2024年04月16日

ふたりっ子バンザイ 石亀泰郎写真集

ふたりっ子バンザイ 石亀泰郎写真集(いしがめ・やすお) 復刊 夏葉社(なつはしゃ)

 小さなこどもさんふたりの白黒写真集です。
 男の子ふたりです。
 1965年(昭和40年)に出版された写真集の復刊です。(2017年(平成29年)発行)
 昭和40年のころ、わたしは小学生でした。
 なつかしい暮らしが白黒写真の中に残っています。

 作者の、『あとがきにかえて』の文章に胸を突かれるものがあります。
 (ご自身は)小学5年生のときに朝鮮半島から引き揚げてきた。(満州(まんしゅう)からの引き上げでしょう。第二次世界大戦で、日本は敗戦国でした)
 13歳のときに北海道の叔母のところに養子にだされた。
 きょうだいはいなかった。つまらなかった。
 (そうか。自分には兄弟がいるのでさびしいと思ったことはありませんが、兄弟姉妹がだれもいないとさびしいだろうなあ)
 結婚して、25歳ぐらいのときに、年子で男の子がふたり生まれた。(その喜びが自分にもわかります。こんな自分でも父親になれたという、一生に一度だけ体験できる大きな喜びでした)

 写真集では、63の項目がひとつひとつの白黒写真になっています。
 『ぼくらの世界のはじまり』から始まって、『これゴーゴーっていうんだ』で終わります。

 最初の写真は、まだちいさい(男の子ふたりです)
 ひとりは、口に哺乳瓶を(ほにゅうびんを)くわえています。
 人生の始まりですな。

 なにもかもが新世界です。
 見るもの聞くもの、すべてに興味がわくころです。

 ひとりを三輪車にのせて、もうひとりが三輪車を押しています。
 かわいい。
 こどもは、遊ぶのが仕事です。
 おにいちゃんは、笑顔です。
 1歳と0歳ぐらいに見えます。

 ふたりのちびっこは、くっついては離れ、離れてはくっつき、親としては手がかかるころです。でも、どんどん大きくなっていきます。

 ケンカして、仲直りして、またぶつかってのくりかえしです。

 いっしょに並んで寝ます。
 親がほっとひと息つける時間帯です。
 おんなじようなかっこうをして、あおむけで寝ているふたりです。
 ときには、その横で、パパが寝ていたりもするのでしょう。

 ワンちゃんもいます。
 飼い犬です。

 もう、おちんちんは、ほおりだし状態ですな。

 同じようなポーズが続きます。
 立ち上がる。上を見る。リンゴをかじる。
 にぎやかです。

 たいへんそう。
 こどもの笑顔にほっとする。

 雪がふったのでしょう。
 生まれて初めて見た雪かもしれません。

 ママの顔と髪をくしゃくしゃにします。
 もうひとりは、小さなお手手で、ママのお鼻をつまみます。
 
 笑い顔があります。
 泣き顔があります。
 生きています

 〇〇ごっこが好きな年齢です。
 でんしゃごっことか。鉄砲ごっことか。
 公園ではすべりだいですべるし、お砂場で砂だらけになったりもします。
 雨がふれば、泥遊びです。
 雪がふれば、雪遊びです。
 お馬さんごっこもするし、電話ごっこもします。電話機は、ダイヤル式の黒電話です。
 
 ふたりは、成長して、だんだん大きくなってきました。
 しっかりした体格になってきました。
 ふたりで幼稚園へ行きます。年中さんと年少さんでしょう。4歳と5歳です。
 
 こどもというものは、ずっとちいさなままでいてくれるといいのになあと思うことがあります。
 2歳半ぐらいのころが、一番見た目がかわいい。天使か妖精のようです。
 
 浮き輪を付けて、海水浴のようなシーンがあります。
 川原で遊ぶ。夏祭りに行く。わたあめを食べる。楽しいことがいっぱいあります。

 ひとつ、この年頃のこどもたちの洋画を思い出しました。
 『ちいさな哲学者たち フランス映画 2010年公開』以下は観たときの感想の一部です。
  4歳から5歳児の幼稚園のこどもたちに先生が哲学の授業をします。けっこう、探求心が深い。 テロのニュース、青少年がネット漬けになっているニュースから始まります。
 ろうそくを出して、『考える』ということについて話し合いが始まりました。『考える』は目に見えないから、口を開けて言葉を使って自分の意思を相手に伝える。
 映画を観ている人へのアナウンスとして、わたしたちは哲学をします。幼稚園に哲学の時間帯があります。こどもは熟考します。こどもたちの多民族に驚かされます。肌の色はさまざま、国籍もいろいろ、アジア、アフリカ、ヨーロッパなど。
 テーマは、『愛情(の種類、ありよう)』『死とは』『友情』『結婚』『性』など、心の根っこに関することです。
 哲学とはと問われたこどもが、『自分に質問すること』と答えます。先生が、『わたしたちをとりまく世界を教えること』と説明します。
 正解はあってないようなものですが、大事なことは『考えること』です。
 同性愛は可能か、同性は結婚できないか「結婚の法則とはなにか」にまで話が届きます。園児は答えます。同性でも好きだけど恋じゃないという答えが女児から返ってきました。
 そして、あやまらないと恋は続かないということをこどもが導き出します。

