2025年04月15日

対岸の家事 TBS火曜ドラマ

対岸の家事 ~これが、私の生きる道!~ TBS火曜ドラマ 22:00~22:57 動画配信サービス

第1話:専業主婦は絶滅危惧種…!?
第2話:専業主婦は贅沢…? エリートパパとの出会い

原作:『対岸の家事 朱野帰子(あけの・かえるこ) 講談社』

俳優:
多部未華子(専業主婦。村上詩穂。娘が、苺(いちご)2歳半ぐらいに見えます)

一ノ瀬ワタル(村上虎朗むらかみ・とらお 多部未華子さんのだんなさん役。かなり優しい性格です)

江口のりこ(長野礼子。こどもふたりを保育園に預けて働いている。だんなの長野量平(川西賢志郎)は仕事で多忙なようす。実質ひとりで子育てと家庭のきりもり(物事をとりさばく)をしているように見えます。江口のり子さんのイメージからすると、未婚で、こどもなし、子育てママを攻撃するタイプの人物像が似合っているような気がしますが、今回のドラマでは逆の立場にある女性を演じています。気持ちがこもっていてなかなかの好演です。息子が、篤正(あつまさ。4歳か5歳ぐらいに見えます)で、娘が、星香(ほしか。まだ1歳半ぐらいに見えます)
 
ディーン・フジオカ(中谷達也。妻はアラブ首長国連邦都市型国家であるドバイで働くキャリアウーマン。中谷達也本人は、厚生労働省の職員)。なかなかおもしろいキャラクター設定で、ディーン・フジオカさんの風貌にぴったりです。理論的に物事を運ぼうとします。中谷達也は男子で夫ですが、2年間の育児休業中です。娘は1歳ぐらいの佳恋(かれん)です。

 子役さんたちが、なかなか芸達者で感心しました。とくに、第2話の多部未華子さんの娘で、2歳ぐらいに見える苺ちゃんが良かった。苺ちゃんがディーン・フジオカさんに立ち向かっていきます。ディーン・フジオカさんの娘佳恋(かれんちゃん)を守るために、苺ちゃんがディーン・フジオカさんと正面から闘う姿勢を見せてくれました。きっぱりとした態度が良かった。

 保育園にこどもを預けて働く女性と専業主婦をしながら子育てをする女性の対比で、『対岸の火事ならぬ、対岸の家事です』。賃貸マンションの隣同士にその女性ファミリー同士が住むことになったのです。
 我が家は、共働きの子育てをしたので、つらかった時代を思い出すことになるので、ドラマが始まっても見なかったのですが、わたしが、江口のりこさんのファンで、まあ、ちょととだけでも見てみるかという動機で観始めたところ、内容が、うちの家族にうけたので、継続して見ることにしました。
 第1話を見て家族でけっこう話が盛り上がりました。とくに、江口のりこさんが、働きながら保育園通いをする子育て生活に疲れ果てて、感情のない無表情になり、自宅玄関ドアの前で、下のこどもさんを胸に前抱きしながら手に荷物を持ち、ぼそりと、『ゲームオーバー』と力なくつぶやいたシーンで、うちの家族も同じような体験を何度かしたことがあるので、とても共感しました。いいドラマです。
 江口のりこさんが演じる長野礼子は、まじめだから、『ゲームオーバー』とため息をつくぐらいに力尽きるのです。手を抜けば続けていけます。ふまじめでもいいのです。これは、ディーン・フジオカさんにもいえます。まじめすぎると、心の平穏を保てないのです。(たもてない)。しかたがないのです。あきらめることで前に進めるときもあります。

 江口のりこさんを最初にテレビで観たのは、『鶴瓶のチマタの噺(ちまたのはなし)』という対談番組で、江口のりこさんが鶴瓶さんに、わたしは敵が多いと言われたところで、なんかいい感じの女優さんだなあと感じました。江口さんがまだ売れていない時の貧困話も良かった。師匠は、柄本明さんだそうです。劇団東京乾電池の所属です。
 その後、ご本人をじかに見たいと思い、東京渋谷パルコ劇場で、『ワタシタチはモノガタリ』という劇を鑑賞しました。けっこう舞台に近い席だったので、江口のりこさんがよく見えました。江口さんは、テレビで見るのといっしょだなと思いました。最近は、NHK朝ドラ、『あんぱん』で、まるで、アニメ、『アンパンマン』に出てくるバタコさんみたいな位置づけで活躍されています。漫画家やなせたかしさんご夫婦のお話です。

 さて、こちらのドラマです。
 共働きをしながら子育てをするのは大変です。
 我が家が体験したのは、もう40年ぐらい前の遠い昔のことですが、わたしたちよりも上の世代の人たちは、もっと苦労されていました。
 当時は、まだ週休二日制ではなかったし、育児休業などの制度はないし、こども向けの手当てなどもありませんでした。
 今では聞かなくなりましが、こどもが保育園に、はいれないと、『ベビーホテル』というところに預けて、それなりにトラブルがありました。
 今は、保育園がたくさんできて子育て環境がずいぶん良くなりました。喜ばしいことです。教育目的の幼稚園も、福祉目的の保育園のような役割を果たすようになっているようです。

