2012年07月11日

地球の声に耳をすませて 大木聖子


地球の声に耳をすませて 大木聖子(おきさとこ)  くもん出版

 この本には横方向のラインが2本、縦方向のラインが1本あります。横方向のラインは、ひとつは、地震に関する解説です。もうひとつは、著者を参考にした進路の決定です。縦方向のラインは、ときには垂直に下るし、ときには斜めに下る深みです。地震の震度ではなく、地球の深度であったり、地震から身を守る手段であったりします。
 地球は人間と同じように生きている。動いている。生命です。わたしはおとなですから、本に書かれていることのほとんどはすでに学んでいます。知っていることの再確認になります。それでも、モグルン号が地球の中心核に沈んでいく途中経過の説明は昔学んだことといくぶん違うこともありました。昔よりもさらに詳しくなっています。
 読んでいるうちに怖くなる本です。読んでいる今にも地震が起こるのではないかとう不安にかられます。これまで生きてきた50年ちょっとの経験から、大地震は10年から15年に1回ぐらいのペースで発生するという予測があります。自分自身は、地震がよく発生する地域には住んでいないという安心感もあります。だから大丈夫なのかどうなのかはよくわかりませんが、四六時中地震のことを考えながら生活してゆくことは無理です。
 ページをめくりながら感じたことを記録してみます。
 9ページ、2011年3月11日午後2時46分、わたしは勤務中でした。最初は、自分の体調がおかしいのかと感じました。貧血か脳梗塞かと勘違いしました。めまいを呼び起こすような揺れでした。
 16ページ、津波でたくさんの人たちが亡くなったり行方不明になったりました。テレビ映像で見る津波の様子はまるでSF映画のようで現実に起こっているということが信じられませんでした。ふと、気づいたのです。今回の大地震はいきなり起こったわけではなく、少し前から兆候があった。報道で、東北地方に地震が何度か起こっていたと思い出すのです。また、南半球のニュージーランドではこの数週間前に大地震が起きて日本人複数も犠牲になりました。この本を読んでいくと、地面の下は地球の反対側までつながっているわけであり、南半球も北半球も関連があると思うのです。だから、予測しなければならないのです。
 19ページ、巨大地震がなくなることはありません。体験した人から次の世代へと申し送りをしていかなければなりません。
 66ページ、「モグルン号」は空も飛べます。「モグルン」ではなく、水陸両用の名称がいいと思いました。
 95ページ、仕事というものは、生活費を稼ぐだけのために働くのではありません。だれかの役に立つために働くのです。職種は違っていても、どの仕事も人の役に立つものです。
 109ページ、地球の内部の絵があります。地球の中心は熱をもっています。地熱を利用した発電を利用できれば、原子力発電に頼らなくてもいいと気づきました。地球はまだまだ大きな可能性をもっています。人間が今気づいている活用法はほんの一部に過ぎないに違いありません。
 115ページ、活火山は熊本県の阿蘇山ぐらいしか知りません。火口を見たことがあります。この本には日本には活火山が100以上あると書いてあります。116ページでは、火山付近の観測をするために太陽光電池が設置されています。自然エネルギーについては、先日読んだ「わたしのひかり」モリー・バング著に書いてありました。
 137ページ、マンホールが突き出た写真があります。液状化現象で突き出たのです。海を埋め立てた土地です。人間が地形を変えることは限界があるようです。
 最後に、地震計を使って地球の言葉を受け止めるということが書かれています。人間は謙虚な気持ちになって、地球が発する言葉に耳を傾けなければなりません。さもないとこの青い地球に住んでいられなくなります。

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