らしをしています。
ふつうにひとりで原宿の街を出歩かれています。
著者がアイドルであることをまわりの人も気づいていますが、ふつうの対応をされています。
仕事が芸能人ということはあります。そして、だれだって仕事をしています。
自分に合う仕事が芸能人だった。自分は芸能人の仕事しかできないタイプだということはあります。まあ、たいていの人は、自分はこれしかできないからこの仕事をしているということはあります。
原宿に住む、あるいは働く人が、著者に優しい。いやむしろ、みんなに優しいのでしょう。
著者の言葉で、『原宿の街には善意が溢れていた(あふれていた)…… 勤労少女だった私の心が健やか(すこやか)だったのは……』
『彼女からの電話』
すごいことが書いてあります。
十代のころの話です。
仲が良かった女友だちから、『好きになっちゃいけない人』を好きになって、付き合いが始まったというような相談事、告白を聞かされます。
結婚している人なの?と問うと、違うという返事です。
著者は、女友だちに自分のカレシを盗られて(とられて)しまいました。
初めての失恋だったそうです。
『ミカちゃん、ピテカン、そして……』
ミカちゃんというのはお姉さんのような女ともだちです。ピテカン(ピテントロプス・エレクトス)は、日本で初めてのクラブの名称です。クラブ:娯楽・社交のための会員制のお店。
ミカちゃんとミカちゃんの友だちのミユキちゃんは、著者のことを、『タマゴ』と呼ぶ。
ミカちゃんは彼氏とパリで暮らすそうです。ちょっと淋しさが(さみしさが)ただよう文章でした。
『あたしのロリポップ』
セントラルアパートの下に、原宿プラザがあった。十代のころの著者にとってワクワクする場所だった。
ロリポップ:ペロペロキャンディー
川勝正幸さんという方について、讃える(たたえる)文章が書いてあります。
川勝正幸:ライター、編集者。2012年(平成24年)55歳没。自宅が火災にあって亡くなった。
文章を読んでいて思うのは、著者は、永遠の18歳です。文章の中では、46歳ですが、気持ちは若い。
(124ページまで読んできて思うことです)
自分は未来において、どうなっていてもいいとする。
自分らしく、今を生きる。
生き抜く自信がある。
自分の未来を、やっていけると信じている。
なんとかなるという力強さが著者にあります。
ときおり、胸にじんとくる文章があります。
アイドルであっても、芸能人であっても、タレントであっても、同じ人間だと思うのです。
『雨の日の246』
246:国道246号。東京千代田区から静岡県沼津市。
アイドルをしていて、何かをあきらめてしまったような気持ちがあった。
いつも自信がなかった。
カレシとの思い出話です。
『あの子の話』
ご本人が、離婚したところから始まります。(婚姻期間1995年(平成7年)29歳-2004年(平成16年)38歳。
離婚して再び始まるひとり暮らしです。青葉台というところ。駅は、中目黒駅。
新居が、自然が豊かな話、猫の話。ひとりの暮らしにウキウキしていた話。
『お化け怖い!(おばけこわい!)』
50歳近いけれど、おばけがこわい。
されど、二十代の頃は、ホラー映画にハマっていた。
歳をとって、怖さに対抗できる免疫(めんえき。体を守る仕組み)がなくなってしまったとのことでした。
『アキと春子と私の青春』
朝ドラです。じぇじぇじぇの『あまちゃん』ですな。アキは、のんさんですな。
アキの母親である春子を演じたのが、小泉今日子さんです。
ご本人の16歳からのアイドル時代は、つらかったそうです。つらかったけれど、楽しいこともあった。原宿や表参道あたりをぶらぶら歩くことが楽しみだった。
『渋滞~そして人生考』
表参道のクリスマスイルミネーションです。
自分でミニクーパーを運転しながら渋滞している道を進みます。車の中で、脳裏に思い出がよみがえってくるそうです。