 半世紀前ぐらいは、日本には、専業主婦がたくさんいました。子育ては、専業主婦の仕事でした。
 こどもを保育園とか学童保育所に預けると、世間の冷たい目が待っていました。こどもがかわいそう…… とか、なんてひどい親なんだ。そんな対応や反応は何度も受けました。イヤな思いを何度も体験しました。
 ところが、長い年月が流れて、時代が180度変わりました。
 こちらのドラマの冒頭では、『専業主婦=絶滅危惧種』と、昔とは逆で、働かずに家にいる専業主婦について、バカにするように紹介されています。

 いろいろなことを含めて、まずは、生活していくためには、お金がいります。こどもに関して言えば、大学の費用はかなりかかります。100万円単位でかかります。できれば、奨学金という大きな借金は背負いたくない。大学生がアルバイトに追われて勉強ができなければ本末転倒です。
 もうひとつは、こどもは母親だけが育てるのではなく、両親と親族一同、そして、地域社会で育てていくものです。ちびっこのうちから人にもまれていたほうが、さきざき精神力の強い人間として集団の中で生きていけます。
 とりあえず、ここに書くのはそれだけにしておきます。
 ふりかえってみれば、親として、『若い』からやれたということはあります。体力もスピードもありました。

 こどもがちびっこの期間、保育園とか、幼稚園とか、たいへんですが、その期間はあっという間に過ぎて終わってしまいます。
 親として、こどもには、とりあえず、食べさせる。それから、こどもはすぐ病気になるので、病院へ連れて行く。
 それだけやれれば、合格点です。とにかく、こどもが生きてくれていればいいのです。

 なにかしら、『あじさい』にこだわりがあるようなドラマにみえました。
 
 第2話では、父子家庭みたいな状態でディーン・フジオカさんが登場します。ドラマでは、子育てをしているだれしもが、『孤独』です。一日生活していても、おとなの話し相手がいません。

 子育てにおいて、ディーン・フジオカさんは、こどもに攻撃的です。
 わたしは、先日ラジオでお昼の人生相談を聞いていてびっくりしました。こどものころから親から暴力の虐待を受けてきて成人したという人の相談が、連続してありました。そのうちのおひとりは、父親に暴力で仕返しをしたいと強く訴えておられました。
 お気の毒です。
 わたしが思うに、こどもに暴力をふるう親は、自分自身も、こどものころに、親から暴力を振るわれていたと思うのです。暴力の連鎖です。
 子育てというものは、自分が育てられたようにしか、自分のこどもを育てられないという一面(いちめん)があります。

 厚生労働省職員で、2年間の育児休業中のディーン・フジオカさんが、つぶやきます。
 『働いているほうが楽だった』
 たしかに、職場には、上下関係とか、仕事をするための根拠とかルールに基づく、『秩序』があります。そりゃ、働いているほうが楽です。
 子育てはただひたすら、こどもを生かすことに集中です。気が遠くなるほどの忍耐の積み重ねです。
 ちびっこの事故は、あっという間に起こります。防ぐことはたいへんだし、事故が起きた時の対応もあらかじめ考えておかねばなりません。生きるか死ぬかの話です。いっぽう仕事は、業種にもよりますが、損か得かの話で済みます。人の生き死にまでいくことは、たいていありません。  

2025年04月10日

出川哲朗の充電させてもらえませんか? 台湾の旅

出川哲朗の充電させてもらえませんか? 台湾の旅 テレビ東京 TVerとかネットもテレ東とか

感謝!9年目突入で“充電ザ・ワールド”台湾の旅!台湾のパワースポット“龍山寺”から大人気の“九份(きゅうふん)”通って絶景&グルメ街道100キロ!ですがロッチ中岡と佐藤栞里(さとう・しおり)も絶好調ヤバいよヤバいよSP

 台湾へは行ったことがあります。自分が泊まったホテルや、観光をした場所がいくつも映像に出てきました。なつかしい。
 台湾の人たちは日本人に優しい。行って良かったと今でも思っています。

 番組ロケはあいにくの雨天でお気の毒でした。
 佐藤栞里さんは、強い雨の中、お顔もずぶ濡れになりながら充電バイクを運転されました。たいしたものです。
 もう番組は終わってしまいましたが、『東野&岡村の旅猿』にも佐藤栞里さんはゲストで登場されていました。みなさん旅仲間、仲良しグループですな。
 わたしが観光で訪れたとき、たしかガイドさんが、今回のロケ地にある、『基隆(きりゅう)』あたりは、雨が多い地域ですとお話をされていたような記憶です。まあ、お天気ばかりは人間の思いどおりにはいきません。

 ロッチ中岡さんと出川さんは親友です。
 以前の充電バイク旅で、たしか、中岡さんのご実家を訪問されたシーンがありました。(奈良県橿原神宮あたりでした。(かしはらじんぐう))
 中岡さんは、愛知県の半田病院生まれと聞きました。わたしは、用事があってたまに半田市に行くので身近に感じます。
 先日テレビ番組、『徹子の部屋』で、ロッチのおふたりがゲストだったのですが、中岡さんの相方のコカドケンタロウさんのお話には胸を打たれました。まだ小学校低学年のころに、父親が銭湯に行くと言って家を出たあと、いなくなったそうです。父親は、今もどこにいるのかわからないような話でした。苦労されたと思います。あとは、ミシンが得意という話もでました。コカドさんは、まじめで人柄のいい人です。

