2018年02月07日

崩れる脳を抱きしめて 知念実希人

崩れる脳を抱きしめて 知念実希人(ちねん・みきと) 実業之日本社

 殺人推理小説を予想しましたが、違っていて、ラブストーリーでした。そして、お金の話です。
 26歳の研修医が2歳年上の患者を姉のように慕い恋する。ちょっと、ストーカーぽい。
 先生と呼ばせる特殊な世界です。

 黒猫の香箱座り(こうばこずわり。ネコが前足を横にして座る姿)がまず伏線です。

 漢字とか読みへのこだわりがこれまた伏線です。

 セリフが多いなあ。映像化が意識してあるのだろうかとも思いましたが、これが、この作家さんの作風です。

 時間の感覚が作者とわたしでは異なります。
 作者は、20分間が長時間だと表現しています。わたしには、たった20分間です。作者はタイムイズマネーの人です。ほかの部分でも、30分、1時間を長時間としてあります。わたしにとっては、たった30分、1時間です。

 印象に残った表現です。「超高級姥捨て山」という高級病室をもつ別荘地にある病院。脳の病気を「爆弾」、そして、カウントダウンは時限爆弾。運命の相手(結婚相手)がまだ現れない。混合病棟(病気の種類が)

 ありえない医師と患者の関係ですが、これは小説です。

 90歳過ぎのおばあさんが危篤で、こんなに慌てることはないのではないか。幸せな大往生です。

 爛れた先生:ただれた先生。漢字を読めませんでした。

 わたしには、海の波の音は、安眠を妨げる騒音としか思えません。

 九州に滑落死するような険しい山はほぼない。

 構成が珍しい。1章、2章で、プロローグ、エピローグ付きです。序破急で三章組みがふつうの構成と思うが、否定するものではありません。

 さまざまな設定はありえたとしても特異です。(特別に他とは違っている。)

 広島市、福山市、横浜市、葉山、鞆の浦(とものうら)、地域重視の小説です。

 いろいろな手法がなんだかなあ。無理やりでこじつけに受けとめました。  

Posted by 熊太郎 at 18:49Comments(0)TrackBack(0)読書感想文