2025年05月08日

聲の形(こえのかたち) アニメ邦画 2016年

聲の形(こえのかたち) アニメ邦画 2時間9分 2016年(平成28年) 動画配信サービス

監督:山田尚子(やまだ・なおこ)
原作:大今良時(おおいま・よしとき 女性)。漫画家

 先日読み終えた本が、『「コーダ」のぼくが見る世界 聴こえない親のもとに生まれて 五十嵐大(いがらし・だい) 紀伊国屋書店』です。
 両親ふたりともが、耳が聴こえないのです。(ろう者)
 ひとり息子の著者は、耳が聴こえます。
 著者は、音が聞こえない世界と聞こえる世界の橋渡し役を果たすのです。
 その本に、こちらの映画のことが載っていました。ただ、それほど詳しい内容ではありませんでした。

 実際に映画を観終えて、ろう者の世界を描いた作品というよりも、テーマは、『友情』というものでした。
 狭い世界の友情です。小学生、それから、成長して、高校生です。
 社会は広いし、人生は長い。
 学校時代の出来事は、人生においては、それほど意味をなしません。
 長い間生きてきて、わたしはそう感じるのです。

 さて、思い出しながら感想を並べてみます。

 タイトルで、『声』を、『聲(こえ)』としてあるのは、内容が、ろう者(耳が聴こえない人)を扱っているからでしょう。

石田将也(いしだ・しょうや):ガキ大将の小学生時代があります。ろう者の西宮硝子(にしみや・しょうこ)をいじめる。西宮硝子の補聴器を奪って捨てたりする。その後、高校生になってからの話になります。

西宮硝子(にしみや・しょうこ):ろう者。(観ていて、どうして、ろう者である西宮硝子が小学校の普通学級にいるのかが不思議でした)
 わたしは地下鉄の中で、たまに、聾学校(ろうがっこう)に通っている小学生のこどもさんたちを見ますが、みんな生き生きとして、表情は明るく元気です。当然、手話も使って、お互いに意思疎通(いしそつう)をしています。ニコニコ笑顔で、はしゃいでいます。意外と言っては失礼なのですが、にぎやかなのです。でも、声は出さないから静かではあります。
 映画では、高校生になった西宮硝子が出てきます。

 主人公男女がふたりとも、しょーたんとか、しょうちゃんなので、『しょう』が重なって、ちょっとまぎらわしかった。

 なんだか、元気がないアニメです。
 やわらかいとも表現できます。
 学校ものの物語は、狭い空間で、強制的に出校しなければならない拘束がある場所なので、重苦しい雰囲気になりがちです。
 就職してからの世界は自分で選択できます。自分と同じようなタイプの人間が集まった集団で、たいていは働きます。まあ、学校は、修行の場ですな。イヤイヤ行くのが学校です。学校は楽しくなくてもかまいせん。目標は、卒業です。卒業したら、広い世界で冒険です。
 千差万別な個性を、学校という空間1か所に固めるというのは、乱暴な手段のような気もします。こぶしを振り上げて、いじめっこと闘わないと、心の安定がおびやかされることもあります。

 障害者いじめが素材の映画だろうか。
 ただ、障害者同士の世界でもいじめはありますということが書いてある本を読んだことがあります。
 『累犯障害者(るいはんしょうがいしゃ) 山本譲司 新潮文庫』

 いじめられたほうは、いじめた人間のことを一生うらみ続けます。
 いじめられたほうは、チャンスがあったら、自分をいじめた人間に仕返しをしてやろうと思っている人もいます。
 社会に出たら、立場が逆転しているときもあります。
 上司が、こどもの頃に、いじめられていた人で、部下がいじめていた人という図式をじっさいに見たことがあります。いじめていた人は、痛い思いをされていました。
 人をいじめるときには、覚悟がいります。
 
 静かなアニメですな。
 なぜこんなに、BGM(バックグランドミュージック)がやわらかいのだろう。
 元気がない。

 石田将也に自殺願望があります。いじめっこだった彼は、人が離れていき、今は孤独です。いじめた人間はやがて、いじめられる立場に追い込まれます。
 石田将也は、周囲から存在を否定された状態になり、映像では、周囲にいる人たちの顔に、『×』が表示されます。けっこうたくさんの、『×』があります。(映画の最後ではこの×がとれるのだろうなと予想して、そのとおりになりました)

 高校時代になって、長束(ながつか)という男子生徒が登場します。いじめられっ子のポジションです。身長が低くてこ太り(こぶとり)という体格です。
 ただ、いじめられるようなタイプには見えません。いい奴(やつ)です。ちゃんと自分の気持ちを自分の言葉で相手に表現することができます。ちょっと変わっていますが、なかなかいい奴です。
 
 映画の中のメッセージとして、(障害者を相手にして)、サービスを提供する側に、やってあげている自分はいい人だという自己満足がある。偽善行為がある。(ぎぜんこうい。ニセものの善意。うわべだけ。本心ではない)
 その点を問題視しているシーンがときどき見られました。まあ、そういうことも現実にはあるのでしょう。