 台湾でも、この充電バイクの番組が放送されているそうです。
 じっさいロケ中に、宿泊した宿で、この番組が放映されているシーンが出てきました。
 台湾にも充電バイクの番組ファンがたくさんいます。
 まあ、今回のロケでも、出川さんが、出川イングリッシュ(単語のられつとジェスチャー)で、意思疎通をしていくのですが、だいたい通じます。たいしたものです。
 
 台湾の交通法規では、車は右側通行なので、考えながら運転しないとあぶないです。少しだけ危ない場面もありましたが、チャレンジは成功しています。

 ごはんを食べに行く。
 火鍋(ひなべ):中国発祥の伝統的な鍋料理。スープにさまざまな具材を入れて食べる。
 台湾の人たちは、家で朝食は食べない。外食だということは聞きました。
 市場では食材を単品で買う。スーパーよりも市場が一般的なようすに見えました。
 それから、お客さんをお茶でもてなす。コーヒーやアルコールではありません。

 海外ロケで、スタッフのみなさんにはたいへんなご苦労があったと思います。お疲れさまでした。

 九份(きゅうふん。ジョウフェン、チウフェン)とか、十份(じゅうふん。シーフェン)の光景は幻想的です。
 出川さんたちが願い事を書いたランタン(天燈)が夜空に天高く上がっていきました。
 昔の日本の風景のようでもあります。
 わたしたちがこどものころ、昭和30年代から40年代(1955年~1965年代)を思い出します。
 日本人に好意的な地元のみなさんたちでした。

 BGMで懐かしい曲がいくつも出てきていい感じでした。
 三善英史さん(みよし・えいじさん)の、「母になれても 妻にはなれず……」という歌は、それこそ何十年ぶりかで聞きました。その歌がはやっていたころ、まだわたしは中学生ぐらいでした。
 
 ランタン飛ばしで、出川さんとスタッフのドタバタがおもしろかった。
 飛ばすランタンに願い事を書くのですが、出川さんが、「幸(しあわせ、幸福)」という字の漢字の書き方がわからなくなり、教えたスタッフも間違えて教えてしまい、『幸』じゃないこの世に存在しない漢字になってしまいました。  

2025年04月08日

ナミビアの砂漠 邦画 2024年

ナミビアの砂漠 邦画 2024年(令和6年) 動画配信サービス

監督:山中揺子
俳優:河合優実(かわい・ゆうみ)、寛一郎、金子大地

 う~む。なんとも、よくわからない。
 よくわからないなりに、感想を思いつくまま落としてみます。

 タイトル、『ナミビアの砂漠』というのは、まず、ナミビアという国が、南アフリカ共和国のお隣で、同国の西北の位置にあります。調べたら、ナミビア=何もないという意味でした。つまり、この映画の主人公である、『みやま・かな』の生活とか人生には、何もないと受け止めたのです。じっさい、そんな感じでした。

 若い。出演者のみなさんが、若くて精神的にも、生活者としても未熟です。年寄りのわたしが観る映画じゃなかったと思いながらも最後まで観てみました。
 映像に出てくる男同士も女同士も楽しそうには見えるけれど、それはうわべだけのことです。

 ああ、またこれもタバコ映画か。(いいかげん、日本映画は、喫煙シーンの連発から卒業してほしい。日本映画界の映像描写内容は、時代遅れになっています)
 
 ホストクラブ、夜のあれこれです。

 こういう退廃的なものがうけるのか。
 退廃的(たいはいてき):不道徳、不健全な状態
 ばかだなあという感想しか出てきません。

 主人公のみやま・かなについてですが、彼女のまわりにいる人たちも同じようなものです。
 基本的な生活を送る能力がない人たちです。
 明るい未来が開かれていません。
 このまま歳をとっていく。(今はまだ若いからむちゃやれますが、歳をとっていくにつれて、みじめ、哀れ(あわれ)に老いていきます)
 こんな女のどこがいいのだろう。
 こんな男のどこがいいのだろう。
 まあ、変態(へんたい。変わっている。異常な行為・言動がある)ですなあというシーンもあります。

 河合優実さんのひとり演劇か。
 女性の生き方を浮き彫り(ぼり)にする。女性特有のことがらをアピール(妊娠とか、低賃金とか、劣悪な労働環境とか、男よりも不利なところ。男に依存して、男の稼ぎで食べていくために、男にこびるとか)する。映画のメッセージは、女の生きづらさ、男女の不公平、あと、国籍問題がからんでいるようです。(主人公の根っこに中国籍がある)
 
 ときおり、『死』を考える。

 シーンの意味がわからないことがけっこう多い。
 何をしているのかわからない。

 主人公女子は、脱毛サロンで働いている。
 自分で、こんなことをしても効果がないようなことを客に言う。
 解雇されました。

 主人公のスマホに、『ナミビア砂漠』の映像が映っている。映像には、ラクダ複数が映っていて動く。

<何をどう感じればいいのだろう。わからない。主人公たちは、社会生活の標準的な暮らしから、はずれた場所・空間で生活している>
 
 男はめめしい。男は女を支配したがる。
 同棲があります。ふたりでいても、ひとりがふたりいるような感じに見えます。会話やふれあいはありますが、ふたりで協力して生活を成り立たせている状態を感じられません。

