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2017年12月25日

チュベローズで待ってる AGE22と32 加藤シゲアキ

チュベローズで待ってる AGE22 第1部 加藤シゲアキ 扶桑社

 変わったタイトルです。意味をとれません。(ホストクラブの店名でした。白い花をつける多年草)。ホストクラブで働いた22歳のときです。もう1冊32歳があります。
変わったタイトルでもよく売れた本の例としてこんなものがあります。察するに、タイトルは売れる、売れないに関係ないのです。
 君の膵臓を食べたい
 うんこかん字ドリル
 もし文豪たちがカップやきそばのつくり方を書いたら
 顔ニモマケズ
 夫のちんぽがはいらない
 蘇る変態
 ナイルパーチの女子会
 脳男
 ニサッタ、ニサッタ
 八日目の蝉
 
余談が長くなってしまいました。

22歳と32歳を両方買ってきたので、22歳から読み始めました。もうすぐ読み終えます。1冊につき、ほかごとをしながらでも、休日が1日あれば読めます。

 独特の出だし文章です。力づくで読者を物語に引きずり込む腕力(文章製作力量)をもった才能ある作者です。
 
 半世紀前、大学は将来の幹部候補生が学ぶところでした。それが、だんだん失業者対策の受け皿のような組織になり、今では義務教育のようになっています。大卒の価値は下がりました。
 就職できないから意図的に単位を落として留年して学費を払う(お金がないと言いつつ)。考えられません。

 昨日読んだ物語に煙草の記事が多くて、ようやく禁煙できた身としては、読みたくない煙草推奨表現で、頭(こうべ)を垂れたのですが、今回のこの作品もまた煙草記述満載です。しんどいなあ。
 煙草吸って、アルコール飲んで、ホストがお金持ちの女子を接待して、男と女の関係になって、不正行為を企てて、それもこれも、金のため、就職できないからというのは、空しい(むなしい)。堕落です。

 そうはいってもおもしろそうな30ページ付近です。

 アルコールの話に興味がない人にとっては、けっこう退屈な時間帯が続きます。

 人事担当は守秘義務があるので、ホストクラブへは行きません。行くような人は人事担当に配置しません。倫理観の低い、底辺の人間のやりとりになってきました。むなしい行為が続きます。

 112ページの小学生芽々めめの「しゅうしょくできますように」は? 主人公の金平光太(かねひら・こうた)はすでにホストとして就職しています。

 お金のためにホストをするわけですが、芽々の私立中学受験の塾代とか通学費がないからというのは、理由としてびっくりです。世代の差を感じました。お金がなければ、義務教育の中学校へ行けばいいだけのことです。また、いい学校を出たからいい就職ができた時代はもう終わっています。

 40歳女性と22歳男の恋ってあるのかなあ。ないなあ。いや、あるか。たとえば、72歳女性と60歳男性、ありそうです。

 165ページのレモンの香り部分は意味をとれませんでした。

 なんかピンと直立したものが、主人公金平光太にも作者にもある。

 最後半部まできて、このストーリーの目標は何なのかを考えました。次の32へ続くという発想のみが浮かびました。まだ、ここには、目標がない。人間の汚点が書いてあっただけです。
 何かしら、ゲーム画面を見ているようです。

調べたこと、記録しておいたことなどは、「DDL:ゲームメーカーの子会社(架空)」、「ヒロイック:英雄的」、「時代の残滓ざんし:残りかす」、「クライシス:危機、重大局面」、「ヘパリーゼ:二日酔い予防剤(アルコールを飲まなきゃいいのにと思う読み手です。)」、「燻らせる:くゆらせる」、「ジェンガ:テーブルゲーム。タワーが倒れないように断片を抜き取る」、「ソルラル:朝鮮半島の旧正月」、「呷る:あおる」、「チャミスル:韓国のしょうちゅう」、「マキャヴェッリの君主論:君主とはどうあるべきか。君主=国家の最高位/慈悲深さを誤用しない。秩序を保つために処罰を厳しくするか厳しくしないか。25章運命のもつ力」、「睫毛:まつげ」


印象に残った表現として、「女性を喜ばせることに抵抗感がなくなった」

さあ、AGE32を読み始めます。


チュベローズで待ってる AGE32 第2部 加藤シゲアキ 扶桑社

 主人公を同じくして、シリーズ化するのだろうか。次は、AGE42厄年です。

 3時間ぐらいで読める分量です。

 前回が、2017年、今回が、2025年、8年間が経過しています。

 スマホのゲームアプリ制作会社とか、アプリのことが下地、背景に置かれています。

 人間関係の幅と空間は、広くない設定です。

 主人公はよく吐きます。

 斉藤ユースケは、なぜ、叔母斉藤美津子のことをそんなに知りたいのだろう。甥のユースケからみて、叔母は叔母でしかない。母ではない。

 就職難の時代をくぐりぬけてきた世代のうらみはらしますみたいな内容です。それから、兄と妹の関係をとおして、家族間の交流を大切にしなさいというメッセージがあります。
 「君主論」が柱になっている部分があるのですが、読んだことがないのでわかりません。
 パワハラとかコネ入社の否定などに寄りかかるのは、上の世代からみると甘えに見えます。
 主人公というひとりの人物の成功物語でもあります。
 「狂気」のある物語でもありました。なんだか、生きる希望も夢もなくなる作品でした。人間をだれも信用できなくなる方向性をもった小説でした。死んだ人のことにいつまでもこだわりをもつ小説でもありました。どうしてだろう。

 後半は、長ゼリフが続き、読むのに疲れました。
 この物語は悲話なのか。
 猫がよく通ると思っていたらやっぱりそうだった。
 なんでもありの世界です。もつれが複雑でわかりにくい。
 親から虐待を受けているこどもって多いという印象をもつ小説です。シングルマザーの記述も含めて、福祉小説という位置づけもあります。
 因果にこだわりあり。仏教世界でした。

わからなかった言葉です。「ディストピア的:空想的未来。理想郷ユートピアの反対。否定的、不道徳」、「3Dトーキング:3Dキャラクターによる説明。3D=縦・横・奥行」、「クンジョル:土下座に似た韓国の作法」、「素面:しらふ。お酒飲んでない」、「ラフロイグ:スコットランドのウィスキー」、「otherwise:別の方法で」、「エクリチュール:言葉で説くこと」、「プロトタイプ:デモンストレーション用のコンピュータープログラム」、「スモーキーなウィスキー:毎日晩酌で飲むウィスキー」、「不可逆:再び元の状態に戻れないこと」、「導因:結果を導き出した原因。どういん」、「御託ごたく:自分勝手なことをくどくど言う」、「ナンバ歩き:同じ側の手足を前に出す歩き方」

いいなと感じた表現です。「情報が少なかった」、「観念的会話:頭の中だけで考えたことで具体的な事柄がない」、「マスコミをメディア」、「生きているというよりも生かされている」

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