父からの手紙 小杉健治

父からの手紙 小杉健治 光文社文庫

 2003年の作品でロングセラーです。ふたつの流れがあります。ひとつ目は、阿久津麻美子を中心にした阿久津ファミリーで殺人事件発生、ふたつ目は、秋山圭一を中心にした秋山ファミリーで自殺の話。今、130ページを過ぎたあたりを読んでいます。ふたつのファミリーの話がどこかでつながるはずです。
 10年間、年に1回、阿久津麻美子に両親離婚後別離した父から手紙が届く。東野圭吾「手紙」とか三浦しおん「のの花通信」を思い浮かべます。
 
 阿久津麻美子24歳には弟信吾と母がいる。麻美子には婚約者がいるが、金づるがらみのわけあり婚約者である。
 秋山圭一40歳はどうもやむにやまれない理由によって悪徳警察官を殺害した過去があり、9年間の服役を終えて刑務所を出所したところから始まる。
 秋山圭一の身の上話が続きます。

(つづく)

 阿久津麻美子の婚約者の遺体発見、婚約者の愛人の遺体発見は、加害者は婚約者の模様。
 そのほか、首つりが出てきて、なんだか、遺体がたくさん出る物語です。
 女の本音の部分(ろくでなしの夫が死んでよかった。だけど、それを表面には出さない)がいい。
 不倫の話。娯楽小説です。
 殺人犯人は「父」というような設定で進み始めます。
 毎月20万円養育費を仕送りしてくれる離婚後に別れた父です。
 父親からの手紙の内容は牧師の言葉のようで父親の実感がありません。どこもぎくしゃくとしていてどうしてこの作品がロングセラーなのだろうと思い始めました。
 277ページまできて、父親に関するからくりに気づきました。手紙の筆跡はどうなっているのだろう。全体で428ページです。とても長い。
 過去を追い求める小説です。出会いが偶然ばかりです。一人称のひとり語り記述が延々と続きます。父親の生存確認は戸籍でできるのにと思いながら読んでいます。
 保険金殺人ではないか。最後の手紙は胸を打ちました。
 しかし、長かった。
 調べた単語類として、「喚く:わめく。読めませんでした」、「義姉:ぎてい。もしくは、おねえさん」、「青砥駅:あおとえき」、「JR香田駅:関東地方に設定した架空の駅」、「慙愧:ざんき。反省して恥じ入る」、「縋る:すがる」、「傲岸不遜:ごうがんふそん。いばって人を見下す」