 開始44分で、突然、タイトルが映像に現れました。『ナミビアの砂漠』です。

 映像を観ていても、自分の理解力が足りないのか、正確な状況を把握できません。
 主人公女子は妊娠したのだろうか? さらに、同時進行みたいな感じで、ふたりの男と関係をもっているから、どちらの男のこどもを妊娠したのだろうか? それとも、妊娠は、主人公女子の空想で、じっさいは妊娠していないのだろうか。
 いずれにしても、女性が恋をするときは、妊娠というリスクを背負っているということが強調されています。女性の生きづらさが表現されています。
 男からみれば、女性は、消耗品扱いです。商品とも言える。

 男の親のところへ結婚したいとあいさつに行く。
 そう思って見ていたら、どうも違う。
 まあ、付き合っているというふうです。
 しかもキャンプ場で、親族一同がキャンプをしている中へ入っていく。
 カップルは、場違いのようすもある。

 よくケンカをするカップルです。
 (ヒマなんだなと思いました。本気(ほんき)の家庭生活では、そうはいきません。小さなこどもがいれば、ドタバタ戦争状態です。こどもを預けて共働きともなれば、時間的な余裕などなくなります。こどもが病気になるとたいへんです。とにかく、忙しい。忙しくてケンカになる。結局、ヒマでも忙しくても、夫婦はケンカになる)

 登場人物たちはみな、メンタル的に病気ではなかろうかという気分になります。
 みんな病気で、コワイコワイです。
 男が言います。『おまえが(女性のほうが)はらませたんだよな!(男をだましてわざと妊娠したんだよな)』(わけがわかりません。通常、はらませるのは、男のほうです)
 女性差別意識に対する抗議の映画でもあります。

 女優河合優実さんの演技がじょうずです。めちゃくちゃ狂っています。
 男が叫びます。『ムリ! おまえは、ムリ!(オレのパートナーとしてはムリ)』
 
 ちゃんとした食生活をしてほしい。(そうしないと、心がすさみます)
 カップラーメンばかりを食べています。
 
 男の稼ぎに依存して生きる女になる。

 主人公女子が大暴れ(おおあばれ)する映画でした。豪快です。
 
 リモートで医師の診察を受けることができるのか。
 モバイル機器をもって受診する主人公女子です。保険証とか医療費の支払いはどうやってやるのだろう。まあ、やり方があるのでしょう。

 まあ、すさまじい暴力映画です。
 なんだか、カップルの夫婦ゲンカというよりも、兄と妹のきょうだいゲンカのようです。
 『(女子が男子に叫ぶ)おまえは、実家があるからいいな!』(女子には実家がないのか。女子は、家庭崩壊で実家がないようにみえますが、さいごのあたりで、中国にいる親族たちからスマホにビデオ通話で電話がかかってきます)。中国のファミリーは、食事会の最中で、にぎやかです。元気にしてるか~です。

 キャンプだホイの歌が流れました。なかなかいい選曲でした。
 キャンプだホイ、キャンプだホイ、キャンプだホイホイホイーーです。

 最後は、カップルの無言に近い食事シーンで、突然終わってしまいました。
 う~む。映画です。表現の手法はいろいろあるのですが、わかりやすい表現のほうがいい。
 それとも、わかりやすい表現で女性問題を扱った作品がすでにあり、ありふれているから、ユニークな(唯一の個性)手段を選択したのだろうか。  

2025年04月05日

紙の月 邦画 2014年

紙の月 邦画 2014年(平成26年) 2時間6分 動画配信サービス

監督:吉田大八
俳優:宮沢りえ、池松壮亮、大島優子、田辺誠一、小林聡美

 宮沢りえさん出演の作品で、先日動画配信サービスで見たのが、『父と暮らせば』でした。関連付けて、こちらの作品を観てみました。
 もう終わりましたが、日曜夜のバカリズム脚本ドラマ作品、『ホットスポット HOT SPOT』に、日テレ番組、『月曜から夜ふかし』のスタッフとして出ていた池松壮亮さん(いけまつ・そうすけさん)が、宮沢りえさんの彼氏役(大学生)で出てきたのでびっくりしました。
 池松壮亮さんは、撮影当時23歳ぐらいです。
 いっぽう宮沢りえさんは、40歳ぐらいの役で、ご本人の年齢も映画撮影当時はそのぐらいでした。銀行の契約社員で出ておられます。夫は、ベトナム赴任があるような会社勤務です。商社だろうか。
 全体を通してですが、今回の悲劇(銀行員が、顧客のお金に手を付けた)は、妻に理解が足りない夫の言動に真因(しんいん。真の原因。本当の理由)があります。ただ、そういう夫は、現実には多い。

 池松壮亮さんは、へんな男を好演されています。

 男の愚かな(おろかな)面が、あちこちで出てきます。男よ、反省しろ!です。

 『紙の月』という言葉で思い出すのは、洋画作品、『ペーパームーン』です。もう50年ぐらい前の映画ですが、いい映画でした。人間は、理屈じゃなくて、気持ちで生きているのです。