 写真集にもどります。
 幼稚園のお散歩なのか、遠足なのか、生きたカエルを手につかまらせます。
 このころ、生き物をこわがる子と、こわがらない子がいます。
 わたしは動物類が好きでした。虫とかも好きでした。歳をとった今はにがてです。

 最後の写真では、ひとりがギターを弾き、もうひとりは、なにかを太鼓にしてたたいていました。

 カラー写真じゃなくて、この写真集のように白黒写真のほうが、味わいがあったりもします。  

Posted by 熊太郎 at 07:47Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2024年04月15日

バスVS鉄道乗り継ぎ対決旅19 木更津~九十九里 

バスVS鉄道乗り継ぎ対決旅19 春の房総&三浦半島攻略SP!木更津~九十九里 テレビ東京とかTVer(ティーバー)とか

 太川陽介路線バスチーム これまでに8勝:北乃きい (ぱーてぃーちゃん)信子
 村井美樹鉄道チーム これまでに10勝:真飛聖(まとぶ・せい) 馬場もも子

 6人のうち、女性が5人で、にぎやかで華やかな時間帯でした。なかなか良かった。
 太川陽介さんは負けて、4連敗でしたが、村井美樹さんも以前は負けが続いてつらいときもありました。
 太川陽介さんが次回は勝つといいなと思うのですが、村井美樹さんの壁はぶ厚くなりました。

 出発地である東京湾を横断する道路(東京湾アクラライン・海ほたるパーキングエリアとか)のあたりは、自家用車やレンタカーで何回か行き来しました。途中空撮で出てきた千葉県房総半島にある鋸山(のこぎりやま)にも登ったことがあります。見ていて、身近に感じるコース取りでした。

 ちょっと不思議に思ったのは、鉄道の村井美樹チームが、初日に東京湾を横切るフェリーに乗ろうとしたことでした。(神奈川県横須賀市久里浜(くりはま)-千葉県富津市金谷(ふっつしかなや))
 わたしは鉄道で、千葉から品川あたりまでをたまに往復するのですが、東京湾をぐるりと鉄道で移動できることを始めて知ったときに、なんて便利で素敵なのだろうかと思いました。
 鉄道チームは鉄道を使うから鉄道チームなのですから、いくら時間がかかろうと、初日は鉄道で行ってほしいと思いました。番組では、なりゆきで、鉄道を使うことになったので、それはそれでとても良かったと思います。

 チェックポイントで、はちみつ工房があって、巣蜜入りハチミツが出てきたのですが、ちょうどうちの冷蔵庫にも巣蜜入りハチミツがあり縁を感じました。パンにつけて食べています。

 体育会系です。体力と根性がこの対決勝負の基本です。みなさん立派でした。
 厚底15cmの靴で、歩いたり走ったりされたぱーてぃーちゃん信子さんはたいしたものです。びっくりしました。陸上部で活躍されたスポーツウーマンだそうです。
 
 太川陽介さんがいろいろ苦労されています。
 この番組を観たあと、答え合わせの映像も見ましたが、『思いこみ』が敗因との指摘でした。
 されど、しかたがありません。歳をとってくると、経験で物事を考えるようになります。たいていはそれでのりきれます。ただし、勝負で勝つためには、①ひらめき ②勢い ③真剣勝負(絶対引かない強い気持ち)の要素が必要になります。
 
 北乃きいさんが実家がある地元だそうで(三浦半島横須賀市出身)、YRP野比というのが何なのかに興味をもちました。野比という苗字(みょうじ)は、ドラえもんに出てくる野比のび太くんを思い浮かべます。YRPは、調べたら、「ヨコスカ・リサーチ・パーク」でした。なるほど。地元が企業を誘致するためのスペースです。各種研究施設用地に向いているらしい。

 東京湾フェリーから見える海と夕陽がきれいでした。富士山も美しい。
 東京湾をはさんで、千葉と神奈川を行ったり来たりで、広範囲のダイナミックな闘いでした。

 真夜中の道を歩く鉄道チーム三人の女性に、通りがかりの車から一般の人が(親子のこどもさんの声に聞こえました)、『がんばってください』の応援のかけ声が良かった。つらい思いをしているときこそ応援してあげたい。

 何度か、あまりにもつらい状況で、笑うしかないというシーンがあり、心に残りました。

 朝5時からの朝市もすごい。朝5時過ぎから、『もう終わっちゃうよ』のお店の方のかけ声にびっくりしました。

 鉄道チームが歩くのは宿命です。バスチームは小回りが利きます。(ききます)
 鉄道チームは列車に乗ってしまえば相当速いのがお得です。

 村井美樹さんが、いすみ鉄道というのは、本数が少ないと言ったので調べてみました。1時間に1本ぐらいの感じで、途中駅間だけの運行もありますな。

 鉄道チームは、波乱が続きました。だいじな地図をコンビニに忘れてきたり、タクシー料金をもたずに村井美樹さんが帰りはタクシーに乗るつもりで温泉にひとりで入りに行ったり、されど、失敗は成功のもとで、タクシー代の節約になりました。(村井美樹さんは、歩いたり、走ったりで、タクシーを使わなくてもあとのふたりとの待ち合わせの時刻に間に合いました)
 あとは、村井美樹さんは方向音痴でよく道を間違えるのですが、今回も駅への道を間違えました。例によって、けっこう長い時間、間違いに気づけませんでした。人に聞けばいいと思うのですが、山の中で、なにせ通行人がいません。ハードです。