 友達の意味を問う映画です。
 う~む。なかなかむずかしい考察です。
 人それぞれでしょうが、『友情』は、絵空事に近いものがあります。(えそらごと:ありもしないこと)
 趣味が同じで、いっしょに遊ぶ程度の友だちはできるでしょうが、人生において身内のような関係の他人同士はなかなか成立しません。
 あえていえば、長年連れ添った協力関係がうまくいっている夫婦が、親友同士でしょう。

 男二人で、『ニャンニャンクラブ』に行ったら、ガールズ・バーか、キャバクラだと思っていたら、猫カフェだったという展開がおもしろくて笑えました。

 話に無理があるかな。
 小学生時代の出来事をひきずって今を生活している高校生というのは、いないなあ。

 恋という恋愛感情が湧いて、『ちゅき、ちゅ…き(好き)』を、『月』と聞き間違い、勘違いしたシーンがなかなか良かった。

 遊園地で遊ぶシーンは、絵を見ていて、三重県長島温泉にある遊園地が素材なのだろうと思いました。
 ジェットコースターは、『ホワイトサイクロン』でしょう。調べたら、改修されて2019年に、『白鯨(はくげい)』という名称に変わったそうです。
 昔、家族で長島温泉へ遊びに行ったときに、当時中学生だった娘にホワイトサイクロンにいっしょに乗ろうと誘われましたが、 2時間待ちだったので断りました。そのときのことを今は後悔しています。乗れば良かった。いい思い出になっていたと思います。

 まあ、友達という存在を求める映画です。
 なんか、むずかしいやりとりがあります。
 本音(ほんね)でぶつかるキャラクターたちです。
 暗い話になっていきます。

 世界が狭い。
 社会人になると人間関係が広がって、小学生のころや、学生のころのつながりは、たいていは切れていきます。
 新しい人たちと出会って生活していきます。
 物語は、学生の状態で、暗い話になっていきます。
 女子たちの言葉づかいが荒いことが気になります。
 きれいな言葉で話すと、「幸せ(しあわせ)」が近づいてきます。
 きたない言葉で話すと、「不幸せ(ふしあわせ)」が近づいてきます。

 話の後半に、花火大会をもってくることは、平凡な流れです。よくある設定です。

 ずーっと見てきて思うのは、ろう者である西宮硝子(にしみや・しょうこ)が、お人形さんみたいです。男目線でつくられた男性にとって都合のいい女性キャラクター(個性)に感じました。もっと、おっさんぽくてもいい。元気がなかった。

 お話の内容は、くどいかな。繰り返しが続きます。

 石田将也の心理状態は良くなっていきます。

 う~む。うわべだけの悲劇のような。
 なんかよくわかりません。
 なぜ、西宮硝子(にしみや・しょうこ)が、自殺企図(じさつきと)をしなければならないのか。そもそもなぜ、ほかのろう者とのつながりがないのか。
 年寄りのわたしには、心に響いてくるものがありません。
 『ちゅき、ちゅ…き(好き)』のシーンまでが良かった。
 
 なんかよくわかりませんでした。
 『ゴメンナサイ』が多かった。(多すぎたということです。映画は、強気であったほうが魅力的です)

 時間をかけてつくって作品であることは、よく伝わってきました。  

2025年05月05日

出川哲朗の充電させてもらえませんか? 岐阜県からなばなの里

出川哲朗の充電させてもらえませんか? 岐阜県五宝滝から三重県なばなの里への旅 テレビ東京 TVerとかネットもテレ東とか

岐阜&愛知&三重の“名城街道”125キロ!美しき五宝滝から国宝“犬山城”通って絶景イルミネーションの“なばなの里”へ!ですが井上咲楽&たんぽぽ川村は食べまくり!ヤバいよヤバいよSP

 ゲストの井上咲楽さんが豪快な食べっぷりです。びっくりしました。
 ロケ前の朝食は、納豆ごはんを2杯食べて来たそうです。結局この日は、お昼にごはん2杯、夕食で同じく2杯、合計6杯は食べられて、ロケ終了で充電旅から抜けていかれました。
 フルマラソン42.195キロを何度も走っておられるそうです。若さがうらやましい。
 井上咲楽さんは、美人さんなのに、動きは、おっさんのようです。
 お昼のとんちゃん屋のごはんは、どんぶり飯(メシ)のように見えました。土方仕事(どかた仕事。肉体労働者)の男性が食べるメシです。(とんちゃん屋の奥さんのコメントが良かった。『主人は、あの世にいっちゃって、ひとりでやっているので……(時間がかかる)』
 メニューは、とんちゃん(ブタ)、てっちゃん(ウシ)、けいちゃん(ニワトリ)というお肉です。

 夕食の飛騨牛のお店では、井上咲楽さんは、ぶ厚い飛騨牛のお肉を、まるで、握りずしのようにして食べておられました。料理の宣伝番組に出ることができますなーー おいしそうに食べておられました。