書損(しょそん):書き間違い。書き損ない(そこない)

 女の世界がありますなあ。

 夫婦には生々しい生活臭があります。住宅ローンの繰り上げ返済の話が出ます。
 男尊女卑の夫婦です。バブル経済がはじけた、このころの世の中は不景気でした。
 時代設定は、1994年(平成6年)から1995年(平成7年)です。昭和の時代の男女関係をひきずっています。途中、震災のことも出てきますが、それは、1995年の阪神淡路大震災のことです。

 小林聡美さんが出てきました。去年のNHKBSドラマ、『団地のふたり』がとても良かった。小泉今日子さんとセットで団地のふたりでした。
 おだやかな人柄だった団地のふたりとは違って、小林聡美さんは今回、厳しいベテラン女性銀行員の役回りです。

 映像を見ながら、このころは、電子マネーはなかったなとか、デスクトップパソコンの出始めで、パソコンは当時、非常に高価であり、大きくて重たかった。なのに、今と比較して、パソコンの能力はそれほど容量があるものではなかったとか、いろいろ思い出しました。
 
 原作は、角田光代小説作品であることを知りました。わたしはこの映画を観るのは初めてですが、うちの家族はこの映画を観たことがあるそうです。

 男女の出会い→ときめき→(冷えた夫婦関係が下地にある)→主婦が、若い男と浮気という流れですな。ただ、ちょっと、二十歳すぎの男性と四十歳女性のラブは、考えにくい。お金めあて、体目当て、愛情はないのでしょう。たぶん。男と女ですから、押したり引いたりが始まりますなあ。

 『現金』を扱う仕事は、危険です。不正がやれちゃいます。
 
 昔、タクシーに乗った時、タクシーの運転手が言っていました。
 『浮気というものは、最初は、やってはいけないと、がまんするのだが、1回やると、何回でもやれるようになる』
 まあ、なんでもそうでしょう。やってはいけないと思っていても1回やると、何回でもやれるようになる。自制心がなくなる。コワイコワイ。あとがコワイ

 福澤諭吉さんの顔が書かれた壱万円札がいっぱい出てきます。渋沢栄一さんの壱万円札の登場は、まだかなり先です。

 宮沢りえさんが演じる梅澤梨花は、心に不満がたまっていた。
 人のお金で豪遊することを、『紙の月』とたとえておられました。ニセモノの月なのです。月=幸福なのでしょう。紙は、お札のことなのか。

 男女の体のからみが映像で美しく描かれているのですが、現実とは違います。現実はもっとたいへんです。映像は、妄想(もうそう。願望)で、つくりものです。虚構です。現実は映像のようにはいかないのです。痛いし、重たいし、苦しいのです。人間はなんでこんなことをするのだろうと思うこともあります。互いの気持ちの交流ならハグだけで十分満たされます。虚構にだまされて人生の将来を見誤ってはいけません。

 アホな夫です。

 お金持ち相手の仕事もたいへんです。まあ、お金がない人の相手もたいへんですが。

 梅澤梨花は、幽霊みたいな女の人です。

 池松壮亮さんは、ドラマ、『ホットスポット』と同じ調子のセリフ言い回しです。それでいい。味わいがあります。静かに語ります。大声は出しません。

 上映時間が経過しましたが、なんだか広がりがありません。

 カードローンはやらないこと。貯蓄の鉄則です。
 主人公女子は、金融機関で働く人とは思えません。
 金融機関で働く人は、カードローンを顧客に勧めることが仕事です。自分がローンを背負ったら、お話になりません。
 浮気相手の男子は、お金がなければ、大学へは行かなくていい。
 昔は、働いて、お金を貯めてから、大学に入る若い人もいました。
 昼間働いてお金を貯めて、夜間の学部から、昼間課程に転籍する人もいました。

 映像を観ていて、『お金ってなんなんだろうなあ』と、考えました。
 不正なお金ですが、豪遊できたことは、それはそれで、さきざき、いい思い出になりそうです。
 ふつう凡人には、豪遊体験は思い出にないからです。(やっぱり、映画の後半で、そんな話が出ました)
 
 主人公宅は、夫婦として、終わっています。
 夫は、妻を夫の従属物と思っているだけです。召使い。オレが食わせている。オレに従えです。
 銀行顧客のお金を窃盗したのは、妻ですが、根本的な原因は夫の妻いじめにあります。
 妻は、おとなしくて、まじめだった。まじめすぎて、反発する手段を身に付けていなかった。堕ちるところまで堕ちていった。(おちるところまでおちていった)
堕ちる:おちる。不正に手に入れた金額がどんどんふくらんでいきます。何千万円という単位になっていきます。オソロシイ

 梅澤梨花が、キリスト教系の女子高校に通っていたときのことが流れます。
 きれいごとだけを教えていたら、こどもの心は壊れてしまいます。
 ただ、そのシーンでは、もともと梅澤梨花に盗難壁があったと紹介されます。う~む。そういう癖はなかなか治りません(なおりません)。よく梅澤梨花は、銀行員になれたものです。
 まあ、堕ちるところまで堕ちるしかありません。
 痛い目にあわないとわからないこともあるでしょう。
 