 せっぱつまったときに、人間性が表に出てきます。
 みなさん性格の良い方ばかりで、お怒り(おいかり)になる人もおらず、やけになる人もおらず、感心しました。
 わたしは、歳をとってみて、わかったのですが、人生においてトラブルが起きるのは、あたりまえのことで、事件や事故や失敗は、人生につきものなのです。
 人間の運命の矢印は常に最悪の方向へと向かっているのです。そこをなんとかするのです。物事というものは、なんとでもなります。なるようになる。一生懸命やって、できるものはできるし、できないものはできないのです。できなかったからといって、気にすることもないのです。期限はあるようでない。すべての期限は、自分が死ぬ時だと割り切っています。

 地元の名物料理、『おらが丼(どんぶり)』も、辛い(からい)タンタンメンもなかなか良かった。
 バスチームのおふたりの女性のチャレンジはすばらしかった。鉄道チーム北乃きいさんの激辛(げきから)タンメンチャレンジも迫力がありました。
 ドラマチックな展開が何度もありました。
 最後は、列車の発車まで、奇跡の残り1分での乗車で、鉄道チームが勝利を手に入れました。おめでとうございます。

 信じられないようなびっくりすることが起きる番組です。
 あまりにもすごすぎて笑うしかないときもあります。アツアツタンタンメンのぐつぐつと煮えているスープを見たときにそんな感じになりました。
 
 タカラジェンヌだった真飛聖(まとぶ・せい)さんの根性はすごい。以前、太川陽介さんとえびすよしかずさんのバス旅のゲストで、元タカラジェンヌの遼河はるひさん(りょうがはるひさん)が、路線バスの中で、宝塚歌劇団が好きな女子高生にした話が良かった。『人生のすべてで使う根性をそこで(宝塚歌劇団で)使い切った』
 いろいろ話題になっていますが、良くも悪くも宝塚歌劇団魂がその後の人生で生きています。

 こちらの番組で走る女子たちは、鬼のような形相(ぎょうそう)です。

 同じ週に、BSテレ東で再放送されている昔の太川陽介さんとえびすよしかずさんの路線バス乗り継ぎ人情旅の番組を観たのですが、太川陽介さんが、今より10歳以上お若いです。同行のえびすよしかずさんもきびきびとしていてお元気です。なのにえびすさんは、今は認知症になってヨロヨロです。別人のように変化して今は元気がありません。
 先日は、大相撲で、新入幕したばかりの尊富士(たけるふじ)の劇的な優勝のあと、えびすよしかずさんの近況を伝える福祉的な認知症がらみの番組がNHKで流れていました。
 えびすさんは雀荘で(じゃんそうで)、年配の女性たちとマージャンを始めましたが、よろよろでした。もともとギャンブル好きで、しぶとい勝負師のマージャンを打つ人でしたが、今はもう、マージャンパイをにぎる指に力もはいらないようすです。ルールも忘れてしまっているようすでした。認知症で人格がいくぶんか変わってしまわれました。なにかしら認知症が治るいい薬があれば、えびすさんに飲むなり、点滴するなりして、また元気になってほしいものです。
 洋画、『グリーンマイル』では、体の大きな主人公が、認知症の女性を治すシーンがあります。認知症にきく特効薬を発明したらノーベル賞がもらえるような気がします。
 太川陽介さんとえびすよしかずさんは、右と左、前と後ろ、水と油みたいな性格で、お互いに、いやだろうなあと思いあうコンビでした。そこが、おもしろかった。あんがい、自分と似たような性格の人とは友だちにはなりにくいものです。自分にないものをもっているから相手に魅力を感じるということはあります。
 昔の路線バス乗り継ぎ人情旅の番組でも、太川陽介さんがえびすよしかずさんに本気で怒ってカッカするのですが、えびすさんがさらりとかわしていきます。『もうこの番組は、今回で最後だ!』と太川さんにどなられたえびすさんが、『収入が減るから困る』みたいなことを言い、『マンガで食べていけばいいじゃないか』と太川さんに言い返されて、えびすさんは、『マンガは売れない』と嘆きます。えびすさんは、受け答えがじょうずです。生まれながらにしてもっているユーモアがあります。
 また、番組の別の放送回の時に、太川陽介さんと女性のゲストの意見が対立すると、えびすさんが太川さんに、女の人の言うことはきいておいたほうがいいよとアドバイスします。なかなかおもしろくて、楽しい番組でした。
 そのうちまたおふたりは再会されるのでしょう。太川さんはえびすさんの元気のない変わりように驚かれるでしょう。でも、そういう太川さんもそれなりに歳をとられました。