 自分は、井上咲楽さんについて、前回この番組に出演されたときの好印象があります。
 おととしの出演でした。
『行くぞ!九州最強の温泉街道120キロ!九重(くじゅう)“夢”大吊橋(おおつりばし)から“黒川温泉”を通って名湯“湯布院”へ!ですが竹山&咲楽(さくら)がノンビリすぎて前に進まなーい!ヤバイよヤバイよSP』

 井上咲楽さんのお名前は本名です。邦画『男はつらいよ』に出てくる倍賞千恵子さんの役名『さくら』からきているという話が出ました。井上咲楽さんのお父さんが、邦画、『男がつらいよ』のファンだそうです。お父さんは東京葛飾柴又のご出身だそうです。

 井上咲楽さんの姉妹は、咲楽さんの下に妹が三人いるそうで(井上咲楽さんは、4人姉妹の長女)、一番下とは11歳、歳(とし)が離れているそうで、番組の映像のなかでは、たまたま知り合ったお宅の小さな女の子をおんぶされていました。いつも妹たちをおんぶしてましたみたいなコメントがあって、好感をもちました。

 井上咲楽さんは、ロケの途中で出会った幼稚園の年長さんらしき坊主頭の男の子に、『どこに住んでいるの?』と聞かれて、東京の目黒区だよと返事をして、『泊まりに来ていいよ』と声をかけたのでびっくりしました。
 男の子は、『おかあさんがいいって言ったらね』と返していました。ほほえましい。井上咲楽さんは、人慣れしています。
 井上咲楽さんの親御さんがじょうずに子育てをされたのだということがよくわかります。

 今回の城めぐりロケでは、井上咲楽さんは、歴史がにがてということが表面に出てしまいました。犬山城で、織田信長のことを、織田信成(フィギャスケートの選手)さんと言って、まわりにいた人たちが、ぼーぜんとしていました。おもしろい。

 犬山城の天守閣の登り階段ですれ違ったアフリカナイジェリアの男性が、出川さんの番組を見ていますと言ったのでびっくりしました。先日の台湾ロケでは、台湾のお宅で、充電バイクの放送がされていましたが、アフリカナイジェリアでも放送されているのだろうか。あるいは、DVDを見ておられるのかもしれません。

 犬山城の天守閣から見下ろした風景がとてもきれいで良かった。木曽川、それから、岐阜市の山のてっぺんにある岐阜城も見えました。わたしもそこへ行ったことがありますが、もうずいぶん昔のことで記憶が薄れています。
 木曽川にかかる橋について、昔は、名鉄電車が橋のまんなかを走っていて、その隣を乗用車が走っていた記憶ですが、現在は新しい橋が架けられたのでしょう。電車と車は別々の橋を渡っている映像が見えました。

 岐阜県各務原市(かかみがはらし)は、以前、用事があって、何度も行きました。映像に出てきた長い橋を車で渡ったこともあります。

 映像では、こどもたちとのバスケット対決(意外に出川さんのシュートが次々と決まって驚きました。野球対決では負けてばかりですが、バスケットでは勝ちました)、そのあとの、野球の打撃対決(出川さんは負けました)など、楽しいシーンがありました。

 夕日がきれいでした。
 飛騨牛料理はおいしそうですが、かなりお高い。ステーキセットヒレが、おひとりさま1万8000円です。手が出ません。

 ライトアップされた山のてっぺんにある岐阜城が美しかった。

 途中、生後7か月のあかちゃんを出川さんがだっこさせてもらいましたが、あかちゃんがおびえて泣き出しました。やっぱり、ママの胸のなかが落ち着くのでしょう。

 今回の放送は、前半でした。
 終わりの部分で、川村エミコさんが登場しましたが、川村さんは相当緊張されていたようすで、入り方がぎこちなくて、なんだか変でした。野球のシーンの最後、みんなで記念撮影のシーンだったのですが、川村エミコさんがしゃべり過ぎて、その場の雰囲気が損なわれた(そこなわれた)ようなようすでした。まあ、しかたがありません。

(後半の放送)
 
 なんというか、前半も含めて、ひたすら食べるシーンが続くようなロケでした。それは、それでかまいません。
 自分にとっては、見慣れた景色でした。河川敷とか、鉄道の駅とか、道の駅とか、温泉とか、身近な地域です。いいお天気で良かった。

 大垣市の水まんじゅうが、よかった。水圧でひっくりかえす技(わざ)があります。味もおいしそうでした。以降、かつ丼、ラーメン、パン、コーヒーと続きます。
 
 床屋さんでのロケも良かった。芸能人に出会えて、うれしさのあまり、涙が湧いてきた高齢男性の気持ちがわかります。人生のいい思い出です。

 温泉も、映像を見ているだけで、自分も入ったような気分になれます。だいたいの体験はしてきたので、そのときのことを思い出しながら想像します。

 川村エミコさんの、温泉タオルの旅番組というのは見たことがないのですが、川村さんも出川さんもかなり感激されていましたから、よほど、いいことがあったのでしょう。温泉タオルを手に入れられました。

 『なばなの里』のイルミネーションは、きれいですなあ。
 わたしなんぞは、品(ひん)がないから、電気代の経費について考えてしまいます。入場料等で稼がねば(かせがねば)なりませぬな。
 光のトンネル200mが良かった。幸せになれるような気がします。きれいで、豪華、そして、雄大です。富士山を素材にしたイルミネーション(照明)も良かった。光のショーですな。  

2025年05月04日

対岸の家事 ~これが、私の生きる道!~ 第5話

対岸の家事 ~これが、私の生きる道!~ 第5話 TBS火曜ドラマ 22:00~22:57 動画配信サービス

原作:『対岸の家事 朱野帰子(あけの・かえるこ) 講談社』

第5話:子供の将来は親の責任払い?