 20歳ぐらい年上の女性とのラブです。
 観ていて、若い男は若い女のところへいくだろうと思う。(そのとおりになりました。梅澤梨花はみじめです。そうなることがわかっていたのに、がまんできないのね)

 梅澤梨花と大学生彼氏は、三泊四日で、146万円ぐらい使ってしまいました。盗んだお金を使いました。
 梅澤梨花は、犯罪行為をしていますが、いい思い出ができたという記憶は残るのでしょう。

 サスペンス、スリラー映画です。

 梅澤梨花は、感覚がマヒしている。このままだと、逮捕、収監されてしまいます。
 どんどんエスカレートしていきます。
 観ていて、映像よりも、話の筋立てをこれからどうするのかに興味が湧きます。
 銀行職員間の冷たい世界があります。
 
 小林聡美さん演じるベテラン銀行員が厳しい。(発覚するという予感あり)
 発覚して、ドタバタ騒ぎになって、終息に向かうという流れはありきたりです。どうなるのだろう。

 正義を訴える小林聡美さんを排除しようとする動きが出てきます。不正は、ひとつではありませんでした。
 かけひき、条件闘争が始まりました。ややこしくなっていきます。
 (そういう、話のやりくりか。おもしろい。現実にありそうです)
 『(盗んだお金を)返して済む話ではない』(ただ、銀行にとっては、この事件が世間に明らかになるとダメージが大きい不祥事です。隠蔽(いんぺい)したい)
 小林聡美さんの女の意地もあります。ちゃんと働いてきた自分がなぜ排除されなければならないのか。
 
 大学生の男は大学を辞めます。彼のために、学費を不正に用意した梅澤梨花の考えは甘かった。
 大学生だった平林光太(池松壮亮)は、ダメ人間です。

 梅澤梨花の立場になると、死を選ぶこともあるかなと。
 借金がかさんで、返せないとなると、首をくくるしかない。地獄のスタートです。
 
 そうくるか。色仕掛けでお金をゲットしたい。
 うそをつくためのチラシや、証書のカラーコピー、1995年ごろのパソコンとか、プリンターとか、世の中のアナログ(手作業)事務手続きだとできた手法です。

 いまさらもう戻れない。梅澤梨花は、やつれました。

 人からほめられたい。
 人からほめられるためには、うそもつくし、盗みもやる。
 人を助けてあげたいではなくて、自分がほめられて認められていい気分になりたい。
 
 『あなたはみじめじゃない。やりたいことをやった。やりたいことができた。あなたは、幸せ者です。だって、人のお金だけれど、いっきに何千万円も使ったんですもの』
 小林聡美さんと宮沢りえさんの問答が続きます。
 偽物の月だから、月は、いつかは消える。偽物の月は、いつかは終わる。
 月=お札なのかなあという推測をしましたが、あたっているかはわかりません。最後の理屈は、理解できませんでした。

 梅澤梨花の器物損壊シーンが良かった。犯罪ですが、いい終わり方でした。
 飛び降り自殺をしたのかと思いましたが、逃走でした。大音響で讃美歌が流れました。
 開き直ったのです。『わたしが何をしたっていうの! わたしに何の責任があるというの! わたしは、わたし、これがわたしです!』という強い主張を感じました。だから、死なないのです。彼女は生き続けることを決心したのです。考えてみれば、人殺しをしたわけではありません。お金をいっぱい使っただけという解釈もできます。ただ、人のお金ですけど……

 ラストのベトナムのシーンは???でしたが、原作者の角田光代さんは、世界を旅する人なので、このシーンを入れたかったのかなあと考えました。
 昔、本を一冊読んだことがあります。
 『いつも旅のなか 角田光代 アクセス・パブリッシング』
  海外旅行記です。登場する国々は、モロッコ、ロシア、ギリシャ、オーストラリア、スリランカ、ハワイ、バリ、ラオス、イタリア、マレーシア、ベトナム、モンゴル、ミャンマー、ネパール、タイ、台湾、アイルランド、中国、韓国、スペイン、キューバと多彩です。ひとつのところにじっとしていられない性格のお人です。

 へんな終わり方の感想メモになってしまいました。  

2025年03月30日

侍タイムスリッパー 邦画

侍タイムスリッパー(さむらいらタイムスリッパー) 邦画 2時間11分 2024年(令和6年) 動画配信サービス

 監督:安田淳一
 俳優:山口馬木也(やまぐち・まきや 会津藩士の高坂新左エ門(こうさか・しんざえもん)役)、冨家ノリマサ(ふけ・のりまさ ふたりの人が演じる長州藩士の山形彦九郎(演者は、庄野﨑謙(しょうのざき・けん)さん)がもともとですが、時空間移動したあとの山形彦九郎の現代設定時は、冨家ノリマサさんが風見恭一郎役)、沙倉ゆうの(さくら・ゆうの 山本優子役 心優しい人の役でした)、峰 蘭太郎(みね・らんたろう 殺陣師(たてし:時代劇で、対決、乱闘などのシーンを指導する仕事)関本の役)、福田善晴(西経寺の住職役)、紅萬子(くれない・まんこ 西経時住職の妻節子役)

