2015年02月25日

(再鑑賞)麦子さんと DVD

(再鑑賞)麦子さんと DVD

 末期の肝臓がんの治療を拒んで、死ぬ前に、離婚後成長した息子と娘と一緒に暮らしたい。こどもたちの父親はすでに死んでいる。
 今は、ラブホテルでの清掃をしている母親は、若い頃アイドル歌手をめざして、田舎町を東京へとひとり旅立った。彼女の娘は、母親がどこで何をして働いて、娘のためにお金をつくってくれているのかは知らない。
 けんかしながらも、言いたいことを言い合って暮らしていたことが、遠い未来になって、せつなく思い出されることがある。母親と娘の気持ちのすれ違いの時間がある。日本人がつくった日本人の気持ちに響く日本の映画です。

前回の感想
(2014年10月31日)
麦子さんと 映画DVD

 昨年、映画館で見たかったのですが、観に行く時間がなくて観ることができなかった映画です。相変わらず休日出勤が多くて、最近は映画館へ足を運ぶことができません。しかたなく、平日の夜にDVDを観ています。
 松田聖子さんの「赤いスイトピー」が流れます。自分にとっては、懐メロではありません。この映画を観た夜の10数時間前、その日の朝の車通勤の途上、マイカーの中で流れていました。この歌を職場旅行の観光バスの中で歌ったのは、まだ20代の頃でしたから、もう30年ぐらい前のことです。
 母子の対立と、娘の葛藤を扱った物語です。展開に無理があると思うし、堀北真希さんと松田龍平さんの兄妹は、ふたりの容貌から、きょうだいには思えない。とはいえ、再鑑賞したい映画でした。
 冒頭の交通事故シーンはグッドです。前半は倦怠感がただよいます。年かさを経た中高年の方向けの映画です。映画を観ながら、中学の時に病死したおやじのことを久しぶりに思い出しました。
 麦子の母親と、兄、妹麦子の3人劇が続きます。兄、とくに妹(娘)は、母親をうっとうしく思います。母親に捨てられたと、気持ちが、屈折しているから、母親を許しません。歳をとってわかったことですが、人はやがて、親族関係のうっとうしさを許せるようになります。親子は一緒にいられる時間が大切です。
 夢追いかけて、夢破れて、山河あり。タイムスリップが用いられています。ただ、何かが欠けている。いや、余分すぎる。言葉が生かされていないのです。言葉が、説明になっています。あと、技巧にこりすぎています。伏線にくどさがありました。
 麦子の心の成長を見守る映画です。90分間の時間は適度です。最近眠くなるので、2時間を超える映画の鑑賞は避けるようになりました。

(数日後、特典DVDを観ました)
 おおぜいのスタッフでつくっているけれど、登場人物はシーンごとに3ポストぐらいです。スタッフは、演劇、映画好きなんだろうなあ。
 屋外セットだと思っていたら、屋内セットで、ちょっと驚きました。
 クランクアップのシーンは他の映画作品の特典DVDでも観ることがありましたが、形式的だけれど、役者本人にとっては、嬉しくもあり(業務終了)、寂しくもあり(グループ解散という別れ)、不安でもあり(次の仕事はくるのだろうか)、そんな気持ちが伝わってきます。
 監督のコメント、親との関係で避けてきたものとがっつり取り組んでみました。自分もリアルに「麦子」の立場にありました。
 映画の内容は、余命いくばくもない母親が死ぬ前に息子と娘と暮らしたいと望み、病気であることを隠して、親子3人の同居生活を始めたのですが、こどもたち、とくに娘さんに「あんたなんか母親じゃない」と冷たく当たられるのです。母親死去後、娘が遺骨をふるさとに納骨に行くのです。
 インタビューシーンが長いのですが、マイク音が反響していて聞き取りにくかった。堀北真希さんは、演技のプロなのか、素の自分をだされません。なんだかはっきりしなかった。対照的に松田龍平さんとか、余貴美子さんたちは本音のトークで愉快でした。堀北さんと松田さんは低血圧なのかテンションが低く会話も少なかったというお話には笑いました。
 1月・2月に撮影して、12月に映画公開で、途中、空白期間が何か月もあり、ふつう忘れちゃうよなと思ったのでした。
 出演者たちに1年を振り返って、漢字一文字で表現するインタビューシーンが面白かった。

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