右に代々木公園、左にNHKです。(今年9月にわたしたち夫婦も散歩したルートです。雰囲気がわかって読んでいて楽しい)
山手通りに出て、ご自宅マンションがある中目黒青葉台へ帰って行かれたようです。
『ジョーゼットのワンピース』
ジョーゼット:薄く、軽く、緩やか(ゆるやか)に編まれた織物。
母親は、日暮里(にっぽり)の染物屋の娘だった。
こどものころの自分の写真は、長姉の写真の数の半分ぐらいしかなかった。それに気づいた母親が、ときおり写真を撮ってくれた。
アイドルになってから、数えきれないぐらいの仕事用の写真が撮られた。街のあちこちに自分の顔写真が飾られた。自分のようで自分ではない顔の写真だった。
これからも仕事で自分の顔やスタイルの写真がたくさん撮られていく。
『花や 庭や』
休日の夕方は、商店街をぷらぷら歩いている。
ひとりの時間、ひとりの生活もずいぶん長くなったとあります。
こどもの頃からお花が好きだった話が書いてありました。
『団地のヌノタくん』
15歳のとき、団地に19歳か20歳のヌノタくんが住んでいた。
パンチパーマのヤンキーファッションだった。
友人たちとヌノタくんが運転するトヨタマークⅡ(マークツー)で、熱海までドライブに行って、札幌ラーメンを食べて帰って来た思い出話が書いてあります。
『ナンパの季節』
中学生三年のときに女友だちと横浜に買い物に行って、『彼女たちぃ……』と、ナンパされた話です。
スウィングトップ:ゴルフ用のジャンパー。
最近、若い女性と間違われてナンパされたそうです。でも、男は中年女性だとわかって、逃げるように去って行ったそうです。
『四月某日の手記』
ユミ(母)78歳の誕生日祝いを新宿の某デパートで、ヒロコ(次姉。2歳年上。もうすぐ52歳)と三人で買いに行きました。
親族の話がいろいろ出ます。甥の(おいの)5歳男児とか、長姉のヨーコさん(著者より8歳年上)が、がんで亡くなったとか。
『続、生い立ちの記』
自分が生まれたときの難産の状態だったことなどが書かれています。
『逃避行、そして半世紀』
神奈川県の葉山です。43歳から46歳までの3年間を葉山で海を見ながら猫と暮らしたそうです。
沢村貞子:1908年(明治41年)-1996年(平成8年)87歳没。女優、随筆家。
沢村さんに影響を受けて、海の見える部屋にしたそうです。
著者は読書家のようです。
この部分を読んでの感想です。
ひとつは、こどもさんの頃はそうではないかもしれませんが、デビューされた以降、お金で苦労されたことはない人なのだなということ。
もうひとつは、年齢を重ねておられますが、気持ちは若いということ。結婚はされましたが、出産子育ての体験をされていないことが、今もなお気持ちが若いということだと推測しました。
あとは、健康に気をつけてくださいということ。とくにタバコはやめたほうがいい。お父上もお姉さんも癌で亡くなっておられます。癌になりやすい体質の遺伝はあろうかと思います。
『和田さんの今日子ちゃん』
和田誠さんのお話です。
和田誠:イラストレーター。グラフィックデザイナー、エッセイスト、映画監督。1936年(昭和11年)-2019年(令和元年)83歳没。料理愛好家の平野レミさんが奥さん。
『あとがきのようなもの』
最初のお話に出た、7階から転落した黒猫の話です。追悔(ついかい。あとになって悔やむこと(くやむこと)。後悔)シーンがよみがえるそうです。
コロナ禍の際中で、実家へ一年以上帰っていないとあります。
過ぎてみれば、コロナってなんだったのだろうと思い出す今日この頃です。
たくさんの人たちが亡くなりましたが、コロナ以外の病気で亡くなった方もいます。
うちの親族も亡くなりました。
お見舞いの面会もきちんとできませんでした。お互いに無念だった出来事と思います。
今度は、NHKBSドラマ、『団地のふたり』で著者と共演されている小林聡美さんのエッセイ本を読んでみます。『わたしの、本のある日々 小林聡美(こばやし・さとみ) 毎日文庫』です。