 話題の時代劇を扱った邦画です。
 動画配信サービスで観ることができるようになったので、さっそく観てみました。
 夕食をゆっくりと食べながら、夜遅くまで家族といっしょに楽しみました。なかなかいい映画でした。翌日また今度はひとりで観ました。

 わたしは、ラストシーンは、雷に打たれて、江戸時代末期、幕府滅亡の時代(本来主人公がいた時代)に戻ると予想しましたが、違っていました。
 よく考えられたなかなかいいラストシーンでした。

 これから、思い出すまま、感想を並べてみます。
 
 ふたりのサムライが未来で再会することは予想できました。
 そのとおりになりましたが、時代にズレがあるという設定までは思い浮かびませんでした。よく練られた(ねられた)脚本です。
 
 映画制作活動を愛する内容の映画でした。
 愛情がいっぱい映画にこめられています。
 くわえて、こちらの映画は、時代劇を愛する映画でした。
 半世紀以上前、わたしが小学生のころは、テレビでよく時代劇ドラマを観ました。
 外国人には、サムライとか、忍者とか、今でもうけるんじゃないかなあ。

 製作費が低予算の映画と聞きました。
 役者さんたちは熱演です。
 映画の神さまがたまに、製作陣にチャンスをプレゼントしてくれます。今回はこの作品でした。大ヒット、おめでとうございます。

①豪華さはありません。(雨は、上から水をたらしているとわかります)
②ときおり、志村けんさんのコントのような雰囲気のときがあります。笑えます。
③現代人の山本優子さん始めみなさんが善人で心優しい。(山本優子さんについては、主人公サムライの恋心の芽生えがあっておもしろい)
 
 タイムスリップした直後は、高坂新左エ門(こうさか・しんざえもん)が感情的になって、刀で現代人を斬る(きる)のではないかと心配しました。
 140年前の自分が、140年後の日本に来たと理解して、現代の暮らしにとけこんでいくという主人公の適応能力があります。
 
 世直し侍(サムライ)『心配無用ノ介』というフレーズが良かった。

 『拙者(せっしゃ)、高坂新左エ門(こうさか・しんざえもん)と申す』

 お寺の住職夫婦による京都なまりの言葉がなかなかいい。味わいがあります。
 主人公の会津なまりは、邦画、『壬生義士伝(みずぎしでん)』を思い出します。いい映画でした。

 観ながら気持ちにぐっとくるものがあり、何度か映像に向けて拍手をしました。

 『道徳(人はこうあるべきだという道筋の話)』の本を読むようでもありました。
 きちんとした会話があります。

 映画界という組織の内輪話が、この物語の素材です。

 おもしろい。
 殺陣(たて)の練習で、斬られ役(きられやく)の人が、敵である相手を斬ってしまいます。『なんでやねん』がおもしろかった。

 主役がいて、脇役がいる。脇役が必ず必要です。

 高坂新左エ門(こうさか・しんざえもん)は、故郷会津の人々を思いやる気持ちが強い。純真さがあります。邪念や私欲がありません。

 ラスト付近は、真剣な気持ちでないと観ることができません。
 緊張が走ります。

 『あの夜の続きというわけだな』
 『楽しかったぞ。おぬしと映画がつくれて』
 『拙者(せっしゃ)もだ』
 『じゃあいこうか』
 『それがわれらの定め』
 身動きしないロングカットが良かった。
 力が入ります。
 『為す(なす)べきことを為せ』
 人の心に、ひとかけらの、『情(じょう)』があります。
 すばらしい! 『最後の武士』です。拍手しました。何度観ても、拍手したくなります。
 生きる勇気をくれる作品でした。
 すばらしい!
 じょうずにつくってあります。
 脇役として物語を支え続ける山本優子さんが心優しい。
 『今日がその日ではない』
 オモシロイ

(その後)
 親族が家に遊びに来たのでいっしょに観ました。
 3回目の鑑賞ですが、なかなかいい。
 心優しい内容です。
 純真でもあります。
 洋画の、『ニューシネマパラダイス』のように、映画ファンのための映画です。

(さらにその後)
 NHKBSの番組、『アナザーストーリー 侍タイムスリッパー』を観ました。
 わたしはこの映画を3回観ましたが、番組の冒頭で出てきた女性は、100回観たそうです。すごいなあ。
 低予算の製作、時間をかけた制作、制作にかかわった人たちのこの脚本にかける強い思いが熱いメッセージとなっていました。  

2025年03月29日

バスVS鉄道対決旅 第23弾 春の群馬から長野

バスVS鉄道対決旅 第23弾 バス10勝 鉄道12勝 春の群馬から長野 美食&名湯攻略SP テレビ東京 TVer ネットもテレ東

太川陽介バスチーム:(スポーツチームとして) 澤穂希 丸山桂里奈
村井美樹鉄道チーム:(俳優チームとして) 袴田吉彦(はかまだ・よしひこ) 山崎樹範(やまざき・しげのり)