 勝負を終えて、みなさんいい仲間です。
 この番組でいっしょになったことが縁で、互いに一生(いっしょう)の友になる人もいるのでしょう。  

2024年04月13日

はたらくことは生きること 昭和三十年前後の高知 石田榮写真集

はたらくことは生きること 昭和三十年前後の高知 石田榮写真集 羽鳥書店

 白黒の写真集です。
 これまでに同様なパターンで読んだ写真集の本が二冊あります。
 『筑豊のこどもたち(ちくほうのこどもたち) 土門拳(どもん・けん) 築地書館』
 胸にズシンときます。福岡県の産炭地(炭鉱)だったところです。写真に写っているこどもである本人たちにとっては、隠しておきたい、あるいは忘れたい暮らしだったと思いますが、今となっては本人も忘れかけているくらい昔の出来事になりました。貧しい中でのこどもたちの暮らしがあります。(写真に写っている少年少女たちは、いまごろ八十代かもうお亡くなりになっていることでしょう)
 もう一冊が、『足尾線の詩(あしおせんのうた)写真集 斎藤利江 あかぎ出版』
 写真のなかのこどもたちは、笑っています。昭和三十年代の群馬県・栃木県の山奥のこどもたちです。今は中高年になった人たちの、なつかしいこども時代の姿がそこにあります。また、女性である著者は写真家になりたかったが、父親が反対して、カメラもネガも取り上げた。長い時間が流れ、著者が60歳になったとき、父親によって捨てられたと思っていたネガが発見され、今回の写真集になったという製作のきっかけ話には感動しました。

 さて、こちらのこどもたちや人々が写っている写真集は、昭和三十年ころの高知県の暮らしです。

 ふんどし姿で働く男性がいます。場所は海の近く、浜辺です。
 そういえば、わたしの祖父も(父方も母方も両方の祖父が)、ふんどしを愛用していました。わたしは、ふたりがパンツをはいている姿を見たことがありません。

 高知県内の、農村、鉱山(石灰石採掘)、山里、港町、市場などで撮影された生活・労働・風土の写真です。

 観ていて気づくのは、女性の労働者が多いことです。みなさん働き者です。
 くわえて、こどもも働いています。戦前は、こどもには人権はなく、こどもは労働者として扱われていたと書かれた本を読んだことがあります。それは、日本だけではなく、イギリスを始めとした世界中で、こどもは、家畜のような労働力として期待されていたという時代があったようです。女性も同様でしょう。
 いまNHKの朝ドラ、『虎に翼』でも、1945年(昭和20年)第二次世界大戦の終戦前までは、女性は法律上も、無能力者扱いされています。
 ドラマの中で女性は「禁治産者」だというセリフがありました。きんじさんしゃ:本人だけでは意思決定ができない。結婚した女性の場合は、夫が意思決定をして、妻がそれに従うことがあたりまえとあります。
 余談(本筋から離れた話)ですが、ドラマ『虎に翼』の映像を観ていて、撮影場所がたぶん自分が見たことがある場所です。名古屋市昭和区にある鶴舞公園(つるまこうえん・つるまいこうえんと呼ぶ人もいます)の噴水塔とかその背景にある名古屋市公会堂とか、昔、家庭裁判所だった今は名古屋市市政資料館、名古屋市役所本庁舎内の廊下とか通路ではなかろうかと思う場所もあります。階段や壁などの色は、CG(コンピューターグラフィックス)で加工されていると推理しています。
 そのほか、愛知県犬山市にある明治村の中の施設もロケ地として使ってあるような気がします。まだ始まったばかりですが、このドラマ、『虎に翼』はきっと後世に残る名作になります。このドラマを観るしばらく前から、主役を演じる伊藤沙莉さん(いとうさいりさん)の演技のうまさに感嘆し、感心しながら楽しみに毎日観ています。
 もう一点は、少し前に観ていたNHKドラマ、『正直不動産』に出ていたシソンヌ長谷川さんが、弁護士役で(相方のシソンヌじろうさんも弁護士役です。以前、出川哲朗さんの充電バイクの旅で、シソンヌじろうさんの実家がある青森県内のご親族が出演されていたことを思い出しました)出ていて驚きました。どこかで見たことがある人だと思ったら、ドラマ、『正直不動産』に出てくる登坂不動産(とさかふどうさん)で部長職を演じていた人でした。ドラマ『正直不動産』も、こちらの『虎に翼』も、正義(せいぎ。正しい人の道)を通すことがテーマです。

 こちらの写真集の感想に戻ります。
 石灰岩や石灰石がいいお金になったのでしょう。
 資材の原料です。お化粧品や肥料にもなったそうです。
 
 白黒写真に写っている人たちは、いまはもう寿命でお亡くなりになっている人が多いのでしょう。
 しみじみと胸にくるものがあります。
 人は生きて、人は死んでいきます。