俳優:
多部未華子(専業主婦。村上詩穂。娘が、苺(いちご)2歳半ぐらいに見えます。調べたら3歳の子役さんでした。もうすぐ4歳です。かなり演技がうまい)

一ノ瀬ワタル(村上虎朗むらかみ・とらお 多部未華子さんのだんなさん役。かなり優しい性格です)(先日動画配信サービスで、邦画、「はたらく細胞」を見ていたら、一ノ瀬ワタルさんが出てきたので、楽しい気持ちになりました。体が大きい人です)

江口のりこ(長野礼子。こどもふたりを保育園に預けて働いている。だんなの長野量平(川西賢志郎)は仕事で多忙なようす。実質ひとりで子育てと家庭のきりもり(物事をとりさばく)をしているように見えます。息子が、篤正(あつまさ。4歳か5歳ぐらいに見えます)で、娘が、星香(ほしか。まだ1歳半ぐらいに見えます)

ディーン・フジオカ(中谷達也。妻はアラブ首長国連邦都市型国家であるドバイで働くキャリアウーマン。中谷達也本人は、厚生労働省の職員)。中谷達也は、2年間の育児休業中です。娘は1歳ぐらいの佳恋(かれん)です。

 こどもさんの、『体験』の話です。『体験格差』とか、『「体験」は親から子へ送る武器』とか、そんな話が出ます。だけど、まだ、こどもたちはちっちゃい。1歳から3歳ぐらいに見えるちびっこたちです。
 それから、共働きの子育てで、夫が、家事に協力してくれないことについて、妻が猛烈に怒る(いかる)話です。ドラマのなかで、江口のりこさんが、夫の川西賢志郎さんに、猛烈にくってかかります。それを見ていたうちの奥さんには大うけで、奥さんは、そうだそうだと吠えて(ほえて)いました。横で見ているだんなのわたしは恐縮です。されど、うちら夫婦にとってはもう30年ぐらい前の話です。反省しております。
 江口のりこさんに叱られる夫役が、お笑いコンビの、『和牛(わぎゅう)』を解散された川西賢志郎さんです。いつだったか、番組で、えみちゃんこと、上沼恵美子さんが、和牛のおふたりに対して、態度が悪いとえらい剣幕で叱っておられたシーンを思い出しました。川西賢志郎さんは、叱られ役に向いています。

 ドラマでは、親子のふれあいかたが、表現されています。
 映像を観ていて、考えたことがあります。
 わたしは、1か月ぐらい前から、CODA(コーダ。耳が聞こえない親から生まれた耳が聞こえるこどもたちのことを、「コーダ」といいます)に関する本を読んだり、映画を観たりしています。
 いっけん、不自由そうな子育てに見えるのですが、ぜんぜん違います。耳が聞こえないことで、十分な親子のスキンシップがあるのです。気持ちが親子両方で満たされています。
 対して、こちらのドラマでは、耳が聞こえる者同士なのに、親子でも夫婦でもうまくいっていないのです。
 CODAに関して、本と映画を紹介しておきます。耳が聞こえないので、親と子がお互いの顔と目をしっかり見ながら、手話や指文字や口話(くちびるの動きで言葉を拾う)するのです。

1 「コーダ」のぼくが見る世界 聴こえない親のもとに生まれて 五十嵐大(いがらし・だい) 紀伊国屋書店
2 『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと 五十嵐大(いがらし・だい) 幻冬舎』
3 『ぼくが生きてる、ふたつの世界 邦画 2024年(令和6年)』
 こちらの本の著者の家族が主人公の映画です。映画のスタートは、無音です。ろう者の世界ですから、音のない世界で、主人公のお父さんが、漁船の船体にブルーの塗料を塗る作業をしています。それが、耳が聞こえないお父さんの仕事です。

 本では、生まれてきて、自分の親の耳が聞こえないという状態が、苦痛ではない。(それなりに順応して、ほぼスムーズに日常生活を送れるという人間のすばらしい能力があるのです)。自分では、あたりまえだと思っていた生活が、小学校に入ると、あたりまえではないということに気づいてショックを受けた。それに続くご苦労が書いてあります。