 なかなか良かった。
 村井チームのふたりの俳優が、始まってからだいぶの長い時間帯、だらしがなくて、なんだかなあと思ったのですが、時間がたつうちに、だんだんちゃんとしてきました。
 そのようすから、俳優さんだから、番組の構成を考えて演技をしていたとも思えませんが、ふだんから、歩くことが少ない人たちなのだろうと考え、どうしてこの仕事を受けたのか不思議でした。
 この番組は、旅をゆっくり楽しむ番組ではありません。(今回鉄道チームは二日間で50km歩かれました)。人生の可能性にチャレンジする攻撃的なアスリート(心身ともに優れた運動能力をもった人)を讃える(たたえる:心からほめる)という対決=人生の歩みと成果を表現する番組なのです。

 長時間のロケをうまくまとめてありますが、後半部の振り返りシーンの連続はくどいかなあと感じました。そのシーンを流してもらわなくても十分感動できます。
 最後の、玉手箱内にある優勝旗を確認するシーンが、いつもは、何度もコマーシャルが入ってじれったいのですが、今回はすんなり放送されました。方針が変わったのだろうか。苦情でも入ったのかもしれません。

 太川チームの運動能力は高かった。太川さんも元女子サッカー選手に体力では負けていませんでした。
 村井さんの鬼軍曹ぶりは気持ちがいい。なんとしても勝つという意識がいい。

 わたしは、知らないのですが、村井チームのゲストの袴田吉彦さんという人は、昔、女がらみで不祥事があったようで、観ていたうちの家族もなんやかんや言っていました。良くは言ってはいませんでした。
 太川チームの丸山桂里奈さんが、女性がらみの不祥事のことで袴田吉彦さんを嫌っている様子がありありと出ていて、それはそれで、観ていておもしろかった。
 袴田さんは、不祥事を逆利用して、経歴をネタに話題のある人間という位置づけになっています。ただ、生きている間、テレビに顔が映ると、不祥事について、一生言われ続けるのは、さすがにかっこ悪い。

 澤穂希さんの心もちがいい。勝負事は、全部勝てるわけがない。肝心なことは、最後に勝つことですと言い切っておられました。(そして、勝利されました。かっこいい!)
 たしかにそうです。勝ったり負けたりするから、『勝負』なのです。

 あわせて、澤穂希さんの駆け足運動能力が発達しているシーンを見て思い出したことがあります。女子三人による路線バス乗り継ぎ旅Wに、元オリンピックスピードスケーターだった髙木菜那さんが出ておられるのですが、ロケ中、髙木菜那さんが、すさまじいスピードで走って、バス停留所を見つけたり、バスをつかまえたりします。公道やバスターミナルのような広場を走るので、交通事故に遭わない(あわない)だろうかと観ていてハラハラドキドキ心配するぐらいのスピード走りです。
 こちらの太川さんと村井さんの対決番組が始まったころは、動きの悪いお笑い芸人さんの運動能力がない態度や言動にがっかりしたものですが、番組のレベルがあがってとてもいい感じです。

 番組ロケでは、たくさんの地元のおいしいものが紹介されました。
 温泉の宣伝もありました。

 射的で、山崎樹範さん(やまざき・しげのりさん)が、あひるの人形を射止めたシーンが、とっても気持ちが良かった。
 村井美樹さんが、いちご農園での売り上げ人気商品順位クイズで、あいかわらず正解をはずし続けます。焼き芋がランクインしていたことがいい感じでした。
 村井さんにも不得手なものがどうしてもあります。同じチームの男子ふたりが、地図を読めないと言ったときには絶望感が広がりました。村井さんも地図を読めない人だからです。道を間違えて迷うことが多い。時間をムダに使ってしまいます。
 村井美樹さんは、今回は、タクシーをじょうずに使われました。勝負には15分差で負けてしまいましたが、勝てるチャンスはありました。

 出川哲朗さんの充電バイクの旅で、北海道で、カーリング場を訪れたことがあるのですが、そのときにメンバーが氷の上で何度もつるつるすべっていました。テレビで観るのと、じっさいにやってみるのはぜんぜん違います。
 そのときの記憶があったので、今回のメンバーのカーリング挑戦はたいへんな苦労だったと思います。それでもなんとか課題をクリヤーされています。お疲れさまです。

 牛肉、おいしそうでした。
 たくさんお金を持って行って、腹いっぱい食べてみたい。

(検証番組を観ました TVer(ティーバー))
 村井美樹さんは、前回の大分県編に引き続き、勝てていた試合を落としました。これで3連敗です。
 鉄道チームは、まず、なるべく鉄道を使うことを意識したほうがいい。鉄道は、スピードがあります。歩くのは時間がかかります。徒歩の時間帯が、ときに、むだな時間の消費につながることもあります。
 基本は鉄道で移動することを考えながら、そこに、利用制限があるタクシーをからめて、どうしてもどうしようもないところは歩くというやり方が勝ちにつながるのです。
 今回の教訓として、歩く距離は、二日間で、35km以内ぐらいに抑えたい(おさえたい)ということがわかりました。今回歩いた距離50kmは長すぎました。
 答え合わせであった、いきなりタクシーを使って、スタート地点からチェックポイントまで1万円以上のタクシー代を使う(結果的に勝利につながる)という判断はなかなかむずかしい。度胸がいります。いちかばちかではなくて、自信をもったプランを立てたうえで、そういうチャレンジができる人が、さきざき、英雄になれるのでしょう。