 お金を稼ぐ(かせぐ)ための肉体労働です。
 夫婦で協力して、肉体労働をします。
 手仕事が多い。機械の利用は少ない。人力が基本です。
 自然との共生があります。山があって、川があって、農地があって、海がある。
 母親のそばには、ちいさなこどもがいる。この時代、保育園とか幼稚園は、いなかにはなかった覚えです。わたしは、幼稚園にも保育園にも行ったことがありません。それから、学習塾にも行ったことがありません。わたしがこどもだった頃の故郷九州のまちには、塾というものはありませんでした。

 休憩中でも体を動かします。洗濯をされている女性の写真があります。

 おふろがあります。五右衛門ぶろです。

 女の子はみな、おかっぱ頭です。
 こどもがこどもをおんぶして子守りをしています。
 女の子がたくさんいます。
 おとなの草履(ぞうり)をはいているちいさな女の子がいます。

 映画館があります。映画が娯楽だった時代がありました。
 まちに映画館がたくさんありました。昭和三十年代から四十年代なかばのことです。まだテレビは全戸に普及していませんでした。

 紙芝居の写真があります。
 こどもがいっぱい集まっています。
 類似の写真のデータをわたしはもっているのでここに落としてみます。以前、福岡県の飯塚市にある歴史資料館で撮影したものです。(観光目的で入館した時に撮影の届けを出して撮影しました)日本全国で、紙芝居屋のおじさんたちが活躍していた時代がありました。思い出すに、わたしも小学生のこどものころ、自分で紙芝居を家でつくって友だちに披露していました。







 話は戻って、こちらの写真集の本に載っている幼児はいつも、働く両親のそばにいます。
 こどもがこどものめんどうをみています。
 あかちゃんは、じべた(地面)の上にしいたふとんの上で、ふとんをかぶって眠っています。熟睡しています。海に近い砂浜で寝ているあかちゃんもいます。
 写真をみるとたいへんそうですが、案外、こどもにとっては、安心な環境だったのではなかろうか。目をさませば、まわりに両親や兄弟姉妹、近所のひとたちが働いていました。
 こどもをおんぶして働いている母親も複数います。現代よりも恵まれた労働環境があったように思えます。子育て環境です。保育園に預ける必要がありません。

 なにもかもが人力ですから協力が必要です。
 機械はありません。

 轆轤(ろくろ):回転式の装置。重い物を引いたり上げたりする滑車(かっしゃ)。

 女の子たちは、背中に弟・妹をのせて、みんなで子守りをします。
 ばあちゃんは、ゲタをはいて歩きます。
 海辺で石をひろってきて、みやげ物にします。
 
 海辺で、少し大きな石で釜戸(かまど)をつくり、火をつけて、やかんでお湯をわかし、食事をとる漁師がいます。自給自足の暮らしです。

 稲刈りも人力です。
 わたしも中学の時、のこぎり型のカマを使って、手作業で稲刈りをしたことがありますが、とてもつらかった。腰が痛くなります。

 物を運ぶのは、リヤカーです。
 自家用車なんてなかった時代です。

 馬がいます。労働用の馬です。
 物を運びます。
 牛もいます。
 農耕作業用の牛です。
 鉄道列車に乗る行商人がいます。海の物を山へ、山のものを海へと行商に励みます。
 
 魚市場で、大きな魚を洗う写真があります。
 魚というたくさんの命が生まれて、たくさんの命が消えていきました。

 まき割りをする人。プレス工の人。旋盤工の人。職人技があります。
 
 家のそばには、犬がいます。飼い犬なのかどうなのかはわかりません。

 船で南米へ移民する人たちを見送る写真があります。こちらの写真では、行き先が南米のパラグアイとあります。船上の夫婦やちびっこたちは、夢でいっぱいなのか笑顔です。
 小説『蒼茫(そうぼう) 石川達三』を読んだことがあります。日本から南米へ渡った移民のお話です。過酷な太平洋航路と現地での暮らしで、命を落とす人が多かった。
 (読んだときの感想がデータに少し残っていました)
 「蒼茫(そうぼう、青い海原を指します。)」を読みました。おそらく大正時代末期から昭和時代の初期だと思うのですが、ブラジルへ向かう日本人移民の物語でした。日本を出港した移民船の中で、次々と人が死んでいくのです。病死でした。その先は読んだ時の記憶が定かではないのですが、ブラジルへ移民後も、やっぱり人が死んでいくのです。亡くなっていく群像は、日本の貧困な農民家族でした。
 
 写真集の後半部に、第二次世界大戦中のことが書いてありました。
 自爆することを目的とした特攻隊の隊員を選ぶ時は、『長男』は除外されていたそうです。
 そういう時代が確かにありました。いまも少しは残っているのかもしれません。長男優先の考え方です。家制度の保守です。  

Posted by 熊太郎 at 08:05Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2024年04月12日

キセキの葉書 邦画 2017年(平成29年)