4 『育児まんが日記 せかいはことば 齋藤陽道(さいとう・はるみち) ナナロク社』
 ふたりのお子さんをもつ、ろうの、ご両親のうちのパパが書いたこちらの本です。本の帯にあるメッセージは、『毎日は、いつもおもしろい』です。0才と3才のこどもさんがおられます。2018年生まれの長男とあります。そして二男です。こどもさんおふたりは、耳が聞こえます。
 『ことば』にこだわる本です。耳が聴こえない両親です。親子の会話は手話でします。意思を伝えあうために、『ことば』にこだわります。
 親は、指文字を使って、我が子をあやすそうです。こどもさんは、手話と指文字と日本語を同時に覚えていくそうです。(すばらしい)。こどもさんの耳が聴こえて、こどもさんが、言葉を話すことがうれしいそうです。(胸にじんときます)
 家族同士が「手」で話すのです。(すごいなーー)。3歳の長男が、0歳の二男を指文字であやします。指文字は、スキンシップです。さらに、ろう者である祖母が、指文字で「あいうえお」を教えます。不思議です。言葉を話すことができるこどもさんが、あえて、言葉を使わずに、指文字でコミュニケーションを図ります。数字も指文字で覚えます。『教育のしかた』について、深く考えさせられる本です。

5 『コーダ あいのうた アメリカ映画 2022年(令和4年) 1時間51分 動画配信サービス』
 両親と兄の3人について、耳が聞こえません。耳が聞こえる妹の女子高生が、耳が聞こえる人たちと家族との間で、『通訳』の役割を果たしています。
 非常におもしろい家族です。夫婦仲、家族仲がとてもいい。映画では、いんきんたむしの話から始まってのくだり(つながった話)に大笑いしました。下ネタ満載(まんさい)のコメディ映画です。ぜんぜん深刻ではありません。今年観て良かった1本になりました。
 まあ、それでも、障害者差別はあるし、耳が聞こえる主人公の女子高生にもそれなりの悩みがあります。

 こちらのドラマの話に戻ります。今回のドラマでは、『グランピング』が出てきます。
 以前、テレビ番組、『東野&岡村の旅猿(終了してしまいました。残念です)』で、紹介されていましたが、まあ、豪華なキャンプという感じでした。そのときは、宿泊利用だったのですが、今回のこちらのドラマでは、バーベキューをした夕食後、現地で解散されたような雰囲気でした。グランピングは、日帰り利用もできるようです。

リトミック:音楽教育法。こどもたちが、音楽にあわせて体を動かす。

 ドラマでは、テーマとして、『正しさの追求』があるのですが、何が正しいのかは、判然としないのです。(はっきりとよくわからない)
 こどもさんの教育なのですが、わたしなんぞは、就学前のこどもには、ちゃんとごはんを食べさせて、とりあえず生きていてくれれば、それでよしという期間だと思うのです。なにせちびっこたちは、病気やケガばっかりするのです。

 夫婦を演じる江口のりこさんと川西賢志郎さんは、演技じょうずです。江口さんもじょうずですが、川西さんもじょうずです。いい配役です。

 緒形直人さんが暗い雰囲気で、多部未華子さんの父親役を演じます。NHK朝ドラの「おむすび」でも同じような役柄でした。どうしたのだろう。若い頃は見た目もかっこよかったのに、すっかり老けこんで(ふけこんで)しまわれました。見ていると、お父さんである緒形拳さんの名演技を思い出します。

 多部未華子さんのふりかえりと考察です。多部さんが女子高生、三人家族だったころのことです。
 父も自分も、専業主婦ひとり(母親)に家事を押し付けた。繰り返しますが、父も娘も、家事はすべて母に押し付けた。そして母は、若くして病死した。家事は、専業主婦をしている母親がやるのが当然だと、夫も娘も思い込んでいた。専業主婦をしている母親に感謝する気持ちが、父と娘、ふたりともになかった。
 多部さんに、強い自責の念(じせきのねん。後悔。自分にも責任がある)があります。
 こちらのドラマは、専業主婦を応援するドラマでもあります。
 その部分のシーンを見ながら自分が思いついたことです。
 『ありがとう』を言わない人とは、付き合わないほうがいい。苦労させられるだけです。『ありがとう』を言わない人は、他人を自分の都合のいいように使う人です。そんな人の指示や命令に従う必要はありません。(お金がもらえるなら、従うこともありますが…… まあ、人間の気持ちは複雑です)

 苺役(いちごやく)の子役さんが、まだ小さいのに(3歳ぐらいに見えます)、やけに演技がうまい。うますぎる。ちゃんと役にはまっています。

 多部未華子さんとディーン・フジオカさんとのやりとりがおもしろかった。
 高校時代ディーン・フジオカさんがクラブ活動はなに部だったかのクイズ形式です。口でドラムロールの音もあります。パソコン部から帰宅部への流れは予想できました。わたしは正解しました。うれしい。

 なんというか、過去のうまくいかなかったことを思い出した時の自分の気持ちを支えるための言葉として、『あれは、あれで良かった』というものがあります。あの失敗があったからこそ、今の成功があるということは十分にありえます。

