2018年04月05日

しょせん幸せなんて、自己申告 綾小路きみまろ

しょせん幸せなんて、自己申告 綾小路きみまろ 朝日新聞出版

 まじめな本でした。今年読んで良かった1冊です。

 語り口調の文章です。笑いが漏れます。
 めげないで! という励ましがあります。
 「縁と運と努力」
 作者と類似体験があるので共感できます。
 縁で考えると著者の場合は、鹿児島出身という地縁が大きい。

 ネタがおもしろいことが最大の魅力ですが、本の中では、はじめのころはうけなかったとあります。不思議です。

 何事も、「メモ魔」 であることは、重要です。

 すべては、「模倣」 から始まる。

 最終学歴は、「自動車学校」 笑いました。
 「意地」 ばかにされたら、やりかえす。

 お金を追いかけることをやめる。目的は、別のことを挙げる。
 最初は、「無料で配る。」
 成功の秘訣が書いてあるテキストです。
 人のために働くという意識付けが大事

 いい言葉として、「形や大きさを比較するのではなく、器を満たすことに集中する。」
 歩みを止めない。
 とにかく走り出す。
 あの世へは何ももっていけない。
 
 夫婦関係の記述のあたりから、おもしろくなくなってきました。夫婦とはそういうものでしょう。他人には触れられない。説得力が低下します。
 女性が自立するためではなく、世帯の収入が低いから、妻も働く。働き出した女性は、経済的に自活できるから、離婚する。あるいは、結婚しない。

 妻をほめる。

 健康寿命を延ばす。男子、現在71歳。その先は、病人

 タイトルの「自己申告」は、気の持ちようと解釈しました。

 まじめに生きる。あいさつをする。悪いことはしない。

調べた単語として、「寛ぐ:くつろぐ。読めませんでした。」、「囚われる:とらわれる。同じく、読めませんでした。」、「馬喰:ばくろう。馬や牛の世話をする仕事」  

Posted by 熊太郎 at 13:37Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2018年04月04日

路上のX 桐野夏生

路上のX(エックス) 桐野夏生(きりの・なつき 女性66歳) 朝日新聞出版

 昭和時代のルポルタージュ風(報道)、世相を素材にした、この場合16歳女子高生の性ビジネスとか、両親破綻による育児放棄とか、暗いお話が始まりました。読んで、幸福感を味わうお話ではないので、いやになり、流し読みに入りました。

 魅力ある出だしです。真由の家がありません。両親行方不明、叔父宅は他人宅です。
 夢も希望もない。リアルです。

 信頼関係のない「お金」 だけの世界です。
 家族なんてという小説です。
 自分を貶めた者に対して「復讐」する。まあ、そういう展開になるという流れです。アルコールとかレイプとか、酒飲みの男、金銭管理のできない男とは、結婚しない方がいい。

(つづく)

 もう、この作家さんの作品は読まないと思う。
 読み終えました。
 読後感の良いものではありません。

 義父からのレイブ
 お金を盗む。
 妊娠、中絶、倒錯した世界
 16歳の頃はどうだったか、あまり記憶が残っていない。
 その先の成人してからの世界のほうが、はるかに永い。
 
 人間は、もっと豊かな気持ちで、まあるく暮らしている。日々の時間は流れている。なのに、作品内容は極端で、暗い決めつけがある。現実社会はそうじゃない。
 全部の男性が、女性の裸を一日中想像しているわけでもないし、女性のすべてが、エッチをいやがっているわけでもない。男女ともに、仕返しを常に頭に置いているわけでもない。

 なんでもかんでも、「ネット」 です。異常。
 
 資料を読んでいるような感じがあります。

印象に残った単語として、「(女性を)玩具(おもちゃ)」、そして、「お母さん」、「もう、もとのあたしには戻れない。」

 警察職員宅に非行少女が泊まるあたりから、構成が破たんしていく感じがありました。設定した場面が実際にあるとは思えない。

調べた単語として、「オール:一泊、店舗等で一夜を明かす。」  

Posted by 熊太郎 at 14:52Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2018年04月01日

七田式・知力ドリル かずをおぼえよう

七田式・知力ドリル かずをおぼえよう Silverback シルバーバック

 3歳、4歳向けです。
 監修者の七田(しちだ)さんという方は、すでに亡くなっています。
 20までの数をかぞえることが目標のドリルです。

 次に、数字を書く練習をします。
 そして、数の大小
 たしざん
 知恵あそび
 えんぴつは濃いめがいいでしょう。
 2種類のたしざん
 複数枠
 半分の概念(意味)
 分割の概念
 徐々にむずかしくなっていきます。  

Posted by 熊太郎 at 15:15Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2018年03月31日

あいさつできるかな? ポプラ社

あいさつできるかな? ポプラ社

 書店の幼児コーナーで書棚を見ていると、ひらがなや数字のドリルが置いてあることが、最近の変化です。
 昔の名作、日本のもの、世界のものの物語は、こどもが興味を持たなくなってきているようです。