キセキの葉書 邦画 2017年(平成29年) 1時間30分 動画配信サービス

 人からいい映画だったと勧められて観ました。
 なつかしい気持ちにひたりました。
 音楽と歌がなつかしかった。
 『花の街』、たしか小学生だったか、中学生だったかのとき、音楽の授業で何度も歌いました。合唱曲です。美しい歌詞とメロディーです。
 『耳をすましてごらん』、自分の青春時代にギターを弾きながらよく歌いました。NHK朝ドラ『藍より青く(あいよりあおく)』の主題歌でした。1972年放送(昭和47年)でした。熊本県の天草(あまくさ)という島での話で、自分は天草に土地勘があったので親近感をもちました。
 こちらの映画の舞台になった兵庫県の武庫川(むこがわ)というところへは、親族や友人がいたので、十代後半の頃何度か訪れました。いまはもう知り合いはだれもいません。そんな、大昔のことを思い出しながら映像を観ました。

 障害児(脳性麻痺女児6歳ぐらい)を抱えた母親の物語です。小学四年生ぐらいの長男がいます。夫は大学の先生のようです。
 母親の実家が大分県の佐伯市で(さえきしで)、彼女の父親がいて、実家の母親は精神病と認知症を発症しています。なかなか厳しい環境です。

 まあ、自分は男なので、まず、ご主人とお父さんの動きがあまりないのが気になりました。介護も育児も家事も女性の仕事みたいになっています。(それではいけません。男も参加しましょう)

 冒頭付近にあった。手を握ることによる女児の意思表示が良かった。
 以前読んだ本で、『跳びはねる思考 東田直樹 イースト・プレス』を思い出しました。外見は障害者でも頭脳は明晰(めいせき。はっきりしている)なのです。きちんと意思があるのです。読んだ時の感想の一部です。
 『常識の枠を破って、世界観が広がる本です。会話ができない自閉症である著者が自らは意識をもっていることを証明しています。その知能レベルは高い。22歳同年齢の健常者以上です。奇跡を感じます。驚きました。』
 障害者でも意思疎通は可能なのです。ちゃんと心があって、脳みその中は活動しているのです。表にうまく出せないだけなのです。

 『気持ち』を重視する映画です。
 葉書に気持ちをこめるのです。
 『気持ち以外で人を助けることができますか?』という問いに対して、『それ以外で(気持ち以外で)、助かる人がおるんですか?』と返答がありました。
 人間が窮地に追い込まれたときの最後は、ガッツ(強い意思)で克服するのです。

 葉書は、日記ですな。返事不要の日記です。されど、毎日書いて送るとなればネタ切れ発生です。息子さんにも手伝ってもらいます。日記はやがて、創作物語に変化していきます。
 書き続けることが、文章上達と創作じょうずになるコツです。
 もし自分だったら、書けるときに何枚も書いて、ストック(保存)しておくだろうと思いました。

 生きていくのはつらいなあ。
 つらいこともあるけれど、同じくらいうれしいこともあるなあ。
 そういう映画です。胸を打つ感動があります。

 合唱『花の街』を聴いていると、淡々ときちんと生活していく。一日一日の積み重ねで、夢を達成する。歌にあわせて、一日1枚ずつ娘から母親に届く葉書が増えていきます。『やさしい気持ち』があります。

 施設へ入れる(いれる)話がでます。障害があるこどもさんについてと、老いた認知症の母親についての両方です。
 理想としては、なるべく在宅で介護なりをやったほうがいいと思います。
 施設は楽園でも心地よい天国でもないと思います。本人もまわりもたいへんそうです。
 ただ、親族だけの介護には無理があります。社会的介護(ヘルパー派遣など)に寄りかかったほうがいい。実の親子だけだと、DV(ドメスティックバイオレンス。家庭内暴力)が起きそうです。

 実話の映画化だそうです。
 ご苦労があったとお察しします。

 自分はだいじょうぶと思っている人が、あんがい認知症になったりもします。
 明日はわが身です。

 母親は本を出版するためにがんばって原稿を書きます。今はパソコンの時代なので、映像で見る手書きの原稿書きはちょっと時代錯誤かなと思いましたが、阪神淡路大震災のころは、まだ、ワープロの時代だったから、手書きでもだいじょうぶでしょう。大きな自然災害でしたが、もうずいぶん昔のことになりました。1995年(平成7年)1月17日阪神淡路大震災発災(はっさい)でした。

 映像を観ていて、昔読んだ、『1リットルの涙』を思い出しました。『1リットルの涙 木藤亜矢 幻冬舎文庫』
 たしか、『体が不自由、歩き方を笑われる。自分を金食い虫と責める。頭が悪くてもいいから丈夫な体がほしい。本人もお母さんもつらい。Dr.に病気を治してと訴える。生徒手帳と身体障害者手帳をもらう。修学旅行先で気持ちの悪いものを見るように見つめられる。ついに歩けなくなる。自分は何のために生きているのか。結婚したい。自分にできることは、自分の死体を医学に役立ててもらうことだけ。』と書いてありました。自殺して命を失うなら、その命をわたしにくださいとも書いてあったような記憶です。自殺しちゃだめです。自殺しなくても人間は、いつかは必ず死にます。
 本を二回読んで、以下は、二回目に読んだときの感想です。
『作者は泣き虫でした。後半が近づくにつれ、読者も涙なしでは読めなくなります。二度目の読書にあたって整理しました。家族構成は次のとおりで始まります。7人の大家族です。両親、作者14歳、妹12歳、弟11歳、弟10歳、妹2歳です。母親は保健所勤務の保健師です。作者の病名は、「脊髄小脳変性症」です。17歳で身長149cm、体重36kg、徐々に歩けなくなる。ものをつかめなくなる。声が出なくなる。寝たきりになる。しかし、頭脳ははっきりしています。学力があっても体の動きはついていけない。25歳10か月で亡くなっています。』