 ディーン・フジオカさんから、多部さんへの励ましの言葉がありました。
 レモン(失敗作を意味するそうです)にまつわる話でした。
 ころんでもただでは起きない。不運から、何かいいものをつくりだそうという励ましの言葉でした。  

2025年05月02日

しあわせは食べて寝て待て 第4話と第5話 NHKドラマ10

しあわせは食べて寝て待て NHKドラマ10 火曜日夜10時のドラマ 全9話

 第4話と第5話の感想です。

原作漫画:しあわせは食べて寝て待て 全5巻 水凪トリ(みずなぎ・とり) 秋田書店

俳優:
桜井ユキ:麦巻さとこ。膠原病患者(こうげんびょう。映像では、『シェーグレン症候群』という病名が見えました。自己免疫疾患。体がだるい。微熱。関節がはれる、痛む)
現在は、週4日デザイン事務所でパート。独身38歳。病気(膠原病)で大企業を退職して小さなデザイン事務所に転職した。ひとり暮らし。家賃が更新で高くなる賃貸マンションから、家賃が安い公団団地に引っ越した。

加賀まりこ:美山鈴(みやま・すず)。団地で、麦巻さとこの隣人。90歳高齢者。彼女の同居人として、薬膳に詳しい若い男が居候している。そのふたりの関係は他人

宮沢氷魚(みやざわ・ひお):羽白司(はねしろ・つかさ)。薬膳に詳しい若い男。加賀まりこ宅の同居人

土居志央梨(どい・しおり):高麗さん(こうらいさん)という絵描きの役です。

目白弓(めじろ・ゆみ):女子高生。麦巻さとこの副業である部屋貸しの利用者。受験生だが、団地の部屋が狭く、家族が受験勉強に協力してくれない。とくに父親がばかおやじで、大きな声でテレビをつけてねっころがって大笑いしている。母親も弟も非協力的で、本人はふさぎこんでいる。本人は、関西の大学に進学したい。そんな家を出たい。出たらもう帰ってきたくないでしょう。


(第4話の感想です)

 平和です。土居志央梨さんの登場です。
 絵を描いている。団地に引っ越してきました。
 
 パンチ力はないけれど、じわーっと心があたたまってくるドラマです。

 今回は、麦巻さとこさんの毎月の収入が少ないので、女子高生に1時間400円で部屋貸しをするお話です。
 
 薬膳がらみのお料理は、ざるそば、てんぷら(カボチャ、鶏肉(とりにく)、サツマイモ、マイタケ、レンコン)、栗、とろろ、キノコ、黒豆、はと麦茶などが出てきました。

 名言の趣旨として、『とろろで(食べ物です)、へこんだ気持ちをもちこたえる。できない自分を、これでいいと認める』、『「もう死んでしまいたい」のうしろに、(な~んて、うそだよーー)という言葉を付け加える』
 なんだか、カウンセリング番組を見ているようでもあります。

 元気のない人に、少しずつ人が寄ってきます。集まってきます。元気がない人を、励ますためです。

 歴史に詳しいデザイン事務所の若い女性社員さんから、大村益次郎のお話が出ました。
 奥山葵(おくやま・あおい):巴沢千春(ともえざわ・ちはる)の役
 大村益次郎:江戸時代幕末期の政治家、軍人、医師。1869年(明治2年)44歳没。戊辰戦争で活躍した。(ぼしんせんそう:新政府軍VS旧江戸幕府軍。大村益次郎は、新政府軍)。大村益次郎は、日本陸軍の基礎をつくった。大村益次郎は、大阪で襲われて暗殺された。東京にある靖国神社に大村益次郎の大きな銅像が立っています。


(第5話の感想です)
 あいかわらずおだやかで静かです。
 
 元気がない麦巻さんです。
 麦巻さんを見ていて、まじめな人だなーと思います。
 
 司くん(つかさくん)と麦巻さんが、山で話をします。麦巻さんにとっての、『冒険』です。
 司くんの独身主義が披露されます。司の結婚について自身が消極的な理由が、過去の自分の家族との思い出話(祖母と母親を介護した話)とつなげながら麦巻に説明があります。
 司の父親は、司が生まれて、蒸発してしまった。父親は、家族を背負うのが重荷だったのだろう。司は最近その父親の気持ちがわかるようになった。深い考察があります。
 司は、自由な立場でいたい。ひとりでいたい。
 麦巻さんに、ちょっぴり失意があります。麦巻さんは、司との恋を期待していたようです。
 そのあと、麦巻さんが、実母とうまくいっていないようすが映像に出ます。

 栗を食べると元気になれる。
 牡蠣(かき)は不安をやわらげる。
 柿はおなかを冷やす。だけど、甘い干し柿は、気持ちをほぐしてくれる。甘いものは、気持ちをほぐしてくれる。

 上品な流れのドラマです。安心します。ドラマの流れに、味わいがあります。
 
 大学受験の勉強をしたいけれど、公団住宅の部屋は狭い。父親は、娘の受験勉強に協力的ではない。母親は、父親にはむかえない。弟は口うるさい。こんな家、早く出ていきたい。麦巻さんの貸し部屋を利用したい女子高生弓(ゆみ)の気持ちです。
 
 最後のほうで、『受け売り』の交換会みたいな会話のキャッチボールがありました。司と麦巻さんの会話です。じょうずにできた脚本です。  

2025年04月28日

ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅 陣取り合戦 埼玉決戦

ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅 陣取り合戦 第16弾 春の埼玉決戦 テレ東 動画配信サービス

 6勝6敗3分けですが、今回からルール変更がありました。
 とった陣(チェックポイントのようなもの)が同数のときは、タクシー代残金が多いほうが勝ちです。

太川陽介チーム:箭内夢菜(やない・ゆめな。わたしは知らないのですが、イッテQの出川ガールだそうです。あいにくわたしはイッテQを観ていません) ザ・マミィの酒井貴士(頼りなさそうなのですが、なかなかおもしろいキャラクターでした)

河合郁人(かわい・ふみと。ロケを見ていて、河合さんは芸能界で売れたいとか継続して働きたいという気持ちがひしひしと伝わってくる人でした)チーム:俳優 松尾諭(まつお・さとる。松尾さんは、昨年秋に東京渋谷にあるパルコ劇場で、江口のりこさんと共演されている演劇を観ました。ご本人を見て、体の大きい人だなあと思いました。ほかには、千葉雄大さんと松岡茉優(まつおか・まゆさん。芸達者な人です。ひとりで複数のキャラクターを演じておられました)が出演されていました。タイトルは、『ワタシタチはモノガタリ』でした。みりちゃむ(大木美里亜。朝ドラ「おむすび」に出て、博多のギャルを演じておられました。去年博多に行ったときに、ロケ地になった中洲の橋のあたりを見ました。たしか、そこで、ギャル集団のパラパラダンスの撮影があったはずです)

 ロケ地風景を見ていて、埼玉県は、農業県だとわかりました。
 田畑が広がり、狭くて細くて曲がっている道もけっこうあります。
 バスセンターや駅があるあたりは市街地です。埼玉県は、昼間東京へ働きに行く人たちにとってのベッドタウンなのでしょう。(仕事から帰宅して、寝るための家がある)
 各町村に設けられた陣(じん。チェックポイント)では、自然の恵みを中心にしたおいしいものがありました。ブルーベリーのアイスクリームとか、うなぎとか、おせんべいとか。
 
 うまくいくときもあるし、ミスするときもある。人生のようなゲームです。七転び八起き(ななころびやおき)なのです。太川チームは、循環バスに乗って、目的地への遠回り経路になって失敗しました。でも、最終的には勝利しました。陣の数は同数で、タクシー代残金の多さで勝ちました。おめでとうございます。

 陣取りがどうこうというよりも、6人のやりとりとか、地元の人たちのようす、地元の名物などを楽しみながら映像を見ています。
 新しい発見があって、自分の知識が増えることが楽しい。
 路線バスも、よーく見ると、いろんなデザインやスタイルがあって、ああ、バスの見た目ってこんなにたくさんあるんだと気づかされます。
 バス路線はややこしい。観ていても土地勘がないのでよくわかりません。

 ナレーターの話し言葉の文章がじょうずです。文章がうまくつくってあります。ナレーターさんの口調もいい感じです。

 桜の花がきれいでした。いいお天気のロケで良かった。

 『行田市(ぎょうだし)』というところがあります。
 行田市に関して、映画にもなった小説作品があります。
 『のぼうの城 和田竜 小学館』
  「のぼう」とは、「でくのぼう」の「のぼう」であり、「でくのぼう」とは、城主成田長親(ながちか)氏を指(さ)します。城の名前が「忍城(おしじょう)」、現在の埼玉県行田市(ぎょうだし)となっています。最初は、豊臣秀吉の小田原城攻めに取り掛かる場面があるので、のぼうの城は小田原城だと勘違いしました。その記述の前に備中高松城の水攻めの様子が描かれています。秀吉の豪快な水攻めに感動した石田三成は、「忍城(おしじょう)」を水攻めにしますが、大失態を演じてしまいます。なにゆえそうなったかの経過が歴史事実を基に創作されています。戦闘シーンの記述は、映画「レッド・クリフ」を見ているようでした。迫力満点です。

 そのほか、松尾諭さんはラグビーをやられていたそうで、ラグビーにかける思いを熱く語っておられました。わたしも高校の体育の授業では、ラグビーが好きでした。  

2025年04月27日

対岸の家事 第4話

対岸の家事 ~これが、私の生きる道!~ 第4話 TBS火曜ドラマ 22:00~22:57 動画配信サービス

原作:『対岸の家事 朱野帰子(あけの・かえるこ) 講談社』
第4話:持つ者は持たざる者の気は知らず?