 このドリルは、2歳から4歳向けです。
 基本的なあいさつを身に付けるものです。
 ようちえんに入るところから始まるのが、導入部として、ふさわしい。
 あいさつをする理由
 いつ、なんとあいさつするのか。
 習慣です。身に付けなければなりません。
 よくできた良質な本です。  

Posted by 熊太郎 at 13:35Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2018年03月29日

おまじない 西加奈子

おまじない 西加奈子 筑摩書房

 短編8本です。これまでに3本を読みました。感想を書き始めます。いずれも独特で、力強く、豪快です。少女が女性に変化していく過程でのあれやこれやが書いてあります。女子向きの小説です。挿絵が独特です。目次の構成も独特です。

「燃やす」
 なにもかもを燃やす。
 「牛糞をプレゼントされたような顔」 に強烈な印象が残ります。

調べたこととして、「髪を梳いた:といた。読めませんでした。」、「労り:いたわり。読めませんでした。」、「手管:てくだ。巧みで多彩な技」

 なにやら、宗教的で、女性的です。

「いちご」
 前作は、「燃やす」 で、本作は、「ぶんまわす。」 です。死にたい奴は、死んでしまえ! ぐらいの勢いがあります。

 子ども扱いされたくないという子どもの強い意思が感じられます。

 子どものいいこぶりっこ。

(つづく)

「孫係」
 絶品です。感嘆しました。
 祖父母宅には年に2・3回しか会いに行かない幼児期があります。
 交流がないから、祖父と同居を始めても他人同士がいるよう。
 おじいちゃまは、異質な存在。家族の一員じゃない。
 小学6年生すみれちゃんは、おじいちゃまに気を使いすぎて疲れた。
 いい作品です。自然さがいい。本音がいい。
 「思いやりの心」 は、どうのように表現すればいいのだろうかという提案です。
 ひとりひとりは、ずっと寂しかった。
 
「あねご」
 アル中の女子大生、だれとでも寝る感じでスタートです。
 「文章表現として、(  )。が、読んで見ていて特徴です。」 わたしだと、「(     。)」です。
調べた単語として、「ラスボス:最後に登場する敵」
女性の哀しさがあります。
11歳の頃の両親の離婚と父親の酒癖が今のマイさんのありようの遠因です。
内容はキツイけれど、絶好調の書きぶりでした。

「オーロラ」
 女子二人が、アラスカへオーロラを観に行きます。
 どうもふたりは、同性ですが、恋人同士で、かつ、別れのきざしがあります。
 心のない場所へ行く。
調べた単語として、「交感:お互いに通じ合う心」、「フリース:素材、ポリエチレン、柔らかい起毛仕上げ」、「カシスの香り:カシスの実」、「セージの葉っぱ:多年草、紫の花」、「オーロラ:大気の発光」、「グリズリー:ハイイログマ。450kgぐらい。ヒグマぐらい。」、「ムース:720kg、2m。トナカイみたいな角あり。」、「徴:しるし。読みわからず。」、「カモフラージュ柄:迷彩」
 自分の言葉で書いてあるのがいい。
 同性愛の世界から、主体性をもつ自立する自分を描いてあります。ただし、ちょっと、わたしには、無理。

「マタニティ」
 38歳未婚者の妊娠です。
 ここまで読んで、この本のタイトルは、「幸せになるためのおまじない」 かと思いました。
調べた単語として、「下卑:げび。下品で卑しい」
 私は母親になる。
 あまり良くない作品です。考えすぎではなかろうか。妊娠しました。結婚します。ハッピーでいいのではないか。
 良かった表現として、「努力できない人間の言い訳」

「ドブロブニク」
 数行で大量の情報を表現してあります。7歳のとき父親に連れられて映画「地獄の黙示録」 を映画館で観た。
タイトルは、フィンランドにあるお店の名称。カウリスマキのバー(映画監督の名前。映画で出てくるバーがドブロブニク)
 孤独です。頭のなかに架空の人物やペットをつくって会話をして淋しさをまぎらわせる。
調べた単語として、「唾:つば。読めませんでした。」、「シンメトリー:左右対称」
 全体が幻想と感じる不思議な作品です。

「ドラゴン・スープレックス」
 プロレスラーふじなみたつみはなつかしい。
 「私には両親がいない」 から始まります。いつも、強い出だしです。
 ふつうではありません。
 「ブレイズ:細かな三つ編み。アフリカン」
 私の名前は、ひとつがジュエル、樹絵瑠。もうひとつが、喜恵(よしえ)。ハーフ。パパはアフリカ系
 「結界:けっかい。仏教。一定の区域」、「フリスク:シュガーレス清涼菓子」
 祖母-母-娘。女の血統
 なんか、脱法ハーブの世界です。

そのほか調べた単語として、「唾棄:だき。唾を吐く。」、「コンサバティブ:保守的。反対語として、プログレッシブ」、「ブランドのローンチパーティ:お披露目」、「インスタグラム:写真、動画の投稿」、「いちごのタルト:洋菓子」、「おまじない:神仏、目には見えないものの力を頼って、言う言葉、行動」  

Posted by 熊太郎 at 20:16Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2018年03月27日

久米宏です。ニュースステーションはザ・ベストテンだった。

久米宏です。ニュースステーションはザ・ベストテンだった。 世界文化社

 仕事人間です。先日、横山やすしさんの本を読んで、この本に飛んできました。横山やすしさんが、久米宏さんのしゃべりに負けて、テレビスクランブルを降りたという部分です。

 本は、337ページと分厚い。ただ、面白みには欠けます。説明です。日誌を読んでいるようです。いつ、どこで、だれが、なにを、どうしたです。そして、全体が、「過去」です。終わったことです。それでも、ところどころ気を惹く一文があります。

 もう73歳です。一世を風靡した人です。

 早稲田大学の同級生、当時の在学生は、有名人だらけです。田中真紀子、吉永小百合、タモリほか。

 前半は、文章にまとまりがなく、読みにくい。ニワトリのついばみのように、あっちをつついたり、こっちをつついたりです。なぜおもしろくないのかといえば、大量の説明だからです。それから、時間調整に厳格なアナウンサー気質が文章に表れています。それが、つまらない。話題転換が早い短い文章が大量に続くので、読みにくさがあります。

 結婚当初は貧しかったは、意外でした。 2年半、病気で(結核、胃腸炎) 何もすることがない不遇な時代を体験されています。

 生活感のないクール、冷たさのイメージは、意図的につくられたものだった。(この点が、横山やすしさんと共通します。本当は乱暴者ではなかった。演じていた。)
 自分の言いたいことを言うのではなくて、自分の意見とは無関係に、他局の報道とは区別化するために、言いたくないことでも、これまで、だれも言ったことがないことを言う。(これは、精神的にかなりきつい。) 標準的なアナウンサータイプから、個性を出していくタイプに変わっていく。

 表には出てこない、頭脳集団のスタッフが周囲にいます。

 途中にある何枚かの白黒写真、みなさん、若い。

 よかった表現として、「事実を操作しない意思を貫く。」 ザ・ベストテンの順位です。有名人でも、10位の圏外におく。
 裏話を聞くのは楽しい。
 西川きよしは、論理派、横山やすしは、感情派
 横山やすしさんが怒る前に、久米宏が怒る。
 まだ、一家にテレビが1台の時代(家族がそろってテレビを囲んでいた時代)
 だれもが、自由にものを言える時代
 横山やすしさんの目は悲しそうだった。
 6割の人に嫌われ、4割の人に好かれる人になる。すべての人に好かれている人はだれからも好かれていない。
 自分独自のスタイルをもつ。
 戦略的な意図
 メディアの役割は権力のチェック
 公正・中立なニュース番組はありえない。
 日本が再び戦争をしないように。
 黒柳徹子さんの言葉として、「いやな仕事はしない」 ことが、仕事を長続きさせる秘訣
 乗り掛かった舟は、とりあえず、一生懸命こいでみる。

 凡人ではない人です。

 娯楽への挑戦があります。
 
 人間の成長物語を読んでいるような気分になってきました。

(つづく)

 読み終えました。やはり、仕事人間の記録でした。仕事に生きる人です。もともとは、人見知りをする性格という自己評価は意外でした。「久米宏」 をキャラクターとして演じていた。読んでいて気づいたのですが、これまでは、個人が演じるということは理解していましたが、しかし、加えて、組織が演じるということがあるのだなあということに初めて気づき、新発見でした。番組をカムフラージュ(見つからないように包み込む) するようにして、ニュース番組のイメージを演じる。
 視聴者は本物ではないものを見て、感情を動かされる。単語として、そして目的として、「テレビ的なニュース」、「中学生でもわかるニュース」

 「継続は力なり(努力は報われる。ネバー・ギブアップ))」 ということわざを思い出させてくれました。
 
 報道番組のあたりの記述は迫力がありました。ときに熱っぽい行動と感情です。

 なつかしい出来事もあります。

 昔、久米は英語ができないからうんぬん(良くない)という評価があったことを思い出しました。今になってわかったのですが、ニュースの専門家ではなくて、娯楽路線のニュース報道をめざした人、あるいは、番組だった。

 スポーツに関する記述では、先日のオリンピックでの女子カーリング最後のシーンを思い出しました。テレビが、しっかり生きている人間を写す素晴らしさ。

 周囲の仲間が亡くなっていくのも、自身の引き際につながっています。人生の終焉もそういうものでしょう。

調べた単語として、「ノンポリ:政治運動に関心がない。」、「タブー:禁止の決まり事」、「エスプリ:機転の利いた辛辣、皮肉めいた言葉、雰囲気」、「立脚点:立ち位置、よりどころ」、「快哉:かいさい。ああ、愉快だ。胸がすく。」、「マッチポンプ:自分でつけた火を自分で消す。偽善的な自作自演」

演じる→誤解される→(自己顕示欲が強い)→生い立ちにあるのか(小学3年生の時新聞記者になりたかった。)→命がけで働く→国家の平和の希求。平和な社会こそ何より優先です。  

Posted by 熊太郎 at 19:06Comments(0)TrackBack(0)読書感想文