 こちらの映画では、仮面うつとか、発作(ほっさ)による呼吸困難とか、自殺企図(じさつきと)とか、考え出すといろいろむずかしい。はりつめたものがある映画でした。
 小学生男児たちによる主人公ママの創作作品批評の時間帯が良かった。批評とはいえ、母親にとっても、くつろげる時間帯でした。
 何も考えないという健康法もあるような気がしました。気持ち60%を入れ込むけれど、あとの40%であきらめる。なんとかなるとあきらめる。リラックス、リラックス。くつろぐ。  

2024年04月11日

出川哲朗充電バイクの旅 高知四万十川から愛媛段畑

出川哲朗の充電させてもらえませんか? 高知四万十川から愛媛遊子荷浦(ゆすみずがうら)の段畑 TVer(ティーバー)

おかげ様で8年目!行くぞ清流四万十川(しまんとがわ)からだるま夕日に宇和島のピラミッド!絶景だらけの118キロ!なんですが澤部とあばれる君が有頂天すぎてヤバイよヤバイよSP


 もう何十年も前のことですが、自分が19歳のころ、車で四国を回った時に通ったルートだったので、なつかしく拝見しました。
 この番組は、めでたく8年目を迎えられたそうですので、出川哲朗さんもゲストさんたちも健康に留意して番組を継続してくださいな。
 いつも映像ででてくる景色を楽しみに観ています。行ったことがないところでも、たぶんこんなふうなところなんだろうなと想像しながら、イメージをふくらませています。

 宿毛(「すくも」と呼びます):自分が車で四国を回った時は、地名の読み方を間違えて、通りがかりの中年男女二人連れに、『この道は、しゅくげまでつながっていますか?』とたずねたら、『しゅくげ』というところは聞いたことがないと言われました。漢字で書くと宿(やど)に毛ですと再度聞いたら、すくもと呼ぶんだよと笑いながら教えてくださいました。道路に間違いはありませんでしたが、当時の道は、道幅が狭く、舗装もされていなかったような記憶で、本当にこの道で宿毛に行けるのだろうかと不安でした。当時は今のようなカーナビという気のきいたものもありませんでした。もちろん車はマニュアル車で、エアコンも付いていませんでした。高知から→途中に「中村」という地名があった記憶です→宿毛(すくも)→宇和島→松山へと移動しました。

 番組では、メンバーは、ずいぶんといなかのほうを回られました。人があまりいないから、自然が豊かです。人間がいると、どうしても自然が汚れてしまいます。
 
 土方ディレクター(ひじかたディレクター)はあいかわらず段取りが悪くておもしろい。太川陽介さんと路線バスの旅に出ていたえびすよしかずさんみたいで笑いを提供してもらえます。
 ハライチの澤部さんはバイクに乗り慣れていないようすで、また、この番組のゲストさんは、数日前に突然出演することを教えてもらうようで、心の準備がたいへんそうです。

 だるま夕日の景色が良かった。(海に沈む太陽が反射して、だるまさんのように見える)
 
 地元のお祭り会場はにぎやかです。海辺のお祭りです。
 どこへ行っても芸能人見物めあてに、すごい数の人たちが集まってきます。
 こどもさんたちも多い。

 ゴール前のバッテリー電池切れでドタバタ騒ぎは、ちょっとうるさすぎるかなあと感じました。
 この番組の場合、ゴールはあってないようなものなので、ゴールできなくてもだいじょうぶですよ。  

2024年04月10日

いろいろおふろはいり隊! 穂高順也・作 西村敏雄・絵

いろいろおふろはいり隊! 穂高順也・作 西村敏雄・絵 教育画劇

 絵本の帯に、『おいしいおふろ、しょうかいします!』とあることからピンときました。
 お料理が関係している絵本に違いない。
 絵本の表紙をめくると、お顔が描いてあるタマネギさん、マイクを両手に持ったニンジンさん、ジャガイモさんの絵が、コンニチワと声をかけてきます。
 おふろ=お鍋(なべ)じゃないのかな。(あたりました)

 業務用の大きな台所です。
 ニンジンさんが、右手にマイクをもっています。かわいい。
 『おふろはいり隊』のメンバーは、ニンジンさんと、ジャガイモさんと、タマネギさんです。
 きっと、カレーとか、シチューとか、おでんとかの料理がでてくると予想します。(カレーとシチューはあたりました。おでんは、はずれました)

 カレーのおふろから出たおふろはいり隊のメンバーは、カレーのお鍋を出て、次のお鍋へ向かいます。
 ビーフシチューです。クリームシチューもあります。
 お肉がおいしそうです。
 この絵本を、親戚のちびっこにプレゼントする候補の絵本の一冊にしました。
 