俳優:
多部未華子(専業主婦。村上詩穂。娘が、苺(いちご)2歳半ぐらいに見えます。調べたら3歳の子役さんでした。もうすぐ4歳です。かなり演技がうまい)

一ノ瀬ワタル(村上虎朗むらかみ・とらお 多部未華子さんのだんなさん役。かなり優しい性格です)

江口のりこ(長野礼子。こどもふたりを保育園に預けて働いている。だんなの長野量平(川西賢志郎)は仕事で多忙なようす。実質ひとりで子育てと家庭のきりもり(物事をとりさばく)をしているように見えます。息子が、篤正(あつまさ。4歳か5歳ぐらいに見えます)で、娘が、星香(ほしか。まだ1歳半ぐらいに見えます)

ディーン・フジオカ(中谷達也。妻はアラブ首長国連邦都市型国家であるドバイで働くキャリアウーマン。中谷達也本人は、厚生労働省の職員)。中谷達也は、2年間の育児休業中です。娘は1歳ぐらいの佳恋(かれん)です。

 病院の若奥さんが、こどもができなくて妊活(にんかつ。子づくりのあれこれ)をしていて、姑さんが(しゅうとめ。だんなさんの 母親)、早くこどもを産んでくれと嫁をせかすわけです。うっとうしいことですな。

 病院通いをしているご近所のお年寄りは、(年金生活者で、お金はないけれど、時間はたっぷりある人たちというような設定です)病院の若奥さんについて、あれやこれやの噂話が大好きです。ほめてくれるいい話ばかりではありません。迷惑ですなあ。

 そんなことで悩んでいる若奥さんを中心にして、彼女の苦悩が浮き彫りにされます。
 そして、彼女の本当の気持ちは、結婚して辞めてしまった保育士ですが、結婚してからも続けたかったのです。
病院の手伝い仕事をしながら妊活をしているけれど、本当は、保育士をやりたいのです。彼女は、結婚して1年経つそうです。

 多部未華子さんは、思考や動作がのろいというか、ゆっくりとしかできない性格だから、自分は仕事と育児・家事仕事の両立はできないと自覚しています。
 病気で亡くなった母親からは、ムリしなくていい。自分のペースでゆっくりやればいいと言われたそうです。いちどにふたつのことを同時にできない人間です。専業主婦を応援するドラマでもあります。

 冷たい雰囲気をただよわせる父親役のディーン・フジオカさんは、自分をスパルタ方式の管理教育で育てた実母を許せないようすです。極力母親には会わないし、母親に孫娘を会わせないそうです。いろんな親子関係があります。幸せは遠い。

 多部未華子さんのところの苺(いちご)ちゃん役の子役さんがやけに演技がじょうずです。観ていてびっくりします。

 院長の息子のお嫁さんが履く(はく)靴にポイントをおいたドラマでした。靴の色が、そのときの気持ちの色なのです。地味な色ではなく、若さとか夢とか希望を主張する色の靴を履きたい彼女です。

 このドラマは、『あじさい』をイメージさせたい意図があるようです。花の色が変化するということだろうか。

 田中美佐子さんが出てきます。母親役です。
 田中美佐子さんには、こどもを生まない人生を選択した娘さんがいます。田中美佐子さんには、孫はできません。
 なんだか、みんな頭が良すぎて、あれこれ考えすぎて、悩まなくてもいいことで無理に悩んでいるようにも見えます。
 わたしは長いこと生きてきてわかったのですが、対立してもしなくても、最後は、みんな歳をとって、ヨロヨロになってしまうのです。何が何だかわからなくなったりもするのです。

 なんというか、多部未華子さんて、きれいな人だなーーと映像を観ながら時々思います。本当にきれいな人です。昨日動画配信サービスで、鶴瓶さんの、A-Studio(エースタジオ)という対談番組にゲストで出演されている多部未華子さんを見たのですが、鶴瓶さんも、多部さんがきれいになったと驚いておられました。

 未婚の人(こどもがいない既婚の人を含む) VS 子持ちの女性 という図式があります。
 表面上は問題ないようなつきあい方をしていても、こどもがいない女性は、こどもがいる女性に攻撃的な対抗意識をもっています。敵対心が現れたシーンがありました。
 表では平静であっても、相手がいないところでは、子持ちの女性を攻撃します。人間の表の顔と、裏の顔があります。いやですなあ。
 このドラマだと、親子関係も同様です。言いたいことがあっても文句を言えないぐらいに、親子関係がこじれているのです。子は、親の顔を見たくないのでしょう。
 言いたいことを言い合えて、ケンカしてもそのあと関係が元に戻る。現実社会では、たいていの親子や夫婦はそんな感じで長続きしていきます。しょうがないなあと思えるのです。それが、できない人たちがこちらのドラマには出てきます。ざっくばらんにはなれないのです。(本心を明かせない)

 多部未華子さんが、父子家庭で父親との関係がうまくいかず、高校の卒業式のあと家から逃げたという話をされたときに、はたと気づいたのです。わたしと同じです。わたしは、親と折り合いが悪くて、家出をしたかったのですが、そこまでの気持ちはなく、決心したのは、合法的な家出でした。高校を卒業したら家を出ました。同じですな。

 ラストで、不穏な空気をまとった若い女性が出てきました。(コワイ)