 意外なところを突かれました。(つかれました)
 おみそ汁です。コンソメスープもあります。(なるほど。思いつきませんでした)
 
 みんなで、日焼けに行くそうです。なんだろう。
 電子レンジでした。なるほど。
 電子レンジの中の料理はパスタに見えますが、グラタンかもしれません。
 グラタンでした。エビさんやマカロニさんもいます。
 
 次は、せいろ蒸し(むし)です。アイデアが豊かな絵本です。
 たくさんの料理のパターンがあります。
 せいろ(蒸籠。むすかご)の中は、サウナ状態です。
 シューマイさんもいます。でも、シューマイには顔は書いてありません。
 
 サウナを出たから今度は冷たいおふろにはいるそうです。
 長いもをすりおろしたおふろに見えます。
 ながいもではありませんでした。てんぷら粉でした。
 おふろはいり隊のメンバーは、てんぷらになるのか。
 うまくできた絵本です。
 あぶらのおふろはあっついぞーー
 さんにんさんが、『あちちちちーー』です。漫才(まんざい)みたい。

 さいごにてんぷらになったニンジンさんが、両手でマイクをもって、絵本読みをした人に感謝のごあいさつをします。
 『いかがでしたか。おたのしみいただけましたか?』
 パチパチパチーー はくしゅーーです。
 よかったよーー 楽しめましたーー おつかれさまでしたーー

 天丼が(てんどんが)できあがりました。
 きれいな絵でした。ありがとう。  

Posted by 熊太郎 at 07:21Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2024年04月09日

ねえさんといもうと シャーロット・ゾロトウ 酒井駒子

ねえさんといもうと シャーロット・ゾロトウ文 酒井駒子・絵と訳 あすなろ書房

(1回目の本読み)
 絵本ですが、ひととおり読んで、類似の絵本を思い出しました。お留守番が素材になっていました。思い出してみます。
 『あさえと ちいさいいもうと 筒井頼子(つつい・よりこ)・さく 林明子・え 福音館書店』以下、感想の一部です。
 読み終えてしばらくして思ったことです。
 いまどきの『ヤングケアラー』のようです。
 兄弟姉妹における長男、長女の立場を語る絵本です。
 こどものころは、長男、長女が、弟、妹のめんどうをみるのです。
 上のポジションにいる人は、がまんを強いられます。(しいられます)
 長男、長女の立場であることのつらさが表現されています。

 さて、こちらの絵本のほうは、二度目に読んだ時、さきほどの絵本とは内容がちょっと違うなと感じました。

 酒井駒子さんの絵が優しい。(やさしい)。
 淡い色、柔らかい(やわらかい)色調です。とても優しい。
 姉と妹が、お互いを思いやる内容です。
 姉と妹です。妹と姉の物語です。

(2回目の本読み)
 表紙に、シャボン玉を飛ばしている姉妹の絵があります。
 表紙の裏は布地です。おしゃれで、味わいがあります。高級感ありです。
 酒井駒子さんが描く絵本は、絵画集のようでもあります。
 お話では、『姉が妹のめんどうをみる状態』から、『妹が姉のめんどうをみる状態』に変化する展開があります。ふたり姉妹とか、ふたり兄弟のパターンです。
 だいじなことは、安全であること。平和であることです。
 小学校一年生ぐらいの姉と、2歳~3歳ぐらいの妹に見えます。
 姉は、母のようでもあります。
 姉が妹に、お裁縫(さいほう)を教えます。
 泣いている妹を泣きやませます。
 姉はいつも、妹に教える立場にあります。
 先駆者(せんくしゃ。道を切り開く人)です。
 姉はしんどい。姉はいつか、自分がおねえちゃんでいることをやめさせてと、ママに言いそうです。
 
 いっぽう妹は、ある日、姉に指示されることがイヤになりました。
 この点が、最初に出した絵本、『あさえと、ちいさいいもうと』とは違います。
 どちらの妹も、勝手にないしょで、家の外に出て行ってしまいます。
 行方不明になるのです。さあ、たいへんです。
 
 こちらの絵本の妹は、草原(くさはら)に入って行って、草の中に隠れて(かくれて)しまいます。
 あちらの絵本の妹は、ひとりで近所の公園に行ってしまいます。
 思いやりとか、兄弟姉妹間の愛情の話です。
 
 レモネードとクッキー:レモネードは、レモンのなかに、ハチミツ、シロップ、砂糖などを入れた飲み物です。ホットだと、あったかい飲み物になります。

 助け合いがあります。
 以前テレビで見たどっきり企画の番組を思い出しました。
 おすもうさんの兄弟でした。
 たしか、弟のおすもうさんが、(ウソで)400万円貸してくれと兄であるおすもうさんに頼むのです。
 兄は、理由も聞かずに、『いいよ』と返答してくれました。弟に、お金を何に使うのかとは問いませんでした。
 『(理由は言わなくていい)必要なんだろ。いいよ。』(お兄さんが太っ腹(ふとっぱら)で感心しました。  

Posted by 熊太郎 at 07:12Comments(0)TrackBack(0